本当は教えたくない!インバウンド集客のTips 10選|無料&有料の手法

2020年2月19日マーケティング

今年はオリンピックイヤー。いま、日本で最も有望なビジネスチャンスのひとつは、5年前と比べて2倍以上に伸びた外国人観光客をさらに増やすことです。最近は、東京・京都・大阪といった大都市だけでなく、SNSの投稿がきっかけで無名の地方都市が急に外国人観光客であふれかえる、といった現象もよく聞きます。

治安が良く、清潔で、外食が安くてレベルが高く、アニメや着物体験など魅力にあふれる日本の観光地に、繰り返し訪れるリピーターも増えてきました。また、個人でインターネットを検索してホテルやレストラン、体験ツアーを予約する外国人観光客のニーズも大きくなっています。日本政府が2030年に6,000万人の外国人観光客の招致を目指すなか、外国人観光客を呼ぶ方法にはどんなものがあるでしょうか。インバウンドを集客する方法を、無料でできるものから有料のものまで、具体的にお教えします。

インバウンドは増えている!集客チャンスはあり!

日本政府は、訪日外国人数の目標を2020年は4,000万人、2030年は6,000万人としています。日本政府観光局(JNTO)によると、2019年は3188万人でした。日韓関係の悪化で、韓国からの観光客が激減したにもかかわらず、前年を上回りました。トップは中国の959万人、次いで韓国の558万人、台湾が489万人、香港が229万人でした。引き続き堅調な東アジアからの観光客だけでなく、前年と比べて17%伸びたタイなど東南アジア各国からの観光客も増えました。アメリカも前年比べて13%増など、欧米オーストラリアからも人気なのが、日本各地の観光地なのです。

飲食店には更にチャンスも

観光庁の訪日外国人消費動向調査の2019年速報によると、外国人観光客の消費額は、「買物代」が34.6%と最も多く、次いで「宿泊費」(29.4%)、「飲食費」と(21.6%)の順となっています。ホテル代とあまり変わらない額を食費に使っているのです。

同じく観光庁の2019年「訪日外国人の消費動向」7-9月(速報)の報告書によると、「訪日前に期待していたこと」を複数回答で尋ねたところ、「日本食を食べること」が69.3%と最も多かったのです。次いで「ショッピング」が52.8%、「自然・景勝地観光」が 48.4%と続き、「繁華街の街歩き」が42.5%でした。単一回答でも、「日本食を食べること」が1位で25.5%、「自然・景勝地観光」は15.8%、「ショッピング」は11.4%、「テーマパーク」が9.3%でした。次回日本を訪れたときにしたいことも「日本食を食べること」「温泉入浴」「自然・景勝地観光」「ショッピング」の順でした。

最も満足した飲食は「肉料理」で26.4%でした。次いで「ラーメン」が19.1%、「寿司」が15.6%です。外食チェーン「いきなりステーキ」はニューヨークに複数店舗が進出していて、ステーキの国アメリカでも大人気です。おいしい日本のお肉料理を食べてみたい、という外国人が急増しています。

本当は教えたくない具体的なインバウンド集客方法10選

低コストでできる集客方法をお教えします。

グーグルマイビジネスに登録しGoogleマップに表示させる:無料

外国人観光客はGoogleマップを使って行動する人がとても多いので、Googleマップに表示し、外国人観光客に自分の存在を知ってもらいましょう。アメリカ・ワシントンDCの調査・コンサルティング会社 The Manifest の調査によると、スマートフォンのユーザーの77%がナビゲーションアプリを活用し、その内67%がGoogleマップを利用しているとのことです。Googleマップに表示させるには、Google マイビジネスに登録する必要があります。無料でできます。

例えば、レストランの名前をGoogleマップで検索してみましょう。すると、企業やお店の基本情報や雰囲気を伝える写真、地図が表示されます。Googleマイビジネスに登録すると、こういった情報をGoogleマップに表示することができて、また、情報の管理もできます。

