【2026年最新】マレーシア移住の条件と費用を解説!MM2Hやノマドビザの注意点とは?

マレーシア移住の条件

マレーシア移住の条件について調べているあなた、2026年から適用される最新のルール変更や費用の増加に少し不安を感じていませんか。

ビザの種類や取得に必要な資産、年齢制限などは頻繁に更新されており、古い情報のままだと思わぬ失敗や後悔につながるリスクがあります。

私も10年以上昔にマレーシアに住んでいたことがありますが、現地の変化のスピードには驚かされることばかりです。

この記事では、複雑化する移住やビザの条件を整理し、あなたの目的や予算に合った最適なプランを見つけるためのお手伝いをします。

  • 2026年最新のMM2Hビザや州別プログラムの条件
  • 移住に必要な初期費用と維持費用のリアルな内訳
  • デジタルノマドビザなど新しい移住ルートの可能性
  • 移住後の生活で失敗しないためのリスク管理と対策
目次

マレーシア移住の条件と最新ビザ制度

かつては「世界で一番住みやすい国」として、比較的低いハードルで移住できたマレーシアですが、ここ数年でその状況は大きく変わりました。「誰でもウェルカム」から「質の高い移住者を歓迎する」方向へシフトしているんですね。

国の経済レベルが上がるにつれて、移住者に求めるハードルも上がるのは自然な流れとも言えますが、私たちにとっては悩ましいところです。まずは、ご自身の年齢や資産状況がどのビザの条件に当てはまるのか、最新情報を基にじっくりと確認していきましょう。ここを間違えるとスタートラインにも立てないので、要チェックですよ。

ビザの種類定期預金(目安)不動産購入の要件対象年齢滞在義務主な特徴・注意点
連邦版MM2H(シルバー)15万米ドル(約2,300万円)必須(60万リンギット以上)25歳以上年間60日10年間の不動産転売禁止制限あり。
サラワク州 S-MM2H(2026〜)50万リンギ(約1,700万円)50歳以上は不要(賃貸可)50歳以上(推奨)年間30日2026年1月より預金額が大幅増。50歳未満は条件が異なる。
サバ州 SBH-MM2H15万〜30万リンギ(約500〜1,000万円)必須(60万リンギット以上の高層住宅)30歳以上年間30日購入対象はコンドミニアム等に限定。土地付きは不可。
デジタルノマド(DE Rantau)不要不要(賃貸可)指定なしなし年収約360万円〜が条件。最大2年間の「お試し移住」に最適。

3ティア制MM2Hビザの資産要件

2024年6月に大きく改定された連邦政府版のMM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)プログラムは、申請者の経済力に応じて「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」の3つの階層(ティア)に分かれました。

これは従来の単一カテゴリーとは全く異なるシステムで、それぞれの階層ごとに求められる資産証明や特典が細かく設定されています。

まず、すべてのカテゴリーで共通して変わった最も重要なポイントは、「定期預金」と「不動産購入」の両方がセットで義務付けられているという点です。以前のMM2Hをご存知の方なら「えっ、賃貸じゃダメなの?」と驚かれるかもしれません。はい、ダメなんです。

以前は不動産を買うかどうかは自由で、気楽にコンドミニアムを賃貸してロングステイを楽しむことができましたが、新制度では「マレーシアに家を買うこと」がビザ承認の絶対条件(Pre-requisite)として組み込まれてしまいました。

例えば、最もハードルが低いとされる「シルバー」カテゴリーであっても、以下の厳しい条件を満たす必要があります。

連邦版MM2H(シルバー)の主な条件

  • 定期預金:15万米ドル(約2,300万円)
  • 不動産購入:60万リンギット(約2,100万円)以上
  • 年齢制限:25歳以上
  • 滞在義務:年間60日(主申請者または配偶者等の帯同者で充足可能)
  • 参加費:主申請者1,000リンギット、ゴールドなら3,000、プラチナならなんと20万リンギット

