株式会社ワクトリは2026年7月15日、リゾートバイト経験者185名を対象とした「貯金・稼ぎに関する実態調査」の結果を発表しました。それによると、経験者の約7割(69.7%)が月10万円以上の貯金に成功しており、さらに4人に1人は月20万円以上を貯めていたことが明らかになりました。
参考:【リゾートバイトの貯金実態調査】経験者の約7割が「毎月10万円以上」の貯金に成功!4人に1人は「月20万円以上」を貯める驚きの結果に(PR TIMES)
注目すべきは、貯めたお金の使い道です。「生活費」や「旅行資金」に加え、「ワーキングホリデーや留学の資金」として活用する人が一定数存在し、リゾートバイトが「海外挑戦へのステップ」として機能している実態が浮き彫りになりました。
この調査結果は、単なる「稼げるアルバイト」の話にとどまりません。リゾートバイトと海外志向の若者、そして観光業界のインバウンド対応——これらをつなぐ「言語」という視点から、新たな可能性を探ってみましょう。
リゾートバイトが「海外への踏み台」になる理由
今回の調査で特に興味深いのは、リゾートバイトで貯めた資金の使い道に「ワーキングホリデーや留学」が上位に入っている点です。回答者185名のうち16名がこの選択肢を選んでおり、全体の約9%に相当します。
ワーキングホリデー(ワーホリ)とは、日本と協定を結んだ国・地域で、一定期間働きながら滞在できる制度です。外務省によれば、2024年時点で日本は30の国・地域とワーキングホリデー協定を締結しています(外務省「ワーキング・ホリデー制度」)。オーストラリア、カナダ、イギリス、ドイツなど英語圏・ヨーロッパ圏が人気ですが、近年は韓国、台湾、香港などアジア圏への渡航も増えています。
ワーホリや留学には、渡航費、学費、当面の生活費など、まとまった資金が必要です。一般的に、ワーホリの初期費用として50万〜100万円程度、語学留学なら3ヶ月で80万〜150万円程度が目安とされています。
今回の調査結果を踏まえると、リゾートバイトで月15万〜20万円を3〜6ヶ月貯めれば、ワーホリの初期費用は十分に確保できる計算になります。「寮費・食費・光熱費が無料」という環境で生活コストを極限まで下げながら、短期集中で資金を作る——まさに海外挑戦への合理的なステップと言えるでしょう。
リゾート地の現場で「語学力」が求められる現実
インバウンド回復で変わる観光地の言語環境
リゾートバイトの勤務先として人気の北海道・長野県・神奈川県といったエリアは、同時にインバウンド観光客の主要な訪問先でもあります。日本政府観光局(JNTO)によれば、2025年の訪日外客数は4,268万人を超え、過去最高を更新しました(JNTO「訪日外客統計」)。
ニセコ、白馬、箱根——こうしたリゾート地では、宿泊施設やレストランで働くスタッフが日常的に外国人ゲストと接する機会が増えています。チェックイン時の説明、レストランでのオーダー対応、スキー場でのリフト案内など、英語をはじめとした外国語でのコミュニケーションが求められる場面は少なくありません。
「語学力を身につけたい」という動機
リゾートバイトに応募する若者の中には、「貯金」と「語学力の向上」を同時に実現したいという動機を持つ人も存在します。外国人観光客の多いエリアで働けば、実践的な英語力を磨く機会が得られるからです。
実際、宿泊施設が外国人スタッフを雇用ケースは多く、リゾートバイト先で外国人の同僚と働く機会も珍しくありません。職場内でも自然と多言語環境に身を置くことになります。
こうした経験は、将来のワーホリや留学に向けた「予行演習」としても機能します。海外で働く前に、日本国内で異文化コミュニケーションの基礎を体験できるわけです。
観光業界が抱える「多言語対応」の構造的課題
機械翻訳だけでは超えられない壁
インバウンド需要の高まりとともに、宿泊施設や観光施設では多言語対応の必要性が急速に高まっています。しかし、現場では「翻訳アプリを導入すれば解決する」という単純な話ではありません。
たとえば、旅館の料理説明を英語にする場合、「季節の恵みをお楽しみください」といった情緒的な表現をどう訳すか。「おもてなし」の精神をどう伝えるか。日本語特有のニュアンスや文化的背景を踏まえた「ローカライゼーション」が求められます。
