「海外の映画を字幕なしで、俳優の息遣いまで感じながら楽しめたら」「旅先で出会った人と、翻訳アプリを介さず心から笑い合えたら」―そんな風に思ったことはありませんか?
言語は、単なるコミュニケーションツールではありません。それは、新しい文化、新しい価値観、そして今まで知らなかった新しい自分に出会うための、新しい世界への扉を開く「鍵」です。その鍵を手にすることで、私たちの世界は、想像もしていなかったほど豊かに、そして色鮮やかに広がっていきます。
この記事は、そんなあなたのための、たった一つの「鍵」を見つけ出すための言語選びのお手伝いをします。
2025年の最新データに基づいたランキングはもちろん、その数字の裏側にある文化的な魅力、日本人にとっての学習のポイント、そして未来の需要まで徹底的に解説します。
- 世界の主要言語における総話者数と母語話者数の違い
- 各言語の文化的背景と学習上の特徴
- 公用語として使用される国・地域数とその影響力
- 言語選択のための比較基準と判断方法
世界で最も話されている言語ランキング
世界には数千の言語が存在しますが、実際に多くの人々が日常的に使っている言語は限られています。 ここでは、2025年時点で最も話者数が多い言語をランキング形式でご紹介します。
世界で最も話されている言語ランキング【2025年版】
何よりもまず、現在の「世界の言語勢力図」を把握しましょう。ここでは、母語話者に加え、その言語を第二言語として使える人も含めた「総話者数」のランキングをご紹介します。今、世界で影響力を持つ言語はどれなのか、確認してみてください。
順位 | 言語 | 総話者数 | 母語話者数 | 公用語の国・地域数 |
1位 | 英語 | 約15.2億人 | 約3.9億人 | 67 |
2位 | 中国語(北京語) | 約11.8億人 | 約9.9億人 | 5 |
3位 | ヒンディー語 | 約6.1億人 | 約3.5億人 | 1 |
4位 | スペイン語 | 約5.6億人 | 約4.8億人 | 21 |
5位 | フランス語 | 約3.1億人 | 約0.8億人 | 29 |
6位 | アラビア語 | 約3.3億人 | 約2.7億人 | 26 |
7位 | ベンガル語 | 約2.8億人 | 約2.4億人 | 1 |
8位 | ポルトガル語 | 約2.7億人 | 約2.3億人 | 9 |
9位 | ロシア語 | 約2.5億人 | 約1.5億人 | 6 |
10位 | インドネシア語 | 約2.5億人 | 約0.5億人 | 1 |
11位 | ウルドゥー語 | 約2.4億人 | 約0.7億人 | 1 |
12位 | ドイツ語 | 約1.3億人 | 約0.8億人 | 6 |
13位 | 日本語 | 約1.2億人 | 約1.2億人 | 1 |
14位 | ナイジェリア・ピジン語 | 約1.2億人 | – | – |
15位 | エジプトアラビア語 | 約1.1億人 | 約1.1億人 | 1 |
16位 | マラーティー語 | 約1億人 | 約0.8億人 | 1 |
17位 | ベトナム語 | 約9700万人 | 約8500万人 | 1 |
18位 | テルグ語 | 約9600万人 | 約8300万人 | 1 |
19位 | ハウサ語 | 約9400万人 | 約5000万人 | – |
20位 | トルコ語 | 約9100万人 | 約8200万人 | 2 |
出典: Ethnologue (2025) 等のデータを基に作成。数値は概算。
総話者数 vs 母語話者数の違いとは?