ここで注意したいのが、定期預金の金額が「米ドル(USD)」で指定されている点です。実際にはマレーシアの銀行にリンギットで預け入れることになりますが、為替レートの影響をモロに受けます。

さらに、この定期預金はビザを保持している間はずっとキープしなければならないお金です(2年目以降、医療費や不動産購入などの特定目的で50%までは引き出し可能ですが、残りは凍結されます)。

不動産購入の条件

そして最大のネックとなるのが不動産購入義務。シルバーの場合、最低60万リンギット以上の物件を購入しなければなりません。しかも、「10年間は転売禁止(より高額な物件への買い替えは可)」という縛りまでついています。これはつまり、資産をマレーシアに長期間ロックされることを意味します。

「ちょっと数年住んでみて、飽きたら帰ろう」という軽い気持ちでは手が出せない制度になってしまったんですね。特にジョホール州やクアラルンプールなど、不動産の供給過剰が指摘されているエリアの在庫解消を狙った政策的な意図も感じられます。

年齢制限の要件

一方で、年齢制限が「25歳以上」に引き下げられたのは、若い富裕層やFIRE達成者にとっては朗報かもしれません。以前のような「月額収入証明(オフショア収入)」の要件が公式には撤廃され、代わりに定期預金という「ストック資産」重視に変わったことも、資産はあるけど月々の給与収入はないという方には有利に働く可能性があります。(出典:マレーシア観光芸術文化省(MOTAC)

サラワク州S-MM2Hの条件変更

マレーシアは連邦制の国なので、ボルネオ島にあるサラワク州とサバ州は独自の移民管理権限を持っています。

中でもサラワク州の「S-MM2H」は、連邦版の条件が厳しくなる中で「最後の砦」として人気を集めてきました。しかし、そんなサラワク州もついに動きました。2026年1月1日から条件が大幅に厳格化され、多くの移住希望者に衝撃が走っています。

特にインパクトが大きいのが、定期預金(Fixed Deposit)の金額変更です。これまでは50歳以上の単身者なら15万リンギット、夫婦でも30万リンギットで済みましたが、新ルールでは年齢や家族構成に関わらず、一律50万リンギット(約1,700万円)の定期預金が必須となりました。単身者からすれば一気に3倍以上の値上げですから、これはかなり痛いですよね。

「じゃあもうサラワク州のメリットはないの?」と思うかもしれませんが、実はまだ大きな利点が残っています。それは、「50歳以上であれば、不動産購入が必須ではない」という点です。

サラワク州S-MM2Hは柔軟

連邦版MM2Hではシルバーでも不動産購入が義務化されましたが、サラワク州のS-MM2Hなら、50歳以上の方は賃貸物件に住みながらビザを維持できます。これは、資産の流動性を確保したい方や、将来的に日本へ完全帰国する可能性がある方にとって、決定的に重要な条件となります。

また、滞在義務についてもサラワク州は柔軟です。連邦版が年間60日(以前の90日から短縮されましたが)なのに対し、サラワク州は「年間30日」の州内滞在でOKです。これなら、日本をベースにしつつ、冬の寒い時期だけマレーシアで過ごすといった「デュアルライフ(二拠点生活)」も無理なく実現できますよね。

サラワク州S-MM2Hの注意点

ただし、注意点もあります。S-MM2Hはあくまで「サラワク州への移住」を前提としたビザです。そのため、クアラルンプールやペナンといった西マレーシアの都市に定住することは制度の趣旨に反します。実際には西マレーシアへの旅行や滞在は自由ですが、ビザの更新時にはパスポートのスタンプを確認され、サラワク州での滞在実績が足りないと更新を拒否されるリスクがあります。

「S-MM2Hを取ってKLに住めばいいや」という裏技的な考えは、コンプライアンスが厳しくなっている現在、非常にリスキーなのでおすすめしません。(出典:サラワク州観光・創造産業・舞台芸術省

30歳以上対象サバ州MM2Hの条件

サラワク州のお隣、ダイビングスポットやキナバル山で有名なサバ州も、独自の「SBH-MM2H(サバ・マイ・セカンドホーム)」プログラムを2024年に正式ローンチしました。こちらも自然豊かな環境でのんびり暮らしたい方には魅力的な選択肢ですが、条件面で非常にユニークな、というか少し人を選ぶ特徴があります。

