グローバル化が進む中で、英語のニーズはますます増えています。社会人としてある程度の英語力を持っておきたい方、また近いうちに外資系に転職したいと思っている方は、そろそろTOEICの勉強を始めた方がいいかな、と考えていることでしょう。
筆者が最後にTOEICを受けたのは数年前で、830点でした。決して自慢できる数字ではないのですが、1つ言えるのは、私は英語が大の苦手、ということです。
確かに語学が得意で、すぐに高得点を取れる人もいますが、TOEICの場合、英語が苦手な人でもコツコツと勉強をしていけば、高得点を取ることは十分可能です。
この記事では、実体験を元に、TOEIC初心者が学習を開始する前にまずやることをお伝えできればと思いますので、参考になさってください。
- TOEIC初心者が最初に行うべき基本的な学習方法
- 自分の現在地を知るための実力測定の重要性
- 効率的な学習計画の立て方と目標設定の方法
- 各パートごとの対策方法と学習の進め方
TOEIC初心者が勉強を始める前にまずやること4ステップ
ステップ1:TOEICの基礎知識を知る

TOEIC(トーイック)の勉強を始める前にすることの最初のステップは、TOEICの基礎知識を知ることです。やみくもに勉強しても高得点は取れません。
まずTOEICとは、非英語圏の人々を対象にした英語能力測定試験です。特にビジネスシーンでの英語使用能力を測定することを目的としており、世界中で広く認知されています。
この試験は、聴解(リスニング)能力と読解(リーディング)能力の二つのセクションで構成されていて、それぞれのスキルを客観的に評価します。
TOEIC Listening & Readingの試験内容
時間 | 問題数 | スコア | |
Listening | 約45分間 | 100問 | 5~495点 |
Reading | 75分間 | 100問 | 5~495点 |
約2時間(120分間)で200問に解答するテストです。解答は全てマークシート形式です。
TOEICの採点方法
TOEICは、「スコアの同一化」と呼ばれる統計処理が行われて点数を算出します。つまり、毎回のテストの難易度によって点数を調整するので、英語力が上がっているのに、前回の点数より今回が下がるということは、基本ありません。
逆に言うと、今回のテストが難易度の高くて全体の平均点が低い場合は、数問間違えても990点取れることがあります。でも試験問題の難易度が低かった場合は、全問正解しても990点取れない場合もあるということです。
興味深いですよね。ですので、自分の実力を毎回評価しやすく、英語力の進捗度を数字で表すことができるんですね。
なぜ他の人は受けるの?
日本で、大勢の人がTOEICテストを受ける理由は、多くの企業が職員の英語能力を判断する一つの基準としてTOEICのスコアを利用しているからです。
特に国際的なビジネスの場でコミュニケーションを取る際には、高いTOEICスコアを持つ人が活躍している、という事実もあります。
そういうわけで、TOEICのスコアは就職や昇進に影響を与えることを知っている人は、TOEICを受けて、スコアを上げる努力をしているわけです。
履歴書に書ける点数
TOEICのスコアは一体何点から記載できるレベルなのでしょうか。一般的に、600点以上あれば履歴書に記載する価値があるとされています。
なぜなら、600点はビジネスシーンで基本的なコミュニケーションが取れるレベルと評価されるため、英語が求められる職種への応募に有利だからです。
さらに800点以上あれば、高い英語力を持っていると評価され、国際的な業務を担当する職種においても強いアピールポイントになります。
ただし、スコアの有効期限は2年間とされています。それより前の点数を記載することは避けましょう。
受験の目的
あなたはなぜ、TOEICを受けようと思っておられますか?もちろん、今まで受けたことがないので、自分の英語の実力を知りたいという理由なら、それは本当に素晴らしいことです。
でも、どうせTOEICの世界に足を踏み入れるのなら、転職や海外赴任など、長期的な目標を持って取り組んでみるのはいかがでしょう。
目標がしっかりあれば、TOEIC学習のモチベーションも維持されて、着実にスコアを上げていくことができます。
受験の流れ
さて、TOEICの申込から試験結果の受け取りまでの流れを簡単にご紹介しましょう。
