ウィズコロナ時代を生き抜くための取り組み-外食産業の支援プロジェクト編

新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う外出自粛・移動規制により、私達の生活や意識は一変しました。

幸い緊急事態宣言は解除され、感染者数もピークを打ったように見えます。しかし、まだまだ気を抜けるような状況ではありません。油断すれば、第二、第三の感染の波が襲ってくるであろうことは容易に想像できます。ワクチンが開発されるまでは、今のような不便な状況が続くと考えている方も多いのではないでしょうか。

「ウィズコロナ(コロナウイルスとの共存)」を覚悟しなければならない中、日本の外食産業を守るために立ち上がる企業や個人が大勢います。そこで、本コラムでは「外食産業支援プロジェクト編」として、さまざま民間企業や個人の取り組み事例を8つ紹介していきます。

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」、外食産業関連事業者向けの支援プロジェクト

引用:ふるさとチョイス

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ全国的に自粛ムードは残ったままです。多少は外出も増えてきたとはいえ、人が集まる場所を避けるために飲食店へ入ることをためらう方も多いのが現実です。しかも、飲食店は他人が手で触れて作った料理を食べるということで、そこに忌避感や危機感を感じている方もいるようです。こういった状況が続いていることで、多くの外食産業関連事業者が苦境に立たされてしまっています。

そこで、大手ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」は、甚大な被害を受けている外食産業関連事業者を支援することを目的に「新型コロナウイルス被害事業者向け支援プロジェクト~外食産業~」を立ち上げました。

同サイト内の特設ページには各都道府県の現状が記載されており、気になった地域があれば「応援できる商品はこちらから」のリンクから飛ぶことで、その地域の返礼品を確認することができます。

ふるさとチョイスはこの他にも給食事業者向けの支援プロジェクトも行っており、今後の動向が注目されます。

さきめし、ごちそうさまの先払い

引用:さきめし

Gigi株式会社は3月より、外食産業関連事業者支援の新たな試みとして「さきめし」プロジェクトを開始しました。

「さきめし」とは、その名称通り飲食店に対して食事代金を「先払い」してもらい、新型コロナウイルスの影響が落ち着いた時期に食べに来てもらおう、というプロジェクトです。また、「寄付」することで飲食店全体を支援できるようにもなってます。客足が遠のいて「今現在」の事業継続が困難な飲食店を救う、非常に効果的な取り組みとして話題です。

このプロジェクトにはサントリーも共感を示し、5月からは「さきめし」のサポートに参加しています。「さきめし」を利用するときにかかる手数料の負担金と寄付金を合わせて1億円を拠出するとともに、さまざまな継続的支援を行っています。ちなみに、Gigi株式会社の代表取締役である今井了介氏は、安室奈美恵の「HERO」の作曲・プロデュースを担当したことでも知られる音楽プロデューサーです。

KitchHike(キッチハイク)、飲食チケットを買って未来のお客さんになろう!#勝手に応援プロジェクト

引用:KitchHike(キッチハイク)

KitchHike(キッチハイク)」は、グルメ好き同士で飲食店に集まって食事ができるマッチングアプリです。KitchHike(キッチハイク)もまた、さきめしと同じような先払いシステムのプロジェクト「#勝手に応援プロジェクト」を3月から始めました。飲食チケット販売で「今現在」の飲食店を支援し、未来へとつなげていこうという取り組みです。東京を中心として、全国で展開しています。

なお、購入したチケットは来店時の飲食代として使用可能ですが、2020年8月31日までの期間限定なものとなっています。7月14日時点で応援者数は6244人、応援総額は12,948,500 円となっています。

giftee、お店の未来にエールをおくろう

引用:giftee

「giftee」はメールやSNSなどを使って簡単にギフトを送れるサービスを提供しているサイト・アプリです。gifteeは「お店の未来にエールをおくろう―店舗応援プロジェクト―」を開始し、店で使える先払い式のデジタルチケット「応援チケット」の販売を行っています。パンデミックが終息し、気兼ねなく店舗へ出向けるようになった未来のために、店を支えようという取り組みです。

購入時にはメッセージカードが選択でき、店へのメッセージを書くことができます。金銭的な支援だけではなくエールを直接送れるこの機能は、多くの店舗に活力を与えていることでしょう。

