【2024年版】今カンボジアの治安は?プノンペン在住者が伝える安全ガイド

旅行やビジネスでカンボジアへの渡航を考えている人にとって、やはり気になるのは「治安」ではないでしょうか?

・犯罪に巻き込まれないか心配…
・女性の一人旅でも大丈夫なのかな…
・トラブルを避けるにはどうすればいいの?

など、カンボジアの治安に関して不安でいっぱいだと思います。

そこで当記事では、カンボジアの首都プノンペンに住んで7年の筆者が、最新の治安情報をお伝えします。カンボジアを楽しむための安全対策も紹介するので、渡航計画を立てる参考にしてください!

目次

カンボジアの治安|悪くはないが注意が必要

カンボジアの治安情報

まず結論ですが、カンボジアの治安は見出しの通り、決して悪くはありませんが注意が必要です。

外務省のホームページで、カンボジアの危険度レベルをチェックしておきましょう。

危険度レベルとは、外務省の定める基準に従って各国をレベル0~4に分類したものです。2024年4月時点、カンボジアは全域で危険度レベル1となっています。

危険度レベル1:その国・地域への渡航,滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要です。

外務省|カンボジアの危険情報

カンボジアの隣の国、タイやベトナムのほうが一見危険度レベルが低くて安全なように見えますね。でも実はタイの一部は危険度レベル2。「不要不急の渡航は止めてください」というレベルなんです。

なので、カンボジアの治安が周辺国と比べて特に悪いわけではありません。しかし日本とはぜんぜん違う国なので、何かしらのトラブルに巻き込まれないよう、十分に気をつける必要があります。

プノンペンとシェムリアップの比較

カンボジアの首都プノンペンと、アンコールワット遺跡で有名なシェムリアップを比べると、プノンペンの方が治安が悪いようです。

地域別犯罪発生状況(2023年1月~3月)※大使館・領事事務所が認知した件数
プノンペンシェプリアップ
ひったくり5件0件
ひったくりを除く窃盗2件0件
いかさま賭博詐欺0件0件
空き巣0件0件
強盗0件0件
こん睡強盗1件0件
参考:https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000940.html

在カンボジア日本大使館の情報によると、2023年1月〜3月にプノンペンでは日本人が8件の犯罪に遭っています。それに対してシェムリアップは0件でした。圧倒的にプノンペンが多いですね。

この違いとして考えられるのは、次の2つです。

  • 人口が2倍以上違う
  • プノンペンはビジネスの中心地で、シェムリアップは観光地

いずれにしても、シェムリアップなら安全、プノンペンは危険というわけではありません。どの都市に滞在するとしても、日本で生活しているとき以上に安全意識を持つことが大切です。

どんなことを意識できるのかは、後から解説しますね。

カンボジア人は親切でおおらか

私が現地に住んで実感していることですが、カンボジア人は全体的に親切でおおらかです。普通に生活していれば、犯罪に巻き込まれる心配はそれほどありません

特に年配の人たちは、カンボジアに政情不安の残る90年代に日本が助けてくれたことを覚えていて、とても感謝しています。

反日感情から差別されたり犯罪に巻き込まれたりすることを、ひどく心配する必要はありません。

旅行者が気をつけるべき3つの犯罪

プノンペンの町並み

旅行でカンボジアを訪れる人が特に注意すべき犯罪は次の3つです。

  • ひったくり・窃盗
  • 特殊詐欺
  • 交通事故

交通事故が犯罪とは言い切れませんが、カンボジアで起こる交通事故のほとんどは飲酒運転や信号無視などの法律違反が原因です。なので、この記事では犯罪として扱っています。

それぞれをくわしく解説していきます。

ひったくり・窃盗

カンボジアを訪れる人がかならず注意すべき犯罪は、ひったくりと窃盗です。私の知人も被害に遭っているので、いくつか実際に起こった事例を紹介します。

事例1.市場でスマホをすられる

市場で買い物していると、上着に入れていたiPhoneが盗まれました。すぐに「iPhoneを探す」機能を使いましたが、SIMが抜かれており、位置を特定できませんでした。