まず公式ウェブサイトや認定テストセンターから試験日を確認し、インターネットまたは郵送で申し込みを行います。
申込後、受験票が送付されてきますので、試験当日は、それを持って指定されたテストセンターへ行き試験を受けることになります。試験時間は2時間ですが、開始時間より早目に会場に着くようにしましょう。
その後、通常は1ヶ月以内にオンラインで結果が発表されます。結果はスコアレポートとして受け取ることができ、このレポートには各セクションの得点が記載されていて、自分の英語能力を把握することができます。
受験の費用
TOEIC Listening & Readingの受験料は、7,810円(税込)です。ただし、変更があるかもしれないので、公式サイトで確認してください。
半年後にもう一度テストを受ける場合、割引価格の7,150円(税込)で受けることができます。毎半年に一度受け続けるなら、ずっと割引価格で受験できる仕組みになっています。
支払い方法は、
- クレジットカード
- コンビニエンスストア
- 楽天ペイ
です。ちなみに支払い後キャンセルしたい場合でも、返金はしてくれませんのでご注意を。
それでは、TOEICの仕組みが分かったところで、TOEIC初心者がどうすれば、目標スコアを決めることができるのか解説していきますね。
ステップ2:自分の実力を知る

「TOEICの勉強を始めよう!」と決意したとき、多くの人がまず単語帳や参考書を買いに走りがちです。しかし、少し待ってください!
やみくもに学習を始める前に、たった一つ、必ずやっておくべきことがあります。それが「自分の現在地(今の実力)を正確に知ること」です。
これをやるかやらないかで、今後の学習効率とスコアの伸びが劇的に変わると言っても過言ではありません。
最初に「現在地」を知るべき理由
面倒に感じるかもしれませんが、最初に実力を測ることには、今後の学習をスムーズに進めるための大きなメリットがあります。
- 無駄のない学習計画が立てられる あなたの弱点が「語彙力」なのか「文法」なのか、あるいは「リスニングの特定のパート」なのかが明確になります。苦手分野に集中して取り組むことで、最短ルートでスコアアップを目指せます。
- 最適な目標設定ができる 例えば現在地が400点の人が、いきなり900点を目指すのは現実的ではありません。まず「半年で600点」のように、現在地に基づいた適切な目標を立てることで、モチベーションを維持しやすくなります。
- 成長を実感できて、楽しくなる 最初に測ったスコアが、あなたの「のびしろ」です。学習後に再度スコアを測ったとき、「〇点も上がった!」という具体的な成長が目に見えて分かり、大きな達成感と次への意欲につながります。
「公式問題集」で実力を測る方法
では、どうやって実力を測ればいいのでしょうか?一番のおすすめは「TOEIC公式問題集」を使うことです。
理由は、本番のテストと全く同じ形式・難易度・音声で作られている唯一の教材だからです。これにより、最も正確な現在地を把握できます。
診断テストの手順
STEP 1:最新の「TOEIC公式問題集」を1冊用意する 本屋さんやネットで、最新版のものを1冊購入しましょう。最新の出題傾向に慣れるためにも、できるだけ新しいものがおすすめです。 (例:『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 11』など)
STEP 2:本番と全く同じ環境で解いてみる 静かな環境を確保し、リスニング45分、リーディング75分の合計2時間をきっちり計って、途中で中断せずに解いてみましょう。 おそらく最初は時間が足りなかったり、分からない問題だらけだったりすると思います。でも今の「素の実力」を知ることが目的なので、気にせず最後までやりきることが大切です。
STEP 3:答え合わせをして、おおよそのスコアを出す 問題集についている換算表を使い、正答数からスコアを算出します。このスコアが、あなたの「現在地」です。結果に一喜一憂せず、まずは客観的な事実として受け止めましょう。
STEP 4:【最重要】徹底的に復習・分析する スコアを出して終わりではありません。ここからが本番です。間違えた問題一つひとつに対して、「なぜ間違えたのか?」を分析しましょう。
- 単語を知らなかったから?
