「LINEの英語通訳って、見られてるのかな?」そう感じることがありますか?実際にSNSやYahoo知恵袋では、見られているかのように感じて、不安を訴えている人が一定数おられます。
それだけ、多くの方がプライバシーや安全性について意識しておられるということでしょう。
この記事では、LINEの英語通訳機能が本当に見られているのか、どのような仕組みで翻訳されているのか、また安心して使うためのポイントについて、わかりやすく解説します。LINEの通訳機能を安全に使いこなしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
- LINE英語通訳における会話内容の閲覧可否
- メッセージの暗号化とプライバシー保護の仕組み
- 通訳機能のAIによる自動処理の実態
- 誤訳や情報提供に関するリスクと対策
LINE英語通訳は見られている?

まず、皆さんが最も気になっているであろう核心の部分からお話しします。LINEの英語通訳機能を使った会話は、第三者に「見られている」のでしょうか?
答えは「いいえ、通常の利用において、あなたの会話内容が人間の目によって直接見られることはありません」です。
なぜそう断言できるのか、その理由はLINEが採用しているプライバシー保護の仕組みにあります。
メッセージの暗号化
LINEの1対1トークやグループトークには、「Letter Sealing(レターシーリング)」という強力な暗号化技術が採用されています。
これはいわゆる「エンドツーエンド暗号化」と呼ばれる仕組みで、メッセージを送信するあなたのスマホと、それを受信する相手のスマホ、その「両端(エンド)」でしか内容を読み取れないようにする技術です。
例えるなら、あなたと相手だけが持つ特別な鍵でしか開けられない「秘密の日記帳」をやり取りしているようなもの。メッセージはLINEのサーバーを通過しますが、そこでは意味不明な文字列のデータとして扱われるため、LINEの社員を含め、第三者が中身を解読することは極めて困難です。
この暗号化は、英語通訳機能を利用している会話にも適用されます。
AI翻訳の自動処理
日本語から英語へ、英語から日本語への翻訳は、すべてシステム、つまりAI(人工知能)が自動で行っています。そこには人間の監視員がいて、一つひとつの会話をチェックしているわけではありません。あなたのメッセージは、あくまで機械的な処理の対象として扱われるだけです。
注意点:「データ利用」されるケース
ただし、一点だけ知っておくべきことがあります。それは、LINEがサービス品質の向上や改善を目的として、個人が特定できない形に加工した統計データを利用する場合がある、ということです。
これは、例えば「こういう日本語表現は、こういう英語に誤訳されやすい」といった傾向を分析し、AIの翻訳精度を高めるために使われます。あなたの名前や具体的な会話内容が、誰かの研究テーマとして見られるわけではないので、過度な心配は不要ですが、こうした仕組みがあることは理解しておくと良いでしょう。
以上のことから、LINE英語通訳はプライバシーに配慮された設計になっており、「誰かに会話を覗き見されている」という心配は、基本的には必要ないと言えます。
LINEの英語通訳機能とは?

安心していただいたところで、改めて「LINEの英語通訳機能」がどのようなものか、その基本についておさらいしておきましょう。他の翻訳ツールと比較すると、この機能の価値がより明確になります。
基本機能の概要
LINE英語通訳とは、LINEヤフー社が公式に提供している「LINE公式アカウント」の一つです。このアカウントを友だち追加するだけで、主に3つの便利な機能が使えるようになります。
日本語⇔英語の相互翻訳
これが最も基本的な機能です。通訳アカウントとの1対1のトーク画面で、日本語のメッセージを送れば英語に、英語のメッセージを送れば日本語に、即座に翻訳して返信してくれます。
グループトークでの同時通訳
この機能の真骨頂とも言えるのが、グループトークでの活用です。例えば、あなたと英語を話す友人がいるグループにこの通訳アカウントを招待すると、あなたが日本語で投稿した内容を自動で英訳し、友人が英語で投稿した内容を自動で和訳してくれます。これにより、言葉の壁を意識することなく、リアルタイムでの会話が楽しめます。
辞書代わりの利用
「この単語、英語で何て言うんだろう?」と思った時に、通訳アカウントにその単語を送るだけで、すぐに英単語を教えてくれます。わざわざ別の辞書アプリや検索サイトを開く必要がないため、非常に手軽です。
他の翻訳ツールとの違い
世の中にはGoogle翻訳やDeepLといった、非常に高機能な翻訳ツールがたくさんあります。では、それらと比較してLINE英語通訳が優れている点はどこなのでしょうか。
メリット:圧倒的な「手軽さ」と「スピード」
最大の違いは、「LINEアプリ内で全てが完結する」という点です。 他のツールを使う場合、「LINEのメッセージをコピー → 翻訳アプリにペースト → 翻訳結果をコピー → LINEにペーストして送信」という手間が発生します。
この一連の作業は、会話のテンポを損なう原因になりがちです。 一方、LINE英語通訳なら、いつものトーク画面でメッセージを送るだけ。この圧倒的な手軽さとスピード感こそが、日常的なコミュニケーションにおいて最大のメリットと言えます。
デメリット:対応言語の少なさと専門性の高い翻訳
LINE英語通訳は、その名の通り「英語」がメインです(他に中国語や韓国語のアカウントもあります)。Google翻訳のように数十カ国語に対応しているわけではありません。
また、非常に長い文章や、法律・医療などの専門用語が多く含まれる文章の翻訳精度は、DeepLのような専門的な翻訳エンジンに劣る場合があります。
結論として、LINE英語通訳は「日常的な友人とのカジュアルな会話」において、最も手軽で便利なツールと言えるでしょう。
「LINE英語通訳」の使い方
機能の概要がわかったところで、さっそく具体的な使い方を見ていきましょう。設定はとても簡単なので、この機会にぜひ試してみてください。
公式LINE動画「LINEの通訳機能を使用する方法」
LINE公式で通訳機能を使用する方法の動画が用意されていますので、一度ご覧ください。
通訳アカウントの友だち追加方法
動画をご覧になった方は、設定方法を理解されたと思います。この部分では、実際の登録方法を画像でご説明します。
まずは、通訳をしてくれる公式アカウントを「友だち」に追加する必要があります。

