アフターコロナにおいては「中東富裕層」の誘致を目指そう!

インバウンド需要

はじめに

今後のインバウンドは、外国人富裕層の誘致がポイントの一つと言われています。実際、日本政府も「2030年に訪日外国人旅行者数6000万人、訪日外国人旅行消費額15兆円」の目標を掲げ、富裕層の確保に力を入れ始めています。

アフターコロナ、ウィズコロナにおけるインバウンド復活のカギとなるのが中東からの訪日旅行者です。ここでは、中東の富裕層に向けたインバウンドについて考えてみましょう。

中東の人たちが望む海外旅行は?

人気の旅行先は?

中東のなかで所得が高く、人・モノ・お金が最も流通するUAE(アラブ首長国連邦)は、訪日旅行者数がサウジアラビアに次いで多い国です。海外旅行に行く富裕層がとても多く、その頻度も高くなっています。ここでは、UAEの例を取り上げます。

UAEの人たちの人気旅行先は、オマーンやサウジアラビアなど近隣国が一番多いのですが、ヨーロッパでは英国・フランス・スイス・イタリアの人気が高く、アジア圏ではタイやマレーシアの人気が高くなっています。

出典:JNTO

中東の人たちの訪日意向はどうか?

日本への旅行者数はどのくらい?

中東地域からの訪日旅行者数は、2019年に約9万5千人となりました。そのうちGCC6カ国(サウジアラビア・UAE・クウェート・カタール・オマーン・バーレーン)からの訪日者数は約2万9千人と、コロナ禍に入る前は過去最高数を更新しました。

訪日旅行者は、サウジアラビアとUAEで70%を占めています。なかでも、サウジアラビアは2018年からの伸びが28%増と、著しい増加がみられました。世界の他の国と比べると訪日者数は多いとは言えませんが、欧米以外の新たな訪問先として日本に高い関心を寄せていることは間違いありません。

実際、GCCから訪日した人たちの目的は観光がトップです。
下記のグラフから分かるように、2010年で観光目的だった人は全体の約半分でしたが、2019年は75%の人たちが観光目的で訪れています。この伸びからみても、日本観光に関心が高まっていることが明らかです。

出典:JNTO

中東富裕層の旅行の特徴は?

ここではUAEの例をあげます。富裕層の旅行の特徴の一つは、10日~1ヶ月の長期旅行をするということです。家族と使用人を含む10人ほどの大人数で、コネクティングルームやスイートルームなどを利用し、快適でラグジュアリーな旅行を楽しみます。

また、高級ブランド品を購入します。富裕層ならではの高い購買力で、東京や大阪など大都市の百貨店での貴金属や高級ブランド品の購入を楽しみます。

ホテルでの宿泊・レストランでの飲食・ショッピングなどを含め、渡航滞在費の単価が高いことが富裕層の旅行の最大の特徴です。今後の日本のインバウンド復興のためにも、中東諸国からのお客様の誘致は期待が高いと言えるでしょう!

出典:JNTO

なぜ中東富裕層を誘致するか?

ずばり、中東富裕層の一回の海外旅行にかける金額が高額だからです。GCC6カ国の人口はそれほど多くありませんが、富裕層の誘致は日本の観光業の活性につながります。

上記でも述べたように、中東富裕層の旅行スタイルは大人数で長期間、高級ホテルに滞在し、ラグジュアリー感を楽しみます。実際、中東からの訪日旅行者は、訪日旅行客の平均消費支出の4倍ほどの金額を消費しています。

また、UAEの初任給は1000万円以上と言われています。そんな国の富裕層の人たちが旅行で使う金額は、世界の中でトップであることは間違いありません。

GCC6カ国には「親日家」が多いと言われています。今後も引き続き、日本に関心を向けてもらいたいものです。そのためには、魅力的にPR活動をすることが重要です。まだまだ日本の観光地や日本文化に関する情報量が少ないようですので、今後は中東に向けて日本の情報を発信していきましょう。日本の魅力をアピールするなら、もっと多くの富裕層の誘致が実現するでしょう。

UAEのドバイでは訪日観光セミナーや、「アラブ・トラベル・マーケット2019」の日本ブースが設置されたりして、日本を中東にアピールする動きが出始めています。多くの中東の人たちは日本に「漠然としたイメージ」しかなかったかもしれませんが、こういったPR活動によって「ぜひ行ってみたい」魅力的な国として具体的に思い描いてもらえるようになるはずです。今後に期待しましょう!

まとめ

中東は日本から遠い国です。日本に来たら、文化の違いにびっくりしたり、すごく新鮮に感じてくれることでしょう。富裕層の旅行消費額は大きいので、中東市場のポテンシャルは非常に高いのです。今から中東のお客様を受け入れる準備を始めていきましょう!

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