インバウンド再開へ!海外と東京の取り組みをご紹介
新型コロナウイルスの影響で観光業界は大打撃を受けてしまいました。しかし、各国でワクチンの接種が進んだこともあり、徐々にインバウンドの再開が視野に入れられ始めています。
今後のインバウンド事情に取り残されないためにも、今どのような取り組みがなされているか見ていきましょう。
ハワイ
ハワイ州観光局公式ポータルサイト「allhawaii (オールハワイ)」では、日本向けに様々な情報発信を行っています。そんな情報コンテンツの一つとして、「おうちでハワイ」という取り組みを行っています。
「おうちでハワイ」は新型コロナウィルスの影響で来布が難しい現状でも、自宅でハワイの魅力や楽しさを体感出来るようにと考えられた施策。以下の7つのカテゴリーが用意されており、目的に応じて楽しむことが出来ます。
- バーチャルハワイ:オアフ島やハワイ島などの水中、空、陸のバーチャル映像を配信
- 癒やしのハワイ:ハワイの絶景とともにハワイの自然音を用いたヒーリングミュージックを配信
- 音楽でハワイ:ハワイアンミュージックなどの伝統音楽のオンラインコンサートを展開
- 学ぶハワイ:「アロハプログラム」と連動した学習プログラムでハワイの様々な知識を提供
- 読み物ハワイ:ハワイ州観光局が制作したガイドブックや、ハワイメディアの特集・最新情報の電子書籍を配信
- 映画でハワイ:ハワイで撮影されたおすすめ映画を、映画コメンテーターのLiLiCoさんのコメント付きで紹介
- 家族でハワイ:ハワイ在住アーティストの塗り絵や、ワイキキ水族館のお絵かきレッスンなどを提供
SNSを上手く活用
ハワイ州観光は、SNSを活用したインバウンドの取り組みを行っています。たとえば、2021年にYouTubeで公開された動画「マラマハワイ」は現在270万回再生を記録するなど、非常に人気を博しています。(2022年3月時点)
オーストラリア
昨年7月には観光大臣が来日してポストコロナに向けた自由渡航について協議を行うなど、インバウンド再開へ向けた取り組みが進むオーストラリア。オーストラリア政府観光局でもインバウンド再開に向け、日本向けの情報発信の取り組みを続けています。
オーストラリアと言えば豊かな自然、そしてきれいな海がもたらす海鮮グルメなどが人気です。この強みを生かすPRを公式ウェブサイトで数多く発信しています。
例えば、「オーストラリアのとっておきビーチ」として、「ビボンヌ・ベイ・ビーチ」や「ホワイトヘブン・ビーチ」、「ワイングラス・ベイ」などといったオーストラリアの美しいビーチを紹介しています。
また、「オーストラリアのとっておきのレストラン」として、「ルル・ラ・デリツィア(Lulu La Delizia)」や「ピー・ウィーズ・アット・ザ・ポイント(Pee Wee’s at the Point)」などといった人気のレストランのほか、日本料理との融合を図る「ショーボーショ(Shobosho)」などといったレストランなども紹介しています。
そのほか、「健康と安全に関する情報」や「野生動物体験で配慮すべきこと」など、現地を旅行する際に知っておきたい情報なども発信しています。
「8Dエスケープ」の動画が人気
オーストラリア観光局もYouTubeでインバウンド対策の動画を公開しています。公開されている動画は数十万~数百万回も再生されているものも多く、中には3000万回近い再生回数を記録する動画もあります。
人気の動画の多くは「8Dエスケープ」と呼ばれる革新的な立体音響オーディオ技術が使われています。360度から音が聞こえる立体音響の力により、オーストラリアの雄大な自然風景の迫力を鮮明かつ強烈に視聴者に伝えます。この技術をインバウンドに活用した観光局はオーストラリアが世界初。
オーストラリア観光局の成功を追って、各国でもインバウンドに取り入れるかどうか注目が集まっています。
東京の取り組みは?
私たちの「日本」ではどのような取り組みをしているのでしょうか。今回は一例として東京の例をご紹介します。
SNSの取り組み
東京はSNSを活用して、実際に訪れなくても東京を楽しめるようなコンテンツを発信しています。
たとえば、東京都はInstagramと手を組み2019年~2020年にかけて「#MY TOKYO IS _____」というキャンペーンを実施。『東京は、あなたの目にどう映る?』をテーマに、「とっておきの日本の景色」をInstagramで公募しました。投稿された作品はオンライントークイベント「MY TOKYO IS _ VIRTUAL EXHIBITION 2020」でお披露目され、このライブ動画はアーカイブとしても公開されました。
そのほか、桜の名所としても知られる目黒川の様子を写した美しい動画や、大人の雰囲気が漂う銀座コリドー街の写真など、東京の美しい風景を切り取った動画・写真を公開することで魅力の発信も行っています。
海外向けのメールマガジン「TOKYO NOW」
「TOKYO NOW」は主に欧米豪に向けた東京の最新情報を配信しているメールマガジンです。TOKYO NOWの中の「GO TOKYO」では、東京のポピュラーな情報から、地元の人か知るディープな情報まで幅広く掲載しています。
旅行者にありがたいのが「東京イベントカレンダー」です。各月ごとの東京のおすすめ観光スポットを紹介しているだけでなく、テーマを選択して自分好みのスポットを見つけることもできます。
また、GO TOKYOはYouTubeチャンネルも運営しており、多言語で東京の魅力を発信しています。
まとめ
今回は各国のインバウンド再開に向けた取り組みをご紹介しました。コロナ禍で実際に場所を用意して人を集めるインバウンド活動がなかなかできない中、各国がSNSを活用しているというのが印象的です。この流れは今後さらに加速し続けることが予想されます。
「アナログ」「ガラパゴス」と揶揄されることの多い日本が世界に取り残されないかどうか、ぜひ今後も注視していきましょう。