- 文法のルールを理解していなかったから?
- 英文を読むスピードが遅かったから?
- 音声が聞き取れなかったから?
この分析結果こそ、あなたがこれから何を重点的に学習すべきかを示してくれる、最高の「コンパス」になります。
さあ、これであなたの現在地が明確になりましたね! 自分の強みと弱点を把握した上で、次の章で解説する「目標設定」と「具体的な学習計画」に進んでいきましょう。
ステップ3:目標を決める

自分の実力が分かったら、次にすることは、目標とすべき点数を決めることです。どうやって決めればいいでしょうか?
もちろん長期的には、840点以上を目指すなど、高い目標を持つことができますが、まずは今の実力にあった短期的な目標を定めましょう。
目標の決め方は、テストを受けるまでにあなたが確保できる勉強時間から算出します。TOEICのスコアアップにかかる時間については、オックスフォードが作った論文に有名な表があります。
現在のスコア | 目標スコア | ||||||
350 | 450 | 550 | 650 | 750 | 850 | 950 | |
250 | 200 | 425 | 700 | 950 | 1150 | 1450 | 1750 |
350 | 225 | 450 | 700 | 950 | 1225 | 1550 | |
450 | 225 | 450 | 700 | 975 | 1300 | ||
550 | 225 | 450 | 725 | 1050 | |||
650 | 225 | 500 | 825 | ||||
750 | 275 | 600 | |||||
850 | 325 |
まず、左側に現在のスコアが表示されています。そして、上に目標とするスコアがあります。現在のスコアから目標のスコアに到達するために必要な勉強時間が、クロスしているセルの数値になります。
例えば、あなたが今450点で、目標が650点なら、450時間の学習が目安となります。
「げっ!200点上げるのに、450時間もかかるの!」と思ったあなた。大丈夫です。努力はうそをつきません。少しずつ積み上げればいいのです。
いつのTOEIC試験を受けるか?
TOEIC試験は、年に約12回、月平均1回開催されています。ではいつの試験を受けるのが最適でしょうか?
あなたの予定とモチベーションによりますが、3か月後から6か月後くらいを目安にできます。まずは試験日を決めてしまいましょう。
例えば、あなたが今450点のスコアとして、3か月後にテストを受けるとすれば、90日あります。上の表によれば、550点のスコアに到達するには、225時間の勉強時間が必要です。
単純に225時間÷90日=2.5時間/日になります。もちろん平日は1.5時間×5日、土日で5時間×2日のようにするのもOKです。
自分が確保できる時間と目標スコアが決まれば、あとは勉強するのみです。
勉強時間を確保するためのヒント
忙しい人でも目標を決めて、時間を確保する必要が生じると、案外できるものです。例えば、上記の例でいう2.5時間×90日の例で考えてみましょう。
平日に2.5時間の勉強時間を確保するって大変そうですよね。でもまとまった時間は確保できなくても、分割すれば可能です。
- 朝30分早起きする➡文法を勉強する
- 通勤時間30分×往復=1時間➡単語を覚える
- あとは帰宅後1時間確保➡長文読解をする
こんな感じだと、あなたもできそうではないでしょうか?勉強時間をいつも意識することで、細切れの時間を活用し、毎日の目標に到達することができます。
一度習慣になれば、やめる方が気持ち悪くなります。TOEIC初心者は、まず勉強が習慣になるように心がけましょう。
さて、目標スコアも決まり、勉強時間も決まりました。ではTOEIC初心者がどのように英語学習をすればよいか、具体的に見ていきましょう。
ステップ4:設問の特徴を知る

TOEICは、毎回出題パターンが決まっています。そしてそれぞれのパートごとに異なる攻略方法があります。それでまずは、攻略方法について知った上で、勉強の計画を立てるようにしましょう。それが一番効率が良い方法です。
最初に、TOEIC試験の全体の特徴について解説します。
TOEICは7つのパートに分かれている
このTOEICテストは、リスニングとリーディングの2つの大きなセクションで構成されていて、それぞれいくつかのパートがあります。
リスニングセクションは4つのパートから成り、具体的には写真の説明、応答問題、会話問題、短い講演やアナウンスの理解が含まれます。