不動産購入の条件

まず、対象年齢は30歳以上となっており、比較的若い世代から申請可能です。そして最大の特徴かつハードルとなるのが、「不動産購入が必須」であり、なおかつその対象が「60万リンギット以上の高層住宅(コンドミニアムやアパートメント)」に限定されているという点です。

土地付きの戸建て住宅(Landed Property)は購入対象として認められていません。これは、外国人の土地所有を制限しつつ、コタキナバルなどで建設ラッシュが続くコンドミニアム市場を活性化させたいという州政府の意図が透けて見えますね。

定期預金の要件

定期預金の要件に関しては、単身で15万リンギット、夫婦で30万リンギットと、連邦版やサラワク州の新条件に比べれば低く抑えられています。しかし、初期投資として「60万リンギット(約2,100万円)の不動産購入」が乗っかってくるため、トータルの移住コスト(Initial Capital Outlay)は決して安くありません。

「どうせ家を買うつもりだったし、コタキナバルの海が見えるコンドミニアムがいい!」という方にはピッタリですが、「とりあえず賃貸で様子を見たい」という方には不向きな制度と言えるでしょう。

滞在義務の要件

滞在義務はサラワク州と同じく「年間30日」です。サバ州の美味しいシーフードや豊かな自然を満喫しながら、日本との行き来を楽しむスタイルには適しています。ただし、エージェント選びには注意が必要です。サバ州のプログラムは、州政府が認可した特定のエージェントを通さないと申請できないルールになっています。(出典:サバ州観光局 SBH-MM2H公式サイト

デジタルノマドビザの条件

ここまで読んで、「うわっ、定期預金も不動産購入も高すぎる…自分には無理かも」と諦めかけたあなた。まだ早いです! 

今、現役世代やフリーランスの方たちの間で「最強の移住ルート」として注目されているのが、デジタルノマドビザ(正式名称:DE Rantau Nomad Pass)です。このビザの何がすごいって、MM2Hのような高額な資産要件が一切ないんですよ。

マレーシアデジタル経済公社(MDEC)が主導するこのプログラムは、IT系やデジタル系の専門職はもちろん、2024年の改定で経営者(Founder/CEO)、ビジネス開発、法律、会計、テクニカルライティングなど、非IT系の職種にも対象が大幅に拡大されました。申請に必要な主な条件は以下の通りです。

 DE Rantau(デジタルノマドビザ)の申請条件 

  • IT・デジタル専門職:年収24,000米ドル(約360万円 / 月収換算で約30万円)以上
  • 非IT専門職(経営者等):年収60,000米ドル(約900万円 / 月収換算で約75万円)以上
  • 契約形態:マレーシア国外の企業との雇用契約、またはフリーランスとしての業務委託契約
  • 資産要件:定期預金や不動産購入の義務は一切なし

期間は3ヶ月から12ヶ月で、さらに12ヶ月の更新が可能なので、最大で合計2年間滞在できます。「たった2年?」と思うかもしれませんが、移住の「お試し期間」としては十分すぎる長さです。まずはこのビザでクアラルンプールやペナンの生活環境を体験してみて、本当に気に入ったら将来的にMM2Hへの切り替えを検討するという「ステップアップ移住」が、今のトレンドになりつつあります。

しかも、配偶者やお子さんを帯同することも可能です。お子さんがインターナショナルスクールに通うことも認められています(学校側の受け入れ態勢によりますが)。申請料もMM2Hに比べて格段に安く、全てオンラインで完結できるのもデジタル世代には嬉しいポイントです。

ただし、マレーシア国内の企業から収入を得ることは禁止されているので、あくまで「海外の仕事をリモートでする」というスタイルを守る必要があります。(出典:Malaysia Digital Economy Corporation (MDEC)