- LINEの「ホーム」画面を開き、上部にある検索窓をタップします。
- 検索窓に「LINE英語通訳」と入力して検索します。
- 公式アカウントの欄に「LINE英語通訳」が表示されるので、それをタップします。

4.「追加」ボタンをタップすれば、友だち追加は完了です。※IDで検索する場合は、「@linejpen」と入力してください。
これで、あなたの友だちリストに「LINE英語通訳」が加わり、いつでも使える状態になりました。
「LINE英語通訳」3つの使い方
実際に通訳機能を使ってみましょう。主な使い方は3パターンです。
使い方①:1対1トークで辞書のように使う

一番シンプルな使い方です。先ほど友だち追加した「LINE英語通訳」とのトーク画面を開き、翻訳したい日本語や英語のメッセージを送ってみましょう。
【例】
あなた:「今日も暑いですね」
LINE英語通訳:「It’s hot again today, isn’t it?」
使い方②:外国人の友人とのグループトークに招待して同時通訳させる

まず、英語を話す友人とあなたの2人だけのグループトークを作成します。作成したグループトークの画面右上にあるメニューボタン(「≡」の形)をタップします。
「招待」を選び、友だちリストから先ほど追加した「LINE英語通訳」を選択して、グループに招待します。
これで準備は完了です。あとはグループ内で自由に会話するだけで、日本語の投稿は英語に、英語の投稿は日本語に、すべて自動で翻訳されるようになります。
使い方③:写真の文字を翻訳する(OCR機能)
海外旅行先のメニューや看板の文字を読みたい時に便利な機能です。

「LINE英語通訳」との1対1のトーク画面を開きます。
画面下部のメニューから「写真内の文字を翻訳」をタップします。

カメラが起動するので、翻訳したい文字を撮影するか、既に保存している画像を選択します。
翻訳したい箇所が緑色で囲まれるので、問題なければ「日本語に翻訳」をタップすると、翻訳結果が表示されます。
通訳機能を終了(退会)させる方法
グループでの同時通訳が不要になった場合は、通訳アカウントにグループから退出してもらいましょう。やり方はとても簡単です。

そのグループトーク内で「@bye」と一言メッセージを送るだけです。
これを送信すると、通訳アカウントが「〇〇(アカウント名)を通訳グループから退出させました。」というメッセージを残して、自動的にグループから退出します。
通訳機能の安全性と注意点
さて、ここからは再び「安全性」の話に戻り、より深く掘り下げていきます。便利な機能だからこそ、知っておくべき注意点やリスクが存在します。これらを正しく理解することが、真の「安心」に繋がります。
「見られている」と感じる理由
そもそも、なぜ私たちは「見られているかもしれない」という漠然とした不安を感じてしまうのでしょうか。その背景には、いくつかの要因が考えられます。
- AIによるデータ学習への不安 「AIが自分の会話を学習している」と聞くと、自分のデータが勝手に使われているような気持ちになり、不安を感じる方は少なくありません。これは、AIの仕組みがブラックボックスに見えることが一因です。
- 誤訳による意図しない情報漏洩のリスク 翻訳は完璧ではありません。もし、自分の個人情報やプライベートな内容が、誤訳によって意図しない形で相手に伝わってしまったら…というリスクも、不安の一因です。
- 過去のITサービスにおける情報漏洩ニュースの影響 これまで、様々なITサービスで情報漏洩のニュースが報じられてきました。そうした情報に触れるうちに、「どんなサービスも100%安全ではない」という意識が生まれ、LINEに対しても同様の懸念を抱いてしまうのは、ある意味自然なことと言えるでしょう。
これらの不安は、決してあなた一人が感じているものではありません。多くの人が同様の懸念を抱いているからこそ、仕組みを正しく理解し、自衛策を知っておくことが大切なのです。
プライバシー設定の確認
LINEでは、ユーザー自身がプライバシーに関する設定を確認・変更することができます。一度、ご自身のLINEの設定画面を開いて、以下の項目をチェックしてみることをお勧めします。

