コロナ禍での外国人支援策(西日本編)

ウィズコロナ時代を生き抜くための取り組み

はじめに

長引くコロナ禍にあって、私たち日本人だけでなく在日外国人にとっても苦難の日々が続いています。

この状況下で、外国人に対するどのようなサポートが行なわれていたのでしょうか?今回は、西日本エリアでの取り組みをご紹介します。

食料配布

コロナ禍による失業や貧困は世界的な問題となっていますが、日本在住の外国人も例外ではありません。外国人への食料支援を行った、福岡県と沖縄県の取り組みをご紹介します。

福岡県の場合

引用: 一般社団法人YOU MAKE IT

一般社団法人YOU MAKE ITは、2021年6月に2回、福岡在住の外国人に無料で食料の配布を実施しました。コロナ禍によって給与が減ったりや失業してしまうなどで生活が困窮してしまい、食事も十分にとれないような外国人に対し、無償でのサポートを行いました。

6/6(日)と6/9(水)の2日間開催されましたが、事前予約制が取られました。受付開始後にすぐに定員に達してしまったため、早々に締め切らざるを得ませんでした。おそらく、食料配布を受けたかったのに受けられなかった外国人は多かったのではないかと考えられます。コロナによる外国人の生活困窮の問題が深刻化していることが想像できます。

一般社団法人YOU MAKE ITは、外国人向けの「健康相談コーナー」を設置して、外国人が保健師による相談を受けられるようにしました。このようなきめ細やかな支援と対応は、在日外国人にとって大きな助けとなったでしょう。

沖縄県での食料配布

引用:那覇市

沖縄県那覇市では、市民活動でのボランティアとボランティアを望んでいる団体のマッチングを助ける「なは市民活動センター」が開設されています。2021年3月に、当センターは沖縄とベトナムの架け橋となる活動を行いました。

ジャッキーステーキハウス(1953 年 「ニューヨークレストラン」の暖簾分けとして嘉手納にオープン、1961 年より辻町に移転)は、30食分の牛丼をベトナム人留学生・技能時実習生のコミュニティーに提供しました。創業当時から変わらない味と価格とボリュームで人気の当店もコロナ禍の打撃を受けましたが、少しでも地域に貢献したいという熱い思いから、支援を必要としていたベトナム人へのサポートを行いました。

今回提供された牛丼は、ベトナム人スタッフによってベトナム人好みの味付けにされ、パッケージにはベトナム国旗を飾る工夫がなされました。ただ単に牛丼を届けるだけではなく、ベトナムの人たちに喜んでもらいたいという店側の思いとメッセージが込められました。

多言語対応

コロナ禍において、言語の違いが大きな障壁となることがあります。ですが、十分なコミュニケーションが取れないことで、感染を拡大させるようなことがあってはなりません。ですから、外国人も日本人も言葉の壁を克服する必要があります。ここでは、多言語での対応に取り組んでいる佐賀県と大阪府のケースをご紹介します。

バーベキューを控えるようにとのPR

引用:公益財団法人佐賀県国際交流協会

公益財団法人佐賀県国際交流協会は、2021年5月、佐賀県在住の外国人に向けて「COVID-19について大事なお知らせ」として「友人とのBBQを控えてください!」と呼びかけるサイトを多言語で展開しました。屋外バーベキューをする人が増加したこと、マスクなしでの長時間にわたる大きな声での会話や食事など、コロナ感染拡大の温床になることを懸念しての措置です。

また、ほかにも、多言語での電話相談窓口が準備されています。心配事や不安に思うことなどを気軽に相談できる、LINE・Facebook Messengerでの無料相談も行われています。佐賀県は独自に、在日外国人へのサポートに力を入れています。

薬局の店頭で使える外国人対応マニュアル

引用:大阪府

大阪府は、薬局店頭で使用できる「外国人対応マニュアル」を、多言語で作成しました。このマニュアルの内容は、①一般会話、②症状等の確認、③クスリの効能・効果、④クスリの種類、⑤クスリの使用方法、⑥その注意点が図解付きで説明されています。このマニュアルにより、多くの外国人の心配や不安を軽減しようという試みがなされています。

日常的な会話、薬局に来た目的、症状の確認などが、日本語・韓国・朝鮮語、中国語(簡体字/繁体字)・英語で展開されています。例えば、薬の種類や使用方法は、内服薬と外用薬に分けて図解されていて、非常に分かりやすくなっています。服薬の際の注意事項についての図は、赤で表記されており、視覚的にすぐ気づくように記載されています。

コロナ感染者が増える中で、薬局が外国人対応をしっかりと行えることは非常に重要なことです。このようなマニュアルがあれば、コロナもそうですが、他の病気の際にもスムーズに対応できます。大阪府のこのような取り組みは、在日外国人と薬局双方にとってメリットの大きいものであることは間違いありません。

就職のサポート

コロナが長引き、職を失ったり収入が減ったりして困窮する外国人に対し、就職のサポートを行う公的サービスが増えています。今回は、大阪府のケースをご紹介します。

大阪府のケース

引用:公益財団法人大阪国際交流センター

公益財団法人大阪国際交流センターは、日本に滞在する外国人留学生向けに「日本で就業するための知識講座」を開催しています。日本企業に就職するために必要なアドバイスを、知識と経験豊かなアドバイザー講師が無料で講座を開いています。

自己PRの仕方、志望動機の書き方、対面型の面談での注意点、質問の仕方、就活スケジュールに関する情報、外国人留学生OBの就活体験談などが紹介されます。外国人には不慣れな日本独特の「就活」に関する知識を得てもらおうという取り組みは、外国人にとって非常に有意義でしょう。

まとめ

日本全国で、さまざまな団体が外国人支援を行っていることが分かりました。コロナのワクチン接種が進んでいるとはいえ、アフターコロナまではまだしばらく時間がかかるでしょう。在日外国人の日本での生活をサポートし、この難しい時代を一緒に乗り切っていくことが大切ではないでしょうか。

インバウンドプロモーション外国語サポートを必要とされる方は、
ぜひ「アットグローバル」にご相談ください。
見積もりやご相談は完全に無料です。こちら からどうぞ!