この場合、Google マップは、ユーザーが使っているスマートフォンの使用言語で表示してくれます。下記の写真のようにAkasaka sushiと検索すると、情報が英語で表示されます。

口コミ情報も英語で表示されます。事業者は何もしなくても、自動的に翻訳されます。

さまざまな機能があり、予約の受付もできますし、無料でウェブサイトをつくることもできます。海外の人は、口コミを大いに活用しています。オーナーがこまめにお客様の口コミに返信をすれば、「対応のいい、感じのいい店かも」と思う傾向があります。Googleマイビジネスは、インバウンド集客をねらう人なら、今すぐ登録するべきといえるツールでしょう。

トリップアドバイザーを活用する:無料

毎月4億6000万人が利用する世界最大級の旅行プラットフォームです。多くの外国人観光客が、日本でも、トリップアドバイザーを活用して旅行しています。無料でお店の情報を掲載できるだけでなく、無料で使える集客ツールがたくさんあります。これがオーナー管理画面です。

例をとると、Review Express というツールは、お客様に口コミ投稿を依頼するメールを無料で作成し、送信できます。 お客様の口コミや非公開の意見を集めることができます。また、ダッシュボードで集客状況の分析ができます。


トリップアドバイザーでは、登録店に無料のステッカーも配布しています。店頭にステッカーを貼り、寄せられた口コミには、「ご来店ありがとうございました。また、ぜひ、ご来店くださいませ」のひとことでもいいので、できるだけ早く、お客様に返信することが集客アップにつながるようです。

小紅書(RED)を活用する:無料

女性起業家、ミランダ・チュー氏らが創業し、中国の若い女性に絶大な人気を誇るSNSです。インスタグラムとアマゾンの機能を併せ持っています。登録ユーザーは2.5億人を超え、月間のアクティブユーザーは8500万人。中国人観光客を集客するのに必須のツールとなっています。中国では、会社やお店が、インフルエンサーを活用してREDでPRするのが一般的になっています。

▽参考記事:中国版口コミアプリ「小紅書」とは?

中国でのヒット商品の流れは、このREDのユーザーが、好きなアイドル(インフルエンサー)をフォローし、そのインフルエンサーがある商品を投稿すると、ユーザーはその商品を知り、多くの口コミを読んで検討し、購入を決めたらREDのEC機能で買う、となっています。

Instagramを活用する:無料

Instagramを活用したプロモーションは始めているが、なかなか集客につながらない、とお悩みの方々も多いのではないでしょうか。発信の工夫をしましょう。

大阪のハラル和食レストラン「祭」、横浜の2号店「MINATO」は、ムスリムやベジタリアンでにぎわい、年間3万人が集まるそうです。お客様を交えた発信の工夫が集客アップにつながったそうです。「MINATO」のインスタグラム画面ですが、自社のSNSで発信しても、それほどの集客にはつながらなかったそうです。

ムスリムのお客様方に記念写真としてスマホを借り、写真を撮ってあげるようにしたところ、そこから、お客様たちがご自身のSNSで発信をしてくれるようになり、その影響で大幅に外国人のお客様が増えたのだそうです。現在は、店内に、ムスリム集客の鍵となる礼拝室も設置しました。SNSに写真を上げると割引をする特典サービスも行っています。

ホテルに営業をする:無料?

