インバウンド再開!東北に外国人観光客を呼び込むために
はじめに
インバウンドが再開の動きを見せています。
まずは、ツアー旅行から始まるようですが、多くの外国人が日本への観光旅行をとても楽しみにしています。
外国人に人気の観光地と言えば、北海道・沖縄・京都・大阪・富士山などがメジャーですが、日本には魅力的な場所がまだまだたくさんあります。
その中で、東北地方の観光地に注目してみました。外国人観光客に東北地方へ足を運んでもらうためにはどうすればいいでしょうか?
日本投資政策銀行の作成したレポートからヒントを探ります。
アンケートの概要
2021年10月に、インターネットによるアンケート調査が行われました。
対象国は、韓国、中国(北京と上海在住者のみが対象)、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランスの12か国です。
この調査は、上記12か国の人たちの旅行に対する嗜好の変化、訪日経験の有無によるニーズの変化を把握するために、2012年から継続して行われているものです。
新型コロナの影響が長引いたことで、人々の意識に変化があったかどうかを知ることができます。
対象者は、20歳~59歳の男女で、海外旅行に行ったことのある人たちです。
有効回答件数は、対象地域に住む6294人で、2931人の訪日経験者を含みます。
訪日経験者のうち、東北訪問経験者は334人でした。では、東北訪問希望者は?というと、約3倍の918人が行ってみたいと思っています。
日本人でも東北についてあまり知らない、行ったことがない、あまりメジャーなイメージがないという人もいますが、行ってみたいという外国人が思った
日本への旅行人気がナンバー1
海外旅行で人気の旅行先はどこでしょうか?
「出典:日本投資政策銀行」
このグラフからもわかる通り、日本がだんとつ人気ナンバー1です。
アジア圏の人も欧米豪の人も共に、日本へ旅行したいと思っています。これはコロナ感染拡大前の2020年から変わっていません。
人気の旅行先の2位は「韓国」ですが、グラフの数字を見ると大幅に差があることがわかります。
韓国とフランスは、それぞれハワイとアメリカを1位にあげていますが、2位はやはり日本です。
感染症の影響で、海外旅行の需要が大きく下がりましたが、それでも日本への興味が変わっていないことがわかります。インバウンド再開に向けて、日本訪問への期待を高めてくれているのであれば、とてもうれしいことですし、是非とも日本の魅力を存分に味わっていってほしいと思います。
旅行する時には、ある程度の感染対策が必須になりますが、工夫しながら一人でも多くの外国人が日本を楽しんでくれたらいいですね。
世界の人々は「東北」をどれだけ知っている?
では、世界の人々は「東北」をどれくらい知っているのでしょうか?東北地方に対する認知度はどれくらいでしょうか?
「出典:日本投資政策銀行」
やはり、日本の観光地で良く知られているのは、北海道、九州、関西です。そして、訪問意欲がある地域も同じです。
東北地方は、北陸地方と共に下位にはありますが、全く知られていない訳ではありません。アジア圏の人々は意外と知っていますし、訪問意欲もあります。
では、東北地方のどの都市の認知度が高いでしょうか。
1位は「福島」です。おそらく2011年の震災の時に、福島の知名度が上がったのでしょう。当時は、放射能汚染の負のイメージが大きかったかもしれませんが、「福島」という地名の認知度が上がったのは間違いないでしょう。
2位は仙台/松島、3位は青森です。
仙台は東北地方の中では大都市なので、外国人にとって旅行しやすい場所かもしれません。歴史的な観光地もありますし、美しい風景、牛タンなど人々を魅了するものがたくさんあります。
特に、「台湾」における「青森」の認知度は高いようです。「台湾」は青森りんごの最大輸出国の1つで、現地で最高級品としての評価を受けていることが、認知度の高い理由と言えます。
では、東北地方の訪問希望都市はどこが人気でしょうか?
青森、福島、仙台と続きます。「福島」への訪問意欲は、「タイ」の割合が高いです。理由としてあげられるのは、タイからの観光客向けに開設されたFacebookの「We Love Fukushima」、また2020年東京オリンピック・パラリンピックホストタウンの活動などの現地向け観光プロモーションが功を奏したと言えます。
下のグラフからもわかるように、日本の他の都市に比べると、東北地方の認知度・訪問意欲はそれほど高くはありません。今後、外国人観光客に、どのようにアピールしていくかが大きな鍵になります。
「出典:日本投資政策銀行」
北海道と組み合わせると東北の人気がアップするかも?!
では、東北地方を訪問してもらうために、どんなアプローチができるでしょうか?
東北訪問希望者の、東北以外の訪問希望地域は、「関西(62.1%)」、「北海道(61.9%)」、「東海(59.6%)」の順になっています。
そして、東北地方を訪問したことのある旅行者は、その前後に「北海道」に滞在していた人が多いことがわかりました。
ですから、東北・北海道を組み合わせた周遊旅行は、外国人旅行者にとって魅力的なプランになるかもしれません。
東北訪問経験者の、東北再訪希望率は、アジア圏、欧米豪共に6割を超え、東北地方に対する好感度が高いことがわかります。
「北海道」をはじめとする他の地域と上手に組み合わせて、まずは東北地方に足を運んでもらい、東北の魅力を味わってもらうのはどうでしょうか。そのためには、SNSを使った情報発信、インターネットによる検索のしやすさ、東北の魅力の拡散、外国人旅行者にとって移動しやすい交通手段、多言語看板の設置など、取り組める課題はいろいろあります。
東北地方での楽しかった経験が、日本にまた来たい、また東北地方に行ってみたいというリピーターにつなげることができるかもしれませんね。
まとめ
テレビやインターネットでは、東北の魅力をよく見聞きするのですが、私自身もあまり足を運んだことがありません。興味はあるのですが、なにかきっかけがあれば是非、訪ねてみたい場所です。
歴史的な街並み、おいしい食べ物、美しい風景など惹きつけるものはたくさんあります。いくつかの都市とタイアップして、魅力的なツアーがあれば、外国人観光客は安心して楽しめるのではないでしょうか?
インバウンド再開に向けて、日本旅行を楽しみにしている外国人がたくさんいます。期待に応えられるような魅力的なプランを準備できたらいいですね。
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