世界三大料理の秘密に迫る!トルコ、中国、フランス料理の意外な共通点とは?

世界三大料理とは、トルコ料理、中国料理、フランス料理とされています。

「えっ、トルコ料理が世界三大料理?」

確かに、フランス・中国料理は日本でも有名でレストランも多いです。一方、トルコ料理はケバブやトルコアイスなど、屋台やファストフードのイメージが強いかもしれません。

それなら、世界的に人気の日本料理、イタリア料理のほうが世界三大料理としてふさわしいのでは?と思うこともあるでしょう。

でも、世界三大料理は人気や美味しさで選ばれたのではないんです。

この記事では、世界三大料理の意外な共通点や、各料理の特徴、歴史的背景などをくわしく解説していきます。

各国の料理や文化への理解が深まるので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

世界三大料理とは?

最初にお伝えした通り、世界三大料理とは、トルコ料理、中国料理、フランス料理の3つを指します

これら3カ国の料理が世界三大料理に選ばれた理由として以下3つが挙げられます。

理由1.宮廷料理として発展した

それぞれの料理は宮廷料理として発展した歴史があります。くわしく見ていきましょう。

トルコ料理

トルコは1922年までオスマン帝国と呼ばれていました。その宮廷では、広大な領土から集めたさまざまな食材を用い、数百人の料理人が皇帝のために料理を作っていたとされています。

中国料理

中国では歴代王朝の宮廷に多くの料理人を集め、珍しい食材を用いて豪華な料理を競って作らせていました。現在の中国がある場所には、歴史的に多くの王朝があり、それだけ食文化も多彩な発展を遂げることになりました。

その後宮廷料理は一般にも広まり、各地方の特色ある中国料理の基礎となっています。

フランス料理

フランス革命以前の王侯貴族の宮廷では、イタリアなどの影響を受けながら洗練された宮廷料理が発達しました。

革命後に宮廷料理人たちが職を失い、パリや他の都市で一般向けのレストランを開いたことで、宮廷料理の技術が広くフランス中へ普及したと言われています。

理由2.他国の料理に影響を与えた

トルコ料理

オスマン帝国は現在のトルコよりも広い領土があり、バルカン半島や中東、北アフリカなど周辺地域の料理文化にも影響を与えました。

また、トルコを経由してヨーロッパに伝わったコーヒー文化も、トルコ料理の貢献として知られています。

中国料理

中国料理は世界中に広まり、現地の食材や嗜好に合わせてアレンジされながら発展しています。

たとえば麺料理は中国から各国に伝えられたという説があります。日本ではラーメンやそば、うどん、そうめん。東南アジアでも米から作られたフォー(ベトナム)やパッタイ(タイ)、クイティウ(カンボジア)などの有名な麺料理があります。

それらがすべて中国にルーツがあるとすると、確かに中国料理は他国に大きな影響を与えていますね。

麺がどこで発明されたかという点に関しては、中東に起源があるという説もあります。

フランス料理

フランス料理は18世紀以降、西洋料理の基礎として世界中に広まりました。

フランス料理の調理技術や食材の使い方は他国の料理人に大きな影響を与え、現在でも高級料理の代名詞となっています。

また、フランス式のコース料理やテーブルマナーも各国に伝わり、西洋料理のスタンダードとされています。

後で解説しますが、コース料理やテーブルマナーは他国からフランスに伝わり、フランス式として定着しました。

理由3.主要文化圏の代表として選ばれた

世界三大料理は、アルファベットや漢字など文字の種類によって分けられているという説もあります。

北半球の文化圏から、代表的な食文化を選んだものでートルコ料理は、イスラム圏・アラビア文字圏に属している。漢字圏・箸食圏からは中国料理、ローマ字圏・西欧世界におけるフランス料理が挙げられている。

世界三大料理とは|東邦大学医療センター

アルファベットを使う国の中からフランスが選ばれ、漢字を使う国の中から中国が選ばれた。そしてトルコはアラビア文字から選ばれたというわけです。

実は現在のトルコで使われているのはアルファベットなのですが、1923年まではアラビア文字が使われていました。

日本料理やイタリア料理は世界三大料理ではない

寿司やピザ、パスタは世界中で愛される料理ですが、世界三大料理を決める基準は味や人気ではありません。

日本料理は今でこそ海外でアレンジされるほどになっていますが、多くの料理は外国の影響を受けています

麺料理もそうですし、寿司も中国、天ぷらはポルトガルから伝わったという説があります。

そもそも味で選ぶなら、誰しも自国の料理が一番と言うでしょうね!