リーディングセクションも3つのパートに分かれ、短文穴埋め問題、長文穴埋め問題、そして複数の読み物を理解する問題が出題されます。
これらのパートごとに異なる技術が求められるため、各パートの形式を理解し、それに適した勉強法を取り入れることが、スコアアップに繋がります。
リスニングセクション(約45分・100問)
- Part1 写真描写問題 6問
- Part2 応答問題 25問
- Part3 会話問題 39問
- Part4 説明文問題 30問
リーディングセクション(75分間・100門)
- Part5 短文穴埋め問題 30問
- Part6 長文穴埋め問題 16問
- Part7 1つの文書:29問、複数の文書:25問
参考:【公式】テストの形式と構成TOEIC Listening & Reading Test|一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
TOEIC公式サイトには、各パートのサンプル問題があるので、TOEICの問題を見たことがない人は、参考にしてください。
TOEIC攻略の全体としてのコツ
まず、全体として必要なのが、スピードです。とにかく問題数が多く、TOEIC中級者でも時間が足りません。試験の途中で「時間が足りない」と思うと、焦ってしまい、問題に集中できなくなってしまいます。
それで、普段からスピードを意識した英語学習をしましょう。
- 選択肢を選ぶときには、迷わず直感で!
- 長文も、いつも速く読む意識で!
迷っている暇はありません、「分からないならその問題はさっさとあきらめて、次に行く」、それくらいの潔さが必要です。
初心者でも高得点が取れるTOEIC攻略法

では、7つのパートそれぞれの攻略方法について説明していきます。
TOEIC攻略:Part1 写真描写問題
Part1は、写真描写問題です。写真には、人が1人以上映っていて、その人についての描写がアナウンスされます。印刷されている4つの答えから1つを選びます。6問です。
攻略法は、
- 英語の耳を鍛える
- 単語を覚える
です。普段から、映画やYouTubeなどで、生の英語をよく聞き、耳を慣らしておきましょう。
ちなみにTOEICのリスニングで出てくるネイティブは、アメリカ人、イギリス人、オーストラリア人、カナダ人、ニュージーランド人です。各国によって、アクセントに違いがあるので、普段からさまざまな国の英語を聞くとよいでしょう。
アナウンスされる文章の中には、混乱させるような難易度の高い単語が含まれることがあります。いわゆる”引っ掛け”です。単語の意味を知っていれば、自信をもって判断できます。
TOEIC攻略:Part2 応答問題
Part2は、英文が1つ流れ、内容に適切な答えを3つの選択肢から1つ選びます。25問あります。このPart2は、TOEICの中でも唯一3択問題なので、高得点を狙うには抑えておきたいパートです。
攻略法は、
- アナウンスされる冒頭に注意を集中する
- 同じ単語、同じような発音の単語がある選択肢は、不正解の確率が高い
です。まず、音声の冒頭に注意を払う、というのは、質問文の場合です。Who~?や What~?のように5W1Hの質問形の場合、自然と答えが限られてきますよね。
そして、Do you〜? Are you〜? のように、Yes/No で答えるケースも、回答が限られます。ですから、問題が読まれる時には、冒頭の単語に集中しましょう。
答えにある単語が、質問文で読まれた場合、ほぼほぼ引っ掛けです。TOEIC初心者は引っかかりやすいので、注意しましょう。何となく雰囲気で選ばされる答えは、不正解の確率が高いです。
TOEIC攻略:Part3 会話問題
Part3は、2人ないしは3人による英語の会話が行なわれ、それぞれの1回の音声につき3つの設問が用意されています。合計で39問になります。
攻略法は、
- 設問を先読みする
- 場面をイメージする
です。このPart3は、最初に会話の音声が流れ、その後書かれている設問をネイティブが読みます。でも聞くべきは、最初の会話の音声のみでいいわけです。
それで、流れとしては、「次の問題の設問を先読みする」➡「会話を聞く」➡「速く回答する」➡「次の問題の設問を先読みする」の繰り返しです。
例えば、TOEIC公式のサンプルで出ていた質問を使って説明します。3つの設問は、
- Why is the woman calling?