費用やリスクから見るマレーシア移住の条件

ビザの条件をクリアしても、それはあくまで「入国許可」が下りたに過ぎません。実際に現地で生活を続けていくためには、経済的な体力が必須です。「物価が安いから日本の年金だけで余裕」なんて言葉を信じて移住すると、痛い目を見るかもしれません。円安や現地のインフレが進む今、経済的な「条件」もしっかりシミュレーションしておくことが重要です。ここ、気になりますよね。

夫婦や単身の生活費と初期費用

「マレーシアは日本の生活費の3分の1」という話、聞いたことありませんか? 正直に言いますが、それはもう10年以上前の神話です。現在のクアラルンプール(KL)中心部で、日本人がストレスなく、治安の良いエリアで中流以上の生活を送ろうとすると、日本と変わらないか、項目によってはそれ以上のコストがかかることもあります。

例えば、セキュリティのしっかりしたプール・ジム付きのコンドミニアム(2LDK程度)を借りる場合、家賃は3,500〜5,000リンギット(約12万〜17万円)ほど見ておく必要があります。

食費も、ローカルの屋台(ホーカー)だけで済ませれば安いですが、日本食材スーパーで買い物をしたり、和食レストランに行ったりすれば、価格は日本の1.2倍〜1.5倍です。お酒に至ってはイスラム教国のため酒税が高く、ビール1缶で数百円、居酒屋で飲めば日本より高くつきます。

夫婦2人でゆとりある生活をする場合のリアルな月額予算は、8,200〜13,700リンギット(約28万〜48万円)程度が目安になります。内訳としては、家賃に加えて、常時使うエアコンの電気代、高速インターネット、移動のGrab(配車アプリ)代、そして万が一の医療費積立などです。

さらに見落としがちなのが初期費用(イニシャルコスト)です。賃貸契約時には、通常「2.5ヶ月分」のデポジット(敷金)と「1ヶ月分」の前家賃、合計3.5ヶ月分を最初に支払う必要があります。家賃が4,000リンギットなら、入居時だけで14,000リンギット(約50万円)が飛んでいきます。

これにビザ取得費用、航空券、引越し代、家具家電の購入費などを合わせると、最低でも400万円前後の準備資金を手元に用意しておかないと、生活の立ち上げすらままなりません。

項目費用(リンギット)費用(日本円換算)内容・備考
家賃4,000約140,000円セキュリティ重視。ジム・プール付き2LDKコンドミニアム。
光熱費・通信費600約21,000円常時エアコン稼働、高速インターネット代を含む。
食費(外食・自炊)3,500約122,500円日本食材購入や和食レストラン利用(日本より1.5倍高め)。
交通費(Grab等)500約17,500円配車アプリの利用。自家用車維持ならガソリン・保険代。
医療保険・雑費1,500約52,500円現地医療保険の月割、日用品、交際費、お酒代。
合計10,100約353,500円ゆとりある暮らしの目安金額

医療費や保険加入の必須条件

移住の条件として忘れてはならないのが「医療保険」です。すべてのMM2Hおよび長期ビザカテゴリーにおいて、医療保険への加入は承認の必須条件となっています。「健康には自信があるから保険はいらない」という選択肢は認められていません。

マレーシアの医療水準は非常に高く、特にクアラルンプールやペナンの私立病院(パンタイ病院やグレンイーグルス病院など)は、先進国と変わらない最新設備と、欧米やオーストラリアで資格を取った優秀な医師が揃っています。日本語通訳が常駐している病院も多く、言葉の面でも安心です。

医療費の実情に注意

ただし、私立病院の医療費は「全額自己負担」が原則で、非常に高額です。風邪で受診しても数千円〜1万円、盲腸の手術で入院すれば数十万円、心臓疾患や脳疾患などの大掛かりな手術になれば数百万〜1千万円クラスの請求が来ます。日本の国民健康保険も「海外療養費制度」を使えば一部還付されますが、まずは現地で全額立て替える必要があり、キャッシュフローを圧迫します。 

