アフターコロナにおける四国のインバウンド戦略(後編)

インバウンド需要

はじめに

アフターコロナにおける四国地方のインバウンド戦略(前編)では、インバウンドの現状と富裕層に来てもらうことの大切さを解説しました。後編では、そのために必要な6つのポイントを考えてみます。

富裕層に求められる6つのポイント

富裕層は一般の旅行者に比べて、旅行の内容に “特別感” を求めています。そして旅行プランを自由に “カスタマイズ” できること、“プライバシー” の確保を重視する傾向にあります。

富裕層は、費用がかかっても旅行に求めている要素があります。では、そのポイントを見てみることにしましょう。

出典:日本政策投資銀行

1・本物体験

富裕層は、旅行で訪れた国の伝統、芸術、食事の分野で “本物” を体験したいと思っています。また、専門家が持つ特別の技術を見たり、学んだりすることを望んでいます。質の高いもの、本物の体験を望んでいます。

例えば陶芸体験にしても、一般的な陶芸体験ではなく、人間国宝やその土地の第一人者から直接レクチャーを受ける機会を望みます。そして、そのために高額な費用を払うことを惜しみません。

2・独自性

富裕層は、旅行に “独自性” を求めます。一般的には知られていない、特別で独自性のある体験を望んでいます。ユニークで、そこでしか体験できないものに醍醐味を感じ、学び、視野を広げたいと思っています。その実現のためには、必要な手段と安全を確保します。

例えば、四国のしまなみ海道のサイクリングロードを走る際には「貸し切りハイヤー」を並走させ、疲れたらハイヤーに乗り換えられるようにしています。四国八十八箇所をめぐるお遍路さんの体験などにも、必ず専属のガイドをつけます。そのようにして、安全で快適に旅行を楽しむ手段を確保します。

3・ローカル

富裕層は、“ローカル” な旅行を好む人たちが多くいます。その土地の人と触れ合い、その土地独特の文化を知ることを楽しみにしています。東京や京都といった超有名な観光地というよりは、あまり知られていないローカルな場所を訪れて、その土地の文化や人々と触れ合うことを望んでいます。

例えば、宿坊への宿泊、寺社での禅や瞑想体験、山村集落を地元の人と巡るツアーへの参加などを希望しています。

4・快適さ

富裕層の旅行者すべてが、1泊100万円のような超高級ホテルのスイートルームを望んでいるわけではありません。とはいえ、“快適さ” は重要なポイントです。部屋の広さ、清潔さ、団体旅行客が少ないことなどは重要な要素です。ホテルのスタッフが提供するサービスにも相応のレベルが求められます。

魅力的で快適な宿に泊まり、旅のハイライトとすることを望んでいます。ローカル体験で宿坊に泊まることも楽しみますが、宿坊とはいえ、部屋にバス・トイレ完備、清潔で快適、質の高いサービス提供は必須条件です。

快適な旅行を可能にするのは、くつろげるプライベートな空間、ホスピタリティのあるサービス、食へのこだわり(質)が高いことです。こういった一流のサービスを富裕層は望んでいます。

5・柔軟性

スケジュールの “柔軟性” があることも大切にします。個人的な興味・関心に合うように、旅程のすべてをカスタマイズするのです。自分にとって興味がないものはプランから外し、日時の変更などがスムーズにできることを望んでいます。

そのため、公共交通機関よりも、貸し切りハイヤーやタクシーなどを活用することが多いのが特徴です。

6・プライバシー

富裕層は “プライバシー” を重視しています。自分たちだけ、自分たちだけのペース、自分たちだけの空間を大事にします。そのため、喧噪から離れたロケーションや、団体客の少ない施設、充分な広さの客室などの需要があります。自分たちだけで楽しめる自由なプラン、快適空間、特別な体験。それらをを叶えてくれる旅行であれば、富裕層の人たちの目に留まることでしょう。

まとめ

地方のインバウンド活性化のために、「富裕層」を誘致するための6つのポイントを概観しました。これらの要素は四国に限らず、日本全国の地方にあてはめられるものです。今後、富裕層誘致のためにぜひ活用していただきたいと思います。

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