「ウユニ塩湖」ってネットで検索すると「ウユニ塩湖には絶対に行くな」という検索キーワードが出てきますよね。思わずクリックすると、「日本人が嫌われている」「日本人立ち入り禁止」のような記事が出てくるので、本当かどうか、SNSや海外のサイトをしっかり確認してしまいました。
結論から言うと、特に日本人が嫌われているということはないようです。うわさ話は怖いですね。
とはいうものの、ウユニ塩湖に行く旅が苛酷を極めることは間違いないようです。思わず「絶対に行くな」と言ってしまいたくなるほどのレベルのようです。私も人生で1度は行ってみたいので、まとめてみました。
- ウユニ塩湖へのアクセスの困難さと移動時間の長さ
- 高山病のリスクとその予防策
- ウユニ塩湖訪問に必要な費用や準備
- 過酷な気象条件と適切な装備の重要性
ウユニ塩湖の場所と気候
参照:Google Map
ウユニ塩湖とはどのような場所か
南米の西側に位置するボリビアの南西部に位置する世界最大の塩湖こそが、ウユニ塩湖です。この湖の標高は約3,600メートル、面積は約10,582平方キロメートル(東京都のおよそ7倍)という広大な塩の平原となっています。ここは、かつてこの地域が巨大な湖だった時代の名残で、湖が干上がった後に残った塩の層が現在のウユニ塩湖を形成しています。
ウユニ塩湖は、雨季には水が薄く張り、鏡のように空や雲を映し出すことが特徴です。そのため、まるで空に立っているかのような幻想的な景色が広がり、観光客にとっては非常に人気のある場所となっています。
その美しさから多くの映画やCMのロケ地としても使用されており、世界中の人々が一度は訪れたいと憧れる場所となっています。例えば、ウユニ塩湖は数多くの自然系の賞を受賞しています。(参照:World Traavel Awards)
さらに、ウユニ塩湖周辺には、「塩で作られたホテル」や、「列車の墓場」と呼ばれる廃墟スポットなど、観光名所が点在しています。皆さんも一度は写真や映像を見たことがあるのではないでしょうか?
ウユニ塩湖の雨季と乾季
ウユニ塩湖には、雨季(12月から4月)と乾季(5月から11月)があります。
雨季には塩湖の表面に薄く水が張り、その結果、空や雲が湖面に映り込む「鏡張り」の絶景が広がります。一方、乾季には広大な真っ白な塩の大地が一面に広がり、また違った美しさを見せます。
標高が高いため、日中は暖かくても、夜間は氷点下に達することもあります。特に観光のハイシーズンである雨季(12月から4月頃)は、気温の変化が激しいため、訪問する際には防寒対策が欠かせません。
ウユニ塩湖を訪れる際には、必ずガイドをつけることが推奨されており、安全に旅を楽しむためには事前の準備が欠かせません。
この地域では、特に高山病のリスクが高いため、体調管理が重要です。これらの点を踏まえ、ウユニ塩湖を訪れる際は気候や地理的条件をしっかり理解しておくことが大切です。
「ウユニ塩湖には絶対に行くな」と言われる理由5選
ウユニ塩湖には絶対に行くなと言われる主な理由は、その旅行が苛酷さを極めるからでしょう。体力のある若者であっても、なかなかの挑戦となる難関が待ち受けています。
1.移動時間が長すぎる
日本からウユニ塩湖に行くためには、直行便はなく、最低でも3回の乗り換えが必要で、フライトによる総移動時間は約20~24時間程度かかります。
都市(日本出発) | 飛行機 | バス | |
1回目のフライト | アメリカのマイアミやロサンゼルス、ペルーのリマ | 約12〜15時間 | – |
2回目のフライト | ボリビアのラパス | 約7〜8時間 | – |
3回目のフライト | ボリビアのウユニ | 約1時間 | 約10〜12時間 |
合計の移動時間 | – | 約20時間~24時間 | 約29時間~35時間 |
ちなみに最後の区間だけバスで行く選択肢もあります。ただし、ラパスからウユニの区間の66%が未舗装区間なので、道路が非常に凸凹していて揺れがひどく不快です。そして雨季(12月~4月)は路面の状態がさらに悪化し、より時間がかかることがあります。
これらの乗り換えと移動時間を考慮すると、ウユニ塩湖までの移動は長旅となるので、事前の覚悟と体調管理が必要です。
2.気候が過酷
ウユニ塩湖の訪問には、過酷な気象条件を考慮しなければなりません。ウユニ塩湖の気象条件は非常に変わりやすく、一日の中でも気温が大きく変動します。
日中は強烈な日差しで気温が上昇する一方、夜間は氷点下近くまで冷え込むことがあります。このような急激な気温変化に対応できる服装や装備が求められます。