事例2.バイク乗車中にカバンをひったくられる

バイクに2人乗りしていたとき、後ろに座っていた人のカバンがひったくられました。カバンを強く引っ張られたため、バイクが転倒し、軽い怪我をしました。

事例3.トゥクトゥクに乗車するときに荷物を盗まれる

トゥクトゥクで移動するとき、荷物が多いため分けて乗せていたところ、反対側からカバンが盗まれ、犯人はバイクで逃走しました。


これらの事例はすべて、犯人は事前に隙を狙っていたと考えられます。犯人は犯罪のプロなので、狙われてからでは遅いです。狙われないようにすることが何より大切です

安全対策については後で解説します。

特殊詐欺

特殊詐欺に注意

2023年11月、特殊詐欺グループの日本人25人が逮捕されました。日本でも大々的に報道されたので覚えている人も多いかと思います。

彼らは、カンボジアから日本の高齢者を狙ってうその電話をかけ、お金をだまし取る「かけ子」だったと見られています。

カンボジアで特殊詐欺を行う拠点は他にもあると考えられており、かけ子はSNSで「高収入」「短時間」などの魅力的な言葉で募集されています。

交通事故

カンボジアでバイクや車を運転する予定がなくても、交通ルールを無視するドライバーによる事故には注意が必要です。特に信号無視や飲酒運転、スピード違反が原因の事故は日本と比較にならないほどひんぱんに起こっています

警察による取り締まり強化のおかげで、数年前に比べてカンボジア人の安全意識が高まってきました。ノーヘルメット運転や3人乗り、4人乗りのバイクはかなり減ってきています。

飲酒運転に関しては2024年1月23日、フン・マネット首相が飲酒運転の取り締まりを強化すること、アルコール飲料の広告規制を強化することを表明しました。

それでも交通事故の件数はどういうわけか、コロナ禍以降増加し続けています…。なので、自分の身は自分で守る意識を持つことが大切です。

カンボジアでの安全対策|7つのポイントを紹介

ここからは、プノンペンに住む私が実践している、カンボジアで安全に過ごすための7つのポイントについて説明します。

1.トゥクトゥクの乗車時は注意する

トゥクトゥク

トゥクトゥクは旅行者にとって便利な移動手段です。しかしひとつ問題点があって…トゥクトゥクには基本的に窓がないのでひったくりのターゲットになるおそれがあります。

SNSをチェックしたり、景色を撮影したりしていると、突然バイクに近づかれ、スマホやカバンを盗まれるという事件がひんぱんに起こっています。

しかも犯人はさっさと逃げていってしまうので、一度盗まれると取り返すのはほぼ不可能です。

犯人はいつどこで狙っているか分からないので、トゥクトゥクに乗っている間はスマホやカバンをしっかりと手に持って、取られる隙を作らないよう気をつけてください。 

2.歩きスマホはしない

歩きスマホを避けるべき理由は2つあります。

  • 周囲の危険に気づかず事故に遭う
  • ひったくりに狙われやすい

スマホを使わないのが一番なんですが、見知らぬ街だと地図を確認したり写真を撮ったりとスマホは必須ですよね。そんなときは道を歩きながらではなく、道端に立ち止まり、短時間だけ使うようにしましょう。

さらに、壁側を向いてスマホを使っていると、背後から忍び寄ってきてひったくられるリスクがあります。なので道路の方を向いて、周囲に注意しながらスマホを使う方がずっと安全です。 

3.夜間の外出は控える

カンボジアは、日本と比べて夜は早く静まり返ることが多いです。21時を過ぎても繁華街は行き交う人が多くて賑わっていますが、そこから少しでも離れると人通りが少なくなる傾向があります。

なので夜間は外出をできるだけ控えるのが賢明です。それでもナイトライフを楽しみたい場合は、トゥクトゥク、またはタクシーを利用することをおすすめします。

4.あやしい話には乗らない

あやしい儲け話をしてくる男性

「すぐに稼げる」「元手を倍にできる」など、甘い誘いにはすぐには飛びつかない方が賢明です。

カンボジアでは特殊詐欺だけでなく、いかさま賭博詐欺も横行しています。たとえば、カードゲームで「グルになって金持ちからお金を騙し取ろう」と誘われるかもしれません。初めは勝てるように見せかけても、最終的には現金や貴重品を失うリスクがあります。

もし本当に簡単に稼げる方法があるなら、見知らぬ人に教えるはずがありません。「すぐに儲かるよ!」みたいな話を持ちかけてくる人がいたら、その人とは関わらないようにしましょう。 