- What does the man ask the woman about?
- What does the man offer to do?
です。日本語に訳すと、それぞれ
- その女性はなぜ電話してきたのですか?
- その男性はその女性に何を尋ねるのか?
- その男性は何を申し出たのか?
という意味になりますよね。
これらの設問を先読みしておくと、会話の流れが「女性から電話がかかってくる」➡「男性が質問する」➡「最後に男性が何かを申し出る」となることが、アナウンスされる前に分かります。
あとは、質問の答えとなる部分だけに意識を集中して聞き取れば、3問正解も難しくはないはずです。
TOEIC攻略:Part4 説明文問題
Part4は、ナレーションのようなミニトークや、スピーチなどを聞き、その内容にあった答えを4つの回答から選ぶパターンです。全部で30問です。
攻略法は、Part3と同じく
- 設問を先読みする
- 場面をイメージする
になります。各音声は、30秒~60秒です。その中で3問の答えが順に出てきます。感覚になりますが、最初の10~20秒の中に最初の設問の答え、次に2つ目、最後に3つ目のように流れに乗って答えの部分だけを聞き取る意識で音声に集中しましょう。
このPart4あたりになると、疲れてきます。集中して音声を聞き続けるのは大変です。対策として、普段から英語を長い時間集中して聞くトレーニング、あるいはシャドーイング(英語の会話を聞いてすぐ自分も真似して発音すること)を行うとよいでしょう。
TOEIC攻略:Part5 短文穴埋め問題
Part5は、文法問題です。全部で30問ですが、1問あたり15秒~20秒で回答していきたいところです。
攻略法は、
- 文法の問題集をひたすら繰り返す
- 語彙力を上げる
です。文法に関しては、記憶するだけです。努力がそのまま点数につながります。TOEIC試験対策の文法の参考書をひたすら繰り返して解くとよいでしょう。あとでお勧めの参考書をご紹介します。
また、品詞や前置詞に関する問題の場合、設問の文章を全部読む必要がなく、答えを選ぶことすらできます。例えば、TOEIC公式のサンプル問題を解説しますと、
Gyeon Corporation’s continuing education policy states that ——- learning new skills enhances creativity and focus.