また、ウユニ塩湖は非常に広大で、同じような風景が延々と続くため、道に迷いやすい場所でもあります。迷子になってしまうと、気温の急激な変化や過酷な環境の中でのサバイバルが必要となり、これが命の危険に繋がることもあります。
3.高山病のリスクがある
ウユニ塩湖を訪れる際に最も注意すべき点の一つが高山病のリスクです。「飛行機の乗り換えと時間」の部分でボリビアの首都ラパスからウユニまでは飛行機で行くかバスで行くかの選択肢があると書きました。
この首都ラパスも標高が3.650m、そしてウユニも3,600mと標高が非常に高くなっています。それでボリビアに飛行機で着陸した時から、急に高山病のリスクが襲い掛かります。
この高さは、富士山の頂上に匹敵する高さですので空気中の酸素が非常に薄く、体が酸素不足に陥りやすくなります。富士山にゆっくりと登ったとしても高山病の症状が出ることがありますが、ボリビアの場合、飛行機で急にその高度に達するため、体も慣れにくく高山病になる割合は高いようです。
高山病の症状
高山病、と言われてもどのような症状なのか分からないと、それがどれほど辛いのか分からないですよね。一般的な高山病の症状は以下の通りです。
- 頭痛: 高山病の初期症状としてよく見られます。
- 吐き気や嘔吐: 消化器系の症状として現れることがあります。
- 食欲不振: 高地に順応できない場合、食欲が減退することがあります。
- 全身の倦怠感や脱力感: 体全体がだるく感じることがあります。
- 立ちくらみやめまい: 酸素不足により、めまいや立ちくらみが生じることがあります。
- 睡眠障害: 眠れない、熟睡できない、息苦しさを感じるなどの睡眠の問題が起こることがあります。
- 息切れ: 特に運動時に息切れを感じることがあります。
これらの症状は、標高が高くなるにつれて現れることが多く、通常は標高2,500メートル以上で発症する可能性があります。症状が進行すると、高所肺水腫や高所脳浮腫といった重篤な状態になることもあるため、早期の対応が重要です。
ウユニで高山病になる確率
ウユニ塩湖に行った人のうち何%が高山病になるのか、公式のデータはありませんが、ある程度予測することができます。
Centers for Disease Control and Prevention(疾病予防管理センター)によれば、2,450m以上の高さで寝ている旅行者の25%が罹患するとのデータを発表しています。
以下の表の酸素濃度などから考えると、ウユニ塩湖に行く旅行者の35%くらいの人は高山病を経験することになりそうですね。
標高 | 酸素濃度 | 地上との比率 | 高山病の発症率 |
地上 | 20.90% | – | – |
2,450m | 15.40% | 26.3%薄い | 25% |
3,600m | 13.20% | 36.8%薄い | 35%くらい? |
SNSでも実際にウユニ塩湖に行った人で、高山病になった人のコメントがあふれています。一部紹介しますね。
4.費用が高い
日本からウユニ塩湖に行く際の大体の旅費ですが、以下の通り高額になります。
航空券代
都市(日本出発) | 飛行機(片道) | バス | |
1回目のフライト | アメリカのロサンゼルス | 6~8万円 | – |
2回目のフライト | ボリビアのラパス | 4~5万円 | – |
3回目のフライトかバス | ボリビアのウユニ | 2.8円 | 0.5~0.8万円 |
合計金額(往復) | 31.6~45.6万円 | 27.6~41万円 |
この金額に、サーチャージや税金などが追加されることがあります。また季節によっては飛行機のチケット代が高額になることがあります。
ホテル代
ウユニ塩湖周辺ホテルの1泊の代金は、宿泊施設や時期によって異なりますが、一般的な価格帯は以下の通りになります。
- Palacio de Sal: 世界初の塩のホテルで、1泊あたり約$150〜$200(約22,000円〜30,000円)です。
- Luna Salada Hotel: こちらも人気のある塩のホテルで、1泊あたり約$130〜$180(約19,000円〜27,000円)です。
- Cristal Samaña: 1泊あたり約$100〜$150(約15,000円〜22,000円)です。
これらの価格は、宿泊する部屋のタイプやシーズンによって変動することがあります。また、ホテルによっては朝食や夕食が含まれている場合もあります。予約時に詳細を確認することをお勧めします。
もちろん、日本から現地に一気に行ける人もいれば、途中で数泊する人もいることでしょう。途中、安めのホテルを混ぜるとしても、ざっくり言って、2万円×7日=14万円くらいは必要でしょう。
食費