このランキングを見て、多くの方が「あれ?」と思ったかもしれません。「英語が1位だけど、母語話者数は中国語の方が多い。一体どういうこと?」と。
この数字の「からくり」を理解することこそが、あなたに最適な言語を選ぶための、最も重要な第一歩です。
総話者数1位「英語」の正体
英語が総話者数で圧倒的な1位に君臨する理由は、母語話者の数(約3.9億人)よりも、第二言語として話す人の数(約11億人以上)が3倍近くも多いからです。
歴史的には大英帝国の広がりが、そして現代ではアメリカが発信する経済や文化、学術研究、インターネットの世界で、英語が事実上の「世界共通語(リンガ・フランカ)」として機能していることが背景にあります。
このように英語は、特定の文化への扉ではなく、多様な文化と多様な人々を繋ぐリンクの役割を担っているのです。
母語話者数1位「中国語」の正体
一方で、親から子へと受け継がれ、人々の思考の基盤となる「母語」として話す人の数では、中国語(北京語)が約9.9億人と、他を寄せ付けない世界一です。これはシンプルに、約14億人という圧倒的な人口がその理由です。
中国語が話せると、一つの巨大で奥深い文明に浸ることができます。悠久の歴史に触れ、最先端ファッションやテクノロジーを肌で感じ、美味しい中国料理に舌鼓を打つ…といったように、一つの巨大な文化・経済圏を内側から深く探求することができます。
このように、世界中で話されている英語と中国語ですが、話せるようになる先にある味わい方はそれぞれ異なります。この違いを理解することで、あなたが言語学習に何を求めているのかが、より明確になるはずです。
異文化理解というスキルを身に着けよう
言語を習得するということは、単に言葉を理解できることだけを意味しているわけではありません。言語の背景にある文化や違いを理解することが関係しています。
異文化理解ができるようになれば、違いをもっと楽しめますし、ストレスを減らすこともできます。アットグローバルが提供するCQセミナーのご紹介ビデオです。ご覧ください。
主要5言語の魅力と学習ポイント【日本人向け解説】
ここからは、ランキング上位の中から、特に日本人が学ぶ意義が大きく、文化的な魅力にあふれる5つの言語を、一つ一つ徹底的に解剖していきます。それぞれの言語が、どんな世界へあなたをいざなってくれるのか、じっくりと味わってみてください。
英語の特徴と学習メリット・課題

文化的な魅力
英語の魅力は、もはやアメリカのハリウッド映画やイギリスのロックミュージックだけに留まりません。英語を学ぶことで、世界各地の人々と直に話しをし、考えを通わせることができます。
英語は、世界中の文化が交ざり合い、新しい表現が生まれる「交差点」なのです。食文化においても、ニューヨークの多国籍料理から、ロンドンのモダンブリティッシュ、オーストラリアのカフェ文化まで、最先端のトレンドは常に英語と共にあります。
日本人にとっての学習ポイント
メリット
なんと言っても、中学・高校で6年間の学習経験があることが最大の強みです。最近では小学校でも英語学習のクラスがあります。
基本的な単語や文法の知識は、ゼロからのスタートではありません。また、教材の豊富さ、オンライン英会話の選択肢、インターネット上の情報量は他の言語の比ではありません。
挑戦となる点
多くの日本人を悩ませるのが、L/R/THなどの日本語にはない発音です。また、現在完了形や仮定法といった複雑な時制のニュアンスを掴むこと、そして同じ単語でも文化背景によって意味合いが異なる「言葉の裏側」を理解することも、高いレベルを目指す上での課題となります。
最初の一歩
まずは「学習」という意識を捨てて、「楽しむ」ことから始めるのがおすすめです。世界中で大ヒットした映画やドラマを英語字幕で観てみたり、通勤中にNPR(米国公共ラジオ)のポッドキャストをBGMのように流してみたり。あなたの好きな分野で、英語に触れる時間を少しずつ増やしていくことから始めましょう。
中国語の文化的魅力と学習のコツ

文化的な魅力