実は世界三大料理とは別に、「世界5大料理」というカテゴリーもあるんですが、そちらには日本料理とイタリア料理が含まれています。

世界三大料理を決めたのは誰?

世界三大料理を決めたのは誰かについて、明確な答えはありません。

有力な説として、ヨーロッパの歴史家や料理研究家たちが、料理の歴史的背景や影響力などを考慮して決めたと言われています。

それでは次に、トルコ料理、中国料理、フランス料理について、歴史や特徴を解説していきます。

トルコ料理の歴史と特徴

現在トルコはアナトリア半島に位置していますが、歴史をたどると、実はトルコ人やトルコ料理のルーツが別のところにあったことが分かります。

トルコ系遊牧民から始まったトルコ料理

トルコ人の祖先は、中央アジアに住んでいた遊牧民のテュルク人。彼らは12世紀頃に中央アジアからアナトリア半島に移動してきました。

遊牧民だった時代は馬肉や羊肉、小麦、発酵乳製品が主食でしたが、アナトリア半島に定住するようになり、野菜やスパイスを取り入れるようになりました。

オスマン帝国時代の多様な食文化の影響

オスマン帝国時代(1299年〜1922年)に、現在のトルコ料理の基礎が築かれました。

オスマン帝国は、その最盛期にヨーロッパ、アフリカ、アジアにまたがる広大な領土を支配しており、結果としてさまざまな食文化を取り入れて発展していったのです。

オスマン帝国宮廷料理の影響

トルコ料理は、オスマン帝国の宮廷料理としても洗練されました。宮廷料理には、以下のような特徴があります。

  • 帝国内外から集められた食材が使用された
  • 各地の調理法が取り入れられた
  • 料理人による創作性が重視された

このように、オスマン帝国の広大な領土から様々な食文化が取り入れられ、宮廷料理を通して融合が図られました。その影響が現在のトルコ料理にも残っています。

トルコ料理の代表的な料理

現在のトルコ料理で代表的なものを紹介していきます。

ケバブ

  • ドネルケバブ:回転する串に刺した肉を焼いたもの
  • シシケバブ:羊肉などの串焼き
  • イスケンデルケバブ:ピデの上に薄切り肉とソースをかけた料理

パン、乳製品、野菜料理

  • ピデ:様々な具材をトッピングしたトルコ風ピザ
  • ドルマ:野菜や葉に肉や米などの具を詰めた料理
  • カイマック:クリームのようなフレッシュな乳製品

デザートとドリンク

  • バクラヴァ:薄い生地を重ねてナッツを挟み、シロップをかけた伝統的な菓子
  • ドンドゥルマ:いわゆる「トルコアイス」。サーレップという植物の粉を使っている
  • シェルベット:果物の香りと甘みを楽しむ伝統的な飲み物

