コロナ禍でのベトナムのフードデリバリー事情【2020年版】
コンテンツ一覧
はじめに
ベトナムでは、新型コロナウイルスの影響で外出が難しくなったため、「フードデリバリー」の利用者が増加しています。日本でもよく見かけるようになりましたね。Q&ME社が2020年4月にHCM(ホーチミン)とハノイで実施した調査結果をもとに、現在のベトナムのフードデリバリー事情を紹介していきます。
コロナ禍のもとで
ベトナムでフードデリバリーを「利用したことがある」と答えている人は、全体の75%もいます。フードデリバリーは、ベトナム人の生活に浸透しているサービスとなっています。そして、フードデリバリーを利用したことがあると答えた人のうち24%の人が、新型コロナウイルス後に初めて利用したとのことです。自由に外出できない状況下で、フードデリバリーの便利さに気がついた人が多いということですね。
フードデリバリーの利用頻度については、「大幅に増えた」または「増えた」という人が70%もいる一方で、「変わらなかった」という人が15%、「少し減った」または「大幅に減った」という人が15%いるという結果が出ています。どのような理由で、フードデリバリーの利用を避けているのでしょうか?
注文しない人の心理
ベトナムの全体の25%の人は、フードデリバリーのサービスを利用していません。その理由として「自炊できる」が66%、「食品の品質に不安」が28%、「配送料が高い」が17%、「配達時間がかかる」また「料金が高い」が14%、このような回答が挙げられています。自炊ができる人は、デリバリーサービスの必要性を感じないでしょう。ですが、食品の質、配達時間、料金設定などは、改善の余地がある問題といえます。
注文方法は地域差がある!
フードデリバリーの注文で最も利用されているのはデリバリー用のアプリで、利用者は78%もいます。次いでSNS、電話と続いています。
HCM(ホーチミン)もハノイもアプリの利用者がほとんどですが、興味深いことに、ハノイでは電話やSNSを使って注文する人が結構いるようです。どうやら地域差が大きいようですね。
アプリで注文する理由
アプリを使って注文する理由は、「買いに行く時間の節約」が61%、「コロナ対策」が58%、「メニューが豊富」が51%、「割引がある」が50%、「配達時間が速い」が46%、「外出が面倒くさい」が43%と続いています。時間の節約やコロナ対策というのは、もっともな理由です。アプリでは、簡単にメニューを検索出来ますし、割引キャンペーンをしているお店を見ることができますから、とても便利です。
どのアプリを使って注文していますか?
最も多く利用されているのが「GrabFood」で79%、次に「Now」で56%、3番目が「GoFood」で41%という結果が出ています。
週何回デリバリーを注文していますか?
全体の79%が週1回以上注文しています。内訳は、「週1,2回」が26%、「週3,4回」が同じく26%、「週5,6回」が14%、「毎日」が7%となっています。驚くべきことに「1日2回以上」注文している人が6%います。フードデリバリーは、ベトナム人の生活に不可欠な存在となっているようです。
オーダーするのは朝食?ランチ?夕食?意外な結果
51%が「ランチ」と「ティータイム」に注文しています。「夕食」が43%、そして「自分がお腹がすいた時」と答えている人が26%もいます。自分の好きな時に、自分の必要な時に利用しているようです。確かに、お腹が空いた時に配達してもらえるのは、ありがたいサービスですね。
アプリに満足していますか?不満な点がありますか?
全体の80%がアプリの利用に満足しています。配達の「スピード」、提供されている「サービス」、それぞれに満足しているとのことです。その一方で、「配送スピードが遅い」とか、「配送料金が高い」という不満を感じている人もいます。この問題を解決するならば、もっと顧客を獲得できるでしょう。すでに、ベトナムではフードデリバリー利用者が多く、その便利さを知っていますので、今後は「より良いサービス」を提供していくことが鍵となるでしょう。
まとめ
経済発展が著しいベトナムですが、フードデリバリーが急成長した背景には新型コロナウイルスの影響がありました。多くの人が外出することができない状況下で、食事やドリンクを配達してもらうサービスはとても便利です。今後、ベトナムでの事業展開を計画している方にこの情報を役立てていただければ幸いです。
株式会社アットグローバルは、ベトナム人向けのオウンドメディア「wappuri」も展開しています。ベトナムでの市場調査・事業展開を考えている場合は、ぜひご相談下さい。