中国語を学ぶことは、タイムマシンに乗るような体験です。『三国志』の英雄たちの策略や、李白や杜甫が詠んだ唐詩の美しい情景に思いを馳せる。その一方で、現代では世界中を熱狂させたドラマやC-POP(華流ポップス)の洗練されたメロディに心を奪われます。
テクノロジーの世界では、アリババやテンセントといった巨大企業が日々生み出す新しいサービスが世界を席巻しています。
北京ダックや小籠包、火鍋といった美食はもちろん、地方ごとに全く異なる食文化の奥深さも、中国語だからこそ味わえる醍醐味です。古典と未来、伝統と革新がこれほどダイナミックに共存する文化は他にありません。
日本人にとっての学習ポイント
メリット
日本人にとっての最大の武器は「漢字」の知識です。単語の意味を推測しやすく、リーディングにおいては他の言語話者よりも圧倒的に有利です。語順も英語に近く(主語-動詞-目的語)、文法的な変化(活用など)が少ないのも特徴です。
挑戦となる点
最大の壁は「四声(しせい)」と呼ばれる声調(音の高低)の習得です。同じ「ma」という音でも、声調が違うだけで「母」「麻」「馬」「罵る」と全く意味が変わってしまうため、正確な発音が非常に重要になります。
また、中国大陸で使われる「簡体字」と、台湾や香港で使われる「繁体字」の違いも意識する必要があります。
最初の一歩
まずは声調の面白さに触れてみましょう。YouTubeで「中国語 四声 歌」と検索すると、楽しく学べる動画がたくさん見つかります。また、日本でも人気の火鍋チェーン「海底撈火鍋」のメニューを中国語で眺めてみるのも、実践的で楽しいスタートです。
スペイン語の発音・文法・楽しみ方

文化的な魅力
スペイン語と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?FCバルセロナやレアル・マドリードが熱戦を繰り広げるサッカー、アンダルシア地方の情熱的なフラメンコ、コロンビアのサルサ、プエルトリコ発祥のレゲトン…。
音楽やスポーツには、いつも太陽の匂いと人々の情熱が溢れています。文学の世界では、ミゲル・デ・セルバンテスの「ドン・キホーテ」やアーネスト・ヘミングウェイの「フィエスタ」などが世界を魅了し、芸術ではピカソやダリ、フリーダ・カーロといった強烈な個性が輝きを放っています。
スペインのパエリアやメキシコのタコス、アルゼンチンのアサード(焼肉)など、豊かな食文化も大きな魅力。何よりも、家族や友人を大切にし、人生を謳歌するラテンの人々の陽気な気質に触れることこそ、スペイン語学習の最大の喜びかもしれません。
日本人にとっての学習ポイント
メリット
発音がローマ字読みに非常に近く、日本人にとって聞き取りやすく、話しやすいことが最大の利点です。母音も日本語と同じ「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つなので、発音のハードルはかなり低いと言えるでしょう。
挑戦となる点
動詞の活用が非常に複雑なことが最初の壁になります。主語(私、あなた、彼…)や時制(現在、過去、未来…)によって、動詞の形がめまぐるしく変わります。また、全ての名詞に性別がある「男性名詞・女性名詞」の区別や、巻き舌で発音する「rr」の音も、練習が必要です。
最初の一歩
まずはラテンミュージックの心地よいリズムに身を任せてみましょう。Spotifyでスペイン語の人気プレイリストを聴くだけで、気分が上がります。
フランス語の美意識と学習ポイント

文化的な魅力
フランス語は、単なる言葉ではなく、芸術に関わる言語です。ファッションの世界ではシャネルやディオールが、美食の世界ではミシュランガイドが、そして映画の世界ではカンヌ国際映画祭が、常に世界の基準を創り出してきました。
ルーヴル美術館に収蔵された芸術作品や、デカルトやサルトルが紡いだ哲学的な思索は、世界の知性に大きな影響を与え続けています。また、フランス語は国連やユネスコ、オリンピック委員会などの国際機関で公用語として使われる「外交の言語」でもあります。
