外国人が「日本」を楽しめるアクティビティとは?前編

はじめに

日本を訪れる外国人旅行客は、「日本」を感じることができるアクティビティを求めています。実際に目で見て身体で触れて、景色やにおいや味を肌で感じてみたいのです。

この外国人が求める「日本らしさ」のなかには、逆に日常に溶け込みすぎて日本人にとっては当たり前で気づかないものも多いことでしょう。でも、それが何なのかを知ろうとすることで、外国人観光客が真に求めるものが見えてくるはずです。ここでは日本政府観光庁(JNTO)が勧めているものを、いくつか参考に取り上げます。

歌舞伎

日本の伝統芸能の代表、歌舞伎を取り上げないわけにはいかないでしょう。アニメなどで紹介されることもあって、外国での人気も高いものがあります。豪華絢爛な衣装を身にまとい、男性の役者が女形を演じる歌舞伎は、他に類を見ない日本独自の芸術。さらに演目は、日本の歴史的な出来事が元になっているものや江戸時代の世相や風俗を題材としたものがあり、日本らしさを存分に味わうことができます。

複雑に構成された舞台セットで役者が演じるのを観客が間近で観ることができるのも歌舞伎の醍醐味の一つです。高い技術に支えられた役者の繊細かつダイナミックな動きや生演奏により、躍動感にあふれた舞台を楽しめます。そして印象的なのは、歌舞伎に特徴的な「掛け声」でしょう。また、贔屓(ひいき)と呼ばれる常連客が大きな声で「成田屋(なりたや)」「音羽屋(おとわや)」など、役者の名称である屋号を呼ぶので、観客は役者と一体となった感覚で歌舞伎を観ることができるのです。

歌舞伎座のホームページ(https://www.kabuki-za.co.jp/)は、記事執筆時点では英語対応のみになっていました。

江戸文化

日本の歴史を彩る時代は多様にありますが、やはり最も長い時代を築き、後世に強い影響を及ぼした江戸時代の文化は、日本人のみならず多くの外国人を魅了するものです。なかでも、江戸時代を再現した「日光江戸村」(http://edowonderland.net/)は、実際に江戸時代にタイムスリップしたかのようなさまざまな体験ができることから、外国人観光客に人気のアクティビティです。ホームページは英語、タイ語、中国語繁体字、中国語簡体字、韓国語、タイ語、インドネシア語にそれぞれ対応しています。

江戸時代の暮らしが再現された園内を見て回るだけでなく、着物を身にまとい江戸の街の中で当時の日本人になりきることができるのが魅力。忍者に扮したり、侍の恰好で刀を帯びたり、罪人を捕らえる捕物をしたりと、子どもも参加できてファミリーに人気です。変身して体験して芝居を見て江戸料理を楽しめる、江戸を満喫できるワンダーランドです。

ラーメン

日本の代表的国民食ラーメンは、今や多くの国々で愛されている食べ物です。本場の日本でラーメンを食べてみたい、あの人気ラーメン店を訪れてみたいと考える外国人観光客が注目するのが、日本中のご当地ラーメンを1か所で堪能できる「新横浜ラーメン博物館」(https://www.raumen.co.jp/)です。ホームページを見ると、英語・韓国語・中国語簡体字・中国語繁体字・タイ語でも整備されており、多言語対応がされていることが分かります。

レトロな雰囲気漂う1950年代の街並みを再現した中に軒を連ねる各店では、醤油味やとんこつ味などこってり系からあっさり系まで、さまざまな味が用意されています。また、本格的なラーメン作り体験は、子供にも大人にも人気です。古代小麦「スペルト小麦」を使用し、「青竹打ち」という伝統的な製麺技法で麺を作るところから、日本の文化であるラーメンの奥深さと楽しさをか学べます。自分で一から作ったラーメンは思い出の一杯になるでしょう。

日本酒

世界的な評価が高まり、海外での品評会も開かれる日本酒は、外国人の間でも人気が高くワインのように飲まれているようです。日本の代表的な酒を外国人観光客にも気軽に楽しんでもらえるよう、多くの酒蔵が趣向を凝らしたさまざまな体験型の見学ツアーを用意しています。

