コロナ禍がチャンス?!ライブコマース最前線

ウィズコロナ時代を生き抜くための取り組み

コロナ禍による巣ごもりが続き、旅行に行けず、実店舗にも行くことができない。そんな今だからこそ、「ライブコマース」という新しい手法に着目する企業が増えています。そこで、今回はアメリカ・日本・中国の3カ国からライブコマースをうまくを活用している企業をピックアップし、その実例を紹介していきます。

ライブコマースとは?

「ライブコマース」とは、ネット上の動画配信プラットフォームで商品・サービスに関する生放送を行い、販売する方法のことです。

「それってテレビショッピングと何が違うの?」と思われるかもしれませんが、実は大きな違いがあります。それは「双方向のコミュニケーションが可能」であるということです。ライブコマースでは、視聴者が商品やサービスに関する疑問をコメントすることができます。送られてきたコメントは、配信者側にもリアルタイムで表示されるため、その場で疑問に答えることができるのです。

これまでの主流は「KOL(Key Opinion Leader)」と呼ばれる、専門知識を持ったインフルエンサーと協力して配信する形態でしたが、コロナ禍の現在では様々なライブコマースが誕生してきています。

実店舗が休業を余儀なくされライブコマースに進出

新型コロナウィルス感染拡大に伴い、実店舗の休業を余儀なくされた企業が、続々とライブコマースに進出しています。その代表例の一つがニューヨークで2018年にオープンした商業施設「SHOWFIELDS」です。

出典:SHOWFIELDSホームページ

SHOWFIELDSは体験型マーケティングをコンセプトにした商業施設で、「世界で一番面白い店」を目指した独特の店作りが魅力です。例えば、ブランドごとに展示エリアを仕切り、それぞれの世界観を表す内装にすることで「ミュージアム感」を醸し出したり、子供などが楽しめるすべり台を設置するなどしてアミューズメントパーク要素を盛り込んだりもしています。

しかし、本来は最大の売りであったはずの「体験型」というコンセプトが、パンデミック下では最大の欠点に。実店舗はコロナウイルスの影響でクローズせざるを得なくなってしまいました。

そこで、SHOWFIELDSが起死回生の一手として打ち出したのがライブコマースでした。

出典:SHOWFIELDSホームページ

ライブコマース用のプラットフォームを用意し、キャッチーなテーマに合わせた商品をインフルエンサーが紹介するという内容で放送しています。なお、生配信は見逃しても見ることができるようになっています。

三越伊勢丹もお中元ライブコマースを開催

ライブコマースを取り入れる動きはデパート業界にも広がってきています。例えば、三越伊勢丹ではお中元ギフトに焦点を合わせてライブコマースを開催しました。

三越と伊勢丹、それぞれのデパートのバイヤーさんが出演し、ゲストとともにおススメの商品をプレゼンテーションしながら進行します。第一回ではTwitterで人気のイラストレーター・杏耶(あや)が出演、第二回はアートディレクターのナカムラクニオさん、第三回では「金田一少年の事件簿」や「神の雫」の原作者として知られる亜樹 直(あぎ ただし)さんが出演しています。

出典:三越伊勢丹ホームページ

視聴者も気軽にコメントができる和気あいあいとした雰囲気で、とても見やすい番組に仕上がっています。

配信は非常に好評で、第一回・第二回の配信では合計視聴者数が3万人を超えています。ライブコマース効果もあってか、5月の売上は前年比2倍を記録しているとのことです。コロナ禍の今、前年度比を上回るのは非常に勇気づけられる結果ですね。

ライブコマース先進国・中国の現状

意外に思われるかもしれませんが、実は中国は今IT化が非常に進んでいます。例えば、中国では電子決済が普及しており、都心部ではほとんどの人が財布の代わりにスマホを持ち歩くほど。

そんな中国ですから、もちろんライブコマースの分野でも先進国です。アリババなど大手のネット通販事業者が数年前から大々的に宣伝しており、最近は多くの企業で取り入れられています。

とはいえ、伝統を重んじる老舗店などでは、導入していない店も珍しくはありませんでした。そんなお店の一つが北京に店を構える創業167年の老舗靴屋「内聯昇」です。

出典:JTBホームページ

宮廷官僚の靴を手がけるなど、確かな技術と伝統で愛されたお店でしたが、1月末から休業。4月初旬に再開したものの、客足は戻りませんでした。

そこで、危機を乗り切るために新たに始めたのがライブコマースでした。ベテランの靴職人が直に出演し、「千層底」と呼ばれる布靴の紹介などを行いました。

職人の口から語られる靴の紹介の新鮮さと、直接見るからこそ分かる靴の品質の高さなども相まって、回を重ねるにつれて人気が上昇。とある放送回では、動画の評価欄に4万もの「いいね!」を獲得するなど、高いPR効果を実現しました。

これによって前年度比の半分程度まで売上を回復させただけでなく、ネットを利用したことで若年層の客が増えたといいます。コロナウィルスが終息し、これまで中心となっていた中高年の客が戻ってくれば、これまで以上に人気を博することになりそうです。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大によって、社会全体が大きな影響を受けています。しかし、こうした状況でも、多くの企業が生き残りをかけた新たな手を模索し続けています。創意工夫を働かせて、皆と一緒にwithコロナを生き抜いていきましょう。

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