アフターコロナに向けて観光地がとるべき施策とは?(後編)

インバウンド需要

はじめに

特集の前編では、コロナが観光業界に与えたさまざまな影響について述べました。

後編では、アフターコロナに向けてどんな対策を取ることができるかを考えていきます。公益財団法人 中部圏社会経済研究所のレポートから、今後の観光業の復興に役立つポイントをご紹介します。

アフターコロナに向けて取るべき施策

感染症対策は事業者と顧客の共同作業

中部圏社会経済研究所のレポート(以下、レポート)では、コロナ対策を観光施設側が行なうのはもちろんですが、観光客の側にも行なってもらう必要があると指摘しています。やはり、普段からコロナ対策をきちんと行っている人を観光客として呼び込むことが非常に重要だからです。

レポートによれば、年一回以上観光旅行に行くのは国民の半分、普段旅行をしない人たちも国民の半分という割合だということです。今後は、旅行に出かける頻度は高くてもきちんと感染症対策を行なえる人、それから、旅行の頻度は低いが感染症対策をしっかりと行える人たちを誘致してゆくことが重要であると述べています。

感染防止対策を具体的に示す

ホテルのウェブサイトなどに「県のガイドラインに従っています」と書かれているのをよく目にしますが、そもそもこの「ガイドライン」が何なのかについての認知度が低いのが問題でしょう。具体的にどのような対策を行っているのかを提示したり、「認証制度」を地域全体で行なってゆくことが必要です。

“おしゃれ” な事例としては、飲食店のソーシャルディスタンスを保つために「マネキン」を置いたケースがあります。「ソーシャルディス子」「ソーシャルディスお」「ソーシャルディスヨちゃん」が座席にいることで、雰囲気を壊さずに感染防止対策を行っています。面白い発想ですね。

出典;平泉ランチ&クラフトビール The BREWERS

観光のハイブリッド化

今後は「観光」のあり方を変えてゆく必要もあるでしょう。観光客に実際に来てもらうことが難しいので、オンラインでの「バーチャルツアー+物販」の組み合わせで、地方の経済活性化をはかることが出来るでしょう。これまで観光に来てくれていたリピーターを繋ぎとめるためにも、オンラインのバーチャルツアーを実施し、継続して情報発信を行うのです。ですが、それだけでは採算が取れないので、物販を組み合わせることが大切です。例えば、8,000円程度の商品を、バーチャルツアー付きで1万5000円で販売します。そのようにして得た差額(利益)は、クラウドファンディング的な地元応援となり得ます。

このような “ハイブリッド” なコミュニケーションを行ってゆけば、事前につながりのある観光客は責任ある行動をとってくれるはずです。観光をハイブリッド化することで、結果的に感染対策をきちんと行なってくれる観光客を誘致することができるでしょう。

公的なファンドによって地域全体をコントロール

レポートによれば、公的なファンドを立ち上げて地域全体を守ることも提案されています。民間のファンドの場合、その施設だけは安い値段で観光客が集まるものの、地域の他の施設には観光客が訪れないケースが多いと言われています。公的ファンドによって、ある施設を買い取ったのちに運営を地元の業者にゆだねることで、地域の魅力を守りながらコロナ禍を乗り切ることができるでしょう。

また、その場所が “家族客” に強い施設であれば、別の施設は “カップル向け” に特化するなど、地域全体でのコントロールを図ることが必要になるかもしれない、とレポートでは述べられています。

まとめ

前編・後編で、アフターコロナに向けて観光地がとるべき施策のいくつかを紹介してきました。コロナ禍で受けた影響は大きいですが、今後の日本の観光業の復興、地方の経済活性化のために、これらの情報を参考にしていただけたら幸いです。

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