「日本三景ってどこだっけ」って話題になると、三景のうち1,2個は出てくるんですが、最後の1個がなかなか出てこないもんですよね。
そんなあなたに日本三景の覚え方のコツをご紹介します。そしてこの日本三景の中の特徴やご当地の食材、人気ランキングをお伝えします。
さらにこの記事では、それぞれの景勝地の情報やアクセス方法なんかも詳しく解説しているのでご活用ください。
- 日本三景の具体的な場所とそれぞれの特徴について
- 日本三景の覚え方や覚えやすい方法について
- 各地の観光情報やアクセス方法について
- 日本三景にまつわるエピソードや興味深い事実について
日本三景の読み方、場所はどこにある?
日本三景とは
日本三景とは、日本国内における3つの美しい景勝地のことを指していて、日本の自然美を象徴する場所として広く知られています。具体的には、宮城県の松島、京都府の天橋立、広島県の宮島(厳島)が日本三景に含まれます。それぞれの場所は、風光明媚な風景を楽しむことができ、多くの観光客に愛されています。
読み方
日本三景の読み方は、「にほんさんけい」です。「日本」は「にほん」で「にっぽん」ではありません。「三景」はそのまま「さんけい」と読みます。それぞれの景勝地は、松島は「まつしま」、天橋立は「あまのはしだて」、宮島は「みやじま」と読みます。ちょっと読みにくいのは、天橋立くらいでしょうか。
どこにある?
日本三景は、当然ですが日本国内の三つの場所に分かれています。
- 松島は、宮城県宮城郡松島町
- 天橋立は、京都府宮津市
- 宮島は、広島県廿日市市(はつかいちし)
この3つのうち、これまでに1つくらいは訪れたことがあるかもしれません。今でも強い印象が残っていることでしょう。これらの場所は、それぞれ独自の美しい風景を持ち、多くの観光客が訪れる名所となっています。
日本三景は誰が決めた?選定基準は?
この日本三景は、いつ誰が決めたのでしょうか?それは、江戸時代の儒学者である林春斎(はやし しゅんさい)によって選定されました。林春斎は、1643年に著した『日本国事跡考』という書物の中で、松島、天橋立、厳島(いつくしま)を「三処の奇観」として挙げました。
この記述が日本三景の始まりとなり、これ以降、松島、天橋立、厳島は日本を代表する美しい景観として広く認識されるようになりました。日本にはたくさんの美しい場所がありますが、林春斎が日本三景を選定した基準は、3つあるようです。
宮島と厳島(いつくしま)は同じ場所を指し、広島県廿日市市に位置する島の通称と正式名称です。宮島は観光名所として知られる親しみやすい名称で、厳島神社の存在から由来しています。
一方、厳島は歴史的・宗教的な正式名称で、厳島神社は平安時代からの歴史を持ち、ユネスコの世界遺産にも登録されています。この神社は海上に立つ朱塗りの大鳥居で有名で、神聖な島として古くから信仰を集めています。
選定基準3つ
林春斎が提唱した日本三景は、美しいだけではなく、3つの基準を満たしているベスト3と言えます。その基準は「自然の美しさ」と「歴史的・文化的価値」、そして「地域の象徴性」です。具体的には、以下のポイントが考慮されています。
自然の美しさ
それぞれの場所が独自の風景美を持っているということです。ユニークさ、とも言い換えられるでしょうか。確かに松島の多島海、天橋立の砂州、宮島の厳島神社の風景というのは、ただ美しいだけでなく独自の美があると言えます。
歴史的・文化的価値
各地の景観が古くから詩歌や絵画に取り上げられてきたこと、歴史的な出来事や人物に関連していることが評価されています。
1643年に書物の中で言及されたとはいえ、それ以前も、そしてそれ以降も多くの日本人に多くの感動を与えてきました。それはまさに、プライスレスです。
地域の象徴性
選定された場所がその地域を象徴する名所であることも重要です。これにより、地域のアイデンティティや観光資源としての価値が高まります。
日本の中で言うと、アクセスは便利とはいえ少し地方で行くのに時間がかかる場所です。でもそこに行くまでに、いろんな思いを馳せながらその地域に向かって旅行するという素晴らしい時間を過ごせます。
このように3つの基準に基づいて、日本三景は選ばれました。
