災害などの非常時に外国人旅行者が正確な情報を確実に得るために

アプリ,災害

災害が発生した時などの緊急情報は、気象庁や交通事業者、テレビやラジオなどの各事業者が個別に情報を発信します。しかし、日本語が分からない外国人旅行客にとっては、これだけでは不十分です。外国人旅行者が理解できる言語で、簡単に情報を取得できる方法が必要となってきます。

とはいえ、実際に外国人が情報取得するためにはどうすれば良いのかについてはあまり知られていません。そこで、今回は日本政府観光局(JNTO)が取り組んでいる様々な情報発信サービス・ツールについてご紹介していきます。

日本政府観光局(JNTO)の役立つサービス

Twitter(英語)、Weibo(中国語)からの情報発信

Weiboの観光庁公式アカウントより引用
Twitterの観光庁公式アカウントより引用

JNTOではTwitter (@JapanSafeTravel・英語)や Weibohttps://www.weibo.com/JapanSafeTravel ・中国語)の公式アカウントを開設し、外国人に向けた緊急情報を発信しています。Twitterは3億3,000万人以上、Weiboは7億人以上に利用されており、外国人にも利用しやすい情報収集ツールです。地震や台風などの災害情報はもちろん、現在大流行している新型コロナウィルスに関する情報も発信しています。

観光庁のグローバルWebサイトから情報発信

観光庁のグローバルWebサイトより引用

観光庁では英語簡体字中国語繁体字中国語韓国語に対応したグローバルウェブサイトを運営しています。こちらのWebサイトそのものに災害情報などが詳しく載っているわけではありませんが、役立つサイトへのリンクが多く張られています。困ったときには、まずこのサイトに行ってみると、目的のサイトへ行くことができるかも知れません。

Safety tipsアプリ

Safety tipsのダウンロードサイトより引用

Safety tipsは観光庁が監修した無料の災害時情報アプリです。緊急地震速報、津波警報、噴火情報、避難勧告情報、気象特別警報などをプッシュ型で通知してくれます。もちろん、新型コロナウィルス関連情報も発信されています。また、実際に災害等にあった際に、役立つ大使館連絡先や最寄りの観光案内所へのリンクも用意されています。

Android:
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.rcsc.safetyTips.android
iPhone:
https://itunes.apple.com/jp/app/safety-tips/id858357174?mt=8

UIの面では他のアプリに遅れを取っている印象ですが、政府が推奨している公式アプリのため、他のアプリよりも正確な情報を取得できるのが最大のメリット。いざというときに重要なのは使い勝手よりも正確な情報なので、ぜひとも利用していただきたいアプリです。なお、対応言語は以下の14言語(2020年3月現在)となっています。

  • 日本語
  • 英語
  • 中国語(簡体字/繁体字)
  • 韓国語
  • スペイン語
  • ポルトガル語
  • ベトナム語
  • タイ語
  • インドネシア語
  • タガログ語
  • ネパール語
  • クメール語
  • ビルマ語
  • モンゴル語

観光案内所を通じた情報発信

JNTOのWebサイトより引用

JNTOは都道府県ごとに20~40箇所程度の観光案内所を設けています。なお、もっとも設置数が多いのは東京の133箇所で、続いて北海道の94箇所となっています。観光案内所は、緊急時に身近な味方となってくれる存在です。たとえば、各観光案内所には非常用電源装置が設置されており、災害時などには電力支援を行ってくれます。

ただし、観光案内所は主に1~3のカテゴリーに分けられており、カテゴリーごとに対応可能な情報や言語などに差がある点には注意が必要です。カテゴリー3が最上位で、カテゴリー1が最下位のカテゴリーとなります。最上位の「カテゴリー3」では英語対応可能なスタッフが常駐しており、その上で、英語以外の2言語での案内が常時可能な体制が構築されています。さらに、年中無休です。一方、「カテゴリー1」では英語対応が可能なスタッフが常駐していません。なお、観光案内所の場所やカテゴリーなどについては「認定された案内所の一覧」から調べることができます。

総合的情報提供サービス

JNTOのWebサイトより引用

JNTOは365日・24時間対応の多言語対応コールセンター「Japan Visitor Hotline」を開設しています。また、自動音声案内機能・チャットボット機能も整備されており、より多くのニーズに対応が可能となっています。気軽な情報収集がしたい方は自動音声案内やチャットボット、具体的な相談がしたい方はコールセンターという使い分けが可能です。

なお、コールセンターと自動音声案内は日本語・英語・中国語・韓国語の4言語に対応、チャットボットは英語・中国語・韓国語の3言語に対応しています。(2019年4月時点)

訪日外国人対応可能な医療機関リスト

JNTOのWebサイトより引用

JNTOでは日本で安心して過ごしてもらうために、外国人に対応している医療機関のリストをまとめています。「地域」を選択し、検索窓に内科、外科などのフリーワードを入力することで、最寄りの医療機関を見つけることができます。症状別の最適な診療科目についても解説しているので、どの科を受診すべきか分からない方でも安心です。また、日本における医療機関のかかり方などについても解説しています。

対応言語は英語、日本語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)の5言語となっています。

【英語サイト】    http://www.jnto.go.jp/emergency/eng/mi_guide.html
【中国語(簡)サイト】http://www.jnto.go.jp/emergency/chs/mi_guide.html
【中国語(繁)サイト】http://www.jnto.go.jp/emergency/chc/mi_guide.html
【韓国語サイト】  http://www.jnto.go.jp/emergency/kor/mi_guide.html
【日本語サイト】  http://www.jnto.go.jp/emergency/jpn/mi_guide.html

まとめ

パンデミックや自然災害が起きた時、日本語の分からない外国人旅行客は大変な不便を強いられることとなります。現在、大流行している新型コロナウィルスにおいても大きな混乱が生じ、多くの外国人の方が苦労しました。中には情報取得が遅れたせいで、帰国できなくなってしまった人もいます。もしも、もっと早い段階で入国制限などに関する情報を得られていれば、異国の地に取り残されるようなこともなかったはずです。このようなことを繰り返さないためにも、私達一人ひとりが情報収集に役立つサービス・ツールを積極的に広報していく意識を持つことが重要と言えるでしょう。

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