(A) regular
(B) regularity
(C) regulate
(D) regularly
TOEIC公式ページ(サンプル問題)
というものがあります。「learning」が動名詞であることが分かれば、答えが副詞しかないことが一瞬で分かります。答えは(D)のregularlyです。この場合、その前の文章「Gyeon Corporation’s ~」は読まなくても回答できます。
このように普段から単語を覚える際に、品詞も意識していると、TOEICの文法問題を攻略するのに役立ちます。
TOEIC攻略:Part6 長文穴埋め問題
Part6は、長文穴埋め問題です。全部で16問ありますが、1問あたり40秒以内で解くことを目標にしましょう。できればPart7に時間を割きたいからです。
攻略法は、
- 設問を先に見る
- 文章を全部読む
Part6も、長文を読む前に、どういう質問がされているのかを先に見るようにしましょう。答えを意識して英文を読むことで、時間短縮できます。
またこのパートは、「単語を選ぶ設問」のように、全体の文章の意味が分からなくても答えられる問題がありますが、「文章の挿入」のように全体の意味が分かっていないと解けない問題もあります。
それで、どういう内容かをイメージしつつ、速読することが攻略のカギになります。
TOEIC攻略:Part7 長文読解
Part7は、長文読解です。まず、文書が1~3与えられ、それらを読み設問に答えます。文書が1つのものをシングルパッセージ、2つのものをダブルパッセージ、3つのものをトリプルパッセージ、と呼びます。
一般的にはトリプルパッセージが難易度が高い場合が多いですが、すべての質問が難しいわけでもありません。
攻略法は、
- 設問を先に見る
- 何に関するテーマなのかを理解する
まずは、パッセージを読む前に設問を軽く見て、何に関する質問がなされているのかを知ります。TOEIC攻略の基本ですね。
そして次にそれぞれのパッセージが何に関する文書なのかを理解するようにします。例えば、公式のサンプルから引用すると、以下のようなパッセージの場合、赤で囲った「advertixement」や「Used Car For Slae」などになります。

この文章が「中古車販売の広告」に関するものであることが分かれば、内容はある程度予測できますよね。
この文章の質問は2つ。
- What is suggested about the car?
- According to the advertisement, why is Ms. Ghorbani selling her car?
①では、提案の内容、②では、車を売る理由、が聞かれています。あとはその答えの部分を探す作業になります。
TOEIC攻略のまとめ
ここまで、7つのパートの攻略法をそれぞれ書いてきましたが、TOEICを効果的に攻略するためには、英語力だけでなく、コツがいることがお分かりいただけたと思います。
まとめると、
- 次の設問の先読み
- とにかくスピードが必要
- 各パートの形式と出題パターンに慣れる
です。TOEICは特に時間管理が重要で、各セクションを効率よく解く技術が求められます。
例えば、リスニングセクションでは、問題を聞きながらすばやく答えを選ぶ訓練をすることが重要です。また、リーディングセクションでは、長文を速読し、情報を素早く把握する練習を積むことがポイントです。
これらのスキルは、実際にTOEIC形式の練習問題を繰り返し解くことで、徐々に向上していきます。このように、具体的な練習を通じて、試験で高得点を目指しましょう。
TOEIC攻略のまとめ
ここまで、7つのパートの攻略法をそれぞれ書いてきましたが、TOEICを効果的に攻略するためには、英語力だけでなく、コツがいることが分かるでしょう。
まとめると、
- 設問の先読みを習慣にする
- とにかくスピードを意識する
- 各パートの形式に慣れる
です。TOEICは特に時間管理が重要で、各セクションを効率よく解く技術が求められます。
例えば、リスニングセクションでは、問題を聞きながらすばやく答えを選ぶ訓練をすることが重要です。また、リーディングセクションでは、長文を速読し、情報を素早く把握する練習を積むことがポイントです。
これらのスキルは、実際にTOEIC形式の練習問題を繰り返し解くことで、徐々に向上していきます。このように、具体的な練習を通じて、試験で高得点を目指しましょう。
参考書はこれだけでOK

書店に行くと、TOEIC関係の参考書は山ほどあります。でも特にTOEIC初心者の場合、少ない参考書を何度も繰り返し学習した方が記憶に残りやすく、効率的です。
私が実際に使っていた3つの参考書をご紹介します。この3冊で十分です。
- 単語用:音声DL付】キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 500-990(自分のレベルにあったもの)
