岡山を世界に売り込め!ーアフターコロナの新たな挑戦

世界的にワクチンの接種が進み、海外では大規模スポーツイベントなどが開催される国も出てきました。ようやく、アフターコロナの兆しが見え始めていますが、今からインバウンドの準備を行うのが良いでしょう。

岡山では、岡山を世界にアピールするための取り組みを始めています。ここでは、日本政策投資銀行岡山事務所の報告からその内容をご紹介していきます。岡山が打ち出している提言は、他の地域でも役立つものです。ぜひ、参考にして下さい。

観光客とビジネス客の違い

消費額に大きな差

コロナ前のデータになりますが、岡山県を訪れた外国人宿泊客の観光消費額単価は34,499円でした。それに対し、日本人宿泊客の消費額は25,291円でした。外国人旅行客の方が、岡山観光にかける金額が高くなっています。

ビジネス客はさらに消費額が大きくなる

岡山を訪れる外国人宿泊客で、その目的が観光かビジネスかによって消費額が大きく異なっています。観光目的の場合は、前述のとおり34,499円ですが、ビジネス目的では111,460円と観光目的の約3倍の金額が消費されています。

岡山県には観光資源が少ない?

JTBによるランク付け

JTB観光資源台帳によると、JTBは独自に各地域の観光資源についてのランク付けを行っています。特A級資源(Sランク)~特別地域観光資源(Bクラス)まで3段階のランクがあります。各ランクの定義は以下の通りです。

特A級資源(Sクラス)

わが国を代表する資源であり、世界に誇示しうるもの。日本人の誇り、日本のアイデンティティを強く示すもの。人生のうちで一度は訪れたいもの。

A級資源(Aクラス)

特A級に準じ、わが国を代表する資源であり、日本人の誇り、日本のアイデンティティを示すもの。人生のうちで一度は訪れたいもの。

特別地域観光資源(Bクラス)

その都道府県や市町村を代表する資源であり、その土地のアイデンティティを示すもの。その土地を訪れた際にはぜひ立ち寄りたいもの。また、その土地に住んでいる方であれば一度は訪れたいもの。

岡山県の場合

岡山県でSクラス認定されているのは、他県と共同で認定されている「瀬戸内海」のみです。残念ながら、岡山単独でSクラス認定されている観光資源はありません。

一方、Aクラスについては吉備津神社や後楽園など7つが認定されており、そのうち6つが岡山単独認定の観光資源です。

あなたの都道府県のランキングは?

JTBの観光資源台帳では、各都道府県の観光資源のランキング(2017年時点での評価)を調べることができます。検索項目は「都道府県」「市町村」「資源種別」「資源名称」「資源ランク」の5項目のほか、資源名称を直接入力する検索窓も用意されています。

このほか、最新評価版の観光資源台帳である「美しき日本 全国観光資源台帳」もありますが、こちらはまだ一部の都道府県にしか対応していません。目的の都道府県がまだ公開されていないようであれば、前述した(旧)観光資源台帳をご利用ください。

海外から見た日本旅行

どんな宿泊施設が求められているか?

出典:日本政策投資銀行

こちらの図表からもお分かりのように、多くの訪日外国人旅行客が「温泉のある日本旅館」「豪華で快適なホテル(西洋式)」を希望しています。傾向としてはアジアの人々が「温泉のある日本旅館」、欧米豪の人々が「豪華で快適なホテル(西洋式)」を希望しているようです。一方、「基本的な設備のみが備わっているホテル(西洋式)」で良いと考える人たちも一定数いるようです。

外国人が日本へ旅行したときにしたいこと

出典:日本政策投資銀行

上の図表を見てみると、「桜の観賞」「紅葉の観賞」「自然や風景の見物」など、日本の自然に関心を持っている人たちが非常に多いことが分かります。また、「伝統的日本料理」を味わうことも人気が高いようです。しかし、「日本の酒(日本酒・焼酎)」への関心度はいまひとつといったところです。

アフターコロナの新たな挑戦

コロナの影響により、日本全国で観光客が激減してしまいました。岡山もその影響を受けています。ですが、京都や大阪といった有名観光地に比べると、受けたダメージは小さいかもしれません。岡山はアフターコロナで “飛躍” するチャンスを生み出すために、今からインバウンドに力を入れ、旅行者が「ぜひ行ってみたい」と思う観光地になるための挑戦が必要となるでしょう。

行えることの1つは、「観光資源のハード面の強化・連携」です。具体的には、観光資源台帳に記載されるような観光資源を増やしてゆくこと、Bクラスの観光資源をAランクにあげる努力を行うことなどです。

例えばですが、Aランクの「後楽園」に隣接するBランクの「岡山城」をAランクへ引き上げることができれば、観光客の集客力がさらに高まるでしょう。

また、同エリア内には、まだランク付けされていない桜の名所として知られる「旭川」があります。前述したように、桜の観賞は旅行目的で1番人気ですから、外国人を誘致する観光資源として高いポテンシャルを秘めています。上手にPRしていけば、訪日外国人に人気の観光スポットとして評判が上がり、ランク付けされるようになることでしょう。

さらに、観光地への移動手段や乗換案内、周辺のお店紹介など、役立つ情報提供を行っていくことにより、訪日外国人観光客が快適に過ごせるような環境整備を行うことも必要です。

行えることの2つ目は、「観光資源のソフト面の強化・連携」です。具体的には、日本食・日本酒などの魅力を高めてゆくことなどが挙げられます。

2020年より、ミシュランガイドに岡山県のレストランが掲載され始めました。ミシュランガイドは、外国人が大いに参考にするものです。ミシュランガイドに掲載される日本料理店を増やしてゆくことができれば、今後外国人の集客に直結することでしょう。インバウンド対策として、非常に重要です。

しかし、前述したように「伝統的日本料理」の人気は高いのに、「日本の酒(日本酒・焼酎)」はあまり人気がありません。日本料理と日本酒は切っても切れない関係にありますから、日本酒人気を高めることができれば、日本料理の満足度・感動をも高めることができるでしょう。日本酒の人気が低い理由は、まだ “認知度” が低いということが考えられます。日本酒の魅力を広くPRしていけば、人気が上がってゆくでしょう。今後の “日本酒ブランディング強化” が重要なポイントといえます。

まとめ

訪日外国人旅行客は年々増加していましたが、コロナの影響により激減してしまいました。そのため、特に地方は大きな経済ダメージを受けています。コロナ前の状態に戻るには、まだまだ長い期間を要することでしょう。ですが、今からインバウンド戦略を練り、アフターコロナに向けた準備を行なっていくことが重要です。今回は岡山の例を考えましたが、他の地方も同じように対策を行ってゆくことができるでしょう。地方の魅力を、効果的にPRして下さい。

アットグローバルでは今からできるインバウンド戦略についての無料コンサルティングを実施しています。ぜひ気軽にご相談ください。

翻訳市場調査などの「外国語サポート」が必要な方は、
ぜひ「アットグローバル」にご相談ください。
見積もりやご相談は完全に無料です。こちら からどうぞ!