アフリカの多くの国々でも話されており、パリの洗練された文化だけでなく、アフリカン・ポップスの躍動感あふれるリズムに触れることもできる、懐の深い言語です。
日本人にとっての学習ポイント
メリット
英語を学んだ経験があれば、大きなアドバンテージになります。英単語の約30%はフランス語由来と言われており、「information」「rendez-vous」など、同じ綴りや似た単語がたくさんあります。また、その美しい響きは、学習を続ける上で強いモチベーションになります。
挑戦となる点
独特の鼻にかかるような「鼻母音」の発音や、単語の最後の子音と次の単語の母音が繋がる「リエゾン」など、音声面での難しさがあります。スペイン語同様、名詞の性や動詞の活用も複雑です。
最初の一歩
日本人が愛してやまないジブリ映画を、フランス語吹き替え版で観てみるのも一案です。
『天空の城ラピュタ』の「バルス!」がフランス語で何と言うのか、知的好奇心を刺激されます。また、世界中で読まれている『星の王子さま』を、日本語訳と並べて少しずつ読み進めてみるのも、美しいフランス語に触れる素晴らしい体験になるでしょう。
韓国語のポップカルチャーと文法の親和性
文化的な魅力
今の韓国語の魅力を語る上で、K-POPや韓流ドラマ、映画の存在は欠かせません。BTSやBLACKPINKが世界を舞台に活躍し、韓国映画やドラマは国際的な賞を総なめにしています。
その背景にあるのは、視聴者の感情を揺さぶる巧みなストーリーテリングと、徹底的に作り込まれた高いクオリティです。また、縦読み漫画の「ウェブトゥーン」は新たなコンテンツの形として世界に広がり、eスポーツの世界でも韓国はトップレベルの実力を誇ります。
美容大国としての最新コスメ、美味しい韓国グルメはもちろん、「早く早く(パリパリ)」という言葉に象徴されるスピード感と、情を大切にする「ウリ(私たち)」の文化の共存も、非常に興味深い点です。
日本人にとっての学習ポイント
メリット
文法の構造(主語-目的語-動詞の語順)が日本語と驚くほど似ているため、日本人にとっては最も習得しやすい外国語の一つです。助詞の使い方も似ており、単語を入れ替えるだけで自然な文章が作れます。漢字由来の単語も多く、音読みが似ているものも少なくありません。
挑戦となる点
日本語にはない「パッチム(終声)」の発音が最初のハードルです。例えば、「アンニョンハセヨ」の「ン」の発音にはいくつかの種類があり、正確な聞き分けと発音には練習が必要です。また、相手との関係性によって言葉を使い分ける、複雑な丁寧語のシステムも学ばなければなりません。
最初の一歩
まずは「ハングル」という文字を覚えてしまうのが一番の近道です。一見複雑に見えますが、実は非常に論理的に作られており、集中すれば、1日で読み書きの基本を習得することも可能です。
好きなK-POPアイドルのSNS投稿を読んでみたり、V LIVE(ライブ配信)で彼らが話す言葉を少しでも聞き取ろうとしたりすることが、最高のモチベーションになるでしょう。
言語選びのための診断フレームワーク

ここまで各言語の魅力を知った上で、最後に、あなた自身が「これだ!」という一つの言語に決めるための、具体的な思考のフレームワークとアクションプランを提案します。
エンタメ・旅行・キャリアなど5つの軸
自分に正直に、以下の5つの質問に答えてみてください。一番しっくりくる言語が見えてくるはずです。
「エンタメ軸」: あなたが普段、時間を忘れて没頭するのは? | ||
A) ハリウッド映画や海外ドラマ、洋楽 | → 英語 | |
B) 歴史大作やSF、知的なゲーム | → 中国語 | |
C) 明るい音楽、情熱的なスポーツ、ダンス | → スペイン語 | |
D) アートやファッション、美食に関するドキュメンタリー | → フランス語 | |
E) アイドルや恋愛ドラマ、流行りのコンテンツ | → 韓国語 | |
「旅行軸」: 次に旅するなら、どんな体験がしたい? | ||
A) ニューヨーク、ロンドン、シンガポール…多様な文化が混じる大都市 | → 英語 | |
B) 万里の長城や兵馬俑、発展する大都市の活気 | → 中国語 | |