そのため、現地の民間医療保険や、国際医療保険への加入が欠かせません。しかし、ここで問題になるのが「年齢」と「既往症」です。一般的に、60歳や65歳を超えると新規で加入できる保険の選択肢が激減します。

また、持病がある場合はその病気が補償対象外(免責)になることがほとんどです。60歳以上の申請者でどうしても保険に入れない場合は、例外的に加入が免除されるケースもありますが、その際は「医療費を自費で支払えるだけの十分な財力」を追加で証明しなければなりません。

税金対策と国外源泉所得の条件

マレーシア移住の大きなメリットの一つに「税制優遇」があります。マレーシアは「属地主義」を採用しており、原則としてマレーシア国内で発生した所得にのみ税金がかかります。つまり、日本や他の国で稼いだお金には、マレーシアで課税されないというのがこれまでの常識でした。

しかし、2022年の税制改正で、原則として「マレーシア居住者が海外からマレーシア国内に送金した所得」も課税対象(Foreign Sourced Income Tax)となりました。これには多くの移住者が震え上がりましたが、現在は政府の特例措置として、2022年1月1日から2026年12月31日までの期間、個人の居住者がマレーシアに送金する国外源泉所得は非課税となっています。

2027年問題とは?

では、2027年以降はどうなるのでしょうか? 現時点では不透明ですが、この特例が終われば、日本からの年金や配当金をマレーシアの口座に移した瞬間に税金がかかる可能性があります。MM2H保持者に対しては何らかの優遇が継続されるという見方もありますが、確定事項ではありません。この「2027年問題」は、長期的な資金計画を立てる上で無視できないリスク要因です。

また、マレーシアに年間182日以上滞在すると「税務上の居住者」と認定されます。居住者になれば累進課税(0%〜30%)が適用され、各種控除も受けられますが、滞在日数が少ない「非居住者」の場合は一律30%の高い税率が適用されます。

マレーシア国内で何らかの収入を得る予定がある方や、デジタルノマドビザで仕事をする方は、自分の滞在日数をしっかり管理して、税務上のステータスを把握しておく必要があります。(出典:マレーシア内国歳入庁 (LHDN)

失敗を防ぐための準備と心構え

最後に、書類上の条件ではありませんが、移住を成功させるための「見えない条件」についてお話しします。検索エンジンで「マレーシア移住」と打つと、「失敗」「後悔」「帰国」といったネガティブな関連ワードが出てきますよね。なぜ多くの人が志半ばで帰国してしまうのでしょうか。

大きな理由は「政策の急な変更(Policy Flip-Flops)」への対応疲れと、「孤独」です。マレーシアのビザ制度やルールは、政権の方針や経済状況によって、ある日突然、予告なしに変更されることが珍しくありません。

MM2Hの条件厳格化もまさにその一例です。「今の条件がずっと続く保証はない」という前提で、常に余裕を持った資金計画と、万が一ビザが更新できなくなった時の「撤退戦略(Exit Strategy)」を持っておくことが、精神的な安定につながります。

また、「毎日ゴルフ三昧で幸せ」なのは最初の半年だけ、という話もよく聞きます。言葉の壁(英語が通じるとはいえネイティブではない)、文化の違い、そして日本人コミュニティ内での狭い人間関係のトラブルに疲れ果ててしまうケースも。

現地で何をしたいのか、どんな生活を送りたいのかという「目的(ライフパーパス)」を明確に持つことが、実は最も重要な条件かもしれません。ボランティア活動に参加したり、現地の習い事を始めたりして、日本人以外との接点を持つことが、孤独を防ぐ特効薬になります。

失敗しないためのチェックリスト

マレーシア移住は刺激に富んでいますが、同時にリスクもあります。失敗しないために以下の点をあらかじめチェックしておきましょう。

1. ビザ・資産要件の確認(スタートライン)

  • ビザの「不動産購入義務」を理解しているか?
    • 連邦版MM2H(シルバー以上)やサバ州は「賃貸不可」です。購入資金の準備はできていますか?
  • 定期預金は「米ドル建て」でシミュレーションしたか?
    • 為替レートの変動により、必要額が日本円で数百万円単位で増減するリスクを考慮していますか?
  • 不動産の「10年間転売禁止」のリスクを許容できるか?
    • 10年間は資産がマレーシアにロックされます。急な帰国が必要になった際の売却は困難です。
  • サラワク州S-MM2Hの「2026年1月ルール」に対応しているか?
    • 単身者でも一律50万リンギットの預金が必要です。旧条件(15万リンギット)で考えていませんか?