- LINEの「ホーム」画面右上の「設定(歯車のアイコン)」をタップします。
- 「プライバシー管理」を選択します。

3.この中にある「情報の提供」や「広告の設定」といった項目を確認してみましょう。
例えば、「コミュニケーション関連情報」の提供を許可していると、LINEスタンプの利用履歴などが、個人が特定されない形でサービスの改善等に利用されることがあります。

4.必要がなければ「コミュニケーション関連情報」や「位置情報の取得を許可」をオフにしておきましょう。
これらの設定をオフにすることで、LINEへの情報提供を一部制限することが可能です。どの情報をどこまで提供するかは、ユーザー自身が判断するべきものです。内容をよく読んで、不安に感じる項目があれば設定を見直してみましょう。
LINE英語通訳の評判
実際にこの機能を使っている人たちは、どのように感じているのでしょうか。客観的な評判や、よくあるトラブル事例を知ることで、より安心して使えるようになります。
良い評判・悪い評判まとめ
利用者からは、様々な声が挙がっています。
良い評判(メリット)
- 「とにかく手軽で速い。コピペの手間がないだけでこんなに楽だとは思わなかった」
- 「海外の友人と前より気軽に、頻繁に連絡を取るようになった」
- 「日常会話レベルなら、十分意味が通じる。無料で使えるのがありがたい」
- 「ふと思いついた英語表現が正しいか、すぐにチェックできて便利」
悪い評判(デメリット)
- 「長文や複雑な文章を送ると、意味不明な翻訳になることがある」
- 「時々、メッセージを送っても無反応な時がある」
- 「ビジネスで使うには、やはり翻訳の精度が不安」
全体として、「カジュアルな用途での手軽さは高く評価されているが、翻訳精度には限界がある」という認識が一般的のようです。
よくあるトラブルと解決法
使っていると、時々「あれ?」と思うようなトラブルに遭遇することがあります。慌てずに対処法を知っておきましょう。
トラブル例①:通訳アカウントが反応しない・翻訳してくれない
メッセージを送っても、うんともすんとも言わない状態です。原因は、 LINEサーバーの一時的な高負荷、スマホの通信環境の不具合などが考えられます。
解決法:
- まずは数分待ってみる。
- Wi-Fiやモバイルデータ通信のオン・オフを切り替えてみる。
- LINEアプリを一度終了させてから、再起動する。
- グループトークの場合は、一度通訳アカウントに退出してもらい(bye)、再度招待し直す。 大抵の場合は、これらの方法で解決します。
トラブル例②:意図しないおかしな翻訳になってしまう
「誤訳」によって意味の伝わらない言葉になってしまうパターンです。次の項目でも説明しますが、以下のように工夫するとよいでしょう。
解決法:
- 原文の日本語を修正する
例1)「明日よろしく!」→「明日の会議、楽しみにしています。」
例2)「「あれ、取って」→「私は、テーブルの上にあるあの本を取ってほしいです。」 このように、主語や目的語を補い、具体的な表現に直すだけで、翻訳の精度は格段に向上します。
誤訳が起こりやすいケース:
- 敬語や謙譲語: 日本語特有の丁寧な言い回しは、正しく翻訳されないことが多いです。「お世話になっております」のような定型句は、英語にはないため、不自然な翻訳になりがちです。
- 主語の省略: 日本語は主語を省略しがちですが、これが誤訳の原因になります。「好きです」だけだと、誰が何を好きなのかAIには判断できません。
- スラングや流行り言葉、固有名詞: 若者言葉や専門用語、あまり知られていない人名や地名は、正しく翻訳されない可能性があります。
- 皮肉や冗談: AIは言葉の裏にあるニュアンスを読み取ることができません。皮肉を言ったつもりが、文字通り失礼な言葉として伝わってしまう危険性があります。

LINEの英語通訳は見られている?まとめ
最後に、この記事の最も重要なポイントを振り返りましょう。
- プライバシーについて LINEの会話は暗号化されており、翻訳は機械が自動で行うため、第三者に会話を覗き見される心配はほとんどありません。
- 安全に使うための心得
- プライバシー設定を一度は確認する。
- 機密情報や、悪口・愚痴といったデリケートな内容は送らない。
- 誤訳のリスクを理解し、シンプルな文章で伝える工夫をする。
LINE英語通訳は、完璧なツールではありません。翻訳精度には限界があり、利用シーンを選ぶ必要もあります。しかし、そのデメリットを正しく理解し、賢く付き合えば、これほど心強く、そして世界を広げてくれるツールは他にないでしょう。
コメント