最近では、ロシアvsウクライナ、イスラエルvsハマスなど、ある日突然戦争や紛争が発生するため、海外旅行やビジネスで海外進出をするさいに、どの国なら安全かを確認する必要がありますね。
毎年発表される「世界平和度指数」を参考に、治安が良い国ランキングを見ていきましょう。
治安の良い国ランキング-ベスト30
(Global Peace Index 2023より参照)
毎年、経済平和研究所(IEP、本社はシドニー)が、平和を相対的に測定した指数を発表しています。厳密にいうと、この指数には軍事力などの項目があるため、治安とは直接関係がない部分もあります。
それでも殺人発生率や凶悪犯罪発生率などの項目も含まれるため、一般的に「治安の良い国ランキング」として参照されることが多いようです。
2023年度のレポートでは、163か国が含まれていますが、この記事ではベスト30をお伝えしますね。
順位 | 国名 | スコア | 前回 |
1 | アイスランド | 1.124 | 1 |
2 | デンマーク | 1.310 | 3 |
3 | アイルランド | 1.312 | 2 |
4 | ニュージーランド | 1.313 | 6 |
5 | オーストリア | 1.316 | 4 |
6 | シンガポール | 1.332 | 10 |
7 | ポルトガル | 1.333 | 8 |
8 | スロベニア | 1.334 | 4 |
9 | 日本 | 1.336 | 9 |
10 | スイス | 1.339 | 11 |
11 | カナダ | 1.350 | 13 |
12 | フィンランド | 1.379 | 16 |
13 | チェコ | 1.399 | 7 |
14 | クロアチア | 1.450 | 15 |
15 | ドイツ | 1.456 | 17 |
16 | オランダ | 1.490 | 21 |
17 | ブータン | 1.496 | 12 |
18 | ハンガリー | 1.508 | 14 |
19 | マレーシア | 1.513 | 19 |
20 | ベルギー | 1.523 | 24 |
21 | カタール | 1.524 | 22 |
22 | オーストラリア | 1.525 | 26 |
23 | モーリシャス | 1.546 | 28 |
24 | ノルウェー | 1.550 | 18 |
25 | エストニア | 1.563 | 26 |
26 | スロバキア | 1.578 | 20 |
27 | ラトビア | 1.582 | 30 |
28 | スウェーデン | 1.625 | 29 |
29 | ポーランド | 1.634 | 23 |
30 | ブルガリア | 1.643 | 25 |
ランキングは、こういう結果になりました。ヨーロッパ、アジア・オセアニアが上位を占めていますね。南米やアフリカなどは全く上位にはいません。それもそのはず、殺人発生率ワースト10はすべて、南米とアフリカで占められているのですから。
日本はというと、2022年度と同じく2023年度も9位としてランクインしています。163か国中の9位ですから、かなり安全な国として世界中に認知されていることがわかります。
安全な国を決める項目条件
詳しく知る必要はないと思いますが、この治安の良い国ランキングの元となる項目は、 23の「GPI 指標」です。日本語ですべての項目を掲載しているサイトが見当たらなかったので、とりあえず翻訳して、ここで紹介しておきますね。
順位 | GPI 指標 |
1 | 起きた外部紛争数 |
2 | 外部紛争による死者数 |
3 | 政治的不安定さ |
4 | 近隣諸国との関係 |
5 | 難民と国内避難民数 |
6 | 凶悪犯罪 |
7 | 国内紛争による死者数 |
8 | 犯罪に対する認識 |
9 | 武器輸出 |
10 | 投獄率 |
11 | 武装サービス要員率 |
12 | 小型武器へのアクセス |
13 | 警察の割合 |
14 | 核兵器と重火器 |
15 | 内戦率 |
16 | 殺人率 |
17 | 国内紛争の激しさ |
18 | テロの影響 |
19 | 武器の輸入 |
20 | 政治テロの規模 |
21 | 暴力デモ |
22 | 軍事費(%GDP) |
23 | 国連平和維持基金 |
見るだけでも恐ろしい文字が並んでいますが、皆さんも旅行に行く際にはぜひ安全な国に行きましょう!