2. 資金計画のリアル(経済的破綻を防ぐ)

  • 「生活費は日本の3分の1」という神話を捨てたか?
    • 月額30万〜50万円程度の、日本と変わらない予算を組んでいますか?
  • 初期費用として「最低400万円」のキャッシュを用意したか?
    • ビザ取得費、家賃デポジット(3.5ヶ月分)、引越し代、家具代などを網羅していますか?
  • 「2027年問題(税制)」を想定しているか?
    • 送金所得の非課税特例が終了した後、日本からの年金や配当に課税されるリスクを織り込んでいますか?

3. 健康・リスク管理(万が一への備え)

  • 医療保険の加入・更新ができる年齢か?
    • 60〜65歳を超えると新規加入が難しくなります。持病(既往症)が免責にならないか確認しましたか?
  • 高額な医療費の「立て替え」が可能か?
    • 手術などで数百万円の請求が来た際、一時的に支払えるキャッシュフローを確保していますか?
  • 「出口戦略(撤退計画)」は決まっているか?
    • 政策変更でビザが更新できなくなった場合や、体調を崩した際にどこで暮らすか決めていますか?

4. メンタル・生活環境(孤独を防ぐ)

  • 移住の「目的(ライフパーパス)」は明確か?
    • ゴルフやリゾート以外の「やりたいこと」を持っていますか?(半年で飽きるリスクを回避)
  • 「政策の急な変更」に耐えられる柔軟性はあるか?
    • ルールがある日突然変わる国であることを理解し、一喜一憂しない心構えができていますか?
  • いきなりMM2Hではなく「お試し移住」を検討したか?
    • デジタルノマドビザなどを使い、まずは1年程度「現地で生活」するステップを踏んでいますか?

よくある質問(FAQ)

子供のインター校入学とビザの条件は?

マレーシアは教育移住の宝庫で、学費は年間60万〜300万円超と幅広いです。最新のMM2H制度では、以前は21歳までだった帯同可能な子供の年齢制限が「34歳まで(未婚が条件)」に大幅に引き上げられました。これにより、大学卒業後の長期滞在も容易になっています。

ただし、お子様が現地で就労する場合は別途ビザの切り替えが必要です。また、学校によってはMM2Hではなく独自の学生ビザ(Student Pass)の取得を推奨するケースもあります。入学を希望する学校の受け入れ態勢を事前に確認し、卒業後のビザ更新まで含めた計画を立てることが、教育移住を成功させる条件となります。

日本の運転免許証の切り替え条件は?

2025年5月の法改正により、外国免許からマレーシア免許への無試験切り替えは原則停止されました。しかし、MM2H保持者はこの改正の「例外対象」となっており、2026年現在も大使館発行の翻訳証明があれば無試験での切り替えが可能です。一方で、就労ビザ(EP)の方は例外から外れたため、現地の教習所で学科・実技試験をパスしなければなりません。

短期滞在なら日本の免許と国際免許(有効期限1年)で運転可能ですが、長期定住を前提とするなら、MM2Hの特典を活かして早めにマレーシア免許を取得しておくのが得策です。ビザの種類によって「足」の確保難易度が異なる点には注意が必要です。

ペットを帯同するための条件は?