- 文法用:「TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問」
- 過去問:公式 TOEIC Listening & Reading 問題集1-9(とりあえず1冊)
TOEIC初心者におすすめの参考書を選ぶ際には、基本からしっかりと学べる内容が重要です。紹介した3冊の書籍は、頻出の単語や文法を効率的に覚えることができ、基礎力の向上に役立ちます。
これらの参考書は、実際のテストでよく使われる表現や語彙が網羅されていて、各章の終わりには実際のテスト形式に則した練習問題も収録されているため、知識を試しながら学べます。
今はアプリでも勉強できる
私はあまり使っていませんでしたが、最近では、スマートフォンやタブレットを使用して手軽に英語学習ができるアプリが数多く登場しています。
例えば、「スタディサプリENGLISH」や「Duolingo」のようなアプリは、TOEIC対策に特化しており、リスニングやリーディング、文法練習が可能です。これらのアプリは通勤中や隙間時間にも学習を進められるため、忙しい人にも最適です。
また、リアルタイムでのフィードバック機能を持つものも多く、自分の弱点を即座に把握し、効率的に学習を進めることができます。アプリを利用する際は、自分の学習目標や好みに合わせて、機能豊富なものを選ぶとよいでしょう。
過去問はできるだけ解く
TOEICの対策において過去問を解くことは非常に効果的です。過去問を解くことで、試験の形式や問題の傾向、出題される語彙や表現に慣れることができるからです。
実際に過去の試験問題を時間を計って解くことで、試験時のタイムマネジメントも鍛えることができます。可能であれば、多くの過去問を繰り返し解き、間違えた問題は徹底的に復習するようにしましょう。それだけでスコアはかなり伸びるはずです。
この記事が、TOEIC初心者さんが、まずやることを理解してスタートを切るきっかけになると嬉しいです。
TOEIC初心者からのよくある質問と回答
- リスニングが全く聞き取れません。「英語のシャワー」のように、ただ聞き流すだけでも効果はありますか?
-
結論から言うと、意味を理解せずにただ英語を聞き流すだけでは、リスニング力はほとんど伸びません。意味の分からない音声は、脳にとって雑音やBGMと同じだからです。
リスニングができない主な原因は、「①単語の正しい音を知らない」「②英語の音声を瞬時に意味として処理できない」の2つです。
これを克服する最も効果的な方法は、「精聴(せいちょう)」です。具体的には、以下のトレーニングをお勧めします。
- ディクテーション: 聞こえた英語を一語一句書き取る練習です。どこが聞き取れていないのかが客観的に分かり、弱点を明確にできます。
- シャドーイング: お手本の音声の少し後を、影(シャドー)のようについていく練習です。英語特有のリズムやイントネーション、音のつながり(リエゾン)が自然と身につきます。
公式問題集のスクリプト(台本)を使い、内容を完全に理解できるまでこれらの「精聴」トレーニングを繰り返しましょう。その上で、復習としてその音声を何度も聞くことが、本当の意味で効果のある「英語のシャワー」になります。
- リーディングセクションが、どうしても時間内に解き終わりません。何かコツはありますか?
-
時間不足は、ほぼ全てのTOEIC受験者が経験する悩みです。原因を分解し、一つずつ対策していきましょう。
- 対策①:基礎力を上げる(語彙・文法) 時間が足りない最大の原因は、実は「読むスピードが遅い」ことです。これは単語や文法の知識が不足し、一文を読むのに時間がかかっているためです。単語と文法の基礎力を上げることが、結果的に時間短縮への一番の近道です。
- 対策②:英語を英語のまま理解する 英文をいちいち日本語に訳しながら読む「返り読み」をしていませんか?意味のかたまりごとにスラッシュを入れながら前から読んでいく「スラッシュリーディング」を練習し、英語の語順のまま理解する癖をつけましょう。
- 対策③:時間配分の戦略を立てる 事前に解く順番と時間配分を決めておきましょう。おすすめの戦略は以下の通りです。
- Part 5 & 6(短文・長文穴埋め): 合計10〜12分で解き切る。知識問題なので、考えても分からなければ潔く次へ進み、時間を稼ぎます。
- Part 7(長文読解): 残りの60分以上を全て投入する。
この時間配分を常に意識して問題集を解くことで、本番でも焦らずに取り組めるようになります。
- 対策①:基礎力を上げる(語彙・文法) 時間が足りない最大の原因は、実は「読むスピードが遅い」ことです。これは単語や文法の知識が不足し、一文を読むのに時間がかかっているためです。単語と文法の基礎力を上げることが、結果的に時間短縮への一番の近道です。
- 英単語が全然覚えられません。効率的な暗記方法はありますか?
