新幹線を使った旅行や出張の際、「せっかくなら途中の駅で降りて観光やグルメを楽しみたい」と思ったことはありませんか?実は、ルールさえ理解しておけば、新幹線の乗車券で途中下車ができる“裏ワザ”があるのです。
この記事では、「新幹線 途中下車 裏ワザ」を知りたい方に向けて、新幹線の途中下車の方法から、日をまたぐケースでも有効な活用法まで、わかりやすく解説していきます。
途中下車のルールや切符の買い方を知っておくことで、旅の自由度がぐんと広がり、費用も節約できるかもしれません。ぜひこのガイドを参考にして、新幹線をもっと便利に、お得に活用してみてください。
- 新幹線で途中下車できる条件と基本ルールが分かる
- 特急券を分割して購入することで安くなる方法が分かる
- 日をまたいで途中下車する際の有効期間と注意点が分かる
- お得なきっぷや予約サービスの活用方法が分かる
新幹線の途中下車 裏ワザの基本ガイド

新幹線で途中下車するには片道101km以上の乗車券が必要で、特急券は途中下車できません。乗車券は1枚で、特急券を区間ごとに分けて購入することで安く利用できる裏ワザがあります。詳しく解説していきますね。
新幹線の途中下車とは
新幹線の途中下車とは、目的地に着く前に、途中の駅で一度改札を出て外に出ることを意味します。これにより、旅の途中で観光や食事などを楽しむことができます。
例えば、東京駅から新大阪駅に行く途中に名古屋駅で途中下車してひつまぶしを食べたい、あるいは1泊して名古屋城を見に行きたいということがあるかもしれません。
普通に新幹線の切符を購入すると、東京-新大阪間1枚を購入するより、東京-名古屋・名古屋-新大阪間の2枚に分けて購入する方が高くなるのは必然ですよね。
でも、裏ワザを使えば、分けて購入するよりは少し安く移動できる方法があります。
ただし、新幹線の場合、途中下車は誰でもいつでも自由にできるわけではありません。乗車券にはルールがあり、特急券にも制限があるため、計画的に行動する必要があります。
まずはその仕組みをしっかり理解しておきましょう。
途中下車の基本ルール
途中下車をするためには、いくつかの基本ルールを理解しておく必要があります。無計画に改札を出てしまうと、余計な料金がかかってしまうこともあります。
片道101km以上の乗車券

参照:JRおでかけネットの「時刻・運賃検索(マイ・ダイヤ)」で駅名を入力
まず大前提として、新幹線で途中下車ができるのは「片道101km以上の乗車券」を持っている場合です。これが最低限の条件となります。100km以内だと、原則として途中下車は認められていません。例えば、東京から静岡(約180km)などは途中下車OKですが、東京から熱海(約105km)もギリギリ対象になります。
確認方法としておすすめなのは、JRの公式サイトや乗換案内アプリの「きっぷ案内」機能を使うことです。出発地と目的地を入力すると、自動的に距離が表示され、途中下車の可否も把握しやすくなります。また、みどりの窓口で駅員に直接確認するのも確実です。
途中下車できるのは乗車券のみ
新幹線を利用する時には「乗車券」と「特急券」を購入しますが、途中下車が利用できるのは乗車券に限られます。特急券やグリーン券は、改札を出た時点で無効になります。つまり名古屋で途中下車して再び新幹線に乗る場合は、新たに特急券を買い直さなければいけません。
それで、東京駅から新大阪駅に行く途中、名古屋駅で一度下車したい場合は、乗車券を「東京-新大阪」間で1枚購入、そして特急券を「東京-名古屋」「名古屋-新大阪」でそれぞれ1枚ずつ購入することになります。
このように、途中下車のルールは「距離」「切符の種類」「発着地の表示」によって決まります。事前にルールを理解しておくことで、無駄な出費を防ぎ、快適な旅を楽しむことができるでしょう。
では、次に新幹線を途中下車するモデルケースを具体的にご紹介しましょう。
新幹線の途中下車 裏ワザの具体例

理屈が分かると、裏ワザというほどのものではありませんが、例えば東京-新大阪間の途中、名古屋で途中下車する場合、どの程度費用が安くなるのかご紹介したいと思います。
切符を分割して購入した場合
