外国人が「日本」を楽しめるアクティビティとは?後編

はじめに

外国人旅行客は「日本」を感じることができるアクティビティを求めて日本を訪れています。今や日本文化は、外国人にとって新鮮なものの1つであり、さまざまな伝統文化に高い関心を寄せる外国人が多いのです。ここでは日本政府観光庁(JNTO)が紹介している観光コンテンツをいくつか参考に見てみましょう。前編もご覧ください。

忍者

日本の時代劇は海外で高い評価を受けていますが、日本を訪れる外国人観光客の中には忍者に関心を持つ人が多いようです。伊賀忍者の修行の場として有名な三重県にある「赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)」では、本物の忍者装束を着て1日忍者修行体験ができるツアーがあります。

忍者修業の里 赤目四十八滝は、清らかな滝川と深い森で作られた深山幽谷にあって、四季折々の鮮やかな自然が魅力。90分間のツアーでは、その原生林や急流の中で忍びの道具を使ってさまざまな修行をし、修了後には免許皆伝の書を手に入れることもできます。VRによる手裏剣のシミュレーションもぜひ体験していただきたいアクティビティです。

http://ninja-valley.com/ (日本語・英語・中国語繁体字・韓国語)

舞妓

舞妓と言うと京都が有名ですが、静岡県の熱海や石川県の金沢など、古くから政治や文化の中心地として栄えてきた都市では今でも芸妓舞妓が活躍しています。舞妓とは、芸妓(芸者)の見習い修行段階にある少女のことで、20歳頃に芸と接遇のプロとして自立できるようになると衿替をして芸妓となります。その技芸を支える伝統工芸や花街の文化と共に、江戸時代から受け継がれる日本の伝統的なしきたりを守り、歌や踊り、三味線などの修行を積んで宴席を盛り上げる役割を担ってきました。

古都金沢のひがし茶屋街にあるお茶屋「懐華樓(かいかろう)」の夜のお座敷は通常は「一見さんお断り」ですが、「艶遊会」開催時には一般の人も体験でき、芸妓たちと一緒にお茶屋文化の世界に足を踏み入れることができます。英語が堪能な女将が英語で解説してくれますので、ここでしか体験できない芸妓の世界を間近で見られるのです。

また日中は茶屋建築の建物を一般に公開しています。一息つきたいときは、甘味処「懐華樓カフェ」で一休みもできますので、昼と夜の全く別の顔を見るのも一興です。

https://www.geishaevenings.jp/ (英語のみ)

武士

時代劇の影響もあって、武士に変身してみたいという願望を持って日本を訪れる外国人はたくさんいます。特に人気なのは、織田信長や豊臣秀吉のような、日本を代表する有名な武将が身にまとっていた甲冑を着ること。鎧(甲・よろい)と(冑・かぶと)からなる武士の衣装は、時代劇ファンの憧れの的なのです。

徳川家康の生誕の地、愛知県岡崎市の岡崎城敷地内にある歴史資料館「三河武士のやかた家康館」では、甲冑や刀、兜の試着体験ができます。展示室では季節ごとに企画展を開催。日本100名城にも選定された岡崎城をバックに武士のコスチュームで記念写真を撮るのもよいのではないでしょうか。

https://travel.okazaki-kanko.jp/en/ (日本語・英語・中国語繁体字、中国語簡体字、タイ語)

着物と日本舞踊

日本の伝統的民族衣装である着物を着て、歴史的舞踊を踊ってみるのはいかがでしょう。着物の歴史を学び、着付けの手順も教えてくれるのは静岡市で着物レンタルも行っている呉服店「竜安」です。

英語が堪能なオーナーによる説明を聞きながら好みの柄の着物を選び、美しい出で立ちとなるように着物を身にまとったら、日本舞踊の先生に交代。伝統的な日本舞踊「さくら」を踊りながら、着物と日本舞踊の優美で日本らしい様を直に体験できます。

着物を着た後には静岡の特産品であるお抹茶をいただいたり、そのまま静岡市内を散策したりと、思う存分に着物での観光を楽しむことが可能です。

紙すき

日本の紙すきは、外国人観光客にとって、なかなか体験できない貴重な経験になることは間違いないでしょう。2014年にユネスコの無形文化遺産に登録された日本の紙すきは、囲いとなる枠を用いて液状の紙の素材を掬い固めて紙を作る作業。

この紙すきを学ぶことができるのが、観光地として人気の高い京都にある紙TO和「kamitowa」です。紙TO和では、昔ながらの紙すきの技術で自分だけの和紙を作り、その和紙で工作もできるワークショップも開催しています。外国人旅行者のために用意されているのは、押花や葉で紙をデザインした和紙のポストカード作り。すいた紙を乾かす間、飲み物やクッキーを楽しみながらおしゃべりをした後は、ポストカードにメッセージを書いて郵便局から投函することも可能です。

ウェブサイト (日本語・英語)

城下町

お城を中心に武家屋敷や商人町、寺社などで構成される城下町は日本の各地にあり、その多くが文化遺産として人気の観光地になっています。なかでも、岐阜県郡上市八幡町、通称「郡上八幡」は、日本の城下町の伝統美と造形が当時のまま残された城下町として有名です。

「郡上八幡城」は、日本で最も古い木造再建城。城跡一帯は豊かで美しい自然に恵まれています。江戸時代に造られた城下町はほぼ当時のまま保存され、奥美濃の小京都と呼ばれるほど長く栄えてきた歴史を彷彿とさせるものです。名水の里でもある郡上八幡は、町のいたるところに水にちなんだ観光スポットがありますが、「やなか水のこみち」を歩けば多くの美術館が点在していることにも気づくでしょう。レトロな雰囲気のミュージアム「郡上八幡博覧館」では、郡上踊りが実演されているので必見です。

https://sugi-interface.studio.site/Tonon-Japanese (日本語・英語)

和菓子

日本の伝統的なお菓子、和菓子は、見た目の美しさや季節感だけでなく、素材の品質やヘルシーさなども外国人にとって人気の理由となっているようです。また和菓子の造形は、熟練の職人の手技や精巧に作られた専用の木型などによる芸術的な美しさだけでなく、日本の四季や文化も織り込まれているので、意味や由来も興味深い点でしょう。

茶道の席に欠かせない和菓子のなかでも、国産の高級砂糖の一つである和三盆糖を使用した干菓子「和三盆」は色、形、味、いずれも多くの人に好まれるものです。この干菓子「和三盆」づくりを体験できるのが、四国香川県高松市にある「豆花」です。名工・伝統工芸士である市原吉博さんが造った木型を使い、娘の上原あゆみさんが和三盆の作り方を伝授してくれるワークショップ。自分だけの和菓子、和三盆を作る体験は日本だけのオリジナルアクティビティです。

https://www.mamehana-kasikigata.com/%EF%BD%85%EF%BD%8E%EF%BD%87%EF%BD%8C%EF%BD%89%EF%BD%93%EF%BD%88/ (日本語・英語)

まとめ

日本の文化とそれに関連するアクティビティを見てみると、日本人の私たちでも誇りに思えるものがたくさんありますね。外国人に新鮮にうつる「日本」は、私たちの意外と身近なところにあって、それを体験できる多彩なアクティビティが用意されています。日本の貴重な伝統と自然を生かした観光資源を外国人の興味が高まるようにPRしていきましょう。

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