【事例紹介】外国人が抱える「言葉の壁」を解決する取り組み

在留外国人のためのお役立ち情報シリーズ

はじめに

地方都市の人口減少、産業の衰退といった問題は深刻です。そのため今後は、外国人労働力が必要とされていくでしょう。それに伴い、自治体や事業者は受け入れ体制を整えていかなければなりません。また、外国人が抱える特有の問題にも取り組んでゆかなければなりません。そうなると外国人が抱える問題とどう向き合えばいいのでしょうか。

福岡市の事例から学ぶ

ここでは、外国人を積極的に受け入れているグローバル都市「福岡」の取り組みから考えていきます。福岡市はでは年々在留外国人数が増加傾向にあり、2020年には過去最高人数に達しました。2020年で在留外国人数の推移(総数)は290万人を超えています。共生社会つまり外国人がより住みやすいと思える街に指せるように、自治体に寄付をして様々な活動を支持することも可能です。

参照:福岡市​​社会福祉協議会​​

こちらのホームページは主に福岡在住、及び福岡に住む外国人をサポートするために作成されたホームページです。外国人として日本で生活していく中、様々な疑問点が生じます。

それら疑問に応じた相談窓口が希望言語に合わせた通訳付きで準備されています。

相談できる分野として、

・生活や国際交流に関すること

・法律に関すること

・在留手続きに関すること

・心理カウンセリング

・医療に関すること

・日常生活に関すること

・その他

というように各分野に分かれて専門的に相談できるようになっています。

 

医療や法律に関する用語は難しく、生活に欠かせないことなので日本語が流暢出ない外国人にとっては非常に心強いサポートになっています。

相談の他に交流やイベント、語学、ボランティア、奨学金・助成金などの情報も記載されています。

参照:福岡市とかトピア国際交流財団

外国人が抱える特有の問題

外国人が日本の生活で抱える主な問題は何でしょうか。

・言葉の壁

・法制度や社会資源の不満

・日本社会からの誤解・偏見

・不就学や日本語学習の困難等、子供・家庭の教育に関する課題

・社会保険の未加入等の社会保障の問題

・不安定な雇用等の労働環境

これらが福岡市社会福祉協議会のホームページで取り上げられている問題の一例です。

日常生活の悩みについて

日常生活の悩みについて外国人にアンケートを行なった結果、このような声が寄せられました。

トップ3の悩みに注目してみると…

・税金のしくみが理解できない

・言語が通じない

・日本語以外で診療を受けられる病院が少ない

これら3つに共通する点として「言葉の壁」による問題が挙げられます。

外国人が住みやすい街とは?

外国人が住みやすい町となるのに必要なことは何でしょうか?

アンケートでは、このような要望が寄せられています。

・日本語の学習支援

・外国語がで病院等の情報を充実させること

・地域の人との交流事業がたくさんあること

「言語の壁」によって情報弱者になってしまがちです。言語が分かっていれば、情報を収集でき、サービスを受けれていたはずなのに…ということがよくあります。

日本語教室の重要性

そのようにならないように、日本語学習支援を積極的に行う必要があるでしょう。来日する人たちはいろんな夢、目標をもって来ているため、忙しく日本語学習に時間を取り分けにくい場合も少なくありません。そのため日本語教室は平日の夜間帯、もしくは土日に開催した方が参加してもらえやすいでしょう。

自治体によっては多言語の通訳ができる相談員が病院まで無料で同行してくれるサービスがあります。病院に通ったり、医療面で医者と話すのは、正確さ重視でスピーディーに専門用語を理解する必要がある為、非常に高い言語能力が必要になります。

外国人にも病状の早期発見のため、病院に通いやすくするのは住みやすい街にすることに不可欠です。

最後の地域交流も情報収集、コミュニケーションを取って地域に住む人と外国人の距離を縮める1つの方法です。

言葉の壁を乗り越える取り組み

上でも少し紹介した福岡市よかトピア国際交流財団は、​​「Fukuoka City International Foundation」というサイトを提供しています。

Fukuoka City International Foundation

このサイトは、日本語・やさしい日本語、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語の合計6か国語に対応しています。相談のところでは、法律・在留手続き・医療・生活上のルールなどについて説明していて、無料の法律相談の申し込み方が分かりやすく解説されています。

語学のところでは、留学生から学ぶ外国語教室と銘打ち、留学生が先生として交流を深めながらその国の文化や言葉を学ぶ教室があります。

興味深いことに日本語を一方的に日本に来た人たちに教えるだけではなく、その国に住む人の文化や言葉を学び、寄り添った考え方や価値観を持てるような取り組みがあることです。2021年度は8言語で11クラス開講される予定です。

開講されるクラスの言語は以下のようなものがあります。

【初級】アラビア語、韓国語、ベトナム語、インドネシア語、スペイン語、ポルトガル語、カザフ語※開講中止、中国語、モンゴル語

【中級】韓国語、中国語

講師の紹介、講座開催日程と時間、使用するテキストなど言語毎に掲載されていますので詳しくはホームページからご確認ください。

外国人向けには、日本語教室が開催されています。曜日ごとに13:00~16:00の間に開催されている教室が合計4つあり、レベルと内容でコースが分かれています。参加費も非常に安く設定されていて気軽に参加できるようになっています。また、勉強した成果を披露するためにスピーチコンテストも企画されています。

また日本語のボランティアに必要な基礎知識を学ぶ養成講座もあり、福岡市で暮らす外国人の日本語習得を支援するために参加費無料で開催されています。

情報のところでは、外国人のための生活ガイドブック、外国語情報紙、防災やルールやマナーについて取り上げられています。日本で生活するのに必要な重要手続き、医療、仕事、税金などについて日本に長く住んでいる人でも手続きが初めてだとつい戸惑ってしまいます。

そうした悩みに答えて、福岡市在住の方に向けて分野ごとに分かりやすく書かれています。また外国人と近所住民同士でよく起きる分別されないゴミ出しや騒音などをはじめとする他の生活ヒントも動画つきで分かりやすく解説されています。

最後に新型コロナウィルス感染症に関する情報と外国人専用ダイヤルが設定されています。専用ダイヤルは24時間で19言語で対応されています。

こういった、外国人目線で準備されたサイトがあれば、外国人も「言葉の壁」があっても問題を解決していけるでしょう。

まとめ

外国人が住みやすいように環境を整えてゆくことは時代の流れです。外国に暮らす人は様々な問題を抱えていますが、その大きな問題の1つである「言葉の壁」を、まず初めに解決していきましょう。

福岡市の取り組み例は、外国人受け入れを考えている自治体や企業、事業者の参考になるのではないでしょうか?今回の記事では福岡市を例に取り上げましたが、それぞれ地域特有の課題とその取り組みがあります。いろんな自治体がお互いの問題対処経験を活かしながらより外国人にとって住みやすい街にしましょう。

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