C) マチュピチュ遺跡、バルセロナの街並み、カリブの青い海 | → スペイン語 | |
D) パリの美術館巡り、プロヴァンスの美しい田園風景 | → フランス語 | |
E) ソウルのカフェ巡り、釜山の海辺、美味しいグルメ探訪 | → 韓国語 | |
「キャリア軸」: 5年後、10年後、どんな分野で自分の価値を高めたい? | ||
A) IT、金融、学術など、グローバルな業界で活躍したい | → 英語 | |
B) 巨大な中華経済圏との貿易や、メーカーでの仕事 | → 中国語 | |
C) 成長する中南米市場や、観光・ホスピタリティ業界 | → スペイン語 | |
D) 国際機関、ラグジュアリーブランド、食やワインの業界 | → フランス語 | |
E) エンタメ、IT、美容業界、または日本国内でのインバウンド対応 | → 韓国語 | |
「学び方軸」: あなたはどんな学習スタイルが好き? | ||
A) 既に基礎知識がある状態から、実践的に応用したい | → 英語 | |
B) 漢字の知識を活かして、パズルのように学びたい | → 中国語 | |
C) とにかく話す・聞くから始めて、音の響きを楽しみたい | → スペイン語 | |
D) 美しい響きや文化をモチベーションに、じっくり文法と向き合いたい | → フランス語 | |
E) 文法の楽さを活かして、最短で会話ができるようになりたい | → 韓国語 | |
「コミュニティ軸」: 学習仲間や文化に触れる機会を重視する? | ||
A)日本国内での学習者数、イベント、文化施設が最も多い | → 英語 | |
B)新大久保や横浜中華街など、文化に触れられる場所や交流の機会が豊富 | → 韓国語・中国語 |
言語の「味見」で始める方法
診断で気になった言語があれば、本格的に学習を始める前に「味見」をしてみましょう。
- 「言語の味見」をしよう:
- 聴覚で体験: Spotifyで、気になる言語の「グローバルTOP50」プレイリストを1週間、通勤・通学中に聴き比べてみましょう。一番、心に響くリズムはどれでしたか?
- 視覚で体験: Netflixで、主要5言語の映画やドラマを、最初の15分だけでもいいので観てみてください。俳優の表情や街の風景、言語の響きから、どの世界に一番惹きつけられますか?
- 超入門書を一冊だけ買ってみる: 大きな書店へ行き、各言語の「いちばんやさしい入門書」のコーナーへ。表紙のデザインや中のイラスト、レイアウトをパラパラとめくってみて、「これなら続けられそう!」と直感的にワクワクするものを選んでみましょう。
- 言語交換アプリで「世界」に接続してみる: 勇気を出して、HelloTalkやTandemといった無料の言語交換アプリをインストール。プロフィールを登録し、気になる言語を話す人に「こんにちは」とだけ送ってみましょう。返事が来た時のドキドキ感は、何よりのモチベーションになります。
挫折しないための心構え
最後に、どの言語を選んだとしても共通する、大切な心構えをお伝えします。
- 完璧を目指さない: 最初からネイティブのような完璧な発音や文法を目指す必要はありません。「単語とジェスチャーでも、伝われば大成功!」という気持ちで、間違いを恐れずにどんどんアウトプットしましょう。
- 学習を「習慣」にする仕組みを作る: 「毎日1時間勉強する」といった高い目標は挫折のもと。「寝る前にDuolingoを5分だけやる」「歯を磨きながら単語を一つ覚える」など、既存の習慣に組み込むことで、無理なく続けることができます。
- 言語学習は「目的地のない、楽しい旅」: 資格試験のスコアも大切ですが、それ以上に、昨日より少し聞き取れるようになった喜び、言いたいことが伝わった時の感動、そういったプロセスそのものを楽しむことが、この長い旅を続ける一番の秘訣です。
よくある質問
- 国連の公用語(英語、フランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、アラビア語)は、どのような理由で選ばれたのですか?
