多言語対応の事例7選|インバウンド受入対策を徹底解説!

インバウンド需要, 多言語対応

東京オリンピックを今年に控え、多くの企業が多言語化対応に乗り出しています。

訪日外国人旅行客が増加傾向にある今、多言語化対応を怠ると大損したりトラブルに発展したりする可能性も十分に考えられます。とはいえ、実際どのような対応策をとればいいのか分からず、困っている方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は多言語対応の事例をご紹介します。

なぜ多言語対応が必要なのか? 外国人がコミュニケーション取りづらいと思っているから

訪日外国人旅行客を対象にした「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」によると、第1位の「困ったことはなかった(36.6%)」を除くと、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない(20.6%)」が3年連続で1位になっています。

訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケートから抜粋

コミュニケーションが取れなければ十分なサービスを受けることができず、外国人旅行客の方々の満足度を上げることはできません。満足度が上がらなければ顧客単価も上がりませんし、リピート率も下がってしまいます。ですから、この点は絶対に放置してはならない課題です。しっかりと、多言語化対応を進めていかなければいけません。

多言語対応のメリット

多言語に対応するメリットは、「客単価と満足度が上がる」という点が一番に挙げられます。

例えば、飲食店で考えてみましょう。メニューが読めなければ、どのような料理なのか、どのような食材が使われているか分かりません。そのため、「選ぶ」という行為ができなくなり、知ってる単語で注文するしかなくなります。本当は違うものが食べたいのに、我慢しなければいけないわけです。また、アレルギーのある方や、宗教上の理由で食べられないものがある方などは、そもそも注文自体ができないことになります。満足度など高まりようがありませんし、客単価も上がりません。

しかし、メニューが多言語化され、アレルギーやハラルなどについての外国語表記がされ、どんな料理なのかが分かるようになれば、より自由に選ぶことができるようになります。自由に選べるようになれば、いろいろな料理に興味を持つはずですし、そうなれば実際に注文もしたくなることでしょう。結果として、客単価が上がりますし、客の満足度も高まるわけです。

そして、満足度が高まればリピーターになってくれる可能性も高まりますし、帰国した後に自国の口コミサイトなどでポジティブな紹介をしてくれるようになるかもしれませんね。

多言語対応のデメリット

多言語に対応することのデメリットといえば、やはりコストや手間の部分です。例えば、飲食店のメニューを多言語対応のものに1から作り直すとなれば、デザインを見直したり翻訳会社とすり合わせをしたりしなければならず、かなりの手間と時間、お金を消費します。また、従業員にも一定の他言語対応を求めるのであれば、翻訳ツールを導入する必要もあり、その教育にかかる労力も考えなければいけません。

多言語対応の事例7選

では、次に実際の事例をご紹介していきます。

ホテルでの多言語対応の事例

まずは「ホテルマイステイズ」の例をご紹介します。 マイステイズでは、以前から多言語サポートの専門のオペレーターを取り入れるなど、多言語対応に力を入れていました。しかし、さらなる効率化を図るため、ソフトバンクが開発した人型ロボット「Pepper(ペッパー)」をリモートコンシェルジュとして導入しました。

ソフトバンクロボティクス株式会社のウェブサイトから引用

Pepperはマイステイズのコールセンターと連携することで、日本語・英語・中国語での言語サポートを実現しています。これは国内のホテル業界としては初の試みで、プロモーションの一環にもなっています。人材不足が取り沙汰される昨今、ロボットや人工知能を使ったリモートコンシェルジュはさらに需要を高めていくと目されています。

観光地での多言語対応の事例

次は、鎌倉市で行っている多言語化対応の事例をご紹介します。鎌倉市では訪日外国人観光客が不自由なく観光できるように、オリックスと協定を結び、訪日外国人観光客向けの情報案内サービスを導入してます。

鎌倉市のウェブサイトから引用

具体的には、NFC(近距離無線通信技術)が搭載されたプレートや二次元バーコードをスマートフォン等のモバイル端末で読み取ることで、端末の言語設定に対応した言語に翻訳された状態で観光情報を取得できるようになっています。現状では、日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語に対応しているだけですが、今後さらにニーズを分析した上で対応言語を増やしていく計画です。

さらに、AR(拡張現実)技術を活用し、日本語表記情報をリアルタイムで多言語化するサービスを展開する計画も立てており、さらなる多言語化対応が期待されています。

旅館での多言語対応の事例

次は、運営するスピンシェル株式会社が提供する遠隔コミュニケーションサービス「LiveCall(ライブコール)」による事例です。スピンシェルは民泊・ホテル・旅館などの宿泊施設のフロント業務を対象とした代行サービスを発表しました。同社が提供する多言語コンシェルジュは英語・中国語・韓国語・日本語の4言語に対応しています。

LiveCallのウェブサイトから引用

このサービスを利用することで、ホテルや旅館側は多言語対応な人材を探す手間や抱えるコスト、リスクなどを抑えることができます。多言語化のノウハウを持たない事業者はもちろんですが、すでに多言語化に取り組んでいた事業者にも多言語化対応のスタッフの負担を軽減する意味で非常に意味のあるサービです。

飲食店での多言語対応の事例

2018年に、ハンバーガーチェーン大手のモスバーガーが、外国人利用客の多い8店舗を対象として、携帯通訳機の「POCKETALK(ポケトーク)」を検証実験として導入しました。

