国籍別の外国人労働者数でベトナムが中国を抜いてトップに!どんな在留資格で働いている?

ベトナム

はじめに

今、日本で働いている外国人労働者数が1番多い国はどこだと思いますか?2020年の統計によると、中国を抜いてベトナムが1番多いという結果になりました。

確かに、以前はスーパーで中国人研修生が大勢で買い物をしている姿をよく見かけたものですが、今はベトナム人を見かけることが多くなりました。この記事では、日本で働くベトナム人労働者についての最新情報と、ベトナム人労働者が増えている理由について考えます。

ベトナム人労働者数は?

下の表は厚生労働省がまとめた外国人労働者数の推移を示した表です。

2009年から2020年までの外国人労働者数の統計結果を見ると、2009年はほとんどが中国人労働者で、次いでブラジル、フィリピンの労働者でした。その後、中国、ブラジル、フィリピンの労働者は大きな増加がみられないのに対し、ベトナム人の労働者は2015年頃から大きく増加しています。

2020年はベトナム人労働者が443,998人と最も多く、外国人労働者全体の25.7%でした。次いで中国が24.3%、フィリピンが10.9%という結果です。

直近の推移をみると、ベトナムは前年比で42,672人増えて10.6%増となりました。とても高い増加率です。その次がネパールで前年比8.6%増、次いでインドネシアが前年比4.0%増となっています。

出典:厚生労働省資料

ベトナム人の在留資格は何が多い?

では、どんな在留資格で滞在しているベトナム人が多いのでしょうか。

最も多いのが技能実習です。全体の49.2%を占めています。次に多いのが、資格外活動(留学等)という取得済みのビザで就労許可を申請するタイプの在留資格で、全体の30.8%です。

他にも「専門的・技術分野」の在留資格で来日しているベトナム人もいます。この在留資格は就労目的での来日が認められているビザです。「特定活動」も就労が可能です。

フィリピン人やブラジル人に多い「身分に基づく在留資格」つまり定住者(主に日系人)、永住者、日本人の配偶者という立場で滞在するベトナム人は少なく、ほとんどが就労可能な在留資格を取得して来日していることがわかります。

出典:厚生労働省資料

ベトナム人に多い在留資格について

技能実習

「技能実習生」という言葉はよく耳にしますが、「技能実習」という在留資格はどんな目的のビザなのでしょうか?

これは発展途上国への国際協力を目的としたもので、技能、技術、知識を習得することを目的としています。日本で習得した技能、技術を本国に持ち帰って活用するための制度です。このビザで招聘された外国人は、実習実施機関と雇用契約を結んで、技能を習得することができます。

入国時には技能がなくても、2号であれば3年間、3号であれば5年間で求められている技能を身に着ければよい、ということになっています。入国時に最低限の日本語教育を受けてくる必要がありますが、日本語能力要件は特にありません。

原則、転職はできないので、同じ場所で働き続ける必要があります。来日する前にある程度の情報を得ているはずですが、実際には思っていた仕事ではなかった、こんなに大変だとは思わなかった、ということもあります。

「技能実習」の在留資格では、家族を連れてくることはできません。数年であっても、支えてくれる家族と遠く離れるのはよほどの覚悟が必要でしょう。

資格外活動

資格外活動」とは留学ビザ等、働くことが認められていない在留資格で入国した外国人がアルバイトをすることです。本来の在留資格の活動を妨げない範囲で、適当とみなされる場合に許可を得ることができます。留学生の場合、学業を妨げない範囲で、週28時間以内であればアルバイトができます。夏休みなど長期休暇の時は、一日8時間まで許可されます。

ですから、コンビニなどで見かける留学生のアルバイトは「資格外活動の許可」を得なければ不法就労になってしまいます。

ベトナム人が日本で働きたい理由

以前は技能実習生の多くが中国人でした。でも、今や中国は世界第二位の経済大国となり、それなりの給料がもらえればわざわざ日本に来なくてもいい、と考える人が増えました。

それとは反対にベトナムからの労働者は増えています。ベトナム人はどうして日本で働きたいのでしょうか?

ベトナム人の平均月収は?

ベトナムの賃金事情を知るとその理由がわかります。

ベトナムの平均月収はどれくらいでしょうか?2020年の世帯生活水準調査によると、首都ハノイ市の一人当たり平均月収は約28,300円、ホーチミン郊外にあるビンズオン省がベトナム全土で最も高い平均月収なのですが、そこでも約33,000円ということがわかりました。年収に換算すると、ハノイ市で約339,600円、ビンズオン省では約396,000円です。ベトナムでも高所得者と低所得者の賃金の格差は大きく、平均月収を比べると8倍以上の違いがあります。

このように、ベトナム人が日本に来たい理由の一つは「収入」です。

日本では地域ごとに最低賃金が定められており、外国人も最低賃金以上で働くことになります。ベトナムの低所得者層の人々が得られる平均年収が約64,800円だとすると、日本で時給850円で働くと、80時間弱で良いということになります。もし1年間働くと、ベトナムでの何十年分も稼げるというわけです。

ベトナムはまだ発展途上国なので、日本との賃金格差が大きく、働くメリットが大きいといえます。

参考資料:VIET JO https://www.viet-jo.com/news/economy/210525124853.html

ベトナム人は親日

ベトナム人の日本に対する感情はどうでしょうか?

外務省が調査している各国の対日感情調査によると、「あなたの国にとって、現在重要なパートナー国はどこですか?」という質問に対して、ベトナムの半数以上の人が「日本」と答えています。

また、「最も信頼できる国はどこですか?」という問いに対しても「日本」という回答がほかの主要国より高くなっています。日本とベトナムの関係についてもほとんどの人が友好的と答えていることからも、ベトナム人は日本に対して好意的だと言えます。

ベトナム人が日本に持っているイメージの中で、「経済力・技術力が高い」「生活水準が高い」と答えた人も多いです。それで、日本に来て技術を学びたい、そのために日本に留学したい、日本語を学びたいと思っている人も多いです。学びたい、習得したいというやる気がある人が多いということでしょう。

まとめ

ベトナム人の労働者は、働く意欲があって、日本が好きで来日している人も多いことがわかりました。日本での生活を楽しみながら、収入を得たいと思っているのでしょう。

ベトナム語は聞いてもわからないと思ってしまいますが、日本に来ているベトナム人は頑張って日本語を勉強している人も多いです。以前、ドラッグストアで買い物をしていたら、たどたどしい日本語で質問してきたベトナム人がいました。日本人と友だちになりたいと思っているようでした。

ベトナム人を含め、日本で働く外国人労働者が安心して働ける環境も求められます。時々、残念なニュースを耳にしますが、受け入れる側も、働く外国人もお互いに理解し合う努力が必要です。コロナの状況が落ち着くと、きっとさらに多くのベトナム人がやってくることでしょう。迎える私たちは、彼らが日本で気持ちよく生活できるように理解を深めておくことができるかもしれませんね。

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