「拼多多」(ピンデュオデュオ)とは?中国マーケティングの最新トレンド

アプリ,中国

中国では、政治上の判断で中国独自のサービスが展開されており、中には中国ならではのユニークなのものもあります。その一つが、中国Eコマース新勢力の「拼多多(ピンデュオデュオ)」です。創業からまだ5年と短いながらも急成長を遂げ、今やあのeBayすらも時価総額を上回るまでに成長しています。しかし、日本国内での知名度はほとんどありません。そこで、今回は国内外から注目を集める「拼多多(ピンデュオデュオ)」について紹介します。

拼多多(ピンデュオデュオ)とは?

拼多多(ピンデュオデュオ)の仕組み

拼多多は普通のEコマースとは少し違う、特殊な形態のサービスを提供しています。

一般的なEコマースでは、自分1人が業者に注文し決済し、品物が届くという流れ。つまり、「自分」と「業者」の二者によって完結しています。

しかし、拼多多では「共同購入」が原則。単独での商品購入ができない代わりに、共同購入者を集めて購入すると非常に安い価格で商品を購入できるという仕組みで、商品によっては最大で90%割り引きになることもあるようです。

共同購入者は拼多多が連携している「WeChat」などのソーシャルメディアを利用して行います。なお、共同購入者が集まらず、購入条件として商品ごとに設定される「○○人以上の希望者がいること」を満たせなかった場合、購入が白紙となって全額返金されます。

このプラットフォームの優秀なところは、周りに商品を紹介して一緒に購入してもらうと自分の利益にもなる(安く購入できる)ので、購入者が自発的に拼多多と商品を宣伝してくれるということ。紹介された人たちもまた、同じようにほかの人へ宣伝するため、爆発的に知名度が上がっていくという仕組みになっています。

取扱商品とユーザー

拼多多では主に、下着や靴下、ティッシュやトイレットペーパーなどの生活必需品や食品などが扱われています。

ユーザー層は多種多様ですが、特徴としては貧しい農村地帯の利用者が多いことがあげられます。近年、経済成長ばかりが語られがちな中国ですが、貧富の格差は非常に大きく、中国の李克強首相によれば月収1万5千円程度の人たちが未だ6億人もいるとのこと。そういった貧しい生活を送る人たちにとって、安く商品を購入できる拼多多はうってつけの存在というわけです。

また、今年は新型コロナウィルスの影響で外出がしづらくなりました。これまで生活必需品や食品をマーケットで購入していた人たちが、拼多多を利用して購入するように変化してきているようです。

NASDAQ上場企業と決算

拼多多は2018年7月にアメリカの新興証券市場NASDAQに上場しています。

11月12日に発表された「2020年第3四半期決算」によると、同四半期の売上高は前年同期比89%増の「142億元(約2200億円)」で、市場予測の「122億元(約1900億円)」を大きく上回る結果となりました。

GAAP(米国会計基準)ベースの純損益は7億8500万元(約125億円)の赤字だったものの、減損損失等を控除・調整したnon-GAAP(非米国会計基準)ベースでは4億6640万元(約74億円)の黒字を達成。これに伴って株価も上昇しています。

また、GMV(流通取引総額)を見てみると、今年9月末までの1年間で1兆4576億元(約23兆円)に達しており、前年度比で見ると73%もの大幅増となっています。このGMVが急激に成長した背景には、アクティブユーザー数の増加が大きく影響していると考えられます。7~9月のMAU(月間アクティブユーザー)は前年同期比50%増の6億4300万人、2020年9月末までのYAU(年間アクティブユーザー)は7億3130万人で前年から36%増加しています。

なお、同時期における中国EC最大手「阿里巴巴(アリババ)」のYAUは7億5700万人でした。そう、創業5年の新興勢力が、今やあの巨人・アリババを追い越す一歩手前まで来ているのです。(参考:東洋経済オンライン2020年11月26日)

まとめ

日本では全くと言っていいほど知名度のない拼多多(ピンデュオデュオ)ですが、今回ご紹介したようにその勢いはとどまるところを知らず、あのアリババさえも追い越そうとする勢いです。

創業者である黄崢氏は今年10月に、「生鮮食品販売は難しいが重要なビジネスだ。拼多多にとって試金石となるだろう」と述べており、今後は生鮮食品分野にも注力していこうと考えていることが窺えます。生鮮食品は長期保存が難しく、Eコマースでは扱いの難しい分野ですが、生鮮食品分野で成功を収めることができれば、さらなる躍進を遂げることは間違いありません。

拼多多の選択が吉と出るか凶と出るか、今後の動向に注目していきましょう。

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