中国料理の歴史と特徴

中国料理は、中国の長い歴史の中で発展し、宮廷料理として洗練されていきました。

広大な国土は多様な気候風土に恵まれているため、地域によって様々な特色ある料理が生まれてきたのです。

時代ごとの料理の発展

中国には歴史上10以上の王朝がありました。その中で中国料理の発展に関係する王朝に関して見ていきましょう。

元王朝の宮廷料理

14世紀の元王朝時代には、宮廷栄養士の忽思慧(Hū sī huì)が「飲膳正要(いんぜんせいよう)」という料理書を書きました。

この本には、様々な食材の性質と効能、食べ物を使って病気を予防・治療する方法などが記されており、当時から料理に関する深い研究が行われていたことが分かります。

清王朝の宮廷料理

清王朝時代(17世紀半ば~1912年)にも、宮廷料理は大きく発展しました。

この時代の宮廷料理は、中国各地の食材や調理法を取り入れ、より洗練されたものになっていったと言われています。

たとえば、各地の料理から選りすぐりのメニューを集めた「満漢全席(まんがんぜんせき)」は清王朝時代のものとされています。

宮廷料理から一般庶民へ

やがて清王朝が衰退し、宮廷料理人が自身のレストランをオープンするようになりました。

結果、宮廷料理が一般の人にも広まり、中国料理が大きく発展していったのです。

中国四大料理

中国料理は大きく以下4つに分類されることがあります。

北京料理

中国北部の北京を中心とした料理。

宮廷料理の影響を受け、味は濃く塩辛い傾向があります。代表的な料理は、北京ダック、ジャージャー麺、水餃子など。

上海料理

中国東部の上海を中心とした料理。

魚介類を多く使い、あっさりとした味付けが特徴。代表的な料理は、小籠包、八宝菜、上海ガニの蒸しガニなど。

四川料理

中国西部の四川省を中心とした料理。

唐辛子や花椒など香辛料を多用し、辛味が特徴。代表的な料理は、麻婆豆腐、担担麺、火鍋など。

広東料理

中国南部の広東省を中心とした料理。

新鮮な食材の味を生かすあっさりとした味付けが特徴。代表的な料理は、シュウマイ、チャーシュー、飲茶など。

日本で親しまれている中国(中華)料理の多くは、これら四大料理をベースにアレンジされたものだと言えます。

例えば、日本の餃子は北京料理の影響を受けており、ラーメンは四川料理や上海料理などをルーツに持っています

フランス料理の歴史と特徴

実は12世紀頃までのフランスで食べられていた料理は、ローストした肉に茹で野菜というシンプルなものでした。

当時はフォークが存在せず、手づかみで食事をしていたのだとか。私たちがフランス料理と聞くと高級でエレガント的なイメージですが、昔は全然違ったんですね。

フランス料理がどのように発展していったのか、歴史を見ていくと4つの重要なポイントがあります。

その1.イタリア料理の影響

16世紀、フランス王アンリ二世がイタリアのメディチ家のカトリーヌと結婚しました。

この結婚によって、一緒に引っ越してきたイタリアの料理人がフランスに料理方法やマナーを伝えました。これが現在のフランス料理の原型となったのです。

その2.宮廷料理としての発展

フランス料理が最も発展した時代は、17世紀から18世紀にかけてとされています。

太陽王とも呼ばれるルイ14世の治世下(1643~1715年)で宮廷料理が洗練され、多くのクラシックなフランス料理の基礎が築かれました。

たとえば、ルイ14世の料理人であったフランソワ・ピエール・ラ・ヴァレーヌは1651年に料理本「Le Cuisinierfrançois」を出版しています。その本を通し、それまで大きく影響を受けていたイタリア由来の味付けを撤廃し、近代フランス料理の基礎を築きました。

その3.フランス革命

1789年のフランス革命後、職を失った宮廷料理人が自分のレストランを開くようになりました。

結果、革命前は貴族しか食べられなかった料理が誰でも食べられるものとなっていったのです。

その4.ロシアから伝わったコース料理

19世紀、ロシアのフランス料理人が料理が冷めないよう1皿ずつテーブルに運ぶスタイルを考案しました。

これがフランスに伝わりコース料理として定着しました。

フランス料理の特徴

バターや生クリームを多用

フランスは酪農大国なので、フレンチ料理ではバターや生クリームなどの乳製品を多用します。

繊細なソース

ソースはフランス料理の命といわれるほど重要です。肉や野菜から取った出汁をベースに、バターや小麦粉などでとろみをつけた繊細なソースが特徴的です。

コース料理

前菜から始まり、魚料理、肉料理、デザートなど数多くの料理が1皿ずつ提供されるコース料理が一般的です。

まとめ

世界三大料理と呼ばれるトルコ料理、中国料理、フランス料理には、以下のような共通点があります。

  • 宮廷料理として発展した
  • 他国の料理に影響を与えた
  • 主要文化圏の代表として選ばれた

一方で、それぞれの国の気候風土を反映した独自の特徴も持ち合わせています。

  • トルコ料理:多国籍な影響を受けた豊かな食文化
  • 中国料理:多様な地域性
  • フランス料理:洗練された高級料理

これらの点をふまえて世界三大料理を味わってみると、これまでとは違った発見があるかもしれません!

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