また、緊急時の避難案内や食物アレルギーへの対応など、正確さが命に関わる場面では、機械翻訳の誤訳がゲストの安全を脅かすリスクもあります。
外国人スタッフへの教育・研修の壁
もうひとつの課題は、外国人スタッフに対する業務マニュアルや接客研修の多言語化です。日本語のマニュアルには「お客様の気持ちを察して対応する」「臨機応変に判断する」といった曖昧な表現が多く、これを字義通り翻訳しても、文化的背景のない外国人スタッフには意図が伝わりません。
「翻訳」ではなく「文化的な書き直し」——つまり、その言語・文化圏の人が自然に理解できる形に再構成する作業が必要になります。これがローカライゼーションの本質であり、翻訳・通訳の専門家が介在すべき領域です。
「グローカル」な視点が観光業界と若者をつなぐ
地域で働き、世界を目指す若者たち
今回の調査結果は、リゾートバイトが単なる「稼げる仕事」ではなく、若者のキャリア形成における重要なステップになっていることを示しています。地方のリゾート地で働きながら資金を貯め、外国人ゲストや同僚との接点で異文化体験を積み、そして海外へ——という流れは、まさに「グローカル(Global × Local)」なキャリアパスと言えるでしょう。
ワクトリが掲げる「WORKTRIP(働く×旅)」というコンセプトは、こうした若者のニーズを的確に捉えています。同社のオウンドメディア「ワクトリLABO」では、貯金のコツだけでなく、リゾートバイト経験者のリアルな声を発信しており、海外挑戦を目指す求職者にとって貴重な情報源となっています。
観光業界に求められる「言語戦略」
一方、受け入れ側の観光業界にとっても、多言語対応は避けて通れない経営課題です。外国人ゲストへの接客、外国人スタッフの育成、海外OTA(オンライン旅行代理店)への情報発信——あらゆる場面で「言語の壁」が立ちはだかります。
翻訳・ローカライゼーションを専門とするアットグローバルは、こうした観光業界の課題に長年向き合ってきました。単なる言葉の置き換えではなく、文化的背景を踏まえた「伝わる翻訳」を提供すること。外国人スタッフが実際に動ける研修資料を作ること。ブランドのトーンを損なわない多言語展開を支援すること——これらは、機械翻訳だけでは実現できない、人間の専門家だからこそ提供できる価値です。
リゾートバイト人材と観光業界の「橋渡し」
興味深いのは、リゾートバイトで働く若者自身が、将来的に「多言語対応人材」になり得るという点です。ワーホリや留学を経験した若者が帰国後、語学力と異文化理解を活かして観光業界で活躍する——そんなキャリアパスは十分に現実的です。
リゾートバイト → 海外経験 → 観光業界でのグローバル人材として活躍、という循環が生まれれば、日本の観光業界が抱える「多言語対応人材の不足」という課題解決にもつながります。
まとめ:「稼ぐ」から「つながる」へ、言語が拓くキャリアの可能性
ワクトリの調査は、リゾートバイトの「貯金力」を数字で証明しました。しかし、その先にあるのは単なる金銭的な話ではありません。地方のリゾート地という「ローカル」な現場で、海外志向という「グローバル」な夢を育む若者たち——その姿は、これからの日本の観光業界、ひいては労働市場全体にとって示唆に富んでいます。
そして、その循環をスムーズにするためには、「言語」という要素が欠かせません。外国人ゲストへの対応、外国人スタッフの育成、海外への情報発信——いずれも、専門的な翻訳・ローカライゼーションの知見が求められる領域です。
アットグローバルは、翻訳・通訳・海外リサーチ・異文化コミュニケーション研修を通じて、観光業界のグローバル化を支援しています。リゾートバイトから世界へ羽ばたく若者たちと、インバウンド対応に取り組む観光事業者——その両方をつなぐ「言語の架け橋」として、私たちは今後も貢献してまいります。
参考:【リゾートバイトの貯金実態調査】経験者の約7割が「毎月10万円以上」の貯金に成功!4人に1人は「月20万円以上」を貯める驚きの結果に(PR TIMES)



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