日本三景の日
また、毎年7月21日は「日本三景の日」とされています。なぜこの日なのかと言うと、林春斎の誕生日が1618年7月21日(旧暦5月29日)だから、とのことです。そして日本三景観光連絡協議会が2006年に「日本三景の日」と制定しました。
毎年、7月21日には、それぞれの場所でイベントが開催され、全国から多くの観光客が訪れます。混雑は予想されますが、旅行の計画を立てる際には、あえてこの日を選んで訪れてみるのもいいかもしれません。
日本三景 覚え方とエピソード
覚え方
一般的な「覚え方のコツ」には3つの記憶法があると言われています。これについては、アメリカ歴代大統領の覚え方について解説した記事で詳しく書いていますので、参考にしてください。
でも日本三景の場合は3つだけ覚えればいいので、シンプルな覚え方ができます。
語呂合わせ
簡単なフレーズで覚えることができます。例えば、
3つの頭文字をつなげた「あまみ」。(天橋立の「あ」、松島の「ま」、宮島の「み」)ただし、それぞれが1文字だけなので、「あまみ」を覚えてもそこから思い出せないこともあるかもしれません。
その場合、もう少し情報を足して「あままつみや」(「あま(天橋立)」「まつ(松島)」「みや(宮島)」というふうに2文字ずつ頭文字を取って覚えると良いでしょう。
地理的特徴を理解する
それぞれの場所がどこにあるのか、日本地図で確認しながら覚えると効果的です。松島は宮城県、天橋立は京都府、宮島は広島県に位置しています。
Google Map のストリートビュー機能などを使って、いろんな角度から対象を見るとイメージに残りやすいでしょう。その他写真や絵など、視覚的なものをたくさん見ることでそれぞれの風景を覚えやすくできます。
歴史や文化に関連付ける
さらに、それぞれの場所にまつわる歴史的なエピソードや文化的な背景を知ることで、記憶に残りやすくなります。次の項目で日本三景に関連したエピソードをご紹介しますね。
エピソードや逸話
日本三景には、それぞれにまつわる興味深いエピソードや逸話が数多く存在します。それぞれ1つずつご紹介しますね。
宮城県の松島
松島は、松尾芭蕉が訪れた際、その美しさに感動し、言葉を失ったという逸話があります。「松島や ああ松島や 松島や」という句が有名ですが、実際には芭蕉自身の作品ではなく、後に彼を称えて作られたものです。
京都府の天橋立
天橋立は「股のぞき」という独特の方法で風景を楽しむことで知られています。これは、股間を通して逆さに見ることで、風景がまるで天に橋が架かっているかのように見えるためです。この風景は「昇龍観」とも呼ばれています。
広島県の宮島(厳島)
宮島には海上に浮かぶ大鳥居があり、その神秘的な光景は多くの人々を魅了しています。平安時代から続く厳島神社は、潮の満ち引きによって鳥居が海中に浮かび上がるように見えるため、世界中から訪れる観光客に人気のスポットとなっています。
日本三景の興味深いデータと人気ランキング
興味深いデータ
日本三景には、知っているとさらに楽しめる興味深いデータがいくつかあります。
海に関係している
次に、松島、天橋立、宮島の三景はいずれも海に関連する風景であることです。松島は多島海、天橋立は砂州、宮島は海上の鳥居と、それぞれが海と密接に関係しています。
やはり日本は海に囲まれた島国ですから、昔から海のある風景が美しいと思うDNAを受け継いでいるんでしょうね。
特別名勝に指定
日本三景はいずれも1952年に特別名勝に指定されています。この特別名勝というのは、名勝の中でも特に重要とされるもので、自然美や歴史的価値があると認められた場所にしか与えられません。
特別名勝に指定されることで、これらの場所は国によって保護、管理され、このすばらしい自然景観が守られています。
特徴的な食文化
三景それぞれには、特徴的な食文化があります。松島は牡蠣が有名で、冬の風物詩として親しまれています。天橋立は夏の岩ガキが特産品で、観光客に人気です。宮島では、もみじ饅頭やアナゴ料理が楽しめます。
それぞれの地域に根差した食材について知っておくと、その地に訪れた際には必ず食べたいと思いますよね。ぜひ旅行で行った時には、食も忘れずに。
