インバウンド婚で地方を挙式スポットに!外国人が感じる日本ウェディングの魅力とは

2022年8月15日

はじめに

結婚式を挙げる場所として、日本への注目が集まってきています。日本独自の文化に則り和装での結婚セレモニーを行う「和婚」に魅力を感じる外国人から熱い視線を向けられているのです。

和婚そして外国人が日本で挙式することを指す「インバウンド婚」のトレンド化は、大きなビジネスチャンスです。この記事では、外国人が感じるインバウンド婚や和婚の魅力、そしてビジネスとして成功するために必要なこととは何かを解説していきます。

​​​​「和婚」がクール!外国人にブームが起きている理由

2022年、インドにおいて若年層カップルに日本が「一番行きたい国」に選ばれたのはご存じでしょうか?

インドに限らず、個性的な日本独自の文化に魅せられ着物を着て結婚式を挙げたい、という外国人が増えています。そうした要望に応えたサービスも生まれています。例えば、外国人向けに日本文化体験を提供しているMAIKOYAでは、白無垢や伝統的な日本の結婚装束に身を包むフォトウェディングサービスを行っています。

なぜ和婚の人気が高まってきているのでしょうか。

日本の文化が特別感を演出

結婚式は人生で数少ない貴重なイベントのひとつです。だからこそ、他にはない特別な雰囲気でしたいもの。日本独自の文化は、そうした行事を彩るにふさわしいものと捉えてもらえているようです。

同時に、招待客にも特別な体験を共有してもらうことで、より一層思い出深い式になることを期待しています。具体的には鏡開きや日本酒、抹茶をたててふるまうなど。これらは、どれも日本独自の文化で生み出されたものです。和婚を求める外国人は、このような日本の文化を人生の一大イベントで活用したいと考えているのです。

また、欧米のカップルで多いのが「バウリニューアル」という行事。バウリニューアルとは、結婚記念日や家族の節目に新たに互いの愛を誓い合うというセレモニーのことをいいます。このバウリニューアルで「再」結婚をする際に、インバウンド婚や和婚を選択するケースも多いようです。

このような理由から、日本文化に魅力され、日本で愛を誓い合うカップルは増えています。

日本ならではの「景色」が魅力に

インバウンド婚を望む外国人は、日本ならではの景色を求めて来日します。清水寺などの神社仏閣だけでなく、深緑の林や雪に覆われた山など、日本の豊かな自然を求めているのです。

日本人はあまり注目することがない、ありふれた海岸や雪山も名所となりえます。田舎では手つかずの自然が日本の原風景として残っており、外国人にとっては新鮮で大きな魅力を感じるからです。

だからこそ、インバウンド婚は地方・田舎に新たなビジネスチャンスをもたらす可能性があります。今まで日本人観光客向けだった田舎の温泉街や観光地も、このインバウンド婚の流行により生まれ変わることができるかもしれません。

インバウンド婚対応の取り組みを紹介

旅行会社やウェディング業界、そして地方自治体などが既にインバウンド婚に注目し、さまざまな取り組みを行っています。地域の活性化における大きな役割を担ってくれることを期待しているのです。

ここでは、その取り組みの一例をご紹介します。

8組に1組が外国人の「上賀茂神社」挙式

京都にある「上賀茂神社」は、広大な敷地が全てユネスコ世界文化遺産に登録されている、歴史ある神社です。年間800組の神前結婚式が行われていますが、このうち約100組はカップルのどちらかが外国人となっています。

上賀茂神社が外国人の結婚式場に選ばれる理由は、日本人がハワイで結婚式を挙げる感覚に似ているのでしょう。憧れの国の憧れの施設で、特別なセレモニーを行いたいのは国が違っても同じようです。また、同神社では2016年に「婚礼部」を設け、写真撮影などの外国人対応のサービスを行っています。このような柔軟な対応も外国人に好評です。

このインバウンド婚の波に乗ろうと、京都市は市内で結婚式を挙げる外国人カップルに市長の署名入りの「結婚証明書」を贈る取り組みを行っています。市のこうしたサービスも好評で、平成27年度以降の約3年間で、69組のカップルがこの証明書を受け取ったということです。

外国語対応のウェディングプランも増えている

京都では外国語対応の結婚式場も増えています。これらの結婚式場のなかには歴史ある結婚式場「平安神宮会館」も含まれ、日本伝統の和婚に憧れる外国人のインバウンド婚の受け皿になっています。

また、2022年にはディスティネーションウェディング(旅行を兼ねた結婚式)を主な事業とする「株式会社LANDRESS」が設立され、日中英3か国語に対応した結婚式の手助けをしてくれます。同社の提案するウェディングは、日本らしい多神教(無宗教)の考え方や、自然と融合してきた日本の伝統文化を活かした結婚式です。

このような自然との共生を目指した日本の伝統文化は、地方や田舎にこそ残っています。つまり、京都のような有名観光地ではなくとも、インバウンド婚の名スポットになれる可能性を秘めているのです。

地方を「インバウンド婚スポット」にするためには?

親族や友人などを招いてインバウンド婚をする場合、その地域への経済効果は見逃せないものがあります。普段観光客が少ない地方や地域でもインバウンド婚・和婚のウェディングプランを計画することで、インバウンド婚の名スポットになることができるのです。

しかし、ただ待っているではそうはなりません。外国人は何を求めて日本でのインバウンド婚を行うのか、また地元の自然を活かして日常から切り離された特別感のある情景をどうやって作るのか、そしてどのようなウェディングプランが魅力的なのか。外国で挙式する人の視線に立って考える必要があります。

では、地方がインバウンド婚の名スポットとなるには、具体的に何が必要なのでしょうか。

外国語対応サービスの導入

まず必要なのは、外国語に対応したサービスを充実させることです。外国人にとって、言葉が通じないのは非常に不安なことです。

そもそも多言語対応したインバウンド婚の紹介サイトがないと、入り口にすら立ってくれません。そして不安を払拭するためには、結婚式のサポートを外国語も話せるスタッフが行ったり、打ち合わせを外国語で行ったりすることが必要です。

「日本らしさ」を感じるフォトスポットを

外国人の目線で、日本の地方に求めているものを調査するのも大切なことです。

日本人の、そして地元の人の目線では見逃していることもあります。新たな視点を持って見直すことが必要です。場所そのものはもちろんのこと、特定の季節にしか現れない景色、たとえば秋に見られる黄金の田んぼなどを求めているかもしれません。

日本人には意外に思える場所に魅力を感じるケースも多いので、「外国人が日本に何を求めているのか」を調査することで、アピールポイントを見つけていく必要があります。

SNSを活用して世界に発信

SNSが世界的に流行している現代、利用しない手はありません。特にInstagramなど、写真を主に投稿するSNSを活用することで、「日本で挙式をしたい」と意欲を高めることができます。

現在、フォトウェディングのトレンドは自然の中で撮影したものとなっています。日本の彩豊かな自然は外国人から見ても別世界を感じさせ、魅力的に見えるものです。これらの写真をSNSに投稿することで集客につながります。

ただし、「#(タグ)」の使い方や多言語対応の投稿をするなどして、外国人の目にも留まるように工夫することが必要です。

まとめ

インバウンド婚や和婚の名所は、京都や東京だけではありません。日本伝統の文化である「自然と共生」している地方も、名スポットになりえます。これから外国人観光客に訪問してもらいたいと考えている地方自治体にとって、この新たなトレンドに対応していくことは地域活性化の一因になるでしょう。地域の魅力を再発見し、外国人へインバウンド婚をアピールしてはいかがでしょうか。

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