外国人観光客の満足度を高めリピートしてもらうための多言語対応

インバウンド復活へ向けての取り組み

はじめに

日常生活で外国人の姿を見かけることは一般的になりました。コロナ禍で観光客の入国に制限がありますが、ビジネスで長期間滞在している人、留学生、技能実習生、定住している人も大勢います。そうした人たちの必要を考えて、すでに「外国語対応」がなされています。

しかし、十分満足してもらえるかというと、まだまだ足りていないのが現状です。アフターコロナを前にして、どこを改善したらいいのでしょうか。再び外国人観光客が日本にやってくる日は、そう遠くありません。その日に向けて、今できることのヒントを考えていきましょう。

ここでは、観光庁の資料をもとに考えます。

外国人が感じる不便さとは?

どのような場面で、訪日外国人は不満を感じるのでしょうか?下の表から考えてみましょう。

出典:観光庁

まず、入国した時から問題は始まります。入国手続きが混雑して時間がかかることです。その要因として考えられるのは、案内板の表記が日本語のみで書かれているので意味が分からないこと、スタッフとコミュニケーションが取れないことです。

確かに、空港の入国手続きは外国人、日本人と分かれていて、日本人の列は比較的人数が多くても流れがよいのに対して、外国人の列は進み方が悪い時があります。列の途中でサポートするスタッフがいなかったり、いても十分ではないこともあります。

さらに、あげられるのはインターネット環境の悪さです。特に外国人にとって、外国で情報を得る方法はほとんどスマートフォンです。自分の理解できる言語で情報が得られないのはとても不安になります。

他にも、公共交通機関の利用方法が分からないという不満もあります。せっかく日本に入国できたのに、目的地までどうやって行けばいいのかわからない・・・途方にくれますよね。

支払方法も不満を感じる一つの場面です。いつも使っているクレジットカードやQR決済が使えないとストレスになります。

ここから分かるように、旅行中のすべての場面において「多言語対応」が必要です。

コミュニケーションが完璧でなくても、「多言語表記」が徹底されていれば便利ですし、安心感も高まるはずです。外国人観光客の満足度は高まるでしょう。でも、正確な外国語でなければなりません。相手が正確に理解し、役に立たなければ意味がないからです。

では、多言語対応が特に必要な2つの場面について考えてみましょう。

特に「多言語表記」が必要とされる場面は?

公共交通機関

外国人観光客がよく利用する地点で行われた、交通結節点での調査結果を見てみましょう。

日本を訪れる観光客で多いのはアジア圏・英語圏です。主に英語・中国語・韓国語に関しての調査がなされました。

まず、「交通案内表示」に関する多言語対応はどうでしょうか?

下のグラフを見ると、ほとんどの場所で日本語表記と共に英語表記が確認できたことが分かります。それに対して、中国語と韓国語の案内がある場所はとても限られていることが分かります。特に中国語に関しては、大陸で使われる簡体字よりも、主に台湾人が使う繁体字の案内がある場所のほうが少ないという結果でした。

中国人、台湾人の場合、漢字を使う文化なので、日本語の漢字を見れば理解できるものも多いですが、ひらがな、カタカナだけだと難しいようです。

韓国人の場合、英語ができる人もいますが、母語の案内があると安心ですし、よりスムーズに行動できるのではないでしょうか。

出典:観光庁

では、どういう場面で不便を感じさせてしまうのでしょう?

特に多くの路線が乗り入れている駅では、路線ごとに階段が異なるということです。案内表示が分かりやすくないと、間違った路線の乗り場に行ってしまったり、たどり着けたとしてもすごく遠回りをしてしまうということもあり得ます。

案内の間隔が長いという問題点もあります。100mほどの距離で案内表示が確認できないと、間違っているかも、と不安になり、引き返してしまうこともあるようです。

事業者の違う路線に乗り換える際、改札を出る必要があるかどうかについての案内がなくて困る人もいます。いったん改札を出なければならないのに、それがわからず改札内で探し回ってしまう人もいるようです。

路線図も多言語対応が十分ではありません。日本語と英語の表記だけのものが多いようです。自動券売機は言語を切り替えられるものが増えてきましたが、目的地名、金額が確認できないと切符を買う時も手間取ってしまいます。

駅員さんは親切にサポートしてくれますが、言葉が通じないと時間がかかりすぎます。お互いにコミュニケーションを図るための多言語ツールがあればいいのですが、十分とは言えません。

バスやローカル線に乗り換えが必要な時にも、案内表示を見落としたり、正しく理解できずにたどり着けないこともあります。

私の家の最寄りの駅で、空港行きのバス停を見つけられない中国人の親子を見かけたことがありました。駅からバス停に向かう通路には中国語で「空港行きのバス停」という案内と矢印が書いてあるにもかかわらず、バス停までたどり着くのに時間がかかり、バスに乗り遅れてけんかをしていました。そのあとのバスでは間に合わないので、タクシーで空港に向かっていましたが・・・。

せっかくの日本旅行、トラブルは極力少なくして、楽しんでほしいものです。

ホームページ

ホームページの多言語対応は、公共交通機関の案内表示に比べると高い割合で進んでいます。でも、まだ徹底されているわけではありません。下のグラフを見ると、調査対象となったホームページのほとんどが、英語を中心に、中国語、韓国語に対応していることが分かります。情報量に差はありますが、概ね問題なく活用されています。

でもやはり、英語だけに対応している情報が圧倒的に多く、中国語、韓国語に対応していない部分は英語で情報を得なければならないのが現状です。

出典:観光庁

多くのホームページは「自動翻訳(機械翻訳)」が利用されています。機械翻訳は誤訳が多いというのが実情です。せっかく多言語対応に取り組んでも誤訳では意味が通じませんし、外国人観光客は戸惑ってしまいます。

例えば、日本語を直訳しただけで、現地では通じない違和感のあるものがあります。

   発券所⇒release place(切符を買う場所という意味にはとれません)

   遺失物センター⇒Forgotten Center(ネイティブには意味が通じません)

   小人⇒dwarf(小さな人、こびとという意味です。子供ではありません。)

   中国語では簡体字と繁体字が混在していることがよくあります。

   韓国語では使用されない外来語が直訳されて、意味が通じない例もありました。

まとめ

「多言語対応」にはまだまだ課題が残っていることがわかりました。対応言語を増やす、機械翻訳による誤訳を改善するなど、取り組むべきことがたくさんあります。

不便なことやハプニングも旅の醍醐味!と思ってもらえればいいのですが、そんな人ばかりではありません。すべての外国人観光客が満足できて楽しめるおもてなしができれば何よりです。

外国人観光客の満足度を高められるように、「多言語対応」の課題を見直していきましょう。

株式会社アットグローバル(https://www.atglobal.co.jp/)は「多言語翻訳」に対応しています。ご希望の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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