間違った「外国語表記」を正そう!

はじめに

入国管理局が発表した「在留外国人統計」(2021年7月公開2020年12月のデータ)によると、日本に住んでいる外国人の総数は288万7116人です。統計によると、新型コロナウィルス感染症の影響によって在留外国人の数は前年末と比べて減少しています。

しかし、今後はコロナの流行も落ち着き、各国の渡航制限が緩和されるでしょう。インバウンドが再開すると、また大勢の外国人旅行者が日本を訪れることが予想されます。また、留学、実習、就職などの中・長期の外国人在留者の数が増えることも予測されます。

日本語が堪能な外国人も少なくありません。ですが、日本語の能力の面で限られている人たちも多く、日常生活における日本語でのコミュニケーションに困ることも多いようです。今回は、外国人向けの「外国語表記」の大切さを考えていきましょう。

おかしな誤訳例

外国のSNSなどでは、日本の「多言語表記」の誤訳が面白がられています。ここでは中国語の例を取り上げてみましょう。

「子持ちこんにゃく」

sohu.comより

日本語「子持ちこんにゃく」→  中国語 「有孩子魔芋」と訳されています。

「子持ちこんにゃく」とは、​​魚卵が練り込まれたこんにゃくのことです。これをそのまま中国語に直訳しているので、「子供がいるこんにゃく」という意味になっています。これでは “親のこんにゃく” のようですので、中国人は大爆笑です。

「白米」

sohu.comより

日本語「白米」→ 中国語「白开水」と訳されています。

中国語「白开水」は「白湯(さゆ)」のことで、決して「お米」のことではありません。意味が全く違っています。

「仮設トイレ」

日本語「仮設トイレ」→ 中国語「假设洗手间」と訳されています。

中国語で「假设洗手间」と訳してしまうと、「架空のトイレ」の意味になります。中国人がこの訳を見ると、「本当にトイレが存在するの?しないの?」と大笑いしてしまうでしょう。

「きれい」

日本語「きれいにトイレを使用してください」→ 中国語「请漂亮地使用厕所」と訳されています。

これは中国語の文法もおかしいのですが、ここで問題なのは「漂亮(ピャオリャン)」という語です。これは、姿形の美しさを表す「きれい」であって、日本語の “清潔さ” を表す「きれい」ではありません。この訳では、「美しく、華麗にトイレを使ってください」と言われているように感じますので、苦笑されてしまいます。

過去の記事でも、おかしな誤訳のことを取り上げていますので、どうぞご覧ください。

なぜおかしな誤訳が生じてしまうのか

では、なぜおかしな外国語案内が発生してしまうのでしょう?

1つの理由としては、「意味が通じればいい」という感覚で、インターネットの「翻訳ツール」で済ませていることが多いからです。「翻訳ツール」の翻訳文をそのままコピーして使うと、残念ながら「意味も通じない」おかしな外国語表記になってしまうかもしれません。

2つ目の理由としては、「ネイティブチェック」をしていないことが挙げられます。インターネットの「翻訳ツール」を使用した場合でも、ネイティブチェックをしていれば、翻訳のおかしな部分を正すことができます。ネイティブチェックというステップは省略されがちですが、翻訳の正確さを保つために非常に重要な過程です。

今後の「外国語表記」に求められること

インターネットにはさまざまな「翻訳ツール」があり、とても手軽に使うことができます。ですが、「翻訳ツール」からのコピー&ペーストだけで済ませてしまうと、恥ずかしいミスが起きてしまいかねません。特にビジネスの世界では、顧客への配慮不足やブランドイメージ低下など、信用問題にかかわります。単に「誤訳でした」と笑い話として済ませることはできません。たとえ提供する製品やサービスは良くても、誤訳による誤解が原因でビジネスチャンスや重要な顧客を失ってしまったら大変です。

年々、コンピューターによる「機械翻訳」の精度は上がっています。機械翻訳による外国語翻訳の正確性も、ますます上がってゆくでしょう。しかし、文脈を理解したうえで省略された主語を適切に補うこと、外国の文化や背景、現地の最新情報を把握した上で正確な翻訳を行うとなると、機械翻訳では限界があります。やはり、その点では、専門家である「翻訳者」の力が必要です。

翻訳スピードやコストも大切な要素ではありますが、翻訳においては「正確さ」が最も重要です。「翻訳ツール」だけを頼りにしていては、誤訳・おかしなミスが起きてしまいます。そのような事態を避けるために、「翻訳ツール」と「翻訳者」(翻訳会社)の使い分けが重要です。そして特に必要とされるのが、ネイティブによるチェックです。

今後は、多くの訪日外国人に笑われないような、正確な「外国語表記」を目標としましょう。

まとめ

今回は、おかしな誤訳例を見ながら、正確な外国語表記の大切さについて取り上げました。

アフターコロナを見据えて、今から「多言語表記」の準備を整えておきましょう。今後、大勢の訪日外国人旅行者や中・長期外国人在留者が増加するでしょう。外国語翻訳は「翻訳ツール」だけに頼るのではなく、専門の翻訳者とネイティブによるチェックをしっかり行って、正確な外国語表記を目指しましょう。

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