人気ランキング
日本三景の人気ランキングを紹介します。ランキングと言っても公式に発表されているものではなく、1年間に各場所に訪れる人の数から作成されているものです。観光地としての魅力はそれぞれ異なるので、参考程度にご覧ください。
1位 広島県の宮島(厳島)
宮島には、1年で約400万人が訪れます。宮島は、特にその美しい海上の鳥居で有名で、厳島神社はユネスコの世界文化遺産に登録されています。夕日に染まる鳥居の光景は一見の価値があります。また、宮島では紅葉や桜の季節に訪れると、自然の美しさを堪能できます。
2位 宮城県の松島
松島には、年間約300万人が訪れます。松島は260以上の小島が浮かぶ美しい多島海で、その景観は他にはないものです。さらに瑞巌寺や五大堂などの歴史的建造物も見どころです。
四季により景観が変わり、特に、秋の満月の夜には「金波」や「銀波」と呼ばれる美しい光景が見られます。加えて、観光クルーズや徒歩での観光も楽しめるため、人気のスポットです。
3位 京都府の天橋立
天橋立には、年間230万人の観光客が訪れます。天橋立は日本海の宮津湾と阿蘇海をつなぐ砂州で、全長約3.6kmの砂州に約8,000本の松が茂る美しい景観を持ち、その形が天に架かる橋のように見えることから「天橋立」と名付けられました。
春の桜、夏の海水浴、秋の紅葉、冬の雪景色と、こちらも四季によって異なる美しさを楽しむことができます。
日本三景と日本新三景の違い
これまで日本三景についてみてきましたが、一方で日本新三景というものもあります。
日本新三景というのは、大正時代に全国投票によって選ばれた新たな三つの景勝地です。具体的には、北海道の大沼、静岡県の三保の松原、大分県の耶馬溪(やばけい)が選ばれました。日本新三景の選定は、1915年に実業之日本社が主催し、全国からの投票によって決定されました。
日本三景と日本新三景の違いは、その選定方法と選定された時代にあります。日本三景は、歴史的な学者による選定であり、古くから詩歌や絵画に描かれた景勝地です。一方、日本新三景は、近代における国民の投票によって選ばれたものであり、より現代的な観光地としての特徴を持っています。
これらの違いを理解することで、日本の風景に対する歴史的な視点と現代的な視点の両方を楽しむことができます。それぞれの景勝地には独自の魅力があり、実際に訪れることで日本の自然美を堪能することができるでしょう。
日本三景の詳細情報
松島の伝統文化やイベント
松島には豊かな伝統文化と年間を通じて多くのイベントが開催されています。
まず、松島の伝統文化として挙げられるのが、瑞巌寺です。瑞巌寺は828年に創建され、奥州随一の禅寺として知られています。伊達政宗が再建し、現在の美しい姿が保たれています。境内には五大堂や円通院もあり、これらの建物は歴史的価値が高く、多くの観光客が訪れます。
年間を通じて多くのイベントの中でも特に人気が高いのが、松島灯籠流し花火大会です。このイベントは毎年夏に開催され、松島湾に無数の灯籠が浮かび、夜空には美しい花火が打ち上げられます。この幻想的な光景は、多くの観光客にとって忘れられない思い出となります。
また、冬には松島牡蠣まつりが開催され、新鮮な牡蠣を堪能することができます。松島の牡蠣は身が大きく、味が濃厚で、多くの人々に愛されています。牡蠣料理の他にも、地元の特産品やグルメを楽しむことができるので、冬の松島訪問は特におすすめです。
松島へのアクセス
地図:Google Map
松島へのアクセスは非常に便利で、多くの交通手段があります。
まず、鉄道を利用する場合、JR仙石線の松島海岸駅が最寄り駅です。仙台駅から約40分で到着し、駅からは徒歩5分で松島の中心部にアクセスできます。また、JR東北本線の松島駅からもアクセス可能で、こちらは仙台駅から約25分の距離にあります。駅からは徒歩20分ほどです。
車で訪れる場合、三陸自動車道の松島海岸ICが最寄りのインターチェンジです。東京方面からは東北自動車道を利用し、仙台南ICで三陸自動車道に乗り換えるとスムーズに到着できます。駐車場も複数完備されており、観光シーズンでも安心して車を利用できます。
天橋立の伝統文化やイベント
