「中国ブランド」が力をつけ始めた!
はじめに
いまや世界のGDP2位にまで成長した中国。
経済成長とともに、中国ブランド力も成長しています。
今までは海外ブランド志向が強く日本のブランドも大人気でしたが、最近は国内ブランドに自信を持ち始めています。
今、どのような中国ブランドが熱いのか、ちょっと見てみましょう。
コスメブランド
花西子Florasis
今、中国国内でトレンドになっているのは「国潮(グオチャオ)」という言葉です。若者を中心に広まっており「国風潮流」(中華風のトレンドという意味)を略したもので、幅広い分野で中国の伝統を取り入れよう、現代のコンテンツと融合させようという風潮のことです。
コスメブランドの中で、今、注目されているのが「花西子Florasis(フローラシス)」です。
「花西子Florasis(フローラシス)」は、中国浙江省杭州で生まれたコスメブランドです。「花で美しくなる」というコンセプトのもとに、伝統的な技法を応用して、独自の美的理念に基づくコスメを創り出しています。
中国伝統の彫り、模様、柄を取り入れて中国伝統美を打ち出しています。見ているだけで、中国の歴史映画の一場面を見ているような、そんな気分になります。
また、中国に古くから伝わる美肌美容法と、現代の技術を融合させることで、伝統と美しさを追及しているブランドです。
天然植物由来の素材を使い、肌にやさしく中国人のニーズに合った化粧品を提供しています。
出典:花西子
ZEESEA
https://jp.zeeseacosmetics.com/
「花西子Florasis(フローラシス)」よりも少し早く、2013年に同じく中国杭州で誕生したのが「ZEESEA (ズーシー)」です。
大英博物館やピカソなどからインスピレーションを受けた、アーティスティックなデザインやカラーを打ち出しています。
伝統的で、美しい「花西子Florasis(フローラシス)」とは対照的に、現代的で、ポップでカラフルでかわいい商品が注目され、SNSでも話題を呼んでいます。若者の映え写真には欠かせない存在です。
以前は、海外ブランドに多くの中国人が引き付けられていましたが、中国ブランドも独自性や話題性に力を入れてきており、中国人だけではなく、世界中に展開できるものが次々と誕生しています。
日本の通販サイトでも購入できるので、新しいものに目ざとい若い人たちが目をつけて拡散することで、日本でも注目されるようになってきました。
出典:ZEESEA
スポーツブランド
李宁Li-ning
中国で有名なスポーツブランド「李宁Li-ning(リーニン)」は、1990年に立ち上げられました。中国の元オリンピック体操メダリストの李宁が創業者です。
現在、バドミントンの中国代表選手が使用しているのも、このブランドです。
新型コロナウィルスの拡大で、多くの企業がダメージを受けている中、2021年上半期「李宁Li-ning(リーニン)」は大幅な増収増益を得ました。
理由の一つは、コロナ禍で人々の健康意識が高まり、スポーツ関連用品の需要が伸びたことがあげられます。また、オンラインで購入する人がさらに増加したことも貢献したのでしょう。
さらに、研究開発にも力を入れており、品質、ファッション性が向上したこともあげられます。
中国らしさにファッション性、機能性が加わった「李宁Li-ning(リーニン)」の製品が若年層の心をとらえて、ブームに火をつけました。
実際に写真を見てみるとスポーツウエアの会社というよりは、ファッション性を重視したおしゃれな洋服のブランドという感じです。
若者へのアプローチの成功例と言えるかもしれませんね。
出典:李宁
未来がテーマのデパート
SKP-2北京
2019年に未来のデパートとしてオープンした、SKP-2北京。
日本では見たことのない、かなり独特なデパートです。本当にここで買い物ができるのかしら、と思ってしまうような近未来的でユニークなデパートです。
中国人にとって、「映え」は中国人のトレンドにとって絶対に欠かせないものです。ですから、この美術館のようなショッピングモールは、買い物をするための場所というよりは、映え写真が撮れるフォトジェニックな場所ということで人気が高いのです。
テクノロジーとアートとファッションを結合させた、世界に類を見ないこのデパートは、新しいものや高級なもの、写真映えがする場所が好きな中国人にとって、最高に魅力的な場所です。また、中国を訪れる旅行者に、発展した中国を見せるには格好のテーマパークと言えるでしょう。
テーマは「火星」。100年後の火星移住が具体的なテーマとなっています。
「火星」に住みたいとは思いませんが、今、中国人にうけている近未来的なショッピングモールがどんなものなのか、1度くらいは見てもいいかもしれませんね。ちょっとユニークな美術館と思って見れば、意外とおもしろいのかもしれません。
出典:SKP-2北京
まとめ
しばらく前までは、世界から遅れを取っていると思われていた中国。日本や世界のブランドに憧れを持っていた中国人はとても多かったはずです。
十年以上前に、初めて中国に行った時、中国ブランドの質の悪さ、センスのなさにびっくりしたものです。海外のブランドを意識して、真似をしたような商品が普通に売られていました。
ところが、今、中国は「現代」と「中国文化」を融合させた独自のブームを作り上げています。世界第二位の経済大国となり、経済が発展するにつれて、独自の中国ブランドに自信を持ち、独自の中国カルチャーも生み出し、成長を遂げています。
今では、中国から発信されるものも多くなり、世界中から注目されるようになりました。
これから、中国はどのように変化していくのでしょうか。目が離せませんね。