アフターコロナ、日本旅行のリピート需要は大きい!

新型コロナウィルスにによって大打撃を受けた日本ですが、コロナ前には観光客数4000万人を超えると予想されるほどに人気が高まっていました。

日本政策投資銀行(DBJ)と日本交通公社(JTBF)が2020年に行った調査によれば、コロナ終息後に行きたい旅行先として日本が欧米豪亜すべてで第1位に選ばれました。このことからも潜在的なインバウンド需要は非常に高いことが分かります。

3月には入国規制が緩和されるなど、少しずつインバウンド再開の希望が見え始めている今、アフターコロナにおけるインバウンドの準備に取り掛かる時期に来ています。

アフターコロナのインバウンド再開に観光業界が乗り遅れないためには、いったいどんな準備を行えばよいのか考えていきましょう。

日本旅行「リピート需要」は大きい!

下記の記事からも分かるように、多くの国でおおむね60%~70%の人々が「必ず再訪したい」と答えており、「再訪したい」「やや再訪したい」と答えた回答も合わせると全体の90%以上の方が再訪の意向を示しています。

このデータを裏付けるように、SNSや海外のガイドブックでも日本旅行がよく特集されています。日本のリピート需要が高い証明です。

では、コロナ後に訪れたい国として欧米豪亜のすべてで1位を獲得し、さらにはリピート需要も非常に高いのは何故なのでしょうか。

日本独自の魅力に惹きつけられる人が多い

やはり、その大きな理由は他国にない独自の魅力にあふれているからでしょう。

たとえば、神道と仏教が混ざり合った日本独特の世界観・雰囲気は他国では絶対に感じることができません。これは外国人たちを引き付ける大きな理由のひとつといえます。

また、日本は安全な国として知られていることも大きな要因でしょう。田舎ならばまだしも、都心部で夜に女性が一人で歩いても安心な国は世界的に見ても非常に稀です。

財布を落としてもスマホを忘れても元の場所に戻れば大抵帰ってきますし、暴力的な事件に巻き込まれる確率は宝くじに当たるよりも低いでしょう。つまり、家族連れで海外旅行する国としては最適の国なのです。

グルメ分野も外国人を引き付ける一つの要素です。かつては生魚を食べる気持ち悪い食文化の国という認識でしたが、今では寿司は世界的な人気を獲得。それに伴ってラーメンやてんぷら、とんかつ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、蕎麦、うどんなど、他の日本食の人気も大幅に高まりました。

本場の日本料理を食べたいという衝動がリピート率を高めているのは間違いないでしょう。

また、日本はアニメや漫画を代表とするサブカルチャーの聖地としても知られています。コロナ禍で自宅時間が増えた影響で、最近日本のアニメや漫画の人気が世界的に高まっています。

たとえば、全世界に2億人以上の会員数を誇るネットフリックスでは昨年、視聴者の半数以上がアニメ作品を視聴したことが世界的に話題になりました。文字通りアニメの中の風景に浸れる日本旅行は、アニメや漫画のファンにとっては何度でも訪れたくなるのでしょう。

地方の観光地を訪れたいという人も

2000年代初頭ごろまでは京都、奈良、東京などの有名な観光地以外にははあまり海外の旅行客は訪れていませんでした。しかし、近年はYouTubeを始めとするSNSが普及し、外国人が日本の地方の魅力を気軽に知ることができるようになったことが影響し、地方の観光地を訪れたいという人が増え始めています。

特に二度目以降の旅行客にその傾向が多いようです。一度目の訪日で日本の良さを知り、もっと日本のディープな部分を知りたい、観光客の少ない穴場に行ってみたい、などという気持ちが湧くのだと推察できます。

今後必要とされる改善点は?

日本のインバウンド事情における最大の問題点は「英語」です。意思疎通ができるレベルの英語話者が非常に少ない上、多言語化もあまり進んでいないので、物を買ったりサービスを受ける際に困難を強いられることが珍しくありません。

特に食事面でこれが非常に大きな問題となってきます。アレルギーがあって食べることができないものがある方や、宗教的な理由などから特定の食べ物を食べられない人にとっては、現状の日本の多言語対応レベルだと満足に食事ができません。日本旅行に対する大きな不満材料となり、リピート率を下げる大きな要因となりえるでしょう。

政府が主導となって多言語対応の整備を進めるとともに、各企業も自助努力を進めることが求められていきます。

また、外国人に何度も訪れてもらうためには、「お得」だと思ってもらえる部分を増やすことも大切です。たとえば日本食は海外では高級な部類に入ります。ラーメン一杯で二千円近い値段がしたり、日本のスーパー以下のクオリティの寿司が数千円で提供されていたりするため、日本に来ると「お得」だと感じてもらえます。

こういった、海外と日本での価値の違いは、ほかの分野でも見つけられる可能性は十分にあります。一度自分たちの価値について見直してみる必要があるでしょう。

富裕層の誘致も改善できるポイントです。ラスベガスやマカオ、ドバイなど、海外には日本では考えられないほどのお金が動く富裕層向けの観光スポットがたくさんあります。

こういったところに負けないラグジュアリーな魅力を構築していくことができれば、日本の観光業界はさらに発展していくはずです。高級ホテルや高級旅館のインバウンド対策の強化、各観光地での富裕層向けの特別なレジャーの創出などを進めていく必要があるでしょう。

まとめ

もどかしい状況が続いていますが、だからといってインバウンドの取り組みを完全に放棄してしまえば、いつか訪れるアフターコロナにおいて後れを取ってしまいます。

入国制限の緩和が行われ、少しずつですが光明が見え始めている今こそ、観光業界全体がアフターコロナを見据えた取り組みをしっかりと行っておくことが求められています。

アフターコロナにおいて「勝ち組」になれるるように、ぜひ今回取り上げた情報を少しでも役立ててほしいと感じています。

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