ウィズコロナ時代は「アドベンチャーツーリズム」を!

はじめに

アフターコロナの新たなインバウンドとして期待されている「アドベンチャーツーリズム」。

コロナ禍で観光業界の業績は落ち込んでしまいましたが、アフターコロナでの新たな施策でまた活気を取り戻せるのでしょうか?

地域創生にも貢献可能であることから積極的に打ち出されている、この新しいツーリズム、「アドベンチャーツーリズム」について取り上げます。

「アドベンチャーツーリズム」とは?

観光庁のHPによると、「アドベンチャーツーリズム」とは、自然、アクティビティ、文化体験の3つの要素のうち2つ以上を組み合わせて構成される旅行を指します。

訪日客に日本の本質な良さを深く体験・体感してもらうために、地域それぞれの自然環境や地域のありのままの文化など、日本の豊富な地域資源を観光コンテンツとして活用しようとする取り組みです。

「アドベンチャーツーリズム」に参加する旅行者は、旅行を通じ自身の変化や視野の拡大、学びを得ることなどを目的としています。

「アドベンチャーツーリズム」を通じて、今まで知らなかった日本の地域をよく知り、その地域の人々と深く交流する、その地域ならではの体験をすることができ、新たな発見や気づきを得ることができるでしょう。

なぜ「アドベンチャーツーリズム」が期待されているのか?

アフターコロナの状況下において「アドベンチャーツーリズム」が期待されるのにはどのような背景があるのかを見てみましょう。

アフターコロナの旅行者のニーズ

アフターコロナ、ウィズコロナでは、旅行形態においても密集を避けることが求められます。

そこで、日本国内の豊富な地域資源を活用し、自然体験型のアクティビティや地域の文化体験を軸に多様なコンテンツを用意する「アドベンチャーツーリズム」によって、これまでのスタイルのような同じ観光地に多くの人が集中することを避け、観光資源と人を分散させることができます。

さらに、観光客がさまざまな地域を訪れることで生まれる地方経済への貢献も期待でき、社会や自然に貢献したい人々の欲求を満たすなど、多様な効果を期待できるのが「アドベンチャーツーリズム」です。

アドベンチャーツーリズムの魅力

アドベンチャーツーリズムは、旅行者自らがその土地を見て歩き、その地域ならではの歴史や文化に直接触れられることが魅力であり、これまでの観光旅行とは一線を画して注目が集まっています。

見て、聴いて、触って、食べてといった五感のすべてを駆使した体験を可能にするのがアドベンチャーツーリズム。
ハイキングやトレッキング、サイクリングなどのアウトドア体験だけでなく、地方ならではの歴史文化や生態系を斬新でユニークな試みによって肌で感じてもらうことを主眼としています。

見たことのない景色や初めての体験を通して、新しい自分を発見できるかもしれないといった旅行者の期待に応えるのもアドベンチャーツーリズムの醍醐味です。

自治体への貢献

アドベンチャーツーリズムを推進することによって地方創生が期待できます。

アドベンチャーツーリズムでは、これまでの旅行者のように特産物などを購入するだけにとどまらず、訪れた地域の人々や営まれる暮らしにまで旅行者が関心を持ち思い馳せることができるため、地域経済の循環と活性化を進める空き家の活用や自然環境保全など、地域課題の改善に貢献することが可能です。

観光庁が推進する「アドベンチャーツーリズム」

観光庁が積極的にアドベンチャーツーリズムを推進しています。

アフターコロナに向けた新たなインバウンド層を誘致するため、アドベンチャーツーリズムの推進を目的とした建物の改修、設備の購入等に係る事業者を対象に「観光振興事業費補助金」による支援を行っています。

それと関連して観光庁は、地域の事業者がインバウンドの専門家からアドバイスを受けられる機会を提供しています。

この取り組みは、国と地域、専門家が連携し一体となって観光資源をどのように地域の経済活性に生かせるかを検討することを目的としたものです。

採択された事業者例

出典:観光庁「採択事業一覧」

公募された「アドベンチャーツーリズム等の新たなインバウンド層の誘致のための地域の魅力再発見事業」に採択された事業者(団体)と実証事業名が公表されました。

2021年は、12団体が採択され、青森県弘前市のりんご農園や茨城県古河市の建築名園をめぐるツーリング、新潟県佐渡市の長期滞在型アドベンチャーランド事業など、地域に則した多彩で斬新なアイデアが採用されています。

アドベンチャーツーリズムは地方創生の鍵

アドベンチャーツーリズム旅行者は長期滞在の傾向にあり、旅行者1回あたりの平均消費額も高いと試算されています。

固有の自然と独自の文化が各地に点在する日本にとって、地域創生の恰好のチャンスなのです。

地方でのツアーをどのように造成するかという課題をクリアするには、以下の3つのポイントに注力することが重要だと指摘されています。

ツアー造成のポイント

  1. 一貫したコンセプトを設ける
    ツアーガイドやプレイヤーが異なっても、ツアーによって得られる体験やツアーの詳細を確実に設定しておくこと
  1. 体験のバリエーションを設ける
    自然、文化、アクティビティなど、指向の変化を織り交ぜて多種多様な体験ができるようにツアーを組むこと
  1. 全体の流れにストーリー性を持たせる
    体験者の内面の変化を考慮して、ツアーの始まりから終わりまでを物語のように構成し、最終的な満足度の向上を目指すこと

官民一体での人材育成が急務

アドベンチャーツーリズムを新たに導入するうえで重要なことは、優秀なコーディネーターの人材育成です。

日本各地での自然や文化を伝えるガイドとしての知識を備えることはもちろん、英語でのコミュニケーション能力を備えたうえで日本独自のバックグラウンドを伝えられる翻訳力、ツアーを管理するコーディネート能力など、求められるものは多岐に渡ります。

アフターコロナの旅行ニーズは、少人数でできるだけ人の少ない自然での体験を求めるようになっていきます。

日本の地方にはそれを満たせる要素がたくさんあるのは確かですが、旅行者を満足させ地方のよさを掘り起こす人材の育成には、相応の時間と投資が必要でしょう。

今後、アドベンチャーツーリズムを成功させるためには、さまざまな機関によるコーチングなどを活用し、人材を育て確保していくことが必須とされるでしょう。

まとめ

アドベンチャーツーリズムは、エコツーリズムのように自然や文化を軸としながら、さらにアクティビティをプラスして地域独自の文化と自然を体験することで、旅行者が新たな発見を見出し成長を感じることを意図するものです。

それはアフターコロナの日本にとって、観光事業の変革と地域経済への貢献が期待できる新しい旅のあり方を模索するものでもあります。

地域の資源を観光を通じて有効活用し、経済価値に結びつける画期的な取り組みだと言えるでしょう。

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