外国人富裕層旅行者が日本に期待しているものとは?【四国の事例から学ぶ】

インバウンド需要

はじめに

アフターコロナの旅行先として、日本の人気が高いのはご存知ですか?

日本は「観光大国」です。コロナが落ち着いたら、また大勢の外国人が日本を訪れるでしょう。もしかすると、観光業界が “リバウンド” するかもしれません。その時に備えて、インバウンドの準備を始めましょう。

ここでは四国の例を取り上げますが、地方都市の経済発展のためにどのようなお客様を「ターゲット」にするのがよいのでしょう?

四国に限らず、全国の地方都市の経済活性化に役立つ内容ですので参考にしてみてください。

外国人富裕層へのアンケート

リョカンコレクションとは?

「リョカンコレクション」とは、2004年に開設された日本旅館・小規模ホテルのコンソーシアムです。2021年現在47施設が加入していて、外国人の会員は6万人にも及んでいます。

リョカンコレクションが開設された目的は、日本の旅館文化の素晴らしさを世界に発信してゆくことです。「日本旅館を、世界のRYOKANへ」がコンセプトです。日本の旅館のクオリティを向上させ、世界の有名高級ホテルと肩を並べることを目指しています。

「日本びいきの外国人」に聞いてみた

日本政策投資銀行が、リョカンコレクションの会員239名を対象に、オンラインアンケートを行いました(2021年2月)。

リョカンコレクションに加盟している宿泊施設は、1泊1名5万円台と高級路線の旅館やホテルです。リョカンコレクションの外国人の会員は、欧米豪が6割を占めています。欧米豪の富裕層のお客様が、メインユーザーになっているようです。


出典:日本政策投資銀行

これら欧米豪の富裕層の動向やニーズを知ることは重要です。外国人富裕層の誘致を積極的に行ってゆくことは、地方都市の経済発展の鍵となるでしょう。

リョカンコレクションに加盟している外国人は、これまで(コロナ前)何回くらい訪日しているのでしょうか?下記の表をご覧ください。

出典:日本政策投資銀行

リョカンコレクションの会員の86%が複数回(2回以上)日本を訪れています。特に「高旅行予算層」の人は、67%もの人たちが6回以上訪日しています。20回以上来ている人たちは29%います。多くの外国人富裕層が、日本旅行のリピーターであることが分かります。

日本への旅行の予算について

外国人の日本旅行での滞在日数は、1~2週間が約半数(48%)です。高旅行予算層の人たちになると、約半数(45%)は2週間以上の長期滞在をする傾向が高いようです。

外国人富裕層の日本旅行での消費額(航空券を除く)は、1人あたり1万ドル以上が24%です。1万ドル以上とは、日本円で100万円以上です。日本旅行に1人あたり100万円消費することができる外国人が、全体の約2割いるということです。ですから、インバウンド復活のためには、外国人富裕層に焦点を当ててゆくのがポイントと言えるのです。


出典:日本政策投資銀行

外国人富裕層旅行者が期待しているものとは?

外国人富裕層旅行者が求めているホテルとは?

外国人の富裕層は、日本旅行に高額を費やしていることが分かりました。では、外国人富裕層の人たちはどのようなホテル・旅館を希望しているのでしょうか?下記の表をご覧ください。


出典:日本政策投資銀行

高旅行予算層のニーズを見てみると、「高級ホテル・高級旅館」が約9割です。ほとんどの人が “高級感” を求めています。快適でラグジュアリーな空間と、一流のサービスを重視しているようです。

次に、「伝統的な温泉旅館」です。日本ならではの温泉旅館の雰囲気を楽しみたいと思っています。また、特別なこだわりを持つ旅館、伝統的建築の旅館も人気があります。

その一方で、「外資系五つ星ホテル」が39%と一定のニーズがあります。欧米の人たちにとって、欧米系のホテルのシステムやサービスのほうが勝手が良いのでしょう。欧米系の人たち向けの、快適で安心なホテルの需要も高いということが分かります。

外国人富裕層旅行者が求めているコンテンツとは?

出典:日本政策投資銀行

外国人富裕層が求めているアクティビティは、「歴史スポットめぐり」「自然ウォーキング」「日本文化、日本建築」「アート観賞」などです。日本の歴史、自然、芸術など、「日本文化」を味わうことを望んでいます。

それで、外国人富裕層を誘致するためには、日本でしか味わえない特別な「日本文化の体験(コト)」の充実がポイントとなります。

また、交通・アクセスがスムーズであること、衛生面で徹底していることなども重要なポイントです。これらは四国に限ったことではなく、日本全国の都市に求められている課題です。

瀬戸内国際芸術祭は大きな魅力


出典:日本政策投資銀行

瀬戸内国際芸術祭の認知度は約30%とそれほど高くはないのですが、今後行ってみたいと答えている人は約70%もいます。多くの人たちが興味を持っているようです。

瀬戸内国際芸術祭だけに限らず、「日本文化」を紹介するイベントには大きな可能性があります。日本でしか味わえない特別なイベントを提供することにより、外国人富裕層の誘致を目指しましょう。

まとめ

外国人富裕層のニーズについて知ることができました。「日本文化」は世界に誇れるコンテンツです。上質で魅力的な体験(コト)を提供することにより、今後のインバンド需要に応えてゆくのはいかがでしょうか。同時に、アクセスを良くすること、ホテルのグレードアップ、一流のサービスなども今後の課題です。

これらの課題は、日本全国の都市に当てはまります。外国人富裕層を積極的に誘致していけば、地方の経済発展に直結するでしょう。ここで取り上げた情報を活用していただけると嬉しいです。

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