5.他人に敬意を払う

目上の人だけでなく、どんな仕事をしている人に対しても敬意を払うことで、他の人とうまくやっていくことができます。

在カンボジア日本国大使館のサイトには以下の情報がありました。

一般的にカンボジア人はプライドが高く、メンツを重視しますので、人前で非難されたり、侮辱されたりすることを非常に嫌います。

在カンボジア日本国大使館(PDFファイル)

このような性格はカンボジアに限らず、どこの国でもありますよね。でも旅行中は特に注意が必要です。リラックスしているときにこそ失礼な態度を取ってしまうことがあるからです。

「ありがとう(オークン)」「こんにちは(スオスダイ)」と声をかけるだけで不要なトラブルを避けることができます。

6.海外旅行保険に加入する

海外旅行保険に加入しておけば、スマホやバッグが盗まれる、怪我をするなど予期せぬトラブルに対応できます。

首都プノンペンと観光地シェムリアップには、日本語で応対可能な病院があります。海外旅行保険があれば、これらの病院でキャッシュレス診療、つまり現金を使わずに治療を受けられます

また、クレジットカードには海外旅行保険がついていることがあります。この保険を利用する際は、自動付帯か利用付帯かをチェックしておいてください。

  • 自動付帯:クレジットカードを持っているだけで保険が有効
  • 利用付帯:飛行機やバスの交通費をクレジットカードで支払ったときから有効

7.バイクは警備員のいる場所に停める

カンボジアでは、125cc以下のバイクは免許がなくても運転できます。市内にはバイクレンタルショップもあり、旅行者でもレンタル可能なので、バイクに乗りたいと思う人もいるかもしれません。

しかしバイクの盗難は日常茶飯事!お店に止める場合は必ず警備員のいる場所を選び、指示に従って停めてください。ハンドルロックをかけておけば大丈夫と思うかもしれませんが、ハンドルロックは犯人の手にかかれば数秒で壊れるので、何の意味もありません。

どうしても警備員のいない場所に止めなければならない場合は、レンタルショップで提供されるチェーンをかならず使いましょう

もしものときの緊急連絡先

カンボジア滞在中トラブルが起きたときのために、以下の連絡先をメモしておきましょう。

  • カンボジア在住の知人の連絡先
  • 在カンボジア日本国大使館・在シェムリアップ日本国領事事務所
  • クレジットカードの緊急連絡先

大使館・領事館の連絡先は次のとおりです。

在カンボジア日本国大使館(毎週土日休館)
住所Embassy of Japan, No.194, Moha Vithei Preah Norodom, Sangkat Tonle
Bassac, Khan Chamkar Mon, Phnom Penh, Cambodia
電話番号023-217-161~4
公式サイトhttps://www.kh.emb-japan.go.jp/
在シェムリアップ日本国領事事務所(毎週土日休館)
住所Consular office, Sokha Palace Siem Reap Hotel, Road 60, Phum Trang, Sangkat Slorkram, Siem Reap, Cambodia
電話番号063-963-801~3
公式サイトhttps://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000091.html

事件や事故に巻き込まれた場合

必要な支援を受けるために、警察と日本大使館・領事事務所に連絡しましょう。ただし、問題は現地警察への連絡。日本語はもちろん、英語も通じない場合もあります。

その場合は、カンボジア語に通訳できる知人に頼むか、通訳の心当たりがない場合は大使館や領事事務所で通訳者の情報を得ることができます。

日本語が使える病院情報

在カンボジア日本国大使館の下記ページには、プノンペン・シェムリアップにある日本語対応可能な病院の連絡先リストがあります。

緊急時のためにブックマークしておくことをおすすめします。

世界の医療事情(カンボジア)|外務省

上のサイトには緊急時に役立つカンボジア語のひとくちメモが載っています。ただし、このカタカナ通りに発音してもまず通じないので、英語とジェスチャーで伝えたほうが良いです。

まとめ

カンボジアの治安は日本と比べると決して良いわけではありません。特に旅行者の場合は以下の犯罪に気をつけてください。

  • ひったくり・窃盗
  • 特殊詐欺
  • 交通事故

注意すべきポイントを守っていれば、毎日怖がりながら過ごす必要はありません。女性が一人で旅行することも可能です。

カンボジアには魅力的な観光地やおいしい食べ物がたくさんあります。こちらが笑顔で挨拶すれば笑顔で返してくれる人々の優しさも感じられます。

この記事で解説した注意点を参考にしていただけると幸いです!

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