7年間で外国人観光客を16倍に増やした香川県の秘密に迫る!

2020年12月23日インバウンド需要

コロナ禍にあって外国人観光客は実質ゼロとなった2020年。しかし、5~10年のスパンで考えると、コロナ終息後には多くの外国人観光客が日本を訪問するでしょう。そのための種まきを始めてみませんか。

今回は、7年間で外国人観光客数を16倍に伸ばした香川県の実例から学べる点を探ってみたいと思います。

7年間で16倍!

2012年(平成24年)と、2019年(令和元年)を比較すると、日本全体では外国人観光客は3.9倍になりました。この数字だけでもビックリなのですが、香川県の数字は驚くべきものです。

実に7年間で16倍となり、2位の佐賀県の8.3倍を大きく上回っています。同じ四国でも愛媛県は3.5倍、徳島県は3.0倍、そして高知県は2.7倍と全国平均を下回っているのとは好対照です。

出典:観光庁

香川県が独り勝ちの様相

香川県がインバウンド需要において独り勝ちを示すデータをもう一つご紹介します。
 
出典:観光庁

令和元年の1年間に絞ったデータですが、香川県を訪れた外国人観光客は年間27万人。それに対して愛媛は8万人、徳島7万人、高知4万人となっています。加えて旅行消費額も大きな違いがあります。オレンジの棒グラフですが、香川県は年間146億円、一方で愛媛県は25億円、徳島19億、高知は15億円で、約10倍の差が出ています。

また、そのほかの複数のデータを総合すると一つの結論が出てきます。つまり「香川県を訪れる外国人観光客は、『香川県』が目的地。一方、残りの四国3県を訪れる外国人は『四国』が目的地」ということです。

外国人観光客は香川県のどこを目指しているのか?

実のところ、外国人観光客は香川県に何を目当てにやってきているのでしょうか?観光庁がSNSを活用してリサーチした興味深い統計があります。

SNSの投稿する場所は、高松市や直島町が多いことが分かりました。高松市では「うどん屋さん」「栗林公園」といったものが多く、直島町では「ベネッセハウスミュージアム」や「地中美術館」といったアート系の投稿が多くみられます。実際、美術系の投稿の7割は直島町で投稿されたものでした。もちろんアートに限らず、美しい自然風景の写真を投稿していた観光客も少なくありません。

また、香川県を訪問した外国人観光客が他の都道府県で訪れた施設をリサーチしたところ、東京の「森美術館」や神奈川の「彫刻の森美術館」を訪問したことが分かりました。このことから、香川県を目的地としている外国人観光客の多くが、アートに強い関心を持っていることが分かりました。

外国人観光客から見た香川県と他の四国3県の違い

もちろん他の四国3県(愛媛・高知・徳島)にも魅力的な場所はたくさんあり、外国人観光客もSNSに投稿しています。

愛媛県の場合には「道後温泉・松山城」「しまなみ海道サイクリングコース」、高知県は「高知城」「桂浜」「四万十川」、徳島県は「徳島ラーメン」「かずら橋」「大塚国際美術館」などが投稿されていました。しかし、投稿数は四国3県合計で1388件だったのに対し、香川県は2599件とほぼダブルスコアの結果となっています。

この違いについて観光庁は、「香川県は自然景観や美術・アートが強力なコンテンツとなり、主な目的地として選ばれている。一方他の四国3県は、香川県や他地域の組み合わせで訪問されているのではないか。結果的に、香川県に長く滞在し多く消費しているのに対し、それ以外の県は平均宿泊数も短く、消費単価も小さい傾向がみられる」と分析しています。

おわりに

今回は香川県のケースを考えてきました。日本はどこでも美しい自然がありますから、決して香川県だけが有利ということはないでしょう。美術・アート分野が強かったという事情が大きいようです。

では他の地域はどう対抗すればいいのでしょうか?カギは「メインの目的地に選ばれること」です。滞在日数を増やしてもらえば、結果的に消費金額も増えるのは自明の理です。

そのためには、観光資源をより良くすることが含まれますし、さらにWi-Fi整備や多言語による情報提供、その素晴らしい観光コンテンツを対外的に発信して知ってもらうことが必要でしょう。

その点で株式会社アットグローバルでは、無償で「インバウンド向けコンサルティングサービス」を提供しています。無料の観光案内サービスのように、気軽に相談してみることができるでしょう。

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