今は世界的にインフレが起きていて、海外での食費は日本以上に高騰しています。1人1日5,000円はかかるとして、0.5万円×7日=3.5万円はかかるでしょう。
これらを合計すると、日本からウユニ塩湖までの旅費は、航空券、現地移動、宿泊、食事、ツアーを含めて、最低でも50万円から80万円程度が目安となります。ただし、旅行の時期や予約のタイミングによって費用は変動しますので、詳細な計画を立てる際には最新の情報を確認することをお勧めします。
注意点
全体的な旅費が高くなるため、どうしても安いツアーを探しがちです。しかし注意せず安価なツアーに飛びつくと、現地での対応が雑だったり、必要な安全対策が取られていなかったりする場合があります。さらに、ツアー会社による詐欺や不正行為も少なくありません。それで価格だけで決めるのではなく、信頼できるツアー会社を選ぶことが重要です。
5.絶景を見られない場合がある
ここまで見てきたように、ウユニ塩湖に行くにはかなりの時間と費用がかかることが分かります。でも塩湖に行けば、必ずあの美しい景色が見れる、というわけではありません。あの天空の鏡に出会うためには、3つの条件がそろっている必要があります。
- 塩湖に水が溜まっていること
- 晴れていること
- 無風であること
ウユニ塩湖の雨季は、12月から3月ですが、「鏡張り」に出会える確率が高いのは1月~2月と言われています。それでも現地が晴れていればいいわけではなく、前日までに雨が降り湖が冠水している状況で、次の日に無風で晴れている必要があるからです。
雨季であっても毎日降るわけではなく、塩湖周辺では、晴れと雨が交互に訪れる傾向があります。それで現地で鏡張りを楽しむためには、数日間の滞在を計画するとよいでしょう。
ウユニ塩湖に絶対に行きたい人の行き方
ツアー会社の選び方
ウユニ塩湖への旅行ツアーを探す場合、ネットで「ウユニ塩湖 ツアー」などで検索するとさまざまなプランや費用のツアーが出てきますが、信頼できる旅行会社のツアーを選ぶようにしましょう。
ウユニ塩湖ツアーの費用は、旅行会社やサービス内容によって大きく異なります。一般的に、ツアーの価格にはガイド料、宿泊費、食事代、交通費などが含まれていますが、安すぎるツアーの場合、質の低いサービスや隠れた追加料金が発生する可能性が高いためです。
インターネット上での予約や現地でのツアー申し込みの際、信頼性の低い業者による詐欺が報告されています。例えば、予約したツアーが実際には存在しない、当日になってツアー内容が大幅に変更される、または高額な追加料金を請求されるなどのケースが発生しています。
これらのリスクを回避するためには、やはり信頼できる旅行会社を選ぶことが重要です。旅行会社の評判や口コミを事前に確認し、特に格安ツアーには警戒心を持つことが求められます。また、契約内容や費用の内訳をしっかりと確認し、不明な点があれば事前に質問することも大切です。
高山病対策と健康管理
高山病にかからないようにするには、体が高度に慣れるよう、ゆっくりとしたペースで移動することが重要です。もし可能であれば、ラパスなどの中間高度の場所で数日間滞在し、体を慣らしてからウユニ塩湖に向かうのが理想的です。
次に、水分補給をしっかり行うことも高山病対策の一環です。高度が高いと体は乾燥しやすくなるため、こまめに水を飲むことが大切です。ただし、アルコールやカフェインを含む飲み物は避けるべきです。これらは利尿作用があり、体内の水分を奪うため、高山病のリスクを高めてしまいます。
また、十分な睡眠を取ることも忘れないでください。睡眠不足は体力を低下させ、高山病を引き起こしやすくします。さらに、寒さから身を守るために、適切な防寒着を持参することも重要です。ウユニ塩湖の夜間は非常に冷え込みますので、特に夜間の防寒対策をしっかり行いましょう。
最後に、高山病対策として、酸素ボンベや高山病予防薬を持参することを検討してください。これらは、万が一高山病の症状が出た場合に役立ちます。症状が現れた際には、無理をせずすぐに休むか、下山することが最善の対策です。事前の準備と対策をしっかり行い、ウユニ塩湖での滞在を安全に楽しみましょう。
高山病予防の薬を持っていく
可能なら高山病予防の薬を持っていきましょう。高山病予防の薬は、主にアセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)として知られています。この薬は医師の処方が必要で、市販では入手できません。
薬の処方をしてもらうには、クリニックや病院の内科に行くことをお勧めします。旅行外来や登山が依頼を設けている医療機関でも対応してくれることがあります。
