コロナ禍での外国人支援策(東日本編)

ウィズコロナ時代を生き抜くための取り組み

はじめに

なかなか収束が見えないコロナ禍で、人々の行動が制限されています。日本人だけでなく、在日外国人にとっても苦難の日々が続いています。政府をはじめとする公的機関が、在日外国人へのさまざまな支援を行っていますが、生活の困窮や就労の機会を失なうなど大きな痛手を負っています。

では実際に、日本各地でどのようなサポートが行なわれたのでしょうか?ここでは、東日本エリアの取り組みをご紹介します。

食料配布

函館市の食料配布

函館に拠点を置く一般財団法人北海道国際交流センター(以下HIF)は、人々の交流を通して国際相互理解の推進に努めている団体です。ホームステイプログラムや、グローバルキャリア形成などにも尽力しています。特にこのコロナ禍においては、生活に困窮している外国人に対する支援を行いました。

北海道に緊急事態宣言が出され、在住外国人も厳しい生活環境に置かれてしまいました。HIFは、三菱財団と中央共同募金による「食料品詰め合わせ袋」を作り、外国人に配布しました。今回配布された食料品詰め合わせ袋には、米・クッキー・ジュースなどを中心とした様々な食品が入れられています。外国人の中には食べられない食品もあるので、申し込み時に中身の希望を調査することまでしました。例えば、イスラム教徒向けの肉が入っていない食品のセットを用意するなど、きめ細かい対応を行いました。

引用:一般財団法人北海道国際交流センター

秋田県での食料配布

秋田市の一般社団法人フードバンクあきたは、企業・生産者・市民から寄贈された食料品を、生活困窮者・児童・福祉施設などに無償で届けている団体です。フードバンクあきたと秋田大学が連携して、コロナの影響で経済的に困窮している留学生への食料支援に取り組んでいます。

今回の食糧支援は、フードバンクあきたが「コロナ禍で生活に困っている留学生がいるのではないか」と秋田大学へ働きかけたことがきっかけとなりました。大学側も「コロナ禍であっても、一人の脱落者も出さずに学生を卒業させたい」という強い思いを持っており、実現に至りました。

フードバンクあきたは、県民や地元企業などから寄付された食品(米、缶詰、カレールー、菓子など)を秋田大学キャンパスへ運び、支援を希望する留学生に配布しました。この支援は、2020年中に3回行われました。

多言語対応

ワクチン接種会場用多言語併記シート

引用:公益財団法人栃木県国際交流協会

公益財団法人栃木県国際交流協会(TIA)は、自治体等向け「新型コロナウイルスワクチン接種会場用多言語表記シート」を作成しました。日本語、やさしい日本語、英語、ベトナム語、中国語、タガログ語、ポルトガル語、スペイン語、韓国語、ネパール語、タイ語、シンハラ語、インドネシア語と、多言語で準備しました。このような多言語表記シートがあれば、各国から来ている外国人のワクチン接種時の混乱や不安を軽減することが出来ます。

TIAは国際交流と国際協力の促進を目的とし、多文化共生の社会づくりと国際感覚豊かな人材育成に寄与している団体です。外国人支援事業にも尽力しており、日本語学習・通訳・翻訳等の支援、とちぎ外国人相談サポートセンターの運営などを行い、県内在住の外国人をサポートしています。

履歴書

引用:公益財団法人栃木県国際交流協会

公益財団法人栃木県国際交流協会(TIA)は、「履歴書」の書き方の解説を10か国語で提供しています。対応言語は、英語・ベトナム語・中国語・タガログ語・ポルトガル語・スペイン語・ネパール語・タイ語・シンハラ語・インドネシア語です。このように多言語で解説されていれば、多くの外国人が日本での就職活動で感じる戸惑いや不安を軽減することができるでしょう。

ダウンロード用シートを開くと、日本でおなじみの履歴書用紙をダウンロードすることができます。同時に各言語での解説が付いていて、どの項目に何を記入すれば良いのかがすぐに分かるようになっています。親切・丁寧に書き方が説明されています。例えば、学歴に関しては「大卒ならば高校卒業から記入する」など具体的に解説してくれていますので、日本社会に不慣れな外国人でも簡単に「履歴書」作成ができるでしょう。

就職のサポート

宮城県のケース

引用:宮城県/東洋ワーク

宮城県では、留学生や外国人と宮城県の企業をマッチングさせる「WORK IN MIYAGI」という取組みを主催しています。日本で生活したい、働きたい、学びたいという留学生や外国人が、宮城県で就職できるようにサポートするという取り組みです。合同企業説明会・ツアー・交流会など、出会いの場を創出するだけでなく、専任のコーディネーターが採用から就職までをワンストップで支援しています。コロナ禍では、オンラインセミナーも開催しています。就活における日本語コミュニケーション、入社後のビジネスマナー、日本企業でのキャリア形成などについても丁寧に説明が行われ、外国人留学生たちの大きな支えになっています。

まとめ

コロナの終息にはまだしばらく時間がかかり、行動が制限されたり生活の不便が強いられる日々がまだ続くでしょう。ですが、在日外国人への支援も行なってゆくことにより、この難しい時代を乗り切っていきたいものです。

多言語対応や就活サポートなどは、「アフターコロナ」にも必要とされる支援です。今後を見据えた準備も行っていきましょう。

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