アフターコロナにおける四国のインバウンド戦略(前編)

インバウンド需要

はじめに

アフターコロナにおけるインバウンド需要の回復が見込まれています。中でも特に、富裕層向けの受け入れ態勢を整えることは、地域経済のプラスになることは間違いないでしょう。

ここでは、四国のモデルケースを紹介します。今後のアフターコロナ戦略に役立つポイントを見ていきましょう。

コロナ以前の動き

四国各県がインバウンド獲得に力を入れていた

2012年(平成24年)と2019年(令和元年)を比較すると、日本全体で、この7年間の外国人観光客数は3.9倍の増加が見られました。この数字だけでもビックリですが、四国のなかで香川県の数字は驚くべきものです。

香川県のインバウンド獲得は、実に7年間で16倍の増加となりました。2位は佐賀県の8.3倍ですが、それを大きく上回っています。四国の他の県は、愛媛県3.5倍、徳島県3.0倍、高知県2.7倍です。四国全体のインバウンド獲得は全国平均を下回っているので、いかに香川県がインバウンド獲得に大成功であったかが分かります。

 

しかしコロナでインバウンド蒸発

しかし、新型コロナウイルスの流行により、インバウンド需要が激減してしまいました。四国の2020年外国人延べ宿泊者数は、前年比で-85.5%(ちなみに全国比では-82.4%)と、全国平均以上の落ち込みが見られました。しかもこのデータは、コロナの影響がまだ少なかった2020年1、2月のことです。今後もこの状況が続くと、四国を訪れる外国人観光客は実質ゼロになってしまうでしょう。

アフターコロナに求められる戦略は?

来訪者数ではなく消費額に注目する

コロナが流行する前に、日本政府は外国人旅行者数を「2030年に6000万人」という目標を立てていました。しかし、訪日外国人が増加することによって生じる観光公害(オーバーツーリズム)問題を解決しなければなりません。

また、アフターコロナは、 “密を避ける” というニューノーマルの考え方になるでしょう。ですから、訪日外国人客の数をただ増やせばいいというものではありません。日本のインバウンドを活性化させ地域経済を支えてゆくには、訪日者数だけでなく、旅行者の「消費額」を上げることが重要となります。そのためには、観光の質の向上が求められます。

富裕層に来てもらう戦略を立てる

旅行者の消費額を上げるために、「富裕層」の誘致に力を入れましょう。富裕層のニーズにあった旅行プラン、サービス、宿泊施設、飲食、アクティビティーを準備することが不可欠です。地方(にしかない)貴重な観光資源を生かした、日本文化を味わえる質の高いプランを提供し、富裕層に興味を持ってもらいましょう。とくに、オーストラリア・ヨーロッパ・アメリカからの富裕層をターゲットにすることが良いでしょう。

富裕層の特徴とは?

出典:日本政策投資銀行

富裕層の旅行予算

日本政府観光局によると、「富裕層」とは1回あたり現地での消費額が1人あたり100万円以上の人(往復の航空券は含まない)と定義されています。この富裕層の旅行者は、世界中でわずか1パーセントにすぎませんが、消費金額の比率が全体の13.4%を占めています。

富裕層の消費総額は4.7兆円に及んでおり、これは2018年(平成30年)の訪日外国人観光客の消費総額4.5兆円を上回っています。訪日する富裕層1人の旅行消費額は、一般層の旅行者の12人分に相当しています。

富裕層の旅行者の特徴

出典:日本政策投資銀行

富裕層の旅行者は、旅行プランの “特別感” や “プライベートの確保” を重視しています。そして、“スケジュールの柔軟性” も望んでいます。過度に観光地化された場所、人込みで混雑した場所は好みません。そして、高価格帯であっても “高品質” な商品を購入します。提供されるサービスに関しても、“高い満足度” を期待します。富裕層が旅行にかける消費金額は、一般層の旅行者に比べ12.3倍となっている事からも明らかです。

富裕層の誘致に関する細かい分析は、後編でお届します。

まとめ

今後のインバウンドにおいては、富裕層へのアプローチが重要となります。アフターコロナは、日本の観光業界に求められることが変化してゆくでしょう。より「質」の高いサービスと旅行プランへの転換が求められています。

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