食の新時代到来?「代替肉」市場が拡大している

はじめに

欧米を始め、動物性の食品を摂らない人々に身近な食品として受け入れられている植物由来の「代替肉」が、日本でも注目され始めています。
スーパーやコンビニ、ファーストフード店などでも、よく見かけるようになっているのではないでしょうか?

代替肉を使用することで飲食店は「ヴィーガン」や「ベジタリアン」などの訪日外国人に対応することができるでしょう。
代替肉に軸を置いた施策は、今後のインバウンドにも役立つはずです。

ここでは、日本の代替肉がどこまで進んでいるのか見てみましょう。

なぜ「脱ミート」が増えているのか

菜食主義者が多い欧米では、比較的早くから大豆など植物由来の代替肉が普及しました。
近年は代替肉の加工技術が向上して味や食感が改良され、より美味しいものになっています。
代替肉の人気は、世界的にもますます上昇中です。

代替肉の需要が高まっている背景にあるのは、人々の健康志向だけではありません。
世界中の畜産業による二酸化炭素(CO2)排出量が環境破壊の主な要因となっているため、地球を守ろう、という環境問題への配慮の表れなのです。

今後の代替肉の市場規模は、2027年頃には1兆円を軽く超え、食肉産業における代替肉の消費比率が1割を超えると予測されています。
新たな可能性を持つ代替肉市場には、多くの企業や投資家が参入し始めています。

日本と世界の現状

独立行政法人農畜産業振興機構が2021年に実施したアンケートによれば、肉を全く食べない層は全体の7%人で、若年層や都市部、単身世帯、食へのこだわりが少ない層に多い傾向がありました。
その比率はドイツが13%と最も多く、次いでアメリカが11%、日本は9%でした。

食肉代替食品を食べる理由としては、ほとんどの国で「おいしいから」「健康・ダイエットに良さそうだから」といった回答の割合が高い傾向にあります。
また、「環境の持続可能性に配慮したものだと思うから」はブラジルやドイツでの割合が高く、「家畜・家きんにとっていいことだと思うから」はドイツやオーストラリアでの割合が高くなりました。

一方、日本については、「環境の持続可能性に配慮したものだと思うから」「家畜・家きんにとっていいことだと思うから」という回答がともに8カ国の中で最も低い割合でした。

日本の代替肉はどこまで進んでいるか

代替肉を取り扱っている企業や商品をいくつかご紹介します。

NEXT MEATS

代替肉の美味しさで地球温暖化を抑え、代替肉で新しい未来をつくる。このキャッチフレーズのもと、代替肉を研究・開発しているのが、日本発のフードテックベンチャー、ネクストミーツです。
ネクストミーツは世界展開を進めるなかで、亀田製菓株式会社との共同開発を行いお菓子やおつまみの領域から代替肉商品でアプローチし、代替肉の認知を高める取り組みを始めました。

出典:ニュースイッチ

例えば、大豆たんぱくに調味液をしみこませて乾燥しジャーキー風にしたお菓子「おゆるしジャーキー」。
コロナ禍の外出自粛期間中の食への罪悪感と植物性代替肉を結びつけたネーミングを採用し、ギルトフリーに罪悪感なく楽しめるおやつとしてコンビニ等で販売されています。

これらは今後、需要が増えていくのではないでしょうか。

参照資料:PRTIMES

セブン&アイ・ホールディングス 

セブン&アイ・ホールディングスは、大豆ミート入りの商品を発売し、セブンイレブンやイトーヨーカドーなどの店舗で販売しています。

出典:ネクストミーツ

「セブンプレミアム大豆ミートと牛肉のハンバーグ」は、デミグラスソースとトマトチーズソースの2種類を提供。
本物の肉を食べているような食感と味を実現した自信作です。

「大豆ミートのボロネーゼペンネ」は、小さめの代替肉ミンチでも噛み応えをしっかり感じ、オーソドックスなボロネーゼの味に仕上がっています。
「野菜と大豆ミートのタコスミート」は、トマトベースの味に唐辛子の辛さが強く感じられるなか、代替肉ミンチの存在感もあります。

また、ネクストミーツの代表商品である焼肉用代替肉「NEXTカルビ1.1」と「NEXTハラミ1.1」が、イトーヨーカドー各店で販売されています。

出典:PRTIMES

バーガーキング 

ハンバーガーチェーンのバーガーキングでは、植物性パティを使った「プラントベースワッパー」を定番メニューとして加えました。

出典:食品産業新聞社ニュース

100%植物性パティを直火焼きし、ピクルスやレタス、トマトなどをセサミバンズではさんだハンバーガーです。
本物の肉に引けを取らない美味しさで、代替肉のイメージを変えるものとなるかもしれません。

モスバーガー

出典:モスバーガー

同じくハンバーガーチェーンのモスバーガーは、野菜をたくさん食べてほしいという思いから、「ソイパティ」を発売しました。

「ソイパティ」は、お肉のようで、サラダな気分のキャッチフレーズのもと、「医食同源」の考えに基づき、栄養のバランスを考えて食べられるファーストフードを目指し、健康を気づかう現代人の健康にも責任を持とうとする姿勢を見せています。

伊藤ハム

出典:伊藤ハム

大豆ミート商品を展開する伊藤ハムは、「まるでお肉!」シリーズを販売しています。

まるでお肉のような噛み応えの食感と、大豆と相性の良い香辛料での香り付けとで本物の肉の味に限りなく近いものに仕上げています。

「大豆ミートのジャーキー」や「大豆ミートの焼肉炒め」「大豆ミートのサラダチキンタイプ」など、バラエティに富んだ品ぞろえが人気です。

マルコメ

出典:マルコメ「ミートフリーマンデー」

マルコメは、大豆由来のお肉を豊富な種類で取り揃えています。

動物性原料不使用の大豆のお肉をブロックやフィレ、ミンチなどタイプを変えて提供。
即、麻婆豆腐やハンバーグ、ミートソース等に使用でき様々な料理で活用できます。

日本での地球環境保護などを目的とした「ミートフリーマンデー・オールジャパン(MFMAJ)」の活動の一環として、マルコメもミートフリーマンデーの取り組みを行っています。

おわりに

大豆ミートは、ベジタリアン、ヴィーガンなどが主な購入層と考えられてきましたが、近年は肉と植物性代替肉をフレキシブルに選択する「フレキシタリアン」も増え、健康と地球環境に配慮した食へのこだわりが広がりつつあります。

今後、健康にも環境にも優しい「代替肉」の需要はますます高まるでしょう。
飲食店は、植物性代替肉を上手く取り入れていくことで、ベジタリアンやヴィーガン、フレキシタリアンなどの外国人を受け入れられるようになるはずです。
外国人集客、今後のインバウンドのために積極的に植物性代替肉を取り入れていくのはいかがでしょうか?

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