まず、新幹線の切符は、2つの料金である「乗車料金」と「特急料金」に分かれます。東京-新大阪に一気に移動した時と、名古屋で途中下車して両方を分割して購入した時の差額は以下のようになります。(2025年4月現在)
列車種別 | 座席の種類 | 東京-新大阪 | 東京-名古屋 | 名古屋-新大阪 | 分割時の合計 | 差額 | |
乗車料金 | ¥8,910 | ¥6,380 | ¥3,410 | ¥9,790 | ¥880 | ||
特急料金 | のぞみ | 普通車自由席 | ¥5,810 | ¥4,180 | ¥2,530 | ¥6,710 | ¥900 |
普通車指定席 | ¥4,960 | ¥4,920 | ¥3,270 | ¥8,190 | ¥3,230 | ||
グリーン車 | ¥10,680 | ¥6,670 | ¥5,540 | ¥12,210 | ¥1,530 | ||
ひかり・こだま | 普通車自由席 | ¥5,490 | ¥4,180 | ¥2,530 | ¥6,710 | ¥1,220 | |
普通車指定席 | ¥4,960 | ¥4,710 | ¥3,060 | ¥7,770 | ¥2,810 | ||
グリーン車 | ¥10,360 | ¥6,460 | ¥5,330 | ¥11,790 | ¥1,430 |
当然、2回に分けて購入した方が高くつきます。
特急料金だけ分割した場合
次に、乗車料金は東京-新大阪間で、特急料金は、東京-名古屋・名古屋-新大阪の2枚に分けて購入した時の料金の差を比較してみましょう。
列車種別 | 座席の種類 | 「乗車料金」「特急料金」両方を分割して購入した場合の総額 | 乗車券は東京・新大阪で購入、特急券だけ分けて購入 | 差額 |
のぞみ | 普通車自由席 | ¥16,500 | ¥15,620 | ¥880 |
普通車指定席 | ¥17,980 | ¥17,100 | ¥880 | |
グリーン車 | ¥22,000 | ¥21,120 | ¥880 | |
ひかり・こだま | 普通車自由席 | ¥16,500 | ¥15,620 | ¥880 |
普通車指定席 | ¥17,560 | ¥16,680 | ¥880 | |
グリーン車 | ¥21,580 | ¥20,700 | ¥880 |
というわけで、この表を見れば一目でわかりますが、特急券だけを分けて購入すると、どの列車種別の座席であっても一律880円お得になる、ということですね。家族で途中下車する場合などは、かなりお得になると思います。
新幹線の切符をお得に購入する方法
途中下車する時に、特急券だけを分割すればお得になることを考えましたが、他にも新幹線の切符を安く購入する方法があります。
えきねっととスマートEXの利用法
新幹線の切符をお得に手に入れたいなら、「えきねっと」と「スマートEX」の活用がおすすめです。それぞれ特徴が異なるため、自分に合ったサービスを選ぶことで、費用と手間を減らすことができます。
「えきねっと」
まず、「えきねっと」はJR東日本が提供しているネット予約サービスです。主に東北・上越・北陸新幹線の利用者に向いており、事前予約で割引が受けられる「トクだ値(ね)」というお得なきっぷがあります。特に、早めに予定が決まっている場合は、このサービスを使うと最大で半額近くになることもあります。
「スマートEX」
一方で、「スマートEX」はJR東海・JR西日本が中心に提供しており、東海道・山陽新幹線の利用に最適です。スマホやパソコンで予約したきっぷをICカードでそのまま乗車できるのが魅力で、券売機に並ぶ必要がありません。
例えば、東京から名古屋へ行く場合、スマートEXで「早得」プランを利用すれば、通常価格よりも1,000円以上安くなるケースもあります。また、出発直前まで予約・変更ができるため、急な予定変更にも柔軟に対応できます。
上記で考えた、東京-名古屋、名古屋-新大阪で途中下車する予定の場合、特急券を分けて購入することで、事前予約による割引を受けることができます。
ただし注意点もあります。「えきねっと」は受け取りが必要なため、発券を忘れると使えません。スマートEXはICカードと連携していないと乗車できないため、事前の登録が必須です。
