ウィズコロナ時代を生き抜くための取り組み-「政府・自治体による支援プロジェクト」編

新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う外出自粛・移動規制により、私たちの生活は一変しました。幸いにも感染者数は小康状態に落ち着き、緊急事態宣言も解除されました。しかし、油断すると第二、第三の感染の波が襲ってくる可能性が高く、ワクチンが開発されるまで何らかの制限が続くと考える人は少なくないのが現状です。

「ウィズコロナ(コロナウイルスとの共存)」を覚悟しなければならない今、生活者やサービス提供者の支援に乗り出す自治体も増えてきています。本コラムでは「自治体による支援プロジェクト編」として、自治体の取り組み事例を5つ紹介します。

Go Toキャンペーン

政府が推進する「Go Toキャンペーン」は、今回の新型コロナウィルスによって売上等で大きな被害を受けた観光業、飲⾷業、イベント事業等を支援し、需要を喚起するための官民一体型のキャンペーンです。キャンペーンは以下の4種類が用意されています。

  • Go To Travel キャンペーン(観光キャンペーン)」:旅⾏業者等経由で旅⾏商品を購⼊した方に、代⾦の1/2相当分(最⼤1⼈あたり2万円分/泊)のクーポン等を付与。
  • Go To Eat キャンペーン(飲⾷キャンペーン)」:オンライン飲⾷予約サイト経由で飲⾷店を予約・来店した方に、飲⾷店で使えるポイント(最⼤1⼈あたり1,000円分)等を付与。また、サイトに登録している飲⾷店で使えるプレミアム付⾷事券(2割相当分の割引等)を発⾏。
  • Go To Event キャンペーン(イベント・エンターテインメントキャンペーン)」:イベント等のチケットをチケット会社経由で購⼊した方に、割引・クーポン(2割相当分)等を付与。
  • Go To 商店街 キャンペーン(商店街キャンペーン)」: 商店街等でのイベント開催、観光商品開発、プロモーション等を実施。

6月に入り、新型コロナウィルスが収束の兆しを見せつつありますが、人々には未だパンデミックの恐怖感がこびりついています。国民の多くは未だに「自粛モード」から抜け出せていません。もちろん、それ自体は悪いことではありませんが、ウィルスが人を殺すように経済悪化も人を殺します。経済活動を活発にすることもまた、ウィルスを撲滅することと同じように大切なのです。今回のキャンペーンは、そういった状況を打破するための一手となることが期待されています。

自宅で「すてきじかん」 富士宮市がレシピ動画発信

新型コロナウィルスにともなう外出自粛の影響で、自宅でのパン作りやお菓子作りが世界的ブームになったことは記憶に新しいと思います。

富士宮市は、このように自宅で工夫して過ごす時間を「すてきじかん」と命名し、そのすてきじかんをサポートするために地元の飲食店とコラボした手づくりレシピ動画を公開しました。また、料理以外にも万年筆を使って手紙を書く動画や、てるてる坊主の作成動画なども公開しています。

子供と一緒に楽しめるような動画が多く、小さなお子さんのいる家庭では特に大きな助けとなりました。

福岡県福岡市、新型コロナを乗り越えるための実証実験を募集

パラダイムシフトが起きつつある今、市民・企業が変わらなければいけないときに来ています。そこで、福岡市は「社会経済活動を持続可能なものとする新しいサービスやプロジェクトの創出」を目指した実証実験の募集を開始しました。特に優れたプロジェクトには最大で50万円の助成金が提供されるほか、実証実験期間中はFGNコワーキングスペースを無償で利用できる特典が与えられます。

募集はすでに終わっており、「シェア型電動キックボードによる域内移動効率化、ラストワンマイル問題の解決」「AIを活用したケアマネジャー支援の実証実験」「キャッシュレス実証実験」などのプロジェクトが採択されました。

AIやIOT、キャッシュレスなどの分野で日本は他の先進国に遅れを取っています。これらの実証実験には、コロナ禍を乗り越えるという意味以上の期待がかかっています。

滋賀県、コロナに負けないぞ!! 子ども応援プロジェクト

全国規模での休校要請で学校に行けず退屈している子どもたち向けに、滋賀県は「コロナに負けないぞ!! 子ども応援プロジェクト」を開始しました。同プロジェクトでは子供が遊びながら学習できるようなインターネットコンテンツの提供や、畜産課の職員による県産牛乳の食レポ動画の公開、自然の素材を使った作品等の募集企画「自然の中の宝ものさがし」の開催などを行いました。

募集企画の「春への思い」「滋賀の食への思い」では計100作品以上もの応募があったとのこと。なお、応募いただいた方全員に「知事からのお礼状」と抽選で滋賀県の魅力がたくさん詰まった景品がプレゼントされるとのことです。

佐賀県鳥栖市、新型コロナを乗り越えようプロジェクト ~私たちは負けない~

新型コロナウイルスの感染拡大によって生活が一変した中でも、新型コロナに負けずに頑張っている市民や事業者はたくさんいます。鳥栖市はそういった人たちを紹介することで支え、一丸となってコロナ禍を乗り越えることを目的とした、「新型コロナを乗り越えようプロジェクト」を発足しました。

同プロジェクトでは、事業者等による「新型コロナウイルス感染症に負けないチャレンジ」を紹介し、市民へ向けたメッセージを発信します。現在、第3弾までプロジェクトが拡大中です。

新潟県&新潟県文化振興財団、文化応援!にいがた結(むすぶ)プロジェクト

新型コロナウイルスの影響で収入を得られなくなった方や事業者が大勢います。これを受けて、新潟県と新潟県文化振興財団は「にいがた結プロジェクト」を発足しました。にいがた結プロジェクトは「支援を必要としている事業者(飲食店や旅館・ホテル、文化・スポーツ分野等)」と「支援したい県民」とを『結ぶ』プロジェクト。クラウドファンディングを活用して支援するシステムになっています。

また、同プロジェクトでは「新型コロナウイルス感染症対策等応援基金(仮称)」を開設し、医療従事者をはじめとする方々の活動を支えると共に将来の環境整備をするための募金を呼びかけます。さらには、「ブルーキャンペーン」と称して、青のフォトメッセージ(頑張っている方々への応援メッセージ)の募集なども行っています。

まとめ

「ウィズコロナ」時代となった今、「コロナ前」に立案・実施されてきたサービス提供の施策の多くを白紙に戻し、新たな施策を検討する必要に迫られています。あらゆるアイデアを検討してこの問題に取り組むサービス提供者と、その取り組みを支援する自治体の皆さんに心からのエールを送ると共に、ストラテでは今後も事業者や自治体の皆さんの新たな取り組みをレポートしていきます。

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