「ハラール認証」で成功!インバウンド賞を受賞したお菓子から秘策を学ぶ

インバウンド需要

ハラール認証を受けたお土産がコンクールでインバウンド賞を受賞するなど、近年日本ではムスリム向け商品に注目が集まっています。その背景には、近年増えているムスリム観光客の存在があります。

東南アジアには約3億人のムスリムが暮らしており、重要な市場となりつつあります。近い将来、ハラール認証がインバウンド対策において不可欠なものとなるかもしれません。

そこで、今回はハラールについての基礎知識とともに、ハラール認証のメリットやハラール認証との関わり方などについて紹介していきます。

せとうちDMO主催「瀬戸内おみやげコンクール」

「瀬戸内おみやげコンクール」は、地方創生組織「せとうちDMO」が主催しているコンクール。瀬戸内7県(徳島県、香川県、愛媛県、兵庫県、岡山県、広島県、山口県)にある魅力ある商品を掘り起こし、多くの人に親しまれるようなお土産の開発や販売促進を目指して開催されています。

この瀬戸内おみやげコンクール2019で、ハラール認証を取得したお菓子「木頭柚子ショコラブラウニー」がインバウンド賞を受賞しました。

インバウンド賞受賞「木頭柚子ショコラブラウニー」

「木頭柚子ショコラブラウニー」は、徳島県にある市岡製菓が開発したお菓子。徳島県産の「木頭柚子(きとうゆず)」の皮を加えた濃厚なショコラ生地が特徴です。ショコラブラウニー(チョコブラウニー)というと、ラム酒やカルバドスなどの洋酒が生地に使われることが多いのですが、この商品では使わずに作り上げています。

瀬戸内おみやげコンクール2019では103点の応募がありましたが、そのうちインバウンド賞に選ばれたのはこの商品だけでした。受賞理由はハラール認証を取得した商品であることが大きく評価されたからとのこと。では、なぜハラール認証がインバウンド賞につながったのでしょうか?

「ハラール認証」フードでインバウンド対策!

近年、東南アジアからの観光客が増加しています。東南アジアではイスラム教が盛んで、旅行で訪日する人の多くもムスリムです。このことから今、日本ではハラール認証フードが注目されています。

では、「ハラール認証」とはなんでしょうか? そして、ハラール認証フードが増えることが、どのような影響を与えるのでしょうか?

「ハラール認証」とは?

「ハラール」とは、イスラム法において合法なものを指します。つまり、ハラールフードとは、イスラム法において食べることが許された食べ物を意味します。

例えば、鶏、牛、ヤギ、羊などは食べることができますが、豚や犬、ネズミの肉などは食べることが禁止(ハラーム)されています。ただし、イスラム法で許されている食べ物なら自由に食べられるかというと、実はそうではありません。

例えば、鶏肉は食べることが許されていますが、イスラム法に沿った方法でと畜・加工されていないものは食べてはいけません。ですから、同じ鶏肉でも食べてよいものと食べてはいけないものがある、ということがあります。

しかし、どれが食べても良い鶏肉なのか、消費者目線では判別が困難です。そこで重要となってくるのが「ハラール認証」。ハラール認証とは、ハラール認証機関による監査で一定水準を通過したものに対して与えられる認証のことです。

認証されるとハラール認証マークを表示することができるため、ムスリムの方々は安心して口にすることができます。

「インバウンド賞」に「ハラール認証」のお菓子が選ばれた理由

日本ではハラールについての理解がまだまだ浅く、ハラール認証された食べ物がほとんどありません。そのため、せっかく日本にやってきても、気軽に外食をしたり買い食いをしたりすることができないという問題があります。

ハラール認証フードが増え、ムスリムの人たちが気兼ねなく楽しめるような商品が増えれば、ムスリムのインバウンド需要はよりいっそう高まっていくことでしょう。

ハラール認証のお菓子である「木頭柚子ショコラブラウニー」が選ばれたのは、まさにこういったことが理由と考えられます。

「ハラール認証」で成功した食品紹介

では、実際に「ハラール認証」を受けるとどんな効果があるのでしょうか。成功例を見ながらメリットについて解説していきます。

「ハラール認証」を受けるメリット

ハラール認証を受けるメリットは、ムスリムの顧客を獲得できるという点でしょう。

前述したように、日本ではムスリムの観光客が増えている一方でハラールが普及していません。つまり、需要に供給が追いついていないということです。ハラール認証を獲得すれば、こうしたムスリムの顧客を獲得できるはずです。

また、海外の認証機関から認証を獲得すれば、その国に対して食品を輸出することもできるようになります。

その他、いわゆる先行者利益も期待できます。ハラールフードを提供する店が少ない今の日本でハラール認証フードを提供していれば、観光情報サイトなどで共有され、知名度が高まります。そして、その知名度は今後ハラールが日本でも一般的になったとしても継続される可能性が高いでしょう。

ハラール認証成功例:よつ葉乳業

「よつ葉乳業」はEUとの経済連携協定(EPA)によって安価な輸入乳製品が増えることへの備えとして、海外への新たな販路を拓くためにハラル製品への取り組みをはじめました。

2015年には日本ハラール協会からハラール認証を受け、現在ではマレーシアとシンガポールの両政府から認証を受けています。更に、2020年11月にはマレーシア政府の政府機関「ハラル開発公社(HDC)」からハラル認証への貢献を称える「HDCアワード」の表彰を受けています。

売上も順調で、2020年の報告によると前年度比20%増となる2億1200万円の売上を出すなどの成果を上げています。

インバウンド対策で「ハラール認証」を目指すなら

今後、ハラール認証は国内でさらに重要度を増していくことが予想されています。地方でお土産やメニューの開発に携わる方や、工場や農業関係者の方もハラールについて目を向けていく必要があるでしょう。そのためには、ハラールへの関わり方について押さえておく必要があります。

地元名産品×ハラール食材で商品開発

ハラールとの関わり方で最もわかりやすいのは「地元名産品×ハラール食材」による商品開発です。その土地の名産を使ったハラールフードを開発することができれば、ムスリムの方々を呼び込むことができます。

また、ハラールフードはムスリムからの注目を高めるだけに限りません。国内の観光客から関心を集めることにも繋がるでしょう。ハラールフードはまだまだ珍しいため、ハラール認証された商品や店がメディアでピックアップされやすいからです。

ハラール認証機関に相談

多くの日本人にとってハラールは身近なものではないので、取り組む際にはハラール認証機関に相談することが大切です。ただし、国内のハラール認証機関は主要なものだけでも9団体と多く、さらに他国との相互認証が機関ごとに異なるため、認証機関選びは慎重に行わなければなりません。

上記の表を見ると分かるように、「日本ハラール協会」の認証が最も多くの相互認証を受けており確実です。ただし、認証を受けるまでには半年から1年ほどかかってしまいます。一方、「日本アジアハラール協会」であれば、相互認証は2カ国であるものの、審査期間は2周間~1ヶ月程度と、比較的短い期間で認証されます。

それぞれの団体の特徴をしっかり精査した上で、条件にあった団体を選びましょう。

まとめ

インドネシアやマレーシアなどから訪日するムスリムが増えている昨今、ムスリムはインバウンドにおいても重要な位置を占めるようになっています。その人々への効果的なアピールができる「ハラール認証」の取得は、今後のインバウンド対策で不可欠となるかもしれません。

これまでやってきたインバウンド対策の効果がいまいち実感できない、あるいは新たな客層を獲得したいと考えているならば、「ハラール認証」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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