同プロジェクトにはJCBも賛同しており、6月からサポートを行っています。JCBブランドのクレジットカード、あるいはJCB PREMO決済で応援チケットを購入すると、プロジェクトに参加している店が受けとる金額が他の決済方法での購入時よりも多くなります。

Bottle Keep Japan、ボトルキープでコロナショックに苦しむ飲食店を救済するWebサービス

引用:Bottle Keep Japan

緊急事態宣言の発令や自粛ムードの影響で飲食店は大打撃を受けましたが、中でもバーや居酒屋、スナックは特に被害を被りました。「レストランや食堂はまだしも、コロナの状況でバーや居酒屋に行くのは不謹慎だ」という風潮が生まれてしまい、飲食店の中でも特にお酒を中心に提供する店がダメージを受けてしまいました。

そこで、そういったお酒中心の飲食店を支援する目的で発足したのが「Bottle Keep Japan」プロジェクトです。飲食店はWEBサイト上に「店舗概要」「詳細情報」「ボトルキープ可能なドリンクメニュー」「現在のお店の状況」などを掲載し、支援者はそういった情報をもとに店舗やドリンクを選んでボトルキープする仕組みとなっています。

なお、掲載されている店は、「深夜酒類提供飲食店営業の届出がされていて風俗営業法に該当せず、かつ接待遊飲営業を行わないバー・居酒屋・飲食店等のみ」(ウェブサイトによる)に限定しており、利用者が安心して気軽に支援することができるように配慮されています。

メニューデザイン研究所、飲食店支援「テイクアウト・デリバリー始めましたPOP」「食で活力を!元気に営業中POP」を無料で提供

引用:メニューデザイン研究所

新型コロナウイルスによる全国的な自粛ムードの今、飲食店は安全対策への取り組みやデリバリーへの対応を余儀なくされています。しかし、急な対応が要求されるがゆえに、POPなどの重要度の低い部分にまで手が回らないという店も珍しくありませんでした。

そこで、メニューデザイン研究所は飲食店の支援のために「テイクアウト・デリバリー始めましたPOP」「食で活力を!元気に営業中POP」などを無料で提供するキャンペーンを開始しました。A4POPデータだけではなく、SNSで便利なバナーデータも無料で公開しています。

KANTO EXPRESS、テイクアウトポスターの無料ダウンロード

引用:KANTO EXPRESS

業務用食品や厨房機器を扱う「KANTO EXPRESS」もまた、飲食店向けの支援として、7色展開のテイクアウトポスターを無償公開しています。ポスターは「すでにテイクアウトを始めている店向け」のものと「これからテイクアウトを始める店向け」の2種類が用意されているので、計14種類の中から選ぶことができるようになっています。

こういった無償提供のポスターは色の選択肢に乏しいことが多いので、お店の壁の色などに合わせて統一感のあるポスターを採用できるKANTO EXPRESSの提供ポスターは、飲食店にとって非常にありがたいものとなっています。

株式会社マイズソリューション、「レストラン寄付.com」をスタート

引用:レストラン寄付.com

株式会社マイズソリューションは「純粋な寄付」こそが、最も飲食店にお金が渡る方法だと考えています。しかし、テイクアウト・デリバリーを活用した支援サイトは散見されるものの、寄付に特化した支援サイトはなかなか見当たりません。そこで、飲食店を支援する選択肢の一つとして「寄付」を選べるよう同社が開設したのが、飲食店向け寄付サイト「レストラン寄付.com」です。

支援者はサイト上で支援したい飲食店を選び、一口1,000円の寄付を行います。翌月、決済手数料などを引いた額の寄付金が支援先の口座へ振り込まれる仕組みです。

なお、「レストラン寄付.com」はボランティアで運営されており、運営としては一切の手数料を取りません(決済手数料は支援者負担)。もちろん、店も支援者も会員登録は無料で行なえます。

まとめ

「ウィズコロナ」時代には、「コロナ前」に立案・実施されてきたサービス提供の施策の多くを白紙に戻し、新たな施策を見つけ出す必要に迫られています。特に、外出自粛や三密を避けるといった対策の元、外食産業に従事する皆様のご苦労は想像するにも余りあるものがあります。

さまざまなアイデアを絞って、外出産業の生き残りや活性化に取り組む皆様や、そのような方たちを支援する善意の企業や個人の皆様に心からのエールを送るとともに、ストラテでは今後もこのような支援の取り組みをレポートしていきます。

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