外国人も納得、意味が分かりやすい翻訳にするには?(後編)

2022年4月21日

はじめに

日本語をただ外国語に直訳するだけでは、その言葉が表す真意やニュアンスは伝わりません。どのような言語でも共通することですが、良い翻訳には、その言語を母国語とする人の視点に立って、分かりやすい文章にしていく工夫が必要です。
前編では、質の高い翻訳にするためのポイントとフローをお伝えしました。ここでは、文章を執筆していくうえでのポイントを観光庁の資料をもとにお伝えします。

参照:観光庁「地域観光資源の英語解説文作成のためのライティング・スタイルマニュアル

執筆のポイント

解説文の執筆について、以下のポイントを押さえるようにしましょう。

  • 読み手となる対象者をイメージして文章を作成します。そのためには、観光スポットに訪れる訪日外国人を具体的に想定したうえで興味・関心について深く掘り下げる必要があります。媒体によっては必ずしも英語のネイティブではないことも考慮し、執筆の基本方針を理解することが重要です。
  • 情報を読み手に正確かつ明瞭に伝えることが解説の主な目的です。この目的遂行には、当該事業の執筆ガイドラインに従うことが求められます。フォーマルな文体で、媒体特性に合致した読みやすい文章にすることを心がけます。
  • 外国人に理解しづらい日本語や名前・固有名詞などは、より詳しい情報を補足して読み手が理解しやすいように工夫します。
  • 執筆後には入念なチェックをします。想定した訪日外国人の疑問や興味・関心に応えているか、外国人の理解が深まる内容となっているか、信頼できる事実に基づいた情報かなどを丁寧に確認します。

編集のチェックポイント

編集ポイント

次に、編集の際のチェックポイントを見てみましょう。

エディターに求められるのは、明瞭でわかりやすい文章になっているかを確認することです。
解説文の内容や盛り込まれた情報の正確さ、媒体との適合性などの観点から、エディターは解説文としての品質を保持しなければなりません。
文章の論理的構成や長さ、読みやすさや無駄の排除、文の構造の簡潔さ、記載する情報や事実のエビデンスなどについて、1つ1つ検証していくことが重要です。
特に解説文の事実関係については、必要に応じてコンテンツアドバイザー(内容監修者)に相談することも考えます。

文章とスタイルの推敲

エディターが修正した箇所をメインに、ライターは解説文全体の質の向上を目指します。
実際に声に出して読んでみると、文意・文脈の不自然な箇所を洗い出すことができます。
また、文中の個人名や固有名詞、数値などはさらに確認してダブルチェックを行いましょう。
誤字脱字だけでなく、ガイドラインに準拠しているかの確認も必須です。

翻訳後のチェックポイント

日本語を外国語に翻訳する際のチェックポイントについて、順を追って確認しましょう。

日本語に翻訳<英語の正確性をチェック>
↓・英語に翻訳したものを、もう一度日本語に翻訳しなおす。それによって、次の項目である記述内容が正確かどうか確認できる。

執筆内容を確認<記述内容の正確性をチェック>
↓・事実の正確性、観光促進戦略との合致性を確認する。

修正<修正箇所を直す>
↓・フィードバックによる修正の反映、指摘された箇所の確認。

校閲<誤字脱字、文体・文法・表記の統一、読みやすさをチェック>
↓・監修コピーエディターによりテキストをレビューする。

校正<ライターまたはエディターによる推敲>
↓・変更箇所の承認と推敲後、最終校正までを終える。

校了<原稿を所定の提出様式に収める>
↓・最終チェックした原稿を最終版とする。

まとめ

外国人に「なるほど」と思われるような解説文に翻訳するには、いくつかの綿密な作業が必要であることが分かります。もし機械翻訳だけですませてしまうならば、外国人が納得できる解説文とはなり得ません。ぜひ翻訳の専門家に依頼し、質の高い翻訳を行いましょう!

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事例

Posted by 吉田幸子