なかでも、世界初の生酒を販売した茨城県の酒蔵「須藤本家」(http://www.sudohonke.co.jp/)は、国際的に権威のある賞を数々受賞している酒蔵です。日本酒造りの現場、蔵の中を見学したのち、ここでしか飲めない日本酒や上等な蔵出し酒を試飲でき、日本酒に合ったフルコース料理も堪能できます。東京からも近くアクセスも良いので、お酒好きな外国人観光客にぜひ体験してほしいアクティビティです。ホームページは英語、フランス語にも対応していました。

江戸前寿司

日本の寿司も多くの外国で受け入れられるようになって久しいですが、ミシュランなど世界的に高い評価を受けている寿司店はそう多くはありません。そんな有名店の1つ、日本が誇る江戸前寿司を堪能できる「銀座 鮨青木」(https://www.sushiaoki.jp/ ※英語対応は、食通をうならせる味と技が自慢の店です。

ネタに一手間を加え、しめたり漬けにしたりする江戸前寿司は、店によってネタの味が異なり、個性が発揮されるのが特徴。2代目店主青木氏は、お客様に美味しいと笑顔になってもらえるにはどうすべきかを常に考え、江戸前の伝統の技に新しい風を吹き込んだ寿司を提供しています。夜のコースやランチのほか、お持ち帰り用の手毬ずしや海老ちらしなどもあって、舌も目も楽しませてくれるメニューが豊富です。

最先端ミュージアム

東京お台場にある「チームラボボーダレス」(https://borderless.teamlab.art/jp/ ※英語・スペイン語・ポルトガル語・韓国語・中国語簡体字・中国語繁体字・タイ語)は、境界のない立体的な世界に入り込んでしまったかのような体験ができる驚きの最先端ミュージアムです。最新鋭のアートが他の作品とコミュニケーションしたり、影響し合って混ざり合ったり、部屋から飛び出したりしながら作品群を形成し、境目がないまま一体となった空間を作り出します。

この境界のないアートに入り込むと、1つのアートの中でさまよい、模索しながら自分だけの発見と出会うことができるのです。季節の色や花、森などを表現したアート群の中に他の人たちとともに没入していくことで、新しい連続的な世界を体感できます。開館当時から日本国内のみならず世界的にも話題沸騰のミュージアムですので、外国人観光客にもぜひ体感してほしいアクティビティです。

盆栽

日本でも昨今、人気上昇中の盆栽は、外国人観光客からも高い関心を寄せられているようです。鉢の中に木や草や苔を植えて、自然の姿を模しテーマに沿った造形をする盆栽は、室内や狭い場所でも自然を鑑賞できる世界を作り出します。

「さいたま市大宮盆栽美術館」(https://www.bonsai-art-museum.jp/ja/)は、世界に誇る日本の盆栽を展示し、国内外に向けて盆栽文化を紹介する施設です。初めての盆栽づくりに挑戦できるワークショップや、四季ごとの多彩なイベントも開催され、鉢の中の自然を自分なりの楽しみ方で体験できます。小さいながらバランスの良い草木が配置された庭園を散歩するのも楽しみの一つ。盆栽園をゆっくり散歩したり、盆栽カフェでくつろいだりもできて、新しい美術館として外国人観光客におすすめです。ホームページは英語、中国語簡体字、中国語繁体字、韓国語にも対応しています。

まとめ

日本らしい文化を体験・体感できるアクティビティをご紹介しましたが、まだまだ一例に過ぎません。外国人に新鮮に映る「日本」は身近なところにたくさんあるにも関わらず、私たち日本人が気づいていないことも多いようです。

外国人観光客が興味・関心を寄せてくれそうな日本の伝統文化を掘り起こし、アクティビティとして楽しんでもらえるような工夫が必要です。日本の歴史を感じさせる貴重な観光資源を今後も積極的にPRしていきましょう。

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