お得な企画乗車券の見つけ方
お得な企画乗車券を見つけることで、通常より安く乗れるケースが多くあります。
なぜ企画乗車券が有効かというと、通常のきっぷよりも「乗車券と特急券がセットになって割引されている」「途中下車や観光特典がついている」といったメリットがあるからです。つまり、計画的に探せば、旅費を抑えながら行動の幅も広がります。
例えば「ぷらっとこだま」や「EXこだまグリーン早特」などは、インターネット予約専用の割安なきっぷです。ぷらっとこだまは途中下車ができないなど制限はありますが、安く新幹線を利用したい方にはぴったりです。
反対に、途中下車を重視するなら「東京・名古屋往復きっぷ」などのJR各社が発行するきっぷの中から、条件に合うものを選ぶのが良いでしょう。
また、JR東日本の「週末パス」や「青春18きっぷ」など、特定の期間に使えるきっぷは、普通列車向けではありますが、新幹線と組み合わせた観光ルートを工夫すればとても経済的です。

探し方としては、JR各社の公式サイトや旅行会社のサイトを定期的にチェックすること、また「新幹線 格安 きっぷ」などの検索ワードで最新情報を調べるのが効果的です。スマートEXやえきねっとのようなオンライン予約サービスも、お得な割引情報を掲載しています。
ただし注意点として、これらのきっぷには有効期限やキャンセル制限、途中下車不可などの条件があるため、購入前に必ず利用条件を確認することが大切です。
新幹線の途中下車 裏ワザに関するQ&A

ここまで考えてきた新幹線の途中下車に関連して、よくある質問を取り上げてみました。
- 途中下車で日をまたぐことはできる?
-
結論から言うと、日をまたぐことはできます。
ポイントはいくつかあります。まず基本的なことから言うと、乗車券には距離に応じて有効期間というものが定められています。
乗車券の有効期間
乗車券の有効期間は距離によって異なり、101km以上の乗車券では当日だけでなく複数日間有効です。乗車券の有効期間は営業キロ(乗車距離)によって以下のように定められています。
- 100kmまでの乗車券:発売当日のみ有効
- 大都市近郊区間内のみの乗車券:発売当日のみ有効
- 101km以上の乗車券:距離に応じて複数日間有効
営業キロ 有効期間 101km~200kmまで 2日間 201km~400kmまで 3日間 401km~600kmまで 4日間 601km~800kmまで 5日間 801km~1000kmまで 6日間 1001km~1200kmまで 7日間 以降200kmごとに 1日ずつ加算 これは「有効期間早わかり方程式」で表すと、「営業キロ÷200km+1日=有効期間(小数点以下切り上げ)」となります。
東京-新大阪間で名古屋で途中下車する場合、東京-新大阪間の営業キロが500km以上ですので、有効期間は4日間になります。ですから4月15日に東京を出発した場合、4月18日まで名古屋に滞在し、その日に大阪に向かうことができる、ということになります。
さらに往復乗車券と連続乗車券に関しても営業キロの長さに応じたルールがあります。
- 往復乗車券の有効期間は、片道乗車券の2倍
- 連続乗車券の有効期間は、連続1と連続2のそれぞれのきっぷの営業キロに基づく有効期間の合計
特急券の有効期間
自由席特急券の有効期間は、有効期間開始日のみ(1日限り)になります。例えば、4月15日が有効期間となっている自由席特急券は、4月15日しか使えません。
指定席特急券は指定された列車に限って有効です。指定された列車の発車時刻を過ぎると無効となり、変更・払いもどしはできません。ただし、指定列車に乗り遅れた場合でも、同じ日のうちなら普通車自由席に限って利用できます。
このように特急券の有効期間は1日限りですので、もし途中下車した名古屋で1泊するなら、特急券は次の日に有効なものを購入する必要があります。
とはいえ、必ず当日に購入する必要はなく、上で説明した「えきねっと」や「スマートEX」などであらかじめ日をずらして予約しておくことで割引を活用できます。
- 途中下車した後、移動を中止する場合の払い戻し条件は?
