ベトナム進出の日系企業とコロナ禍
はじめに
新型コロナウイルスの大流行は、世界の経済に打撃を与えています。
未だに完全な終息が見えず、長期化によるマイナス影響が、海外進出した日本企業にも及んでいます。
「JETRO(日本貿易振興機構)」が行ったアンケートによると、ベトナム進出した日系企業がすでにマイナス影響を受け始めています。ここでは、ベトナムにおいて、コロナウイルスの影響を受けた日系企業の状況についてお伝えいたします。
(参照:JETRO 新型コロナウイルス後の事業展開に関する緊急アンケート調査)
コロナに翻弄されたベトナム進出日系企業
アンケートの概要
JETROは、日本企業の新型コロナウイルスによる現在の影響と、今後の見通しについての調査を実施しました。調査方法はウェブアンケートです。調査対象会社は、全部で1974社。そのうち、631社(回答率32%)から回答を得ました。
*回答のあった企業の業種:製造業326社、非製造業305社。企業の規模:大企業369社、中小企業237社、日本に親会社がない25社。所在地:ベトナム北部230社、中部26社、南部375社。
現時点での売り上げ
2020年1月から6月の半年間の売り上げが「減少した」と回答した企業は、65%もいました。逆に「増加した」のは13%、「変化なし」が19%、「分からない」が3%でした。
「増加した」また「変化なし」と、特にコロナの影響を受けていない企業は、32%に過ぎません。その倍にあたる、65%もの日本企業が、収益減少という残念な結界になっています。コロナによるマイナス影響は、明らかです。
前年度と比べ、売り上げ減少割合は、「21~30%減少」が20%、「11~20%減少」が18%、「31%以上減少」が18%ということです。
通年での売り上げ見込み
売り上げ見込み(2020年度)については、「減少」と回答している企業が65%、「増加」と回答している企業は15%、「変化なし」は12%、「分からない」は8%です。6割の企業が、コロナウイルスによる収益減少を見込んでいます。
全般的な影響
どれほどの影響が出たか?
コロナウイルスは、ベトナムの日本企業にどれほど影響を与えたでしょうか?「極めて大きい」が18%、「大きい」が40%、「ある程度」が38%、「影響なし」が3%、「分からない」が1%、というデータ結果が出ています。
コロナのマイナス影響を感じていないのは、たった4%です。今回のコロナで、96%!ほとんどの企業がマイナス影響を受けました。
具体的なマイナス影響
1番大きなマイナス影響は「渡航制限・入国制限」と、約90%の企業が回答しています。2番目は「ベトナム国内での移動制限」65%。3番目は「国内市場の低迷」57%。そして、「海外市場(輸出)の低迷」56%。と、このように報告されています。今回のコロナウイルスは、入国制限・国内移動制限・国内海外市場の低迷により、収益減少につながったと考えられています。
まとめ
ここでは、ベトナムでの状況をお伝えしましたが、世界中でコロナのマイナス影響が出ています。マイナス影響の大きな要因となっているのは、渡航制限・移動制限・輸出制限でしょう。今はコロナウイルスの終息と、早期の渡航制限解除を願うばかりです。
ですが、このような状況の今、「アフターコロナ」を見据えて、準備を行うことは可能です。
ベトナムに関しては、日本とのビジネスの関わりも多く、今後も発展の可能性を持っています。ベトナムは「親日国」なうえに、日本の科学技術を吸収したいと思っています。今後も、ベトナム進出と、ベトナム人向けインバウンドに力を入れてゆくことが出来るでしょう。
株式会社アットグローバルはベトナム語翻訳(https://www.atglobal.co.jp/translation/languages/vietnam)、企業のベトナム進出(https://www.atglobal.co.jp/vietnam_support)、ベトナム向けデジタルマーケティング(https://www.atglobal.co.jp/marketing/vietnum)のお手伝いをしています。
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