POCKETALKのウェブサイトから引用

POCKETALKは世界74言語(2019年11月現在)に対応したIoT通訳機。機械に話しかけると、翻訳された言葉が音声再生される仕組みです。口頭での注文が一般的なレストラン業界は、POCKETALKが役立つ代表的な場面の一つといえます。

その証明として、POCKETALKが飲食業界に導入される流れは全国的に広がっており、例えばJR名古屋駅構内の74店舗において、接客ツールとして正式に採用されています。

百貨店での多言語対応の事例

三越伊勢丹ホールディングスのウェブサイトから引用

次は、三越伊勢丹の事例。三越伊勢丹は、2014年10月の免税対象商品拡大をきっかけに、多言語化対応への取り組みを強化し始め、2015年に銀座店の地下1階に「海外顧客サービスセンター」を新設しました。中国語・英語・韓国語の対応が可能なアテンダントスタッフが常駐し、海外配送カウンターでは海外への配送も可能となってます。

また、 13階には海外のVIP向けにインターナショナルラウンジも新設され、和服のスタッフによるおもてなしを行うなど、幅広い多言語化対応を行っています。

WEBサイト多言語化の事例

次では高島屋ホームページの多言語化対応の事例をご紹介します。高島屋は多言語化対応として、英語版のWebサイトを新たに作成。海外で馴染みのあるデザインに配慮し、シンプルな構成で外国人の方々が利用しやすいサイトづくりを行いました。ごちゃごちゃした情報はなく、伝えたい情報を吟味して載せているのが特徴です。

高島屋のウェブサイトから引用

自動翻訳を導入しており、大型各店の「イベント」や「フロアのトピックス」については、機械翻訳によるタイムリーな情報を発信。さらに、カスタマーサポートも英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語で対応できるようにすることで、外国人からの問い合わせに対してスムーズな対応を可能としています。

タクシーでの多言語対応の事例

最後は、沖縄県のタクシー業界における多言語対応の事例です。沖縄県は沖縄発着の航空路線が拡充したことや、クルーズ船が寄港する回数が増加したことなどが影響し、年々外国人観光客数が増加傾向にあります。このような背景から、外国人観光客と頻繁に接することになるタクシー業界では多言語化対応の需要が高まっていました。

そこで、KDDIおよびKDDI総合研究所、沖縄県ハイヤー・タクシー協会、沖縄セルラーは共同で「多言語音声翻訳システム」の実証実験を始めました。この「多言語音声翻訳システム」は国立研究開発法人情報通信研究機構 (NICT) によって開発された技術を応用したもので、同機構の優れた音声認識技術によって、リアルタイムでの精度の高い通訳が可能となっています。

KDDIのウェブサイトから引用

まだ本格的に導入されているわけではありませんが、今後、さらにAIの翻訳精度が高まるのに伴い、多くのタクシー会社で導入されることになると考えられています。

オススメの多言語対応とは?

一口に多言語対応と言っても、様々な方法があってどれを選べばいいのかわからない方も多いでしょう。そこで、この項目では、オススメの多言語対応をご紹介します。

多言語メニューや案内表示を作る

メニューや案内表示は、外国人が実際に最も多く利用する部分です。そのため、この部分を多言語化すると利便性が非常に高まり、満足度の上昇に繋がります。特に、飲食業界や小売業界においては、最も効果的な多言語対応と言っても過言ではありません。どのように多言語化をすべきか分からず、悩んでいるときは、まずこの部分から多言語化することをおすすめします。

多言語接客ツールを使う

事例でもご紹介したPOCKETALKや、その他の通訳アプリなどのツールは接客において非常に効果的です。まだ、精度の面では足りない部分もありますが、最低限何が言いたいのかを理解し、伝えられるレベルには達しています。外国語が全く使えない人でも意思疎通ができるというのは、言語に精通した人材を集めるのが難しい場合には、特に大きな助けとなることでしょう。

多言語WEBサイトを作る

日本語は世界的に見るとマイナーな言語です。日本語を分かる外国人はめったにいません。ですから、WEBサイトが日本語のままだと、それだけでほとんどの人がブラウザバックしてしまうのが現状です。しかし、アクセスしたということは興味があったからこそです。つまり、ブラウザバックした外国人の方々は、潜在的な顧客なのです。それを見逃すのは大きな損ですよね? Webサイトを多言語化し、潜在的な顧客を顕在化させてみてはどうでしょうか。

身近な所から多言語対応しよう

多言語化対応というと、なんだか小難しく感じてしまいます。しかし、簡単にできる対応策もたくさんあります。例えば、無料の通訳アプリを活用するとか、あるいは、無料の多言語対応ピクトグラムをダウンロードしてメニューや案内表示に使ってみるのもよいでしょう。なにも、始めから企業と提携したり、高額なツールを導入したりする必要はないのです。

とにかく、一番駄目なのは「何もしないこと」です。多くの訪日外国人がコミュニケーションで困っているのが現状ですから、何もしないままでいれば、しっかりと多言語に対応した他社に外国人の顧客を奪われてしまうことに繋がってしまいます。ぜひ、今回の記事を機会として、多言語化対応について本格的な検討をしてみてください。

インバウンドプロモーション外国語サポートを必要とされる方は、
ぜひ「アットグローバル」にご相談ください。
見積もりやご相談は完全に無料です。こちら からどうぞ!