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国連の公用語は、設立時の影響力と世界的な通用度を基に選ばれました。1945年の設立当初、常任理事国の言語である英語、フランス語、中国語、ロシア語と、多くの国で使われるスペイン語が公用語となりました。
アラビア語は、アラブ連盟諸国の加盟数増加と国際的な影響力の高まりを受け、1973年に追加されました。これらの言語は、世界中の加盟国が公平に情報へアクセスし、議論に参加できるようにするためのものです。
- ビジネスで最も有利な、いわゆる「稼げる言語」は何ですか?単なる話者数とは違う、経済的な価値の視点で知りたいです。
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絶対的な「稼げる言語」は存在せず、業界や地域によります。世界共通語としての英語は別格ですが、それに次ぐのは中国の経済規模を背景とした中国語、EU経済の中核で工学に強いドイツ語などが挙げられます。
また、ITや金融分野では英語の価値が非常に高く、成長市場である中南米ではスペイン語、アフリカではフランス語が有利になるなど、自身のキャリアパスと世界の経済動向を掛け合わせて判断することが重要です。
- インターネット上のコンテンツ(Webサイト、SNSなど)で最も使用されている言語は何ですか?英語以外の上位言語も知りたいです。
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Webサイトのコンテンツで最も使われている言語は英語で、全体の50%以上を占め、圧倒的です。これに続くのがスペイン語、ドイツ語、ロシア語、フランス語、そして日本語です。
この順位は、必ずしも話者人口とは一致せず、その言語圏のインターネット普及率や経済規模が大きく影響します。特にSNSでは、ヒンディー語やインドネシア語、アラビア語などの話者が急増しており、デジタル世界の言語勢力図は変化し続けています。
- よく「言語」と「方言」という言葉を聞きますが、その違いの基準は何ですか?(例:スペイン語とカタルーニャ語、北京語と広東語など)
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明確で唯一の基準はありませんが、一般に「相互理解可能性」が一つの目安とされます。お互いに話して意味が通じるなら「方言」、通じなければ「別の言語」とする考え方です。
しかし、マックス・ワインライヒの言葉として知られる「言語とは陸軍と海軍を持った方言である」という言葉通り、政治的・社会的な要因も大きく、国として独立しているか、独自の文字や教育制度を持つかといった背景から「言語」と見なされることも少なくありません。(参照:Wiki)
- ランキングの上位とは逆に、話者が少なく消滅の危機にある「絶滅危惧言語」には、どのようなものがありますか?なぜ言語は消滅するのですか?
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日本ではアイヌ語や八重山語などが、世界では数百の言語が絶滅の危機に瀕しています。言語が消滅する最大の理由は、親世代から子世代への継承が途絶えることです。
より社会的に優位な言語(例えば、教育や就職で有利な言語)へと話者が移行し、日常生活で使われなくなることで、その言語固有の文化や世界観もろとも失われてしまいます。グローバル化がこの流れを加速させる一因ともなっています。
- 世界にはアルファベットや漢字、キリル文字など様々な「文字」がありますが、最も多くの人に使われている文字は何ですか?また、文字を持たない言語もあるのでしょうか?
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世界で最も広く使われている文字は、英語やスペイン語、フランス語など多くの言語で採用されている「ラテン・アルファベット」です。
次いで、中国語や日本語で使われる「漢字」、インドの諸言語で使われる「デーヴァナーガリー文字」、そして「アラビア文字」と続きます。また、世界の約7000の言語の中には、固有の書き言葉を持たない「無文字言語」も数多く存在し、それらは口承によって文化や歴史を伝えています。
世界で最も話されている言語ランキングまとめ
- 2025年時点で総話者数1位は英語で約15.2億人、母語話者は約3.9億人
- 母語話者数1位は中国語(北京語)で約9.9億人、総話者数は約11.8億人
- 英語は第二言語話者が多く、事実上の世界共通語として機能している
- 中国語は巨大人口を背景に一大文化・経済圏を形成している
- 総話者数上位にはヒンディー語、スペイン語、フランス語、アラビア語などが続く
- 公用語の国・地域数では英語が最多の67か国・地域で使用されている
- 話者数は母語と第二言語話者の合計であり、順位はその比率によって変わる
- 話者人口の多さは歴史的背景や経済・文化的影響力に直結している
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