日本のインバウンドのトップランナー、東京・新宿のロボットレストランは、近隣のホテルに営業して、かなりの数の集客をしてもらっているそうです。外国人が泊まるホテルに営業をかけて送客してもらうことも考えてみてはいかがでしょうか。

各種OTAを使う:有料

手数料などがかかりますが、海外OTAに自社の情報を掲載することにより、日本をめざす世界中の旅行者に、日本訪問前に、自社を知ってもらうことができます。

Expedia Groupの旅行サイトに登録(無料)すると、6億人強の月間訪問者数を誇るというサイトに掲載されます。エクスペディア、ホテルズドットコム、トリバゴなど同社の傘下のサイトに掲載されます。


海外OTAは多くの言語に対応しているため、自力で翻訳せずに済みます。また、海外のGoogleの自然検索でも表示されるため、より多くの世界の旅行者に存在を知ってもらえます。海外OTAに情報を掲載するには、宿泊プラン・紹介文・写真を提出します。予約時に手数料の支払いが発生しますが、費用の負担感はそれほど大きくないといえるでしょう。

団タメ!を使う:有料

団タメ!は、旅行代理店と飲食店をつなぐマッチングサイトで、旅行会社専用の飲食店検索サイトです。団体旅行のランチやディナー、訪日外国人の食事、法人の宴会など、旅行会社が様々なシーンで飲食店を手配する際に、簡単に検索・予約ができるサービスです。観光客、海外企業のインセンティブ旅行の利用が多いそうです。

飲食店にとっては、日時・時間を指定して、団体に特化した集客ができるなどのメリットがあります。

インフルエンサーを活用する:有料

費用はかかりますが、最近のインバウンド集客では、インフルエンサーを効果的に活用することが鍵となってきています。中国のREDにみられるように、東アジア諸国では、旅行先の行き先を決める際に口コミやインフルエンサーの投稿が重視されます。

記者は、昨年夏、北部スペインの「巡礼の道」(ユネスコ世界遺産)を1か月かけて歩きましたが、韓国の有名人が発信するSNSを見て触発された韓国人巡礼者が多く歩いていました。日本人はわずかしかいなのに、なぜこんなに韓国の方々が多いのだろうと話を聞いて回った結果、韓国の知的な層が、SNSに影響されていることがわかりました。

こうした海外事情と、最新のウェブマーケティングの知識を持っている、相性のあう会社を探すのも手かもしれません。

在日外国人に来てもらいSNSに投稿してもらう:有料

最近、インバウンド業界で注目されているVisiting friends and relatives (VFR)をターゲットにしたプロモーションも考えてみましょう。VFRとは、訪日外国人のうち、日本に滞在している親族、友人知人の訪問を目的に来日する人たちのことをいいます。VFRは、今後の日本のインバウンドの成長に大きく貢献するとみられています。

VFRのホスト側の在日外国人が、おもてなしのために飲食店に行ったり、観光地を訪れたりします。この消費をねらうのです。在日外国人の方々にお店に来てもらい、SNSに投稿してもらえば、「このレストランに行きたい!」「この観光地に行きたい!」と思ってくれるかもしれないのです。

各国の媒体&メディアに出稿する:有料

訪日外国人を対象とした各種メディアに出てみましょう。japan guide com は、訪日外国人がまず最初に訪れるサイトといわれています。

月間のPVは、800万~1000万で、20年の歴史があり、日本を英語で紹介するサイトとして世界的に知名度があります。リピーターの利用が6割です。

このほかにも、SAVOR JAPAN(外国人観光客向けのグルメサイト)、日本ちゃん(訪日中国人向けチャットコンシェルジュ)、暢遊日本APP、ANA SELECT(訪日中国人向けメディア)、Wanderlist Japan(インバウンド動画メディア)、フードダイバーシティ(ハラル、ベジタリアンなど食の禁忌対応に特化したメディア)、Japan Made(訪日タイ人向け、日本のものづくり紹介メディア)など、日本を旅する世界の外国人に向けて、さまざまなメディアが展開しています。

まずは無料で始められるところからやってみよう

オリンピックに向けて、インバウンド集客のプロモーションは待ったなし、です。いま、世界じゅうで訪日を計画している外国人の方々に向けて、まずは無料で始められることから着手してみましょう。

株式会社アットグローバルでは、なにかと中国語が必要となってくる「小紅書」(RED)の出店サポートサービスも行っています。お気軽にご相談ください。

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