外国人職人による「SUSHI 寿司」がプロフェッショナル!

はじめに

外国人からすると日本食は以前から健康的と言うイメージがありましたが、2013年に「和食」のユネスコ無形文化遺産登録されて以来「日本の食・食文化」に対する関心は、国内外でより一層高まっています。そのような中、農林水産省は日本の食や食文化、農山漁村の魅力を国内外に発信するために、さまざまな取組みをしています。

その一環として、外国人が作る日本食にも力を入れており、特に代表的な日本食ともいえる寿司に関しては「WORLD SUSHI CUP」というコンテストを開催してます。外国人寿司職人と言っても、その出来は非常に素晴らしいものです。日本の寿司作りの技術とそれぞれの持つ独創性が生かされた作品が並びます。

今回は、このコンテストがどのようなものかをご紹介しましょう。

「WORLD SUSHI CUP」

農林水産省が主催している事業である「World Sushi Cup Japan」は、日本の寿司の正しい、正当な技術を世界に広めたいという願いの下、日本食文化と素晴らしい日本の食材を理解し、更なる「スシドリーム」に向かうチャレンジャーの参加が期待されています。

近年、参加者も多くなってきており、その海外予選会も大変な人気があります。そこで成功するならその注目度は想像以上だからです。自国で寿司のお店を開いたり、海外で寿司シェフとして働き、寿司文化を世界中に広めることもできます。

しかし、昨今はコロナ禍での開催となり、海外からの参加が難しい状況となっています。皆がコロナ収束を願う中、2020年度は日本食を海外でもっと発展させることができる外国籍の調理師と調理学校生徒から参加者が募集されてコンテストが開催されました。

オープン創作寿司コンテストの競技ルール

制限時間は40分です。内容は基本的に自由で、テーマを表現した一皿の盛り込みを仕上げます。斬新さ、質の高さ、美しさ及び美味しさが求められます。個数にぎり・巻物を含め35個以上50個以内です。飾り寿司は、1個でにぎり4個分、飾り巻きは2切れで1個とみなされます。制限時間をオーバーして作業を行うと失格になってしまいます。

器は持参で、形や数は問われません。調理技術とそのセンスを最大限に表現できるよう、飾り物を使用することも可能です。ただ、寿司の数と器のバランスも評価対象となるので、自分のテーマに合った器を選んでおくことが必要です。

調理は全て一人で行い、アシスタントをつかうことはできません。違反の場合は失格となってしまいます。仕込みから1時間以上時間のかかるマリネ等の加工した食材(ブロック等)の事前調理及び持ち込みは可能とされています。

審査の基準は、調理人として身についているべき衛生管理をはじめ、調理技術、完成度を総合して審査されます。衛生管理20点、調理技術および完成度80点の合計100点で競われ、減点項目として包丁で手を切った場合、個数不足、食品ロス(巻物のサイズ合わせ・失敗時の巻き直し、不使用食材の廃棄、不使用のにぎり制作など)があります。

※2021年度に開催された「WORLD SUSHI CUP®」は 、開催内容がご紹介したものから変更されています。

2020年コンテスト!

出典:創作寿司コンテスト

競技参加者は寿司に対する熱い心を持った、ブラジル、ペルー、フィリピン、韓国の4カ国の出身の計7名。それぞれの寿司シェフが今まで学んできた事の集大成として、個性を生かしたカラフルで斬新な創作寿司に取り組みました。時間制限があり、審査員が調理しているところに来て、衛生面や技術を採点するので、緊迫した雰囲気の中でしたが、全員が真剣な表情で自分の持つ技術とセンスを最大限に活用して自分が描いた最高の寿司を仕上げました。シェフたちの調理技術、包丁捌きは見事で、手際もとてもよかったです。自分の作りたいお寿司を思い描いてかなり準備したのでしょう。40分間で出来た盛り寿司の完成度は非常に高いものでした。

自国のアイデアを取り入れたり、季節感を出したもの、女性ならではの綺麗な飾りを取り入れたもの、魚を形作ったものなど様々な作品が揃いましたが、全体的にはとてもカラフルな感じがしました。

審査は、包丁の入れ方や丁寧さの技術面や、見た目の美しさ、安全で衛生的に作業を進めていくことが総合的に評価されて、以下の結果となりました。

3位 ブラジル人のカセミロ ダ コスタ ミッシェルさん

野菜のにぎりやブラジル国旗を思わせる飾りずしなど、和洋折衷の楽しい盛り合わせでした。木の皿がお寿司のイメージを引き立てていました。

2位 ブラジル人のサイトー サンドラ マリさん

女性らしい飾り付けでカラフルで綺麗な印象を受けました。魚の形をしたお寿司、花なども飾られていて見ていても楽しめるお寿司でした。

1位 韓国人のリー サンヨンさん

評価の通り、ひとつひとつのお寿司が綺麗に作られていて、美味しそうで、盛りも大変美しかったです。15年前からお寿司の修行をし、現在は日本の寿司屋で働いているそうで、流石、と言う感じがしました。

おわりに

ここでは、「WORLD SUSHI CUP」という寿司職人コンテストについてご紹介しました。

日本の「SUSHI」は今や世界にかなり広まっていて、海外に旅行に行くとあちこちでSUSHIレストランを見かけるようになりました。その地域で手に入る食材を使った独自の寿司も多く見られます。

アボカドロールのような美味しいものも沢山ありますが、日本人としては、日本の美しく美味しい寿司を知った上で、アレンジを加えて欲しいと思いますね。これからも、お寿司をはじめ、日本の美しくておいしい日本食が世界に広まっていくことを期待したいものです。

翻訳市場調査などの「外国語サポート」が必要な方は、
ぜひ「アットグローバル」にご相談ください。
見積もりやご相談は完全に無料です。こちら からどうぞ!