Withコロナ時代こそ「オンラインツアー」で呼び込もう

2022年1月14日インバウンド需要

はじめに

コロナ収束はまだまだ見えてこず渡航制限やさまざまな規制が続けられている中、リアルイベントの実施は難しいですが、反対に今オンラインツアーは好調です。

JNTO(日本政府観光局)によると、富裕層向けオンラインツアーの需要が高いようです。すでにいくつかの自治体も参加して各エリアの見どころを発信しています。

今回は、JNTOロサンゼルス事務所が企画・開催するこの魅力的なオンラインツアーについてご紹介しましょう。

JNTOの取り組み

JNTOロサンゼルス事務所では、新型コロナウィルス感染症の影響で従来のさまざまなリアルイベントを開催できなかった2020年、Web上で行われるセミナー形式のミーティング、ウェビナーを50回以上開催して訪日旅行についての最新情報を発信し続けてきました。この新しい方法は、withコロナ時代のオンラインならではの試みだったこともあり、ウェビナーを通して大都市にある旅行代理店にだけではなく地方にある地元の旅行代理店にも訪日旅行についてのさまざまな情報を提供することができました。

しかし、ウェビナーの普及とともに利用者アンケートから新たに懸念点も見えてきました。それは、「ウェビナー疲れ」です。JNTO(日本政府観光局)が平均してほぼ毎週、週に1回のペースでウェビナーを開催していたように、他の各国の政府観光局もウェビナーを数多く開催していたためです。また、アメリカでコロナワクチン接種がある程度普及して国内外の旅行需要が回復の兆しを見せたこともあり、ウェビナーでの情報発信だけではなく、旅行商品を企画するためのより実践的な情報が欲しいという要望が、旅行会社から寄せられるようになりました。

そこでJNTOロサンゼルス事務所は、富裕層向けの旅行を企画する旅行会社を対象に、リモートでFAMトリップを体験してもらえるオンラインツアーを企画・実施しました。

「Japan Virtual Live Tour」

そのような背景でJNTOがスタートさせたのが、「Japan Virtual Live Tour」というオンラインツアーでした。オンラインミーティングツール、Zoomで各地の名所や体験、宿泊施設をリアルタイムで北米とつなぎ、プロのガイドさんや施設の担当者が登場してそれぞれの地域を紹介しました。

このオンラインツアーでは、第1弾(2月~3月)で、沖縄、石川、岐阜、長野のコンテンツが、第2弾(6月~7月)で、横浜、静岡、滋賀、香川、山陰の素材がライブ配信で紹介されました。ライブ配信の対象地域は、第1弾では「アメリカ」のみでしたが、第2弾は「アメリカ+カナダ」に、第2弾の山陰に関しては「アメリカ+カナダ+メキシコ」に拡大しました。

一例に、山陰エリアをめぐるツアーでは世界遺産の町並みや江戸時代から残る町並みをライブで訪れたり、武家屋敷やかまどなどの日本の古き良き伝統文化に触れたりします。さらに、ウェビナーのように訪日旅行についての最新情報をただ発信するだけではなく、各エリアをオンラインで訪れて見どころが紹介された後、旅行商品を企画するためのより実践的な情報が欲しいという要望に応えるべく、アメリカの旅行会社「IACE Travel」がそのエリアを含む具体的なツアー商品を紹介しました。

JNTOが開催したこのオンラインツアーは、視聴者からも非常に良いフィードバックを得られています。視聴者からの質問にリアルタイムで回答するなど、ライブの特色を生かした臨場感や双方向性も好評でした。

JNTO(日本政府観光局)ロサンゼルス事務所が実施した沖縄のオンラインツアーは、こちらからご覧いただけます。

沖縄(JALとタイアップ)の オンラインツアー

沖縄では、西表島のネイチャーガイドが、島の概要や自然環境の特徴などについてライブで解説した後、マングローブ林の様子を VTRで紹介。マングローブクルーズやジャングルトレッキング、カヌーツアーを行っていることが紹介されました。また、沖縄本島の那覇市からは公設市場からライブ中継。魚売場では、地元で昔から食されてきた魚を紹介、観光客は買った魚を2階の食堂に持ち込んで調理してもらえることも伝えました。

引用:JNTO

オンラインツアーの将来性

オンラインツアーは、従来のリアルな旅行では現地に行って初めて見て、聞いて、知ったことを、自分の国にいながらふれあい体験できるというメリットがあります。また、旅行客に旅行先でリアルで伝えることは、言語、体力、天候、移動などによる時間の制限など、さまざまな制約があってオンラインツアーのようにいろんなところに瞬時に”移動”して見どころを紹介したり質問に回答したりすることはできません。

新型コロナウィルス感染症の影響で緊急的に始まったオンラインツアーですが、今のこのwithコロナ時代、そしてコロナ終息後の新しい時代でも、「観光地と旅行客、旅行会社を結びつける新たなツール」として、積極的に活用できるかもしれません。

まとめ

今回は、JNTO(日本政府観光局)が開催してきたオンラインツアーとその将来性についてご紹介しました。

「オンラインツアー」は需要が高いことが分かりました。日本は「観光大国」として人気があり、近年は日本を訪れる外国人観光客が年々増えていました。コロナ禍でリアルで日本に旅行することが難しい今だからこそ、オンラインで日本を旅行したい人たちは多くいます。ワクチンの接種が進んだりコロナが収束したあと、来日観光客が増加することでしょう。

アフターコロナを見据えて、ぜひともこの機会をとらえて、今から日本の良さ・地元の良さを発信していきたいものです。そうすれば、コロナ収束後に日本に旅行したいと思っている大勢の観光客を誘致することに大いに役立つことでしょう。

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