ウユニ塩湖は一生に一度は訪れてみたい絶景スポットとして有名ですが、全ての人に適しているわけではありません。まず、持病や体調に不安がある方は、ウユニ塩湖への旅行を慎重に考えるべきです。特に、心臓や肺に問題がある人、高血圧の方は、標高約3,600メートルという高地での旅行が体に大きな負担となる可能性が高いため、医師に相談することが大切です。
現地の気候に合った服装
ウユニ塩湖の雨季(12月から3月)に旅行する際の現地の気候に合った服装について説明します。
持参アイテム | 解説 |
レイヤードスタイル | 雨季のウユニ塩湖は日中は比較的暖かいですが、朝晩は冷え込むことがあります。気温の変化に対応するため、重ね着ができる服装が理想的です。 |
防水ジャケット | 雨が降る可能性があるため、防水性のあるジャケットやレインコートを持参すると便利です。風も考慮して、防風機能があるものが望ましいです。 |
暖かいインナー | 朝晩の冷え込みに備えて、暖かいインナーやフリースを着用すると快適です。 |
帽子とサングラス | 日中は日差しが強いため、帽子やサングラスで紫外線対策をすると良いでしょう。 |
防水シューズ | 塩湖の水たまりを歩くことがあるため、防水性のある靴やブーツが必要です。長時間の歩行にも耐えられるものを選びましょう。 |
手袋とスカーフ | 風が強い日や寒い時間帯には、手袋やスカーフで防寒対策をすることをお勧めします。 |
これらの服装を準備することで、ウユニ塩湖の雨季を快適に楽しむことができます。
ボリビアの習慣をよく知ろう
ボリビアを訪れる際には、旅行者が守るべきいくつかの独特な地元の習慣やルールがあります。「旅の恥はかき捨て」のような無茶な旅行ではなく、現地の習慣を尊重するようにしましょう。以下にあらかじめ知っておくとよいボリビアの習慣についてまとめてみました。
挨拶
一般的な挨拶は握手で、直接目を合わせることが信頼の証とされています。親しい間柄では、肩を軽く叩いたり、頬にキスを交わしたりすることもあります。
パーソナルスペース
ボリビア人は会話中に西洋の基準よりも近い位置に立つ傾向があるので、驚かないでください。
写真撮影
多くの先住民のボリビア人は写真を撮られることに抵抗があります。写真を撮る前に許可を求めることが重要で、少額の謝礼を求められることもあります。
贈り物
贈り物を提供された場合、断ることは失礼とされています。贈り物をする際は、価格よりも質が重要で、黄色や紫の花は否定的な意味合いがあるため避けるべきです。
時間厳守
ビジネスの場面ではなく、社交の場でなら時間厳守がそれほど重視されていません。時間通りに始まらなくても辛抱強く待つようにしましょう。
服装
特に農村部や宗教的な場所では、控えめな服装が重要です。夜の外出にはフォーマルな服装が求められます。
アルコール消費
公共の場での飲酒は禁止されていますが、一部の祭りやパレードでは公共の場での飲酒が許容されることがあります。
文化的感受性
政治、貧困、宗教などのデリケートな話題を避けることが望ましいです。また、歴史的な対立があるため、隣国を称賛することは避けた方が良いです。
食事のマナー
食べ物を勧められた際には一度断り、ホストが勧めるのを待つのが礼儀です。皿の中の食べ物をすべて食べることはホストへの賛辞と見なされます。
宗教的および文化的伝統
ボリビアにはアラシタス祭やティンク祭など、独特の儀式や習慣を含む先住民とカトリックの豊かな伝統があります。
これらの習慣を理解し尊重することで、ボリビアでの体験がより豊かになり、地元の文化とより良い関係を築くことができます。ぜひウユニ塩湖の美しい景色を楽しんできてください。
ウユニ塩湖には絶対に行くな まとめ
- ウユニ塩湖はボリビアの南西部に位置する世界最大の塩湖
- 標高約3,600メートルの場所にあり、気候が厳しい
- 雨季と乾季で異なる美しさを持つ
- 雨季には鏡張りの絶景が広がることがある
- 日本からのアクセスは非常に困難で長時間かかる
- 高山病のリスクが非常に高い地域
- 気温の変化が激しく、防寒対策が必須
- 道に迷うリスクがあり、ガイドが必要
- 移動費用や宿泊費が高額で、旅費が高くつく
- 安いツアーは安全対策が不十分な場合がある
- 鏡張りの景色に出会うには天候条件が揃う必要がある
- 健康管理が重要で、高山病予防が必須
- 地元の習慣や文化を尊重する必要がある
- ボリビア全体で公共の場での飲酒が禁止されている
- 現地の食事や贈り物のマナーに注意が必要
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