天橋立の伝統文化として挙げられるのが、智恩寺です。智恩寺は天橋立の守護寺院であり、その大きな仁王門が特徴です。ここでは仏教文化に触れながら、歴史的な建造物を見学することができます。
また、天橋立は伝統的な祭りも多く開催されています。その中でも特に有名なのが、「天橋立灯籠流し」です。この祭りは毎年夏に行われ、天橋立湾内に数百の灯籠が浮かぶ光景は幻想的です。灯籠流しに合わせて花火大会も行われ、多くの観光客が訪れます。
さらに、天橋立では「松葉ガニ祭り」が冬に開催されます。新鮮な松葉ガニを使った料理を堪能できるこのイベントは、地元の人々にも観光客にも人気です。松葉ガニ祭りでは、カニ料理だけでなく、地元の特産品やグルメも楽しむことができ、冬の天橋立を満喫できます。
天橋立周辺には温泉も点在しています。特に天橋立温泉は「神々の遊湯」として知られており、旅行の疲れを癒すのに最適です。温泉旅館や日帰り入浴施設も充実しており、訪れる際にはぜひ利用してみてください。
天橋立へのアクセス
地図:Google Map
天橋立へのアクセスは非常に便利で、京都府北部に位置しています。鉄道を利用する場合、最寄り駅は京都丹後鉄道の天橋立駅です。京都駅から特急電車で約2時間で到着します。また、大阪や神戸からも特急列車を利用してアクセス可能です。
車で訪れる場合、舞鶴若狭自動車道の宮津天橋立ICが最寄りのインターチェンジです。そこから約10分ほどで天橋立に到着します。駐車場も整備されているため、車での旅行も安心です。
宮島(厳島)の伝統文化やイベント
厳島神社は宮島の象徴であり、海に浮かぶ大鳥居が有名です。この神社は593年に創建され、平清盛によって現在の形が整えられました。世界遺産にも登録されており、その歴史的価値と美しさから多くの観光客が訪れます。
一年を通じて行なわれるさまざまなイベントの中でも特に有名なのが「厳島神社の管絃祭」です。この祭りは毎年6月に行われ、平安時代の貴族が楽しんだ雅楽や舞楽が再現されます。美しい衣装をまとった楽人たちが船に乗り、宮島の海を巡る姿は壮観です。
秋には「宮島水中花火大会」が開催されます。8月の夜空を彩る約5,000発の花火は、海上からも鑑賞でき、幻想的な光景が広がります。この花火大会は宮島の夏の風物詩となっており、多くの観光客が訪れます。
宮島では、地元の伝統工芸品を体験することもできます。特に、しゃもじの製作体験は人気です。宮島のしゃもじは縁起物としても知られており、自分で作ったしゃもじは旅の思い出として持ち帰ることができます。
宮島(厳島)のアクセスと観光情報
地図:Google Map
宮島(厳島)へのアクセスですが、広島市内からのアクセス方法が一般的で、最寄り駅はJR山陽本線の宮島口駅です。宮島口駅からはフェリーを利用して約10分で宮島に到着します。フェリーは頻繁に運航されているため、待ち時間も少なくスムーズにアクセスできます。
車で訪れる場合は、広島市内から西に向かい、山陽自動車道の廿日市ICを利用するのが便利です。宮島口には大きな駐車場があり、そこからフェリーに乗り換えることができます。フェリー乗り場周辺には観光案内所や飲食店も多く、観光の出発点として最適です。
日本三景はどこで誰が決めた?覚え方まとめ
- 日本三景は日本国内の3つの美しい景勝地のこと
- 江戸時代の儒学者、林春斎が選定した
- 日本三景は宮城県の松島、京都府の天橋立、広島県の宮島(厳島)
- 日本三景の読み方は「にほんさんけい」
- 松島は「まつしま」、天橋立は「あまのはしだて」、宮島は「みやじま」
- 日本三景は1952年に特別名勝に指定された
- 松島の名物は牡蠣料理
- 天橋立の名物は夏の岩ガキ
- 宮島の名物はもみじ饅頭とアナゴ料理
- 語呂合わせで日本三景を覚える方法がある
- 地理的特徴を理解して覚えると効果的
- 視覚的に写真や絵を見て覚えるのが良い
- 歴史や文化に関連付けて覚えると記憶に残る
- 宮島(厳島)はユネスコ世界文化遺産に登録されている
- 日本新三景とは北海道の大沼、静岡県の三保の松原、大分県の耶馬溪
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