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条件は2つあります。
- 未使用の乗車区間が100kmを超えていること
- 切符の有効期間内であること
「未使用の乗車区間が100kmを超えていること」ですが、これはJRの規則で定められており、例えばすでに名古屋まで乗ったけれど、新大阪までの予定をやめたいという場合、その距離が100kmを超えていれば、手数料を差し引いた上で払い戻しが可能です。(実際の名古屋-新大阪間は186.6kmなので払い戻し可能)
具体的には、乗車中の駅で「旅行を中止したい」と駅員に伝えれば、手続きを案内してもらえます。払い戻しを受けるには、切符の有効期間内であることが条件で、さらに手数料220円が差し引かれます。これは1枚の切符ごとに発生する費用です。
そして払い戻しができないケースもあります。100km未満の区間が残っている場合、有効期限が過ぎている場合に加え、インターネットで購入したきっぷの場合は、駅では手続きできず、購入サイト経由での手続きが必要になることもあります。
もうひとつ気をつけたいのが、特急券の扱いです。途中下車をして改札を出た時点で、特急券は「使用済み」とみなされ、払い戻しはできません。使う前であれば、所定の時間前に申し出ることで払い戻しが可能ですが、時間が過ぎると手数料だけでなく、全額戻らないこともあります。
このように、新幹線で途中下車をしたあとに予定を変更する場合は、乗車券と特急券それぞれの払い戻しルールを事前に確認し、必要に応じて早めに手続きを取ることが大切です。
- 新幹線+宿泊プランの切符は途中下車できる?
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プランによります。
新幹線と宿泊がセットになったお得なプランは、旅行費用を抑えたい人に人気です。しかし、この手のプランには“途中下車できない”ことが多いので注意が必要です。
通常の乗車券であれば、条件を満たせば途中下車が可能ですが、新幹線+宿泊プランの切符は、旅行商品として販売されることが多いため、ルールがまったく異なります。特に、JRが発行するのではなく旅行会社が販売するタイプは「きっぷ」ではなく「旅行契約」として扱われ、途中下車は原則できません。
例えば、「東京〜京都+1泊ホテル付き」といったプランを使って名古屋で一旦降りようとすると、その時点で切符が無効になってしまうことがあります。再乗車には、名古屋から京都までの新たな切符が必要です。
一方で、JRが直販しているパック旅行の中には、通常の乗車券が同梱されるケースもあります。この場合は、乗車券の距離が101kmを超えていれば途中下車が可能です。ただし、特急券部分は改札を出ると無効になるため、再乗車には分割購入が必要です。
このように、同じ「新幹線+宿泊」でも、発行元や内容によって途中下車の可否が変わります。旅行を計画する際は、「このプランは途中下車できるのか?」と一度立ち止まって確認してみることが、後悔しない旅のコツです。
- 途中下車時の正しい改札通過方法は?
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新幹線で途中下車する場合、乗車券と特急券の両方を同時に自動改札機に投入します。改札機はそれぞれのきっぷの有効性を判断し、途中下車可能なきっぷのみを返却します。
具体的には以下のような処理が行われます。
- 途中下車可能な乗車券(101km以上のもの)は改札機から返却されます
- 特急券は途中下車できないため回収されます
例えば、東京-新大阪の乗車券と東京-名古屋の新幹線特急券を持って名古屋駅で下車する場合、自動改札機に両方のきっぷを投入すると、乗車券は返却され、特急券は回収されます。
自動改札機での処理に不安がある場合は、有人改札口で係員に確認してから通過するとよいでしょう。
新幹線の途中下車 裏ワザまとめ
- 新幹線で途中下車するには片道101km以上の乗車券が必要
- 途中下車できるのは乗車券のみで特急券は無効になる
- 特急券は区間ごとに分けて購入すると安くなるケースがある
- 「えきねっと」や「スマートEX」での予約で割引が受けられる
- JR各社のサイトで途中下車可能なきっぷや割引情報を確認できる
- 新幹線+宿泊プランでは途中下車できないものが多い
- 路線の分割購入時は乗車券は1枚で特急券のみ区切るのがコツ
- 乗車券の有効期間は「営業キロ÷200km+1日」で算出できる
- 旅行会社が販売するパック商品は原則途中下車不可
- 払い戻しは未使用距離が100km以上かつ有効期間内が条件
- 家族やグループでの途中下車活用で大幅に費用を節約できる
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