-
単語暗記は根性論ではなく、脳の仕組みに合った科学的なアプローチが有効です。以下の3つのコツを試してみてください。
- コツ①:【接触回数】短時間で何度も繰り返す 脳は、何度も接触する情報を「重要」と判断し記憶します。1日に100個の単語を1回ずつ見るより、1日に20個の単語を5回ずつ見る方が圧倒的に効率的です。「広く浅く」を何度も繰り返しましょう。
- コツ②:【五感】音と一緒に覚える 単語は「文字」だけでなく「音」で覚えることが極めて重要です。単語帳の付属CDや音声ダウンロード機能を必ず活用し、単語を見ながら発音を聞き、自分でも真似して発音する習慣をつけましょう。リスニング力アップにも直結します。
コツ③:【文脈】フレーズや例文の中で覚える 単語単体ではなく、”apply for a job”(仕事に応募する)のように、短いフレーズや例文の中で覚えるようにしましょう。実際の使われ方が分かるため記憶に残りやすく、実践的な語彙力が身につきます。
- コツ①:【接触回数】短時間で何度も繰り返す 脳は、何度も接触する情報を「重要」と判断し記憶します。1日に100個の単語を1回ずつ見るより、1日に20個の単語を5回ずつ見る方が圧倒的に効率的です。「広く浅く」を何度も繰り返しましょう。
- 中学レベルの文法もあやしいのですが、そこからやり直した方がいいですか?
-
はい、強くお勧めします。急がば回れ、です。
TOEICで出題される英文の骨格は、そのほとんどが中学で習う基本的な文法(5文型、時制、関係代名詞など)で構成されています。この土台がしっかりしていないと、いくら難しい単語やテクニックを学んでもスコアは安定せず、必ず伸び悩んでしまいます。
まずは、中学英語の文法を分かりやすくまとめた薄い参考書を1冊用意し、それを2〜3周して完璧に理解することを目指しましょう。文法の基礎が固まれば、英文を読むスピードと正確性が格段に上がり、その後のTOEIC学習が驚くほどスムーズに進みます。
- 独学でも600点や700点を取ることは可能ですか?それともスクールに通った方が早いですか?
-
結論から言うと、独学で700点以上を取得することは十分に可能です。ただし、それには「正しい学習法」と「継続する意志」が不可欠です。
【独学が向いている人】
- 自分で学習計画を立て、コツコツ努力を続けられる人
- できるだけ費用を抑えたい人
- 間違った点や疑問点を自分で調べるのが苦ではない人
【スクールが向いている人】
- 一人だとどうしてもサボってしまう、強制力が必要な人
- 昇進など期限が決まっており、短期間で確実に結果を出したい人
- 何から手をつけていいか全く分からず、プロに導いてほしい人
まずは独学で公式問題集や市販の参考書で始めてみて、「モチベーションが続かない」「どうしてもスコアが伸び悩む」と感じた時点で、短期集中型のスクールや英語コーチングを検討する、というのも賢い選択です。大切なのは、自分に合った方法で学習を「継続する」ことです。

TOEIC初心者が勉強を始める前にまずやること4選まとめ
- TOEICの基本的な構造と各パートの内容を理解する
- TOEICの試験形式に慣れるため、公式問題集を解く
- 初めに現在の英語力を測り、実力を正確に把握する
- 自分の強みと弱点を分析し、学習計画を立てる
- 目標スコアを設定し、適切な勉強時間を確保する
- 毎日少しずつ学習し、英語の習慣を作る
- リスニング力を鍛えるために、普段から英語を聴く
- 文法や単語を効率的に学習し、基礎力を固める
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