ウィンタースポーツブームに沸く中国

インバウンド需要,中国語

はじめに

中国は、空前のウィンタースポーツブームです。

その経済効果も凄まじく、2025年にはウィンタースポーツ産業は1兆元(約16兆円)に達すると見込まれています。そして、ウィンタースポーツ人口は、3億人になるだろうと予測されています。参照記事はこちら

中国ではウィンタースポーツはメジャーではなく、スキー・スノボを楽しむ人はごくわずか(ほとんどの人が未経験)でした。中国の北方はとても寒い地域ですが、乾燥していて降雪量が少なく、スキー場は人工雪です。

近年は、海外でのスキー体験や、SNSインフルエンサーによる影響により、ウィンタースポーツ熱が高まってきました。2022年には、北京冬季オリンピックが開催される予定ですので、このウィンタースポーツブームにますます拍車がかかりそうです。

2022北京オリンピック

2022年2月4日~20日、中国で初めて冬季オリンピックが開催されます。オリンピックの開会式と閉会式は、かつての北京オリンピック(2008年)のメイン会場、「鳥の巣」と呼ばれる国家体育館です。

競技が行われるのは、北京市(beijing)と、北京郊外の延慶区(yanqing)、そして張家口市(zhangjiakou)です。15競技、109種目を実施する予定で、これは過去最多数です。カーリング・フィギアスケートなどの氷上競技は、北京市で開催され、スキー・スノーボードなどの雪上競技は、延慶区と張家口市で開催されます。(参照:OLYMPIC CHANNEL

スキー・スノーボード競技が開催される、張家口市の雲頂スキー場(英語名「Genting Resort Secret Garden」)のリフト券は、1日570元(約9,200円)、2日で850元(約14,000円)と日本よりも高額です。

張家口市の年間降水量は406mmと、雨の少ない地域です。(日本の降水量は1718mm)中国の北方は、乾燥していて雪が降らないので、スキー場は人工雪です。「雪質」は大丈夫?と思うかもしれませんが、2月の平均気温はマイナス5度(出典:wikipedia 張家口市)なので、問題はありません。

「インスタ映え」するゲレンデ

近年のスキーブームを加速させたひとつの要因は、インフルエンサーによるSNS投稿です。中国版インスタグラム「小紅書(RED)」などで、「ビキニ姿でポーズをとる美女」が人気でした。高級ブランドのスノボを抱えてゲレンデに立つ美女が「映える」ということで、ウインタースポーツのイメージが上がったのでしょう。

今は、「スノボ上級者」(女性も男性も)の投稿動画が増え、多くの「いいね!」を獲得しています。

キッズも負けていません。カッコいい滑りを披露し、お兄さんやお姉さんよりも多くの「いいね!」を獲得しています。

中国は、「スキーがいけてる時代」からスタートし、最近は「家族のレジャー」に変わりつつあるのでしょう。

街中でもスキー教室や屋内スキー場がある

中国国内では、屋内のスキー場が増えています。人工雪とAI技術によって、本物のようなスキー場を作り出しています。そして、子供にスキーを習わせる人たちが増えています。

中国の広州(香港の近く)の、屋内スキー施設が場がYouTubeで紹介されています。雪が降らない暑い地域ですから、特にウインタースポーツに興味があるのでしょう。面白いのは、このスキー場の向かいは、プールです。季節関係なく、楽しみたいレジャーが楽しめます。

スキー用品が売れている

スキー用品も、売れ行きが好調です。スノボの有名ブランド「BURTON」も、中国の都市部に旗艦店ができました。


有名なインフルエンサーが着ていた「BURTON」のAKシリーズには、プレミア価格が付いているとのことです。

中国の大手ECモール「TMALL(天猫)」でも、たくさんのスキーウェアが販売されています。「BURTON」などブランド品も売れていますが、ハイブランドではない価格帯のスキーウェア、その他のスキー用品も売れ行き好調です。

出典:TMALL

日本のゲレンデを目指す中国人

日本のパウダースノーは「japow」と呼ばれ、絶賛されています。近年は、スキーインバウンドで盛り上がっていました。前述のとおり、中国のスキー場は人工雪ですので、パウダースノーを体験したい中国人観光客がゲレンデを訪れ、「爆買い」ならぬ「爆滑り」なんて言われていたほどです。

現在のこのコロナ禍で、日本のインバウンドは低迷しています。ですが、コロナ収束後は、また大勢の中国人観光客がゲレンデに来るでしょう。アフターコロナを見据えて、今から、多言語表示の充実・Wi-Fiの整備など、インバウンド対策を行なっておきましょう。

まとめ

10年近く前の話になりますが、私も北京郊外にある人工雪のスキー場に行ったことがあります。そのころは、まだまだ珍しいレジャー施設でした。ゲレンデもそれほど大きくなく、お客さんも少なかったので、“ゲレンデ独り占め” の贅沢なスキーを楽しみました。

ただ一つ残念だったのは、人工雪の雪質が硬く “アイスバーン” になっていたことです。改めて思いますが、日本の「雪」は素晴らしいです。サラサラしていて「japow」と世界から絶賛されるわけです。

日本のパウダースノーは、世界に誇れる「観光資源」です。アフターコロナには、世界中から日本のゲレンデに人々が集まるでしょう。スキーインバウンドは、今後も発展性のある分野です。今から、お客さんの受け入れ体制を整えておきましょう!

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