愛犬や愛猫と移住する場合、日本(狂犬病清浄国)からの輸入は比較的スムーズですが、2024年以降は輸入許可証の申請が厳格化されています。到着後の検疫期間は、書類に不備がなければ数日間、または自宅隔離で済むことが多いですが、特定の「危険犬種(土佐犬や秋田犬など)」は輸入そのものが禁止されています。

また、マレーシアのコンドミニアムには「ペット不可」や「小型犬1匹のみ」といった管理規約(House Rules)が存在します。ビザの条件をクリアしても、住まい側で飼育が拒否されるリスクがあるため、物件探しの段階でペット飼育の可否を詳細にチェックすることが、失敗しないための絶対条件です。

現地での就労や起業の条件は?

MM2Hビザは原則として「就労不可」ですが、2024年改定の新制度では「プラチナ」カテゴリーに限り、国内での就労やビジネス活動が公的に認められました。ゴールドとシルバーは引き続き就労不可ですが、現地法人を設立して株主(投資家)になることは可能です。ただし、役員として実務に携わるには別途就労ビザが必要になるなど、活動範囲に制限があります。

デジタルノマドビザは「マレーシア国外の企業からの収入」が前提であり、国内企業との直接契約は禁止されています。自分の収入源がどのビザの「条件」に合致するか、あるいは法人口座を開設して正しく納税できるかを事前確認しておく必要があります。

親(両親・義父母)を帯同する条件は?

2024年以降のMM2H新ルールでは、主申請者または配偶者の60歳以上の両親(および義父母)を帯同家族として申請できるようになりました。これは家族全員での移住を考えている方には大きなメリットです。親の申請には追加のビザ費用がかかりますが、主申請者が資産条件を満たしていれば、親自身の収入証明は不要です。

ただし、医療保険への加入は移住の必須条件となります。60歳以上は現地保険への加入が難しいため、例外的に免除されるケースもありますが、その分、高額な医療費を自費で賄えるだけの予備資金を確保しておくことが、家族全員で安心して暮らすための隠れた「経済的条件」となります。

永住権(PR)取得の可能性と条件は?

「MM2Hを更新し続ければいつか永住権(PR)が取れる」という考えは、マレーシアでは通用しません。MM2Hはあくまで「長期滞在パス」であり、永住権への道とは切り離されています。マレーシアのPR取得は世界的に見ても最難関の一つで、数千万円の投資や高度な専門スキル、現地人との結婚、そして多額の納税実績があっても、数年から十数年の待機が必要です。

もし最終的に永住を目的とするならば、MM2HではなくPVIP(プレミアム・ビザ・プログラム)など、より永住審査に有利とされるカテゴリーを検討する必要がありますが、それも取得を保証するものではないという「覚悟」が必要です。

自分に合うマレーシア移住の条件まとめ

マレーシア移住の条件は、以前よりも複雑で、資金的なハードルも確実に上がっています。しかし、それは裏を返せば、しっかりとした準備と資産を持つ人にとっては、より快適で質の高い環境が整いつつあるとも言えます。重要なのは、自分の状況に合ったビザを戦略的に選ぶことです。

 【タイプ別】おすすめの移住戦略 

  • 資産に余裕がある50歳以上:サラワク州S-MM2Hがおすすめ。定期預金50万リンギットは必要ですが、不動産購入の義務がなく、資金を自由に動かせます。滞在義務も少なく、二拠点生活に最適です。
  • 現役世代・フリーランス・IT人材:デジタルノマドビザ(DE Rantau)一択。資産要件がなく、年収証明だけで住める最強のパスポートです。まずはお試し移住から始めましょう。
  • 不動産投資も兼ねたい富裕層:連邦版MM2H(シルバー以上)やサバ州MM2H。KLやペナンの資産価値のある物件を購入し、長期滞在権を確保する王道スタイルです。

このように、ご自身の属性に合わせて「勝てる場所」を選ぶのが正解です。ネット上の古い情報に惑わされず、ぜひ最新の正しい情報を武器に、理想のマレーシア生活への第一歩を踏み出してくださいね。

免責事項

この記事の情報は2026年時点のリサーチに基づいています。マレーシアのビザ要件や費用は予告なく変更される可能性が非常に高いです。最終的な判断や申請にあたっては、必ずマレーシア移民局やMOTAC、各州の公式機関、または認定エージェントの最新情報をご確認ください。

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