VR(バーチャルリアリティ)を活用したWebインバウンドの取り組み紹介

ウィズコロナ時代を生き抜くための取り組み

コロナウイルスを完全になくすことは不可能であるなか、「アフターコロナ(コロナ終息後)」ではなく「ウィズコロナ(コロナと共に生きる)」を覚悟しなければならないと、多くの専門家が考えるようになっています。

JNTOが5月に発表した2020 年 4 月の訪日外国人数(推計値)によると、前年同月に比べて、99.9%減のわずか 2,900人となりました。まさに「インバウンド消滅」と形容してもよい数字となってしまいました。多くの国が海外渡航の制限や外出禁止の措置を取ったことや、日本でも検疫強化や査証の無効化などの措置が取られたことが、大幅ダウンの要因となっています。

先が見えない状況の中、ウィズコロナを前提でインバウンドの生き残りをかけ、さまざまな取り組みがされています。中でも期待されているのが、VR(バーチャル・リアリティ:仮想現実)技術を活用したサービスです。Webインバウンドの先進的取り組み例と、今後の可能性について考えてみました。

VR(バーチャルリアリティ)を活用したWebインバウンドとは?

VRは Virtual Reality の略で日本語では「仮想現実」と訳されます。ヘッドセットやゴーグル、リモコンなどの装備を使って、あたかも現実の体験であるかのような「没入感」を楽しみます。360度を見渡せるVRゴーグルをかけると、メガネのレンズにあたる部分がディスプレイになっていて、顔の向きに合わせて映像が表示されます。

VRは、一般消費者には最先端のゲームなどで人気ですが、この「没入感」をインバウンドの世界にも取り入れようという動きが出ています。

兵庫県 有馬温泉の取り組み

「金の湯」「銀の湯」で有名な兵庫県の有馬温泉の若手経営者たちが、自宅のお風呂に浸かりながら有馬の旅館にいる気分を味わえるVR映像を制作し、ユーチューブ上で配信しています。外出自粛のストレスをVRで癒してもらい、世界に向けて有馬温泉をPRをしようという企画です。

 

元湯 龍泉閣 有馬温泉湯めぐりVRより

こうしたVR映像は、地方の観光地が、まだそこを認知していない世界の人たちにプロモーションするのに適しています。有馬温泉の温泉の色は特徴的で、VRではお湯の質感を詳しく表現することができるため、「またあのお湯に浸かりたい」というリピーターを誘うのにも効果的でしょう。

 

伊勢丹新宿店の取り組み

世界最大級のVRイベントである「バーチャルマーケット」が4月29日〜5月10日に開催され、マーケット内の仮想都市「パラリアルトーキョー」に伊勢丹新宿本店が出店しました。

 

仮想伊勢丹新宿本店HPから

 

 再現された伊勢丹新宿店では、実在の商品や3Dデータを販売し、伊勢丹のトレードマークであるタータンチェックの紙袋の3Dデータも無料配布したそうです。リアルとバーチャルをつなげる生活空間を提供する企業HIKKYが主催する「バーチャルマーケット」は、バーチャル空間で買い物したり、乗り物に乗ったりできるだけでなく、同じ空間にいる人とコミュニケーションも楽しめます。仮想都市「パラリアルトーキョー」では、東京駅や東京タワーも再現され、ソフトバンク社なども店舗を出しました。

 

日本経済新聞の取り組み

日本経済新聞社は、スマートフォンで360度の映像や写真を楽しめるVRアプリ「日経VR」をリリースしました。自宅にいながら、映像や写真でニュース現場の臨場感を体験したり、仮想空間で芸術作品を鑑賞したり、旅行気分を味わったりすることができるアプリです。

 

おh 日経VR公式サイトから

 

そのなかの「NIKKEI STAY HOME PROJECT~日本全国スマホでお花見~」のコンテンツでは、日本全国20か所以上で撮影した桜を360度写真で公開しています。下のスマホのスクリーンショットは、青森の弘前公園の桜です。VRゴーグルを使えば、より迫力のある映像が楽しめるでしょう。

 

 

ほかにも、山形の烏帽子山公園、宮城県の白石公園、奈良県の吉野山、東京の千鳥ヶ淵や目黒川の桜があり、App StoreやGoogle Playから無料ダウンロードできます。

 

国立科学博物館の取り組み

国立科学博物館HPから

国立科学博物館は、2020年5月27日現在、臨時休館中で、自宅でも国立科学博物館のコンテンツを楽しめるよう、高画質のVR画像「おうちで体験! かはくVR」を提供しています。 3Dビュー+VR映像 で、自宅にいながら博物館を体験できます。VR映像としての鑑賞には専用ゴーグルかメガネが必要ですが、3Dビュー映像はPCやスマートフォンで鑑賞することができます。

私も見てみましたが、高画質!そして迫力があります。世界の動物たちの展示、楽しくなりますね!ぜひ皆様も楽しんでみてください。

 

まとめ

今後はウイルスと共存していかなければならない時代です。その中で、インバウンド対策としてVRが「いまできることの一つ」として広がりつつあります。

VRは、従来の画像より訴求力があり、効果的なプロモーション、マーケティング策のひとつといえます。実際の観光の下見のように活用する例もあります。VRを多言語展開して、世界に発信、PRしてみてはいかがでしょうか。

 

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