外国人は日本旅行の何に満足し、または満足していないのか?

はじめに

日本政府は、2022年6月10日から団体ツアーに限り海外からの観光客受け入れを解禁すると発表しました。海外からの入国規制が徐々に緩和され、インバウンドも徐々に再開されつつあります。

これまで訪日旅行者は日本でどんなことを楽しみ、満足してくれていたのでしょうか?もっと向上できる分野があるでしょうか?引き続き外国人旅行者に日本旅行に満足してもらえるように、JNTOの資料から、実際のところをみてみることにしましょう。

参照:JNTO (https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/r_20220502_1.pdf )

東アジアの人たちは?

出典:JNTO

東アジアの人たちは温泉、アニメ聖地、テーマパーク、伝統行事・祭体験に興味を持ち、体験した人たちの満足度が高いようです。

体験率が低かったにもかかわらず、体験後の満足度が高かったのが、ローカルフード、マーケット、野鳥、乗馬でした。

一方、興味はあったものの体験後の満足度が低かったものとして、高速列車・ローカル線、伝統工芸品、伝統芸能、歴史的な宿が挙げられています。

あまり人気がなく、体験したものの満足度が低かったものとしては、お茶・お花などの室内体験、エステ・スパ、ビーチリゾート、観光船・クルーズなどがあります。

東南アジアの人たちは?

出典:JNTO

東南アジアの人たちは温泉、アニメ聖地、高速列車・ローカル線、伝統行事・祭り体験に興味を持ち、体験した人たちの満足度が高いようです。

体験率が低かったにもかかわらず、体験後の満足度が高かったのが、伝統工芸品、庭園・花、エコツアー、風景でした。

一方、興味はあったものの体験後の満足度が低かったものとして、伝統芸能、修行・宿坊体験、電化製品、ウィンターリゾートが挙げられています。

あまり人気がなく、体験したものの満足度が低かったものとしては、お茶・お花などの室内体験、ビーチリゾート、観光船・クルーズ、動植物園などがあります。

欧米豪・インド・中東の人たちは?

出典:JNTO

欧米豪・インド・中東の人たちは、高速列車・ローカル線、伝統行事・祭体験、武道体験、庭園・花に興味を持ち、体験後の満足度も高いようです。

体験度が低かったにもかかわらず、体験後の満足度が高かったのが、健康・治療、伝統工芸品、ショー、ローカルフードでした。

一方、酒蔵訪問、農山漁村、修行・宿坊体験、伝統芸能などは興味があったものの、体験後の満足度は低いようです。

体験率が低く、体験したものの満足度が低かったものとしては、お茶・お花などの室内体験、ビーチリゾート、観光船・クルーズ、動植物園などがあります。

日本の観光で外国に追いついていないもの

出典:JNTO

日本文化、都市滞在、テーマパークなど、大概のアクティビティへの満足度は高いですが、注目するべき点として、どの地域の人たちとも共通して「お茶・お花などの室内体験」、「ビーチリゾート」、「観光船・クルーズ」にはあまり関心が高くなく滞在の満足度も低いようです。

また、このグラフから分かるように、日本以外の旅行先と比較すると、際立って「ビーチリゾート滞在」の満足度が低いようです。日本は海に囲まれた国ですが、訪日旅行で「ビーチリゾート」滞在は期待されていないというのは少し残念です。沖縄をはじめ、綺麗で魅力的なビーチが存在するので、もっとアピールする必要があるのかもしれません。

人々が旅行に求めているものは?

出典:JNTO

グラフを見ると、海外旅行の主要な目的となると回答した分野は、東アジア、東南アジア、欧米豪・インド・中東のいずれの地域でも「ガストロノミー・美食」「庭園、花鑑賞」「アートの鑑賞」が上位にきています。

アジアでは、それらに加え、「テーマパーク」や「ラグジュアリーなショッピング」等、欧米豪・インド・中東ではそれらに加え、 「建築」や「ラグジュアリーホテル」等が人気があるようです。

まとめ

訪日旅行者の感想を見てきましたが、日本食や食文化は満足度が高いようです。最近は寿司や天ぷらのような定番の日本食だけではなく、世界的な和食ブームでラーメン、焼き鳥、和牛、コンビニおにぎり、和菓子など色々なものに興味を持ってもらえているのは非常にうれしいことです。「ローカルフード」も今後推していきたいですね。

一方、ビーチリゾートやアウトドアアクティビティにはあまり関心を持ってもらえてないようです。日本にはたくさんのきれいなスポットや自然があるので、もっとPRしたり、環境を充実させてビーチリゾートやアウトドアアクティビティも楽しんでもらいたいと思います。

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