さて、あなたが働いている会社が海外進出を考えているケースもあるでしょう。アットグローバルでは、どこの国でビジネスを展開したらよいか相談されることがありますが、「まずは治安の良いアジアの国がお勧めです」とアドバイスするようにしています。
安全な国ならビジネスもしやすい
なぜ治安の良い国をお勧めするかというと、いくつか理由があります。
①ビジネスが安定する
例えば、2012年に中国では反日デモや日本製品の不買運動がありました。それだけならまだしも、日本料理店が壊されたり、日本人がうち叩かれたりもしていました。政治が安定し、治安の良い国でビジネスを展開すれば、こうしたリスクを抱え込む必要がありません。
それでもし、とりあえずどこかの国でビジネスをしたい、とお考えなら、政治的にも治安的にも安全な国を選ぶとよいでしょう。
②インフラが整っている
次に、治安の良い国をお勧めする理由は、ある程度経済発展しインフラが整っているため、商品の輸送や販売がスムーズだからです。最たる国は日本で、ここ数年、台湾のTSMC社が熊本に工場を作るために巨額の資金を投じています。
もちろん理由はいくつかあって、円安や日本政府の後押しなどもありますが、資材が手に入りやすい、インフラが整っていて製品の輸送や販売が容易であるというもの重要な点でしょう。
③労働者の教育水準が高い
治安の良い国は、その国の労働者の教育水準や道徳基準が比較的高く、勤勉に働くなどの特徴がみられます。ですから現地の労働者が、会社のものを盗んだり、いい加減な働きをすることはあまりありません。
また国によっては、税関で賄賂を求められたり、輸送中に商品が盗まれたりすることもあります。こうしたリスクを避けるためにも、治安の良い国を選ぶのが得策といえるでしょう。
では、さらに他の経済圏ではなく、特に東南アジアの国々をお勧めする理由はなんでしょうか?
東南アジアでビジネスをするならこの国
海外進出する際に、アジアの安全な国をお勧めする理由もいくつかあります。
①人口増加率が見込まれ、これから発展していくことが期待できる
ASEAN加盟国の中で、以下の国ではまだまだ人口増加が期待できます。労働力も豊富でしかも人口が増えることでモノやサービスの消費も増えることが予想されます。
順位 | 国名 | 人口 | 人口ボーナス期 |
1 | インドネシア | 2.7億人 | 2035年頃まで |
2 | フィリピン | 1.08億人 | 2050年頃まで |
3 | ベトナム | 9,600万人 | 2030年頃まで |
4 | タイ | 6,900万人 | 2025年頃まで |
5 | ミャンマー | 5,400万人 | 2060年頃まで |
6 | マレーシア | 3,200万人 | 2045年頃まで |
7 | カンボジア | 1,650万人 | 2045年頃まで |
8 | ラオス | 710万人 | 2060年頃まで |
9 | シンガポール | 570万人 | 2025年頃まで |
10 | ブルネイ | 43万人 | 2040年頃まで |
(出典:IMF- World Economic Outlook Databases 2021)
②親日の国が多い
皆さんもよくご存じの通り、東南アジアの多くの国は親日国です。ですから、現地でビジネスを始める土壌が整っていると言えます。またそうした国の人々も日本に旅行で来たり、日本語を学びに来ている若者も多いので、日本語を話せる人を雇用することも比較的容易と言えます。
③日本から近く、行き来がしやすい
当然ながら、海外支店をヨーロッパや南北アメリカに置くよりも、アジアに置いた方が便利です。地球の反対側の地域の場合、昼夜逆転で会議をするにもなかなか大変です。移動距離も短く、日付変更線もそれほど離れていないアジア圏に進出するのが得策と言えるでしょう。
治安が良い国ランキングまとめ
この記事では、
- 治安の良い国ランキング
- 海外進出するなら東南アジアの安全な国がお勧め
ということを考えてきました。
ぜひ、旅行やビジネスの参考にしていただければと思います。また何か海外リサーチなどビジネスに関連して相談したいことがありましたら、アットグローバルに遠慮なくお問い合わせください。
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