天猫(Tmall)でのプロモーション事例/中国マーケティングの最新トレンド
訪日中国人は「旅マエ」「旅ナカ」に、「日本で何を購入するか」を旅行サイトやアプリで情報収集しています。アリババが運営している「Tmall（天猫）」また「Tmall Global（天猫国际）」は人気の高いサイトです。このサイトでは、中国にいながら日本の正規品を購入できます。「Tmall Global（天猫国际）」は越境ECで、数多くの日本企業も出店しています。
アリババジャパンによると、「Tmall Global（天猫国际）」は、今後1年間で1000件の海外ブランドの中国進出を支援すると発表しています。
今後の中国市場では、輸入品の消費が増えてゆくことを見込んでおり、多種多様な海外ブランドの出店を増やしていくとのことです。巨大な中国市場、日本企業が進出するチャンスです。大手ブランド企業は既に出店し、知名度を上げています。今後は、まだ中国市場に進出していない企業が参入する余地が大いにあります。
ここでは、Tmall Global（天猫国际）に出店して成功している企業の一例をご紹介いたします。
Tmallでのプロモーション事例（自然派clubサスティの場合）
自然派clubサスティは、「利尻ヘアカラーシリーズ」で有名な通販サイトです。日本国内の売り上げは、累計2300万本を突破しています。日本でも人気のこちらの商品が、Tmall Global（天猫国际）にも出店しました。
Tmall Global（天猫国际）では、「利尻昆布海外旗艦店」として開店しています。このショップのサイトには「動画」もついていて、自然豊かな美しい北海道と、美しさを保っている女性のイメージが上手く表現されています。利尻昆布を原材料に製造している「安心・安全」なヘアカラーであることも強調されています。
商品の評価は「4.8点」と、とても良い評価を得ています。口コミでは、「使って５、６年だけど、アレルギーを起こすことなく、髪に自然な光沢が出る。純植物性だからちょっと色が落ちやすいけど、でもとても良い商品」とコメントされています。
化学薬品を使ったアレルギーを起こしやすいヘアカラーではなく、自然の成分で作られた安全なヘアカラーであること、100％日本製であること、こういった要因が人気を集めているのでしょう。中国では、有害な化学薬品による被害が多いので、自然由来の安全な商品の購入を強く願っているのかもしれません。
現段階でどのくらいの人が購入したでしょうか？ 参考までにご紹介しますと、軽く10万本を超えています。これは、すごいことですね。
今後は、自然由来の成分で作られた商品、「オーガニック」商品の需要が高まってゆくかもしれません。
Tmallでのプロモーション事例（@cosmeの場合）
＠cosmeは、女性なら誰でも知っているコスメ口コミサイトですね。日本の女性は、このサイトから「コスメの評価」や「今の人気商品」などの情報を参考にしています。中国人もこのサイトが大好きで、特に「口コミランキング」で好成績を得た商品を購入したいと思っているようです。
Tmall Global（天猫国际）にも「＠cosme海外旗艦店」が開店し、日本で人気の高いコスメを購入できるようになりました。常に「今日本で流行しているもの」にアンテナを伸ばしている中国の若年層にとって、嬉しい限りでしょう。
アリババジャパンも、@cosmeのTmall(天猫）掲載について報告しています。（こちらを参照）
Tmall Global（天猫国际）の@コスメのお店では、このような商品を購入できます。これらの商品は、中国人にとって「有名ブランド品だから知っている」という商品ではなく、「今日本で評価が高いから知っている」という商品です。ほんの一例ですがご紹介します。
確かに、これらの商品は「高級ブランド品」ではありません。でも、日本人女性から「評価の高い」コスメの一部です。
今後も、中国人の若年層は「日本でランキング上位のコスメ」に興味を示すでしょう。欲しい商品は、必ずしも「高級ブランド品」だけではないということです。
Tmallでのプロモーション事例（マツモトキヨシの場合）
中国人が大好き、日本のドラッグストア。日本旅行で必ず行く、お買い物スポットですね。中国には、日本のドラッグストアのような、商品が充実しているお店はないので、大好きなのです。日本に行けなくても、Tmall（天猫）で日本のドラッグストアの買い物ができるのなら、利用しない手はないでしょう。
掲載されている商品数も、日本の店舗とそう変わりません。これなら、日本のドラッグストアが大好きな中国人も満足できるでしょう。日本に行かなくても、日本の正規品を買えるのであれば、本当に便利です。
日本のスキンケア用品、メイク用品、ヘアケア用品、ボディケア用品、その他の日用品が大好きな中国人。今後も、日本のドラッグストアの需要は大きいといえるでしょう。
まとめ
中国人は日本旅行のリピーターも多く、積極的にSNSで情報発信していますので、日本の商品を知り尽くしています。今後も、日本旅行の際にたくさん購入するでしょうし、日本に来れない時は越境ECを利用するでしょう。中国は、越境ECの巨大市場です。日